自己破産が失敗する11のケースと失敗を回避する方法のまとめ

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自己破産をすると基本的に借金は全額免除されますが、破産手続きをとること自体が認められない場合や、破産に至る原因や債務の性質などによって免責が認められない場合があります。

自己破産により免責が認められる条件は、次のとおりです。

  1. 予納金の納付ができること
  2. 支払不能の状態にあること
  3. 免責不許可事由に当たらないこと
  4. 非免責債権ではないこと

この記事では、自己破産の条件や失敗する原因などについて解説します。

【新型コロナ】債務減免の特例が適用される予定です

新型コロナウイルスの影響で借金の返済ができなくなった人に適用される、借金の減免措置の特例が2020年12月から始まる予定です。自己破産などの法的手続きを取らずに生活再建できる可能性があるので、続報に注目しましょう。

参考:債務減免の特例、12月から適用 差し押さえせず生活再建、金融庁|Yahoo! JAPANニュース(共同通信)

自己破産に関する不安を

すべて失くしたい方へ

自己破産を失敗するケースの多くは、書類の不備や、免責不許可事由を知らずに行ってしまったなど、あらかじめ知識があれば回避できるものが多くあります

このような些細なことで、自己破産を失敗しないためにも、検討段階から自己破産に詳しい弁護士や司法書士に相談しましょう。

失敗しないだけではなく、以下のようなメリットもあります。

  1. 免責が認められやすくなる
  2. 申立てやその後の手続きを依頼できる
  3. 自己破産の手続き期間を短縮できる
  4. 裁判所へ行く回数が減る
  5. 裁判官との面談に同席してもらうことができる

借金問題で後ろめたい気持ちになる必要はありません。費用や支払い方法の不安もお聞きしますので、お気軽にご相談ください。

目次

自己破産ができる4つの条件

まずは、自己破産ができる条件を確認しておきましょう。

【関連記事】自己破産で免責許可を得る為の条件と知っておくべき対策

予納金の納付ができること

自己破産をする場合、裁判所に予納金を納付しなければなりません。

破産手続きには様々な費用が掛かりますから、それを充当するために利用されます。

予納金として納めるものに次のようなものがあります。

  • 手数料
  • 官報広告費
  • 予納郵券
  • 引継予納金

上記のうち、高額となるのは引継予納金です。

金額は同時廃止事件と少額管財事件によって異なり、同時廃事件は3万円程度、少額管財事件の場合は20万円程度が必要です。

支払不能の状態にあること

破産法では、自己破産手続きの開始が認められるには支払不能の状態であることが定められています(破産法15条)。

支払不能とは、「債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態」のことです(破産法2条11項)。

支払不能の状態であるかどうかは、借金総額や借金内容、資産額、収支の状況などを考慮して、裁判所によって判断されます。

免責不許可事由に当たらないこと

免責とは借金の支払い義務を免除してもらうことをいいますが、免責が認められないようなケースが破産法の252条に定められています。

これを免責不許可事由といいます。

免責不許可事由の具体例として次のようなものが挙げられます。

  • 破産申立人が債権者を害する目的で破産財団の価値を不当に減少させた場合
  • 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担した又は信用取引により商品を購入して著しく不利益な条件で処分した場合
  • 特定の債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、特定の債権者に担保を提供し、又は弁済した場合
  • 浪費・ギャンブル等により著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担した場合
  • 以前の免責から7年を経過していない場合
  • その他破産法で定める義務に違反したこと

参考:破産法252条

なお、上記の免責不許可事由に該当しても、免責が認められるケースもあります。

これは裁量免責といって、あなたの状況を総合的に考慮して、裁判所が免責を許可してくれるのです。

たとえば、ギャンブルや浪費などで借金が増えたとしても、本人が十分に反省しており、自己破産が初回である場合などは免責が認められるケースがあります。

非免責債権ではないこと

非免責債権とは、裁判所から免責許可を受けても支払い義務が免除されないものをいいます。

つまり、非免責債権に該当するものは免責されませんので、自己破産をしても支払わなければなりません。

非免責債権としては、次のようなものが挙げられます。

  • 税金や国民健康保険料など
  • 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償
  • 故意または重過失により加えた生命・身体を害する不法行為に基づく損害賠償
  • 養育費
  • 個人事業主の従業員の給料
  • 意図的に債権者一覧に記載しなかった債権者に対する債務
  • 罰金 など

参考:破産法253条

自己破産が失敗する11のケース

ここでは、4つの要件に当てはまらず、自己破産が失敗に終わるケースをご紹介します。

1. デメリットを理解しないまま自己破産をした場合

自己破産をすると借金が免除される一方で、以下のデメリットが発生します。

  • 手続きの間、弁護士、司法書士、警備員、会計士などの職に就けない
  • 自己破産後、5~10年はクレジットカードやキャッシングサービスの利用が難しくなる
  • 持ち家を没収される(持ち家を残したまま借金を整理する方法は「個人再生【住宅を残したい場合】」で解説)
  • 保証人に借金の返済義務が移る

後悔しないためにも、自己破産をするデメリットについて事前に把握しておきましょう。

【関連記事】

自己破産をする4つのデメリットと破産者の生活へ与える影響

2. 裁判所から支払不能と認められない場合

そもそもの借金が少額であり、債務者において返済不能であると認められない場合は裁判所が破産開始決定を行わず、自己破産手続を進めることはできません。

一方で、無収入の場合には支払不能要件を満たす場合が多いと思われますので、自己破産手続の利用はむしろ推奨されます。

1 債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。

2 債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。

引用:破産法15条

破産法によると、支払不能を『債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態』と定義しています。

明確な基準はないですが、一つの目安として利息を免除しても(元本だけで)3年以内で完済できない場合という考え方があります。

※まとめると以下の2点を満たす場合に支払不能と見なされる可能性が高くなります。

  • 借金の支払期限が過ぎている
  • 利息免除しても3年以内で完済できない

この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。

引用:破産法2条

支払不能と見なされる例

借金360万円、1か月の返済に回せる金額6万円

毎月、10万円(=360万円÷36ヶ月)の返済は現実的ではないため支払不能と見なされる可能性が高い。

借金150万円、生活保護の受給者

保護費を借金の返済に充てることは認められていないため、支払不能と見なされる可能性が高い

【関連記事】

生活保護受給者も自己破産は可能|費用を抑えた手続き方法とは

支払不能と見なされない例

借金108万円、1か月の返済に回せる金額6万円

月3万円ずつ返済すれば3年(3万円×36ヶ月=108万円)で完済できる。

借金360万円、1か月の返済に回せる金額20万円

月10万円ずつ返済すれば3年(10万円×36ヶ月=360万円)で完済できる。

3. 予納金が納められなかった場合

自己破産をするためには、裁判所に予納金(1万~50万円)を納める必要があるため、予納金が用意できないと手続きは開始できません。

第三十条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。

一 破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。

二 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。

2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。

引用:破産法30条

裁判所費用が用意できない時の対処方法については「裁判所へ相談する【申立費用が足りない場合】」にて解説します。

4. 借金の原因が浪費・ギャンブル・投資の場合【免責不許可事由】

借金を作った原因が浪費やギャンブル、投資の場合、免責不許可事由(※1)があると評価され、借金が免除されない可能性があります。

しかし、免責不許可事由に該当する場合でも、裁判所は裁量で免責許可を出せるので、必ずしも免責されないということではありません。

免責不許可事由に該当する事由は以下のようなものがあります。

※1免責不許可事由

(借金の免除が認められない事由)一覧》

・浪費・ギャンブル・投資が理由で借金をした

・意図的に財産を隠ぺいした

・換金行為をした

・申立から1年以内に詐欺的な借入を行っていた

・特定の債権者にだけ返済した

・過去7年以内に自己破産をしていた

・裁判所へ嘘の供述をした

5. 意図的に財産を隠した場合

自己破産をすると、不動産や車など換金価値(20万円超)のある所有財産は換価処分されます。

そのため、不動産や車など高価な財産の名義人の変更を検討される方もいると思いますが、財産の隠ぺいは、免責不許可事由に該当します。

6. 換金行為した場合

自己破産で借金が免除されるのをいいことに、クレジットカードで購入した商品を現金に換える行為も、免責不許可事由に該当します。

中には申立費用が足らず、換金行為を行う方もいると思いますが、申立費用が足らない場合の対処方法については「自己破産を失敗しないために必要なこと」にて解説します。

7. 手続きから1年以内に詐欺的な借入を行った場合

自己破産から1年以内に、身分証や信用情報(収入・借入額・延滞履歴など)を偽って、お金を借りた場合、免責不許可事由に該当します。

8. 特定の債権者にだけ返済した場合

自己破産は、すべての債権者(※2)の借金が免除の対象に含まれるため、中には保証人付きの借金だけを先に完済したい方もいるでしょう。

しかし、特定の債権者にだけ返済(偏頗返済)すると、別の債権者に対して不平等が生じるため、免責不許可事由に該当します。

保証人に迷惑をかけずに借金を整理する方法については、「任意整理【保証人へ迷惑をかけたくない場合】」にて解説します。

9. 過去7年以内に自己破産をしていた場合

過去7年以内に自己破産により免責が許可された場合も、免責不許可事由に該当します。

10. 裁判所へ嘘の供述をした場合

自己破産をすると、裁判所は申立人の所有財産の内容や借金を作った原因を調査します。

その際に、裁判所側から不明点・疑問点について質問されますが、協力的に回答しない、または嘘の供述をすると、免責不許可事由があると評価される可能性があります。

11. 非免責債権

自己破産手続によっても免責されない債権(非免責債権)というものが法律上存在します。

仮に自己破産手続で免責許可を受けても、非免責債権の返済義務は消滅せず、引き続き返済しなければなりません。

たとえば、滞納している税金・国民年金・健康保険、重過失による交通事故の損害賠償金等については、他の債務につき自己破産が認められた場合でも、免責されず、支払義務が残ります。

自己破産を失敗させないために必要な5つの行動

続いて自己破産を失敗させないために必要なことを解説します。

自己破産の対象に含まれているか確認する

まず、自身が自己破産に適しているかどうかを確認しましょう。

自己破産に適している人

自己破産に適していない人

  • 利息免除しても借金が3年以内で完済できない
  • 自身が名義人の持ち家がない
  • 保証人付きの借金がない(または保証人と自己破産について話がついている)
  • 利息免除すれば3年以内で完済できる
  • 免責が認められない可能性がある
  • 保証人へ迷惑をかけたくない
  • 持ち家を残したい

自己破産に適していない場合は、個人再生(※3)や任意整理(※4)など別の方法で借金を整理することをおすすめします。

また、自身に適した方法がわからない場合は、弁護士へ相談しましょう。借金や収入の状況から、相談者に適した借金問題の解決方法を提示してもらえます。

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裁判所へ相談する【申立費用が足りない場合】

先ほどお伝えした通り、予納金を納められないと自己破産できません。

もし予納金が用意できない場合は、裁判所によっては分割支払いに応じている場合もあるので、まずは申立先の裁判所の受付窓口へ相談することをおすすめします。

分割に応じてもらえない場合は、予納金が用意できるまで裁判所費用を貯金しましょう。

住宅を売却して費用を工面する【住宅所有者の場合】

自己破産前は、財産の売却や特定の債権者への返済は禁止されていますが、裁判所費用または弁護士費用のために、持ち家を売却することは可能です(売却価格と住宅ローンの差額分を費用に充てることになります)。

持ち家があって裁判所費用が用意できない場合は、持ち家の売却を検討しましょう。

破産者が持ち家を保持し続けるのは基本的に難しいと言えます。

裁判所へ反省の態度を示す【免責不許可事由に該当する場合】

先ほどもお伝えしましたが、免責不許可事由(※1)に該当する場合でも、裁判所は免責を許可する裁量が与えられているので、反省の態度を示すことで免責が許可される場合もあります。

免責不許可事由(※1)に該当する方は、自身の落ち度によりお金を返せず債権者へ迷惑をかけた事実を認めた上で、堅実な生活を送るための具体的プランを裁判所に示すことを検討しましょう。

手続きに不安のある方は弁護士へ依頼する

手続きが失敗することを懸念する方は、債務整理の得意な弁護士へ依頼することを検討しましょう。

手続きに不備が無くなる上に、裁判所における手続きを代理で行ってくれるので、手続きにおける負担がなくなります。

また、弁護士費用が用意できない場合は、法テラスにて民事法律扶助制度の利用を検討しましょう。

一定水準以下の所得の方に限り、制度を介して弁護士費用を立て替えてくれます。

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自己破産が失敗した場合の対処方法

最後に、自己破産の手続きが失敗したときの対処方法を解説します。

即時抗告をする

裁判所から免責が認められなかった場合には、期限内(免責不許可の通知から1週間以内)に、自己破産をした裁判所へ即時抗告をすることができます。

抗告審で破産者の主張が認められれば、免責不許可の決定は覆り、免責が認められるかもしれません。

即時抗告の申立書に記載する内容は以下の通りです。

記載項目

内容の例

原決定の表示

免責不許可

抗告の趣旨

原決定の取り消し、抗告人の免責

抗告理由

  • 免責不許可事由が存在しない
  • 存在するが十分に反省している
  • 免責が妥当である など

即時抗告は個人で行うことは難しいため、弁護士へ依頼することが一般的です。

※即時抗告とは

一定期間内(即時)に裁判所の決定、命令に対して不服申立(抗告)する方法

個人再生【住宅を残したい場合】

即時抗告により免責が認められるケースは一握りです。

そのため即時抗告が認められなかった場合は、別の方法を介して借金を整理する必要がありますが、利息免除しても借金が3年以内で完済できない場合は、個人再生(※3)をおすすめします。

借金を作った理由が問われない上に、ケースにもよりますが持ち家を残したまま最大9割の借金を減額することが可能です。

≪個人再生を検討すべき人の特徴≫

・利息免除しても借金が3年以内で完済できない

・持ち家を残したい

・ギャンブルや浪費が借金の理由である

・自己破産による制限される職に就いている

【関連記事】

個人再生とは|手続きの流れや効果をわかりやすく解説

任意整理【保証人へ迷惑をかけたくない場合】

利息免除すれば3年以内で借金を完済できる方は、任意整理を検討しましょう。

個人再生や自己破産のように元本を減らすことはできませんが、利息免除されるため、返済総額を安く抑えることができます。

また、自己破産や個人再生はすべての債権者(※2)の借金が対象に含まれますが、任意整理は、対象の債権者を選択できるので、保証人付きの借金を対象から外すことで、保証人へ迷惑をかけずに済みます。

≪任意整理を検討すべき人の特徴≫

・利息免除すれば3年以内で完済できる

・保証人へ迷惑をかけたくない

・借金に過払い金が含まれている

【関連記事】任意整理のデメリットとメリットを徹底比較検証!

よくある質問

自己破産後、クレジットカードの利用を継続できるか

自己破産をした場合、クレジットカード会社の立替払債権も免責対象となりますので、既存のクレジットカード契約は解除されてしまいます。

また、自己破産を行った者についてはいわゆるブラックリストに載ることになりますので、少なくとも破産手続終了後5年間は新しいクレジットカードを作ることも難しいです。

自己破産の事実は周りに知られてしまうか

自己破産者は官報に名前が掲載されますので、官報をチェックすれば破産の事実を知ることは可能です。

もっとも、ほとんどの国民は官報をチェックすることはありませんので、官報に掲載されたからといって周囲に自己破産の事実が知られる可能性は低いです。

自己破産により失職するのか

自己破産の開始決定を受けた場合、免責許可を受けるまでの期間中一部の職業について資格が制限されることはあります(たとえば、税理士、行政書士等)。

しかし、このような制限は一時的なものであり、直ちに失職することが確実というものでもないでしょう。

また、このような資格制限を受けない職種については、自己破産により職務に影響はありませんので、失職するということはまず考えられません。

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この記事の監修者
弁護士法人アクロピース
クライアントの期待を常に上回ることを使命に、前例のないことを恐れず行動を起こすことをモットーに。様々な角度からの法的解決策を提供。借金問題から早期に解放されるよう、できる限り最短のスケジュールにて対応

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本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。