自己破産にかかる期間と専門家に依頼して短縮する方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
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自己破産手続きは、最短でも3ヶ月から半年の期間がかかりますが、自己破産の種類や借金の内容によっては、1年かかることもあります。

 

ですが、できるだけ早く手続きを完了して安心したいですよね。

 

この記事では、手続きの期間や短くする方法についてご紹介します。

 

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自己破産に要する期間と手続きの内容の関係性

自己破産における申立から手続きが完了するまでにかかる期間は、平均して6ヶ月~1年、早くて3ヶ月だと言われております。平均期間と言いながらも具体的な期間は提示することが難しい実情ですが、それは申立人の状況によって手続きの内容が異なるためです。
 

同時廃止か管財事件かで異なる自己破産の期間

自己破産の申立が正式に認められた場合、同時廃止事件か管財事件のどちらかに分かれて手続きが行われますが、同時廃止事件に進む場合の手続きに要する期間の相場は3ヶ月~半年、管財事件に進む場合ですと半年~1年が相場になります。

自己破産を申立てる人の90%が同時廃止事件として手続きを進めていきますが、どのような人が管財事件として手続きを進めるのでしょうか。
 

管財事件に該当する人

管財事件として手続きを進める人は、換金価値のある所有資産が20万円以上である場合、または免責不許可事由に該当している場合です。免責不許可事由とは、免責(借金を免除)するに相応しくない事由であり、以下の8つの項目が挙げられます。
 

  1. 債務の原因がギャンブルや風俗である

  2. 最後の免責から7年以内

  3. 破産申立から1年以内に収入・借入金額を偽り、借入を行った

  4. 特定の債権者にだけ債務を弁済

  5. 特定の債権者の存在を故意に隠ぺいしていた(債権者平等の原則に反する)

  6. クレジットで購入した商品の換金

  7. 財産(資産の名義変更など)の隠ぺい行為

  8. 裁判所側に対して嘘の供述・協力的でない場合

 
免責不許可事由は裁判所から免責の許可がおりない原因になりえますが、免責不許可事由に該当しているからといって免責の許可がおりないわけではありません。
 

①破産・免責手続きの申立

自己破産の手続きの流れについて確認していきますが、まず最初にご自分の住所を管轄する地方裁判所に申立手続きを行います。
 

申立必要書類

申立書類には、裁判所で受け取れる書類と自身で用意する書類にわかれますが、申立書類には必要な項目に書類に記された通りに記載された状態で提出しなければなりません。裁判所で受け取れる書類の一覧と、記載する内容に関しては以下の通りになります。

 

 

記載内容

破産申立書・免責申立書

  • ・申立人の個人情報

  • ・収入(財産)・借金に関する情報

  • ・借金を作った理由

陳述書

  • ・経歴(職歴)

  • ・家族構成

  • ・住まいの状況

  • ・申立に至った経緯

債権者一覧表

  • ・各債権者(賃金業者)の特定するための情報(名称・住所)

  • ・借入状況(借入金額・最終返済予定日・担保の有無

財産目録

  • ・現金・貯金

  • ・貸付金などの債権

  • ・不動産(賃貸の場合は敷金の有無)・自動車

  • ・保険・有価証券などその他換金価値のある財産

家計の状況

申立前から2~3ヶ月以内の収支の状況

 
また、上記の裁判所で用意する書類に記載した内容を裏付けるために、以下の書類を集めなければなりません。
 

個人で用意する書類の一覧

申立人を特定するための書類

住民票

戸籍謄本

収入の情報を示すための書類

給与明細書

源泉徴収票のコピー

市民税・県民税証課税明書

財産の状況を示すための書類

預金通帳のコピー

賃借契約書(敷金・礼金の記載)

不動産登記簿謄本

退職金を示す書類

  • 保険証券のコピー

  • 保険解約返戻金証明書

  • 車検証のコピー

  • 自動車の査定書

  • 公的助成金・年金証明書のコピー

  • 受給証明書のコピー

  • 財産分与明細書

  • 財産相続明細書

クレジットカード

 
上記の書類に関しては、申立書、陳述書、財産目録、家計の状況を示すために必要な書類です。申立人の生活状況や担当する裁判所によって必要書類が異なることもありますので、管轄の裁判所に確認しましょう。

 

②破産尋問|申立から2週間~1ヶ月

申立が受理されたら今度は裁判官との面接が行われますが申立開始から大体2週間~1ヶ月くらいを見ておいてください。。面接において、申立人の免責不許可事由に該当するかどうか、申立人の支払能力に関する確認がメインに行われます。

自己破産は、借金に対して支払能力が乏しい人を対象とした手続きであるため、この尋問において一定以上の支払能力があると判断された場合、自己破産の手続きを行うことができません。
 

③破産手続き開始|尋問から数日後

破産尋問が完了後、破産手続きが開始されますが、尋問から数日後に開始されるのが一般的です。この際に、破産者が同時廃止事件か管財事件に進むのが決められますが、管財事件の場合は破産者の財産の調査から処分までの手続きを担う管財人が選定されます。

管財人には裁判所から弁護士が選定されますが、管財人が選定された段階から、破産者は自身の財産を処分(売却や贈与など)することができません。
 
参照:「破産管財人の役割や権限について知っておくべき4つの事
 
管財事件は、同時廃止事件と異なり破産者の財産の調査、換金、債権者への配当までを行うため時間がかかります。

同時廃止事件に関しては、破産手続きが開始された後に免責許可手続きが行われますが、手続きの④、⑤に関しては管財事件に進む方に向けた内容になりますので同時廃止事件に進まれる方は読み飛ばしてください。
 

④債権者集会

管財人が選定された後、破産者の借金に対する全ての債権者(賃金業者)を対象に集会が開かれますが、債権者集会は通常、破産手続きと同時に日程が指定されます。また、債権者達に破産者の財産状況を知らせること、各債権者の意思を尊重するために必要な集会です。
 

⑤債権の決定から配当まで

破産者の財産は最終的に、配当という形で各債権者達へ分配されますが、配当金額を決めるためには各債権者の債権の存在、債権額を明らかにしなければなりません。

配当の金額は、破産者への債権(借金)の総額から、どれくらいの債権を所有しているのか、その割合によって算出されますが、破産者の特定の財産(不動産)に抵当権を所有している債権者は、その財産における配当が優先的に行われます。

配当は、財産を換金した後に、各債権者の債権額に応じて平等に分配が行われますが、配当が終わり次第、管財事件における破産者の破産手続きは完了です。
 

⑥免責許可手続きの開始|申立から3ヶ月~1年

免責許可手続きの開始後、破産者と裁判官の間で面接が行われます。この審尋の目的は、破産者に免責(借金の免除)の許可を与えるかどうかを決めることです。

また、必要に応じて免責の許可を与えるべきかを確かめるために管財人から調査が行われることがありますが、調査に対しては協力的な姿勢で取り組んでください。

審尋から大体1週間で免責許可が決定しますが、免責の決定と同時に官報に自己破産の記録(住所・氏名)が掲載されます。掲載日の翌日から2週間以内に債権者から即時抗告(免責に対する不服申立)がなければ自己破産の手続きは完了です。
 

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自己破産の期間を短くするための2つの方法

自己破産の手続きには、短くても3ヶ月、長い場合ですと1年の期間を要しますが、ここで自己破産の手続きの期間を短縮する方法についてまとめました。
 

即日面接の利用

自己破産の申立件数が多い東京地方裁判所にて実施されている制度になりますが、即時面接を利用することで申立日に、破産手続きが開始することができます。

通常の自己破産の手続きでは、申立から破産手続きの開始まで2週間~1ヶ月の期間を要しますが、早く自己破産の手続きを完了させたい人にとって即時面接は嬉しい制度でしょう。
 

弁護士に代理人を依頼した人のみが使用可能

また、即時面接は、弁護士と裁判官の間で面談の元、申立人が同時廃止事件と管財事件のどちらが相応しいのかを決定するため、弁護士に依頼した方が利用できる制度です。
 

横浜地方裁判所における似た制度

即日面接は東京地方裁判所でのみ利用可能な制度になりますが、東京以外に在住の方は利用できないのでしょうか。

ひと昔前であれば東京に近接する都道府県にお住いの方も、東京地方裁判所で自己破産の申立を行うことができましたが、現在では東京在住の方しか東京地方裁判所で申立ができないため、東京以外にお住まいの方は即日面接を利用することができません。

そこで即日面接とは異なりますが、横浜地方裁判所において、申立から3日以内に破産手続きを開始することができる早期面接制度を利用することができます。
 

少額管財事件の利用

先ほども申した通り、同時廃止事件と比べて管財事件は手続きに要する期間が長くなりますが、管財事件の破産者を対象に、手続きを簡略化して、手続きに要する期間が短くなる少額管財事件を利用することができます。
 

弁護士への依頼が必要

少額管財事件は、弁護士が代理人となることで、申立前に申立人の財産の調査をある程度まで終わらせることで、後の手続きを容易にすることで手続きの期間を短縮することができる仕組みです。

手続きに要する期間は、大体2ヶ月~5ヶ月に短縮することができますが、同時に申立費用として予納金が安くなります。

通常、管財事件における予納金は負債額に応じて50万円~150万円になりますが、少額管財事件における予納金は20万円になりますので管財事件と比べて予納金がかなり低額です。

 

弁護士費用でお悩みの方へ

弁護士費用を懸念して、相談できない人もいるかと思います。まず、自身で自己破産を行う前に弁護士費用や安く抑える方法をご確認ください。

 

関連記事:「自己破産の費用まとめ|方法別の費用相場と費用を抑える方法
 

 

自己破産の手続き期間中に受ける制限

自己破産の手続きの期間中、破産者は住所の変更や職業における制限を受けます。手続きが完了すれば制限から解除されますが、どのような制限を受けるか確認していきましょう。
 

転居には裁判所からの許可が必要

同時廃止事件を行う破産者は対象外になりますが、管財事件を行う破産者は、裁判所に黙って引越しをすることができません。

管財事件の場合は、資産の処分の関係で、住居を変更すると手続きがややこしくなるため、無断で引越しをすることができませんが、破産手続きの完了次第、自由に転居することが可能です。

また、破産手続き期間中に引越しを行いたい場合は、申立時に裁判所に用意されている「住所変更の届出」を住民票に添付して提出します。
 

職業の制限

自己破産の手続きの期間中、以下の職業に就くことができません。
 

  • 弁護士、司法書士、行政書士、会計士、税理士などの士業

  • 宅地建物取引主任者

  • 生命保険外交員

  • 警備員

  • 古物商、質屋

 
制限されるのは自己破産の手続きの期間中であるので、自己破産の手続きが完了すれば上記の職業で再び働くことは可能です。
 
参照:「自己破産のデメリットとメリット|破産すべき人そうでない人
 

自己破産をご検討の方へ

弁護士費用を懸念して、相談できない人もいるかと思います。まず、自身で自己破産を行う前に弁護士費用や安く抑える方法をご確認ください。

自己破産後に受ける制限|個人信用情報機関への事故登録

自己破産をすると、個人信用情報機関に事故登録(ブラックリスト)として個人情報が掲載されるため、自己破産が完了した後も一定の期間はクレジットカードの発行、新規の借入を行うことができません。
 

情報機関によって異なる掲載期間

個人信用情報機関には、CIC、JICC、全銀協の3つにわかれますが、それぞれ自己破産による事故登録の掲載期間は異なります。CICとJICCに関しては、自己破産の掲載期間は免責決定日から5年間です。

全銀協に関しては、官報データを元に自己破産の事故データを登録しているため、事故登録の掲載期間は官報掲載日から10年間になります。
 
【参照】
▶「信用情報(ブラックリスト)を回復させる為にやるべきこと
▶「ブラックリストに載る理由と消し方|ブラックリストの全知識
▶「自分の信用情報を確認する信用情報開示請求の手順

 

登録情報の確認方法

掲載期間を終えれば、個人信用情報機関の事故登録から個人情報が削除されるので、クレジットカードの発行や新規の借入が行うことができますが、掲載期間が経過したら情報機関へ事故登録が削除されているか確認しましょう。
 

CIC

確認するためには、情報機関に信用情報の開示請求をすることが必要です。もし事故登録がされているのであれば支払い状況の欄の、返済状況が「異動」と表記されますが、事故登録が削除された場合は「法廷免責」と表記されます。
 

JICC

JICCにおいても同様に信用情報の開示請求を行いますが、「ファイルD」、「ファイルM」、「照会記録開示書」の3つのファイルがあるので、「ファイルD」と「ファイルM」を確認してください。

もし事故登録が残っているのであれば、ファイルDにおいては「異動サ内容」の項に「破産申立」、ファイルMにおいては「注意情報」の項に「破産申立」と記載されております。
 

全銀協

全銀協においては、開示情報をする際には、「官報情報」を確認しましょう。もし事故登録が削除されていない場合、「官報公告区分」の欄に「破産手続き開始」と表記されますが、事故登録が削除されれば「登録なし」と表記されます。
 

必要年数を経過しても削除されていない場合は?

掲載期間を超えているにも関わらず、事故登録が削除されないケースがあります。行政側の伝達ミスにより全ての貸金業者へ免責通知が届かないことから、貸金業者から情報機関へ「法的免責」の報告がされないためです。

情報機関は、登録した貸金業者からの報告を元に事故登録を記録しているため、貸金業者からの免責の報告がなければ事故登録から信用情報が削除されません。

その場合は、自己破産の対象となった債権者(貸金業者、カード会社など)へ免責の確定証明書を送付した上で相談しましょう。
 
参照:「自己破産後に受ける生活の制限と破産後の生活を良くする方法

 

自己破産をご検討の方へ

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まとめ

自己破産をされる方にとって、破産後の生活についても考えなければならないため、どれくらいの期間を要するのかは気になるところです。これから自己破産を検討している方、自己破産を行った方に今回の記事を参考にしていただけたらと思います。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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