公開日:2019.12.9  更新日:2020.12.22

自己破産のメリット・デメリットと誤解される点を解説|破産後の生活へ与える影響

弁護士法人アクロピース
佐々木 一夫
監修記事
Jikohasan toha
「自己破産」が得意な弁護士に相談して悩みを解決
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自己破産には借金を無くせるというメリットもある一方で、デメリットもあります。

ただし、「財産を一切残せない」「自己破産すると会社にバレる」といった誤解をしている方も少なくありません。

この記事では、自己破産を行なう前に絶対に知っておきたいメリット・デメリットや誤解されやすい点、自己破産を選択すべき判断基準、自己破産以外の債務整理などについて解説します。

自己破産のデメリットなどを

気にされている方へ

自己破産は、世間的にネガティブなイメージが根強いため、借金がどうにもならない方にとって根本的な借金解決方法の一つであるにも関わらず、活用されないことも多いです。


しかし、下記でお伝えする「自己破産にまつわる誤解」を解けば、自分が考えているよりも許容できる内容かもしれません。


また、自己破産をするにあたり、弁護士・司法書士へ依頼することは、以下のようなメリットがあります。

  1. 業者との関係を断ち切れて安心した生活が送れる
  2. 催促・取り立てを最短即日で止められて不安な日々を脱却できる
  3. 面倒な手続きを一任できてラク
  4. 最善の方法で進めてもらえるので、自己破産にかかる費用や期間を抑えることができる

自己破産は人生再スタートのきっかけです。ひとりで悩まず、まずは相談してみましょう。

絶対に知っておくべき自己破産のデメリット

ブラックリストに登録されて一定期間、借入ができなくなる

自己破産を行うと、個人信用情報機関のブラックリストに名前が登録されます。

ブラックリストから名前が削除されるまでに5~10年程度はかかるため、その間はクレジットカードの利用や新たな借金、ローンを組むことができません。

自宅や車を含め、価値のある財産は手元に残せない

自己破産をする多くの人が同時廃止の手続きにおいて、免責をしてもらうのが一般的です。

しかし所有する貯金や所有物が債権者に配当されるべき財産と見なされた場合、管財事件となり換価・処分されるため原則としてこれらの財産を手元に残しておくことはできません。

これは自己破産の大きなデメリットと言えるでしょう。

東京地方裁判所の取扱いとして、債権者に配当されるべき財産と見なされ、管財事件となる例としましては以下の物が挙げられます。

  • 所持する現金が99万円を超える場合
  • 預貯金残高が20万を超える場合
  • 不動産(ローン残高が評価額の1.5倍に満たない場合)
  • 退職金(見込み額が160万円を超えた場合)
  • 保険の解約返戻金が20万円を超える場合

20万円を超える貯金に関しては、現金が99万円に満たないのであれば、引き出して20万円以下にしておくことも有用ですが、申立て直前に引き出した現金は預金として扱われる可能性が高いので注意が必要です。

また配当されるべき財産として見なされる基準は裁判所によって異なります。

以上が、絶対知っておくべき自己破産に関するデメリットとなります。

反対に、これらのデメリットが許容できる方であれば、自己破産は現状の借金問題を解決できる優れた法的手段です。

破産手続き中は就ける職業に制限がかかる

破産の手続きが始まると、免責許可の決定が確定するまでの間、以下の職業につけません。

  • 弁護士、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士などの士業
  • 質屋、古物商
  • 生命保険外交員
  • 宅地建物取引主任者
  • 警備員

もっとも、以下の場合には当然に復権し、資格制限はなくなります。

  • 免責許可の決定が確定したとき
  • 破産債権者の同意に基づき、破産廃止が決定されたとき
  • 破産手続開始の決定後、破産者が詐欺破産罪について有罪の確定判決を受けることなく10年が経過したとき

この期間の仕事をどうするかが問題ですが、免責が決まれば上記の職に復職することは可能です。

このほか、破産者が弁済などの方法によって破産債権者に対する全債務の責任を免れたときは、破産者の申し立てにより、裁判所が復権を決定することで、資格制限はなくなります。

官報に掲載される

現在は自己破産をすると必ず破産者名簿に掲載されるということはなく、免責許可の決定がなされなかった場合にのみ破産者名簿に掲載されます。

破産者名簿は第三者が勝手に見ることはできませんので、破産者名簿を通じて第三者に破産したことが知られることはありません。

また、破産手続開始決定後は官報という国が発行している冊子に掲載されますが、一般人が官報を定期的にチェックしていることは通常ありませんので、官報を通じて破産したことを知られる可能性も事実上低いといえます。

保証人に影響がある

自己破産は、あくまでも破産者自身の支払い義務がなくなるだけで、保証人の支払い義務は消えません。

自己破産をした場合、破産者から債権を回収できなくなった債権者は、代わりに保証人・連帯保証人に一括で保証債務の履行請求をするのが一般的です。

ただし、債権者との交渉によっては、分割払いに応じてくれる余地もあることを覚えておいてください。

自己破産にまつわる誤解

自己破産について世間一般的な誤解があります。一部では以下のようなことも自己破産のデメリットとして言われていますが、単なる誤解であるとここで言い切ります。

家族へ迷惑がかかるか

自己破産をすると家族に迷惑がかかるということはあるのでしょうか。

「家族に迷惑がかかる」という意味ごとに考えてみましょう。

まず、本人の債務を家族が支払う義務が生じる、という意味で「家族に迷惑がかかるか?」ということであれば、迷惑はかかりません。

債務は基本的に債務の名義人のみ支払義務を負うものであり、名義人の家族であるという理由のみで当然に家族に支払義務が生じることは原則としてありません。

そのため、まっとうな貸金業者であれば、返済義務のない家族に対して取立てを行うことはありません(貸金業者によるこのような行為は貸金業法21条に違反する違法行為です。)。

また、「迷惑がかかる」という意味が、「ブラックリストや資格制限について発生するか?」という意味で考えるならば、こちらも影響はありません。

自己破産した場合にブラックリストに入るのはあくまで破産者本人に限られますし、破産に伴う資格制限もあくまで破産者に限り適用されます。したがって、家族には直接の影響はありません。

もっとも、本人名義の債務について家族が(連帯)保証人となっている場合は、家族も当該借金について保証契約の範囲内で支払義務を負います。

この場合は本人が支払えないような場合に家族が保証債務の履行を求められることは当然あります。

また、家族が本人名義の債務について保有資産を抵当に入れていれば、抵当権が実行されて資産を失うということも当然あり得ます。

勤務先などに知られてしまうか

自己破産をした事実が勤務先など、周囲に知られてしまうという危険はあるのでしょうか。

まず、自己破産をすると戸籍に破産の事実が記載されると考える人が居るようですが、誤解です。

戸籍に破産の事実が表示されることはありません。

また、破産したことが、自宅や職場に通告されるということも当然にはありません(もっとも、勤務先から何らかの借入れをしている場合には、勤務先も債権者として受任通知を出さなければいけません。)。

なお、破産者は官報で氏名・住所を公表することとされていますので、官報を定期的にチェックしている人には破産の事実が知られてしまう可能性は否定できません。

しかし、日常的にこのようなチェックをしている人は極めて限定的であるため、あまり心配する必要はありません。

勤務先から解雇されるか

自己破産をすると、勤務先から解雇されると勘違いしている人がいますが、自己破産を理由に勤務先から直ちに解雇されることはありません。

そもそも、勤務先から借入れ等をしていない限り、自己破産したことが会社に伝わることすらないでしょう。

万が一勤務先が破産の事実を知ったとしても、直ちに従業員を解雇する正当な理由があることにはなりません。

税金や養育費も免除されるか

免責の許可がおりたからといって全ての支払いの義務がなくなるわけではありません。

裁判所から許可がおりてもなお、支払いの義務が残る債権のことを非免責債権と呼びます。非免責債権の一覧は以下の通りです。

  • 滞納している年金、健康保険、住民税などの税金
  • 損害賠償請求権※1
  • 婚姻費用※2、養育費
  • 破産者が故意に債権者一覧に載せなかった借金
  • 滞納している税金や罰金

※1 損害賠償請求権:悪意で加えた不法行為に基づくもの、故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づくものに限る。

※2 婚姻費用:結婚生活を営むための費用であり別居中であれ収入の多い方が配偶者へ支払う義務がある

選挙権を失うか

選挙権は、18歳以上の日本国民に誰にでも平等に与えられた権利です。

そのため自己破産の有無は関係なく、選挙権がなくなることはありません。

また自己破産しても選挙に立候補することもでき、当選すれば議員になることも可能です。

海外旅行に行けなくなるか

自己破産をしても海外旅行に行くことはできます。

パスポートに自己破産の情報が記載されることがないうえ、出入国の審査の際に自己破産について問われることはありません。

ただし、破産手続きを進めている最中は、所在地を離れるために許可が必要になるため、その期間は海外旅行に行くのは難しいでしょう。

賃貸や携帯電話の契約ができなくなるか

自己破産をしたことで、賃貸の契約ができなくなることは基本的にありません。

しかし、ブラックリストに登録されている間は、保証会社の審査に通らないことがあります。

また、割賦購入した本体代金や滞納した通話料金を免責の対象とした場合には契約を解除されます。

ただし、他の携帯会社と契約することや、携帯端末を一括で購入することは可能ですので、携帯電話を使えなくなるということはありません。

一生住宅ローンが組めなくなるか

自己破産をすると一生住宅ローンが組めなくなると考えている人もいるようですが、これも誤解です。

自己破産した場合、破産者について金融事故があった旨がブラックリストに登録されますので、登録期間中は住宅ローンを含む金融機関とのローン取引が難しくなることは事実です。

しかし、この信用情報の登録は概ね5~10年程度で消えるといわれています。

そのため、この期間が経過すれば、自己破産した経験があっても住宅ローン等を組むことは不可能ではありません。

保険契約ができなくなるか

保険契約は掛け捨てと積立の保険がありますが、特に積立保険については金融商品としての性質もあります。

そのため、ブラックリストに掲載されると保険契約ができなくなるのではという心配はあるかもしれません。

しかし、いずれの保険も経済的信用力に重きを置く取引ではないので、あまり影響はないとされています。

年金や生活保護が受けられなくなるか

自己破産をしたことで年金や生活保護を受けられなくなることはありません。

なお、生活保護により受給した金銭を債務の弁済に充てる行為は認められていませんので、その点は注意しましょう。

自己破産すべきかの判断基準

それでは、実際に自己破産をすべきかどうかの判断基準を見てみましょう。借金を解決する方法は自己破産だけではありません。

ご自身の状況と照らし合わせてみて、自己破産すべきではないと判断したら他の方法も検討しましょう。

自己破産をする条件

自己破産の条件には、主に「返済ができないこと」「免責不許可事由に該当しないこと」の2つがあります。

返済ができないこと

自己破産は、免責する債権における債権者にとって最も不利益の大きい債務整理であるため、返済が不可能であること(支払不能)が条件になっています。

まず、破産手続きの申立が裁判所から受理されなければ、自己破産の手続き自体を行うことができません。

破産手続きの申立が受理されない場合とは、申立人の所得水準、資産を元に、任意整理をすれば容易に返済が可能になるなど、他の借金解決方法で、申立人が借金問題を解決できると判断された場合です。

免責不許可事由に該当しないこと

では、借金を免除(免責)するのに相応しくない場合とは、どのような時でしょうか。

一般的に自己破産において借金が免除されない理由のことを免責不許可事由と呼びますが、借金を作った原因がギャンブル、風俗であるなど、債務を免責させるにふさわしくないと考えられる事情がある場合に免責不許可事由があると判断されます。

以下の例に該当している場合、債務が免責されないかもしれません。

  • 意図的に財産を隠したり、不動産の名義を変えたりするなどの行為
  • 換金行為(クレジットカードで購入した商品を現金に換える行為)
  • 一部の債権者にだけ返済
  • ギャンブルやショッピングなどの浪費
  • 収入や負債額を偽り、借り入れを行った場合(破産申し立て前から1年以内)
  • 債権者を故意に隠していた
  • 裁判所への嘘の供述
  • 過去の免責申し立てから7年経過していない
  • 裁判所などが行う調査へ非協力的な行為

傾向としては、債権者側の権利を最低限保護するためにあると思います。

やはり免責が通ることで、免除された借金は債権者側には不利な要素が大きいです。

自己破産では現金であれば99万円まで残すことができるのですが、自己破産をする人の中にはどうせカードローンが免除されるのであれば、手続きの前にカードで購入して換金することで現金を残した方が得だと考える人がいます。

しかしながら、その手の換金行為は、債権者側(カード会社)にとって不利益であるため、換金行為は免責不許可事由に該当します。

自己破産のメリット

ここまで自己破産に関するデメリットを挙げてきましたが、自己破産のメリットも見てみましょう。

自己破産を行う場合のメリットは、例えば以下のものがあります。

債権者の取り立てから解放される

多重債務者の中には貸金業者からの取り立てをストレスに感じている人は多いかと思います。

自己破産の手続きを弁護士に依頼すると、弁護士は債権者に受任通知を送付します。

この受任通知の送付後は、貸金業者等の債権者は債務者への直接の取立て行為(電話・FAX・訪問等)や督促が禁止されます。

そのため、債務者本人に貸金業者等の債権者からの取り立ての連絡がくることはなくなります。

受任通知が債権者へ送付された後は、債権者との直接のやり取りは弁護士が行ってくれますので、精神的な負担は大きく軽減されるでしょう。

また、弁護士に依頼することで自己破産手続き利用時の裁判所へ納める費用が安くなる可能性もあります。

詳細は、以下の記事をご参考にしてください。

参考:自己破産の弁護士費用の相場は?払えない場合に安くする方法とは

借金がなくなる

自己破産の最大のメリットは、自己破産によって借金がなくなることです。

免責手続きにおいて裁判所から免責を許可してもらうと、債権者は給料の差し押さえや、取りたてができなくなり、あなたは借金(債務)を支払わなくて済むことになります。

そして、破産者は今までの債務から解放され、新たな社会生活のスタートを行うことができます。

この特徴は自己破産の最大のメリットと言えるでしょう。

借金でどうしようもできない状況に陥り、債務者が夜逃げや自殺などの最悪な判断をしてしまわない為にも自己破産の制度があります。

ただし、上記の「税金や養育費も免除されるか」の項目で記載した、免責が認められたとしても返済の義務が残る債務(非免責債権)もありますので、ご注意ください。

ある程度の財産は残すことができる

自己破産ではデメリットとして財産が手元に残せなくなることが挙げられます。

しかし、自己破産の手続きが完了した後でも、その後の生活をしていくのにも、ある程度の財産が必要になります。

そのため、生活をしていくのに必要な範囲で財産を残すことが認められています。

具体的には、『自由財産』と呼ばれるものになります。一定の財産については、債権者に分配されず、自分の手元に残すことができるというものです。

自己破産によって住む場所も、今後の生活費も何もかも奪われるということは誤解で、最低限生活していけるだけの財産は残すことができるので安心してください。

自由財産には、以下のようなものがあります。

①破産手続開始後に新たに取得した財産

  • 破産手続開始後に発生した給料等

②差押えが禁止された財産

ア差押禁止動産

  • 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用品、畳及び建具
  • 債務者等の1ヶ月間の生活に必要な食料・燃料
  • 農業・漁業従事者の農機具・漁具 など

イ差押禁止債権

  • 給料(給料から税金等を控除した金額の4分の3相当の金額。ただし、手取り金額が44万円を超える場合、33万円だけが差押禁止債権となります。)

なお、破産手続開始決定時に発生している給料が対象になりますので、破産手続開始決定後に発生する給料は上記①の新たに取得した財産となるため全額手元に残すことができます。

詳細については、下記の記事をご参照ください。

参考:自己破産をしたら退職金はどうなってしまうのか?

ウ特別法上の差押禁止債権

  • 生活保護を受け取る権利
  • 年金を受け取る権利

③99万円までの現金

④自由財産拡張が認められた財産

現金や差押禁止財産等の法律で定められた自由財産以外の財産についても自由財産の範囲を拡張できる場合があります。

裁判所が、破産者の様々な事情を考慮して判断します。

この自由財産の拡張により、預金・生命保険・自動車などの財産が残せる場合があります。

弁護士に相談、利用することで自由財産の拡張が認められる可能性も広がります。

⑤破産管財人が破産財団から放棄した財産

自己破産以外の債務整理も検討する

自己破産以外にも債務整理手段はあります。自己破産の検討にあわせて、下記の手段も事前に検討しましょう。

過払い金請求

もし借入れをしていた貸金業者やカード会社との取引が、2010年ころより以前から続いている場合に、過剰な利率で貸し付けを過払金が発生している場合があります。

たとえまだ完済していなくとも、利息制限法に定められた利率で計算し直せば、借金はおろか、取引業者に対して過払金の返還を請求できる可能性もあり、返還を受けた過払金を他の債権者への返済に充てることで、債務の金額を減らせる場合もあります。

任意整理

任意整理とは、債権者との話し合い(交渉)によって利息のカットや月の返済額・返済回数を調整してもらい、月々の借金返済の負担を軽減させるものです。

裁判所を介さずに行う手続きのため、必要な書類の収集の負担がなく、自己破産や個人再生を行う場合に比べてかかる費用の負担も少なくなることが多いです。

債権者との交渉は、弁護士や司法書士が代わりに行ってくれます。

多額の借金があり、返済の目処が立っていない方は、難しい内容ですが、5年以内での返済の目処が立つようでしたら、デメリットの少ない任意整理を検討してみる余地はあります。

【関連記事】

任意整理のデメリットとメリットの正しい知識まとめ

任意整理のデメリットとメリットを徹底比較検証!

個人再生

個人再生は、自己破産と同じように裁判所に申し立てを行いますが、自己破産のようにすべての債務を免除してはもらえません。

任意整理のように債務を長期の分割払いにしてもらうという制度ですが、利息だけでなく元金も減額できるという点に違いがあります。

この手続きの利用が主に想定されるのは、どうしても持ち家を手放したくない場合です。

住宅ローンの額や持ち家の評価額次第ですが、検討するに値する手続きです。

自己破産すべき人

ここまで解説したメリット・デメリットを踏まえ、次のような人は自己破産を検討すべきと言えます。

財産がほとんどない人

自己破産のデメリットでも非常に影響が考えられる、高額な財産が手元に残せないという点ですが、そのような財産がない場合、自己破産をしてもデメリットはほとんどないといえます。

返済の目途がたたない人

今後借金返済の目処が立たない方は、他の債務整理の方法を取ってみても、債権者や裁判所からその方法を採ることが認められないことが十分に考えられるでしょう。

返済条件が緩和されても実際に返済できるか分からないような状況では、任意整理や個人再生の手続きを採っても、いずれ返済が滞ってしまうことが目に見えています。

自己破産手続きの流れ

自己破産手続きについて、弁護士・司法書士に相談から解決までの流れを解説します。

弁護士・司法書士に相談

自己破産手続きをする若しくは検討している場合、まずは債務整理を得意とする弁護士・司法書士に相談をしましょう。

もちろん、自分で自己破産の申立てを行うことは可能ですが、法律上の知識や経験が必要となる場面が少なくありません。

そのため、自己破産手続きをする場合は、債務整理を得意とする弁護士・司法書士へ相談することが第一のステップとなります。

なお突然事務所に行っても相談に応じてもらえることはまずありませんので、必ず事前に事務所に電話・メール・ホームページの申し込みフォームから相談予約をしましょう。

自己破産手続きを依頼〜破産手続き開始まで

※弁護士費用を分割で支払う場合、支払が完了してから申し立てることが多いです。

そのため、費用の支払いが完了しないうちは申立てには至らないこともあるので、以下の期間は、あくまでも手続きそのものにかかる期間の目安であることに注意してください。

自己破産手続きを依頼する(期間の目安:1週間程度)

専門家への相談の結果、信頼できる相手であると思うのであれば、自己破産手続きについて依頼しましょう。

なお弁護士は代理人として受任可能ですが、司法書士の場合は裁判所へ提出する書類の作成代行は可能なものの代理人にはなれません。

そのため弁護士と司法書士とでサポート体制に差がある点は注意が必要です。

また、依頼する際には着手金がどの程度かかるのか、報酬金がどの程度かかるのか等最終的にどの程度の費用がかかるのかについてきちんと確認しましょう。

受任通知の送付(期間の目安:即日)

前述のとおり弁護士に自己破産手続きを依頼すると、債権者に受任通知が送付されます。

そして受任通知が送付された後は、基本的には、債権者が債務者に直接借金の取り立て・請求をすることはありません。

申立てに必要な書類の準備(期間の目安:3カ月)

次に、自己破産の申立てに必要な書類を準備しましょう。主な必要書類は次の通りです。

  • 破産手続開始及び免責申立書【ダウンロード
  • 陳述書【ダウンロード
  • 債権者一覧表【ダウンロード
  • 資産目録【ダウンロード
  • 家計の状況【ダウンロード
  • 住民票(本籍が省略されていないもの)
  • 戸籍謄本
  • 給与明細書の写し
  • 源泉徴収票の写し
  • 市民税・県民税課税証明書
  • 預金通帳の写し
  • 賃貸契約書の写し
  • 不動産登記簿謄本
  • 退職金を証明する書面
  • 車検証の写し
  • 自動車の査定書
  • 保険証券の写し
  • 保険解約返戻金証明書
  • 年金等の受給証明書の写し など

上記書類は必要最低限のものであると理解しておいてください。

あなたの資産状況を示すものはすべて必要になります。管轄の裁判所によって、求められる書類も変わってきます。

また、弁護士に依頼していれば、基本的には弁護士が必要書類を作成してくれます。

あなたは、弁護士の指示に従って資料を集めるだけで問題ありません。

破産手続きの申立て(期間の目安:即日)

必要書類が揃ったら、あなたの所在地を管轄する裁判所に申し立て書類を提出します。

所在地とは、住民票があるところではなく、実際にあなたが住んでいる場所を意味していますので注意してください。

裁判所での面接(破産の審尋)と破産手続きの開始(期間の目安:2週間程度)

申立て書を提出したあとは、裁判官と弁護士、そしてあなたの3人で面接を行います。

この面接では、資産や借金額、そして借金の返済が困難になってしまった経緯などの事情を説明します。

なお、東京地方裁判所は、最初に裁判官と弁護士の2人で面接を行う、即日面接という他の地方裁判所には見られない運用が取られています。

この面談を経て、少額管財と同時廃止どちらになるか決まるほか、破産手続きの開始決定が行われます。

破産手続きの開始決定以降は、少額管財のケースと同時廃止のケースで流れが異なりますので、それぞれで手続きを確認しましょう。

管財事件の手続きの流れ

少額管財となる場合

次にあげるような事情がある場合には、少額管財になります。

  • 一定以上の財産がある場合
  • 個人事業主である場合
  • 破産手続きに納得していない個人債権者がいる場合
  • 免責不許可事由がある場合

なお少額管財とは別に、特定管財(普通管財)となる場合もありますが、例えば下記のような事情に該当しない規模の事件であれば通常は少額管財となります。そのため、個人の自己破産手続きの多くは少額管財となるでしょう。

  • 債権者数が300名以上など非常に多数の場合
  • 債権者との間で多くの紛争が生じているまたは生じる可能性がある場合
  • 報道されているなど社会的な関心が高い事件又はその関連事件である場合
  • 学校法人・医療法人など特殊な法人が破産者である場合
  • 牽連破産事件
  • 本人申立て(弁護士代理人のいない申立て)事件
  • その他逐一裁判官の監督や判断が必要となる問題がある場合

破産管財人との面接(期間の目安:即日)

破産手続きが開始されるのと同時に、破産管財人が選任されます。

そして破産手続き開始の1~2週間後に、管財人の事務所において管財人面接が行わることがあります。

面接では、借金の内容や理由のほか、財産の内訳や収支などについて聞かれます。基本的には管財人から質問された内容について正直に回答すれば問題ありません。

破産管財人による換価処分(期間の目安:3カ月程度)

面接後、破産管財人が換価処分を行います。財産を現金化して、債権者に平等に配当します。

債権者集会(期間の目安:即日)

破産手続き開始から3ヶ月程度で債権者集会が開かれます。

債権者集会は債権者の意見を聴くというのが主なテーマです。

ただし、個人の破産の場合は特別な事情がない限り債権者は出席しないことが多いです。

債権者集会では、破産管財人から事件の概要や、財産・収支の報告と免責についての意見陳述が行われます。とくに問題がなければ5分程度で終わります。

この時点で、破産管財人による財産換価が全て終了していれば、債権者集会は1回で終了します。破産管財人に残務があれば、再度債権者集会の期日を設定します。

免責審尋(期間の目安:即日)

免責審尋は、裁判官があなたと面談をして、免責つまり借金をなくしてもよいかを確認する手続です。

もっとも、実際には破産管財人が免責に関する意見を述べる程度で終了します。

免責審尋は、債権者集会が終了すると、引き続いてすぐに実施されます。

同時廃止の手続きの流れ(期間の目安:2週間程度)

管財事件となる事情がないときには、同時廃止の手続きになります。

同時廃止は、破産手続き開始と同時に手続きを終了させる手続で、管財人による調査や財産処分などを行いません。

同時廃止では、同時廃止決定がされた際に、免責審尋の日程が決まります。

免責許可決定(期間の目安:2カ月程度)

免責審尋から約1週間程度で、裁判所から「免責許可決定」が出され、借金の返済を裁判所が免除されることになります。

免責許可決定日から約1か月後、免責許可決定が確定します。免責許可決定が確定すれば、借金を返済する必要はなくなります。

少額管財であれば早くて6ヶ月程度、同時廃止であれば6ヶ月~1年程度が、弁護士への依頼から免責許可決定までのおおよその目安です。

【関連記事】

自己破産で免責許可を得る為の条件と知っておくべき対策

まとめ

自己破産は、借金の返済義務から免れることができる一方、デメリットもあります。

しかし、今回お伝えしたようなデメリットを許容できるのであれば、あなたの借金問題を根本から解決してくれる法的手段でもあるのです。

現在、多額の負債を抱えている方で自己破産を検討されている方は、今回の記事を参考にしていただけたら幸いです。

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この記事の監修者
弁護士法人アクロピース
佐々木 一夫 (東京弁護士会)
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編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。