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借金を払えないと裁判を起こされる?訴えられたときの正しい対処法

杉本 真樹
監修記事
借金を払えないと裁判を起こされる?訴えられたときの正しい対処法

「裁判所から書類が届いたが、お金がなくて払えない」

借金滞納により債権者に裁判を起こされ、途方に暮れる方は少なくありません。

払えないからといって無視すると、債権者の請求を全て認めるという判決が確定し、最終的に給与や預貯金を差し押さえられる可能性があります。

しかし、裁判を起こされても、早期に弁護士に依頼すれば、債務整理による解決が可能です。

本記事では、借金を払えなくなってから裁判に至るまでの流れ、裁判や差し押さえを回避する方法を解説します。

弁護士への依頼により、実際に裁判・差し押さえを回避できた事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

借金滞納で裁判所から呼び出される理由

借金を返せない状態が数ヵ月続くと、裁判所から呼び出しを受ける場合があります

銀行や貸金業者などの債権者は、滞納が続くと返済が見込めないと判断し、時効が完成しないように対策として裁判や支払い督促などに移ることがあるためです。

時効は、債務者が最後に返済した日の翌日から5年(民法の改正前後で異なります。)です。

しかし、裁判や支払い督促を起こせば、手続中は時効の進行を止められます。

さらに、債権者の請求を認める確定判決や支払い督促を得れば、時効のカウントはリセット(更新)され、新たに10年の時効期間がスタートします。

債権者の請求の全部または一部を認める確定判決や仮執行宣言付支払い督促を取得すれば、給与や預貯金の差し押さえも可能です。

払えないからと放置せず、深刻な事態に発展する前に適切に対応しましょう。

借金を払えなくなってから裁判を起こされるまでの流れ

借金を滞納しても、すぐに裁判が起こされるわけではありません

電話・書面での督促、強制解約・一括請求を経て、裁判に発展するのが一般的です。

1.遅延損害金が発生する

返済期日を1日でも過ぎると、翌日から遅延損害金が発生します。

遅延損害金とは、期日までに支払えなかった場合に発生する損害賠償金です。

遅延損害金の利率は、借入先・契約内容によって異なります。

法律で定められた上限利率は、以下のとおりです。

借入先・契約内容 適用される法律 遅延損害金の上限利率
消費者金融・金融機関からの借り入れ 利息制限法 年20.0%
クレジットカード キャッシング 利息制限法 年20.0%
ショッピング(一括払い・リボ払い) 消費者契約法 年14.6%
ショッピング(2回払い・分割払い・ボーナス一括払い) 割賦販売法 年3.0%(※)
契約書に定めがない場合 民法 年3.0%(※)

※2026年4月1日現在の法定利率

遅延損害金は、基本的に次の計算式で求めます。

遅延損害金 = 返済が遅れている金額(※)× 遅延損害金利率 ÷ 365 × 延滞日数

※期限の利益を喪失した場合は、残金全額(残元本)

たとえば、利率を20%として、10万円の返済を20日間遅れた場合の遅延損害金は、以下のとおりです。

遅延損害金 = 100,000円 × 0.2 ÷ 365 × 20 = 1095円

2.電話やメールで返済を催促される

返済が遅れると、債権者から電話・メール・SMSなどで返済を催促されます。

当初の連絡は、いわゆる厳しい取り立ての雰囲気ではないでしょう。

返済の目途が立っている場合は、返済の意思と返済予定日を伝えると、期限を延ばしてもらえるケースもあります。

返済がない場合は、電話・メール・SMSなどで繰り返し連絡が入ります。

3.督促状・催告書が届く

債権者からの連絡に応じない場合、応答しても実際に返済しない場合は、債権者から督促状・催告書が届きます

督促状・催告書には、通常、滞納金額・利息・遅延損害金の合計と支払い期限が記載されています。

期限までに返済がなければ、残金全額を一括請求する旨を予告されるのが一般的です。

4.ブラックリストに登録される

滞納が2ヵ月~3ヵ月以上続くと、信用情報機関に事故情報が登録されます。

いわゆるブラックリストに載るという状態です。

信用情報機関に記録が残っている間は、新たなクレジットカードの作成やローン契約の締結が難しくなります

遅延・滞納による事故情報は、滞納を解消したあとも5年程度は記録が残ります

5.強制解約・一括請求される

長期間滞納が続くと、債権者は契約を強制解約し、残金全額を一括請求します。

ローン契約やクレジットカード契約では、期限の利益喪失条項が設けられています。

期限の利益とは、契約で定められた期限まで借金を返済しなくていい利益、つまり分割返済できる利益です。

消費者金融や住宅ローンなどの場合、2ヵ月以上滞納すると期限の利益を喪失するのが一般的です。

期限の利益を喪失すると、債務者は残金を一括で返済しなければなりません。

保証会社がついている場合は、債権者は保証会社に対して保証を求め、保証会社が一括弁済(代位弁済)をおこないます。

そのため、代位弁済をした保証会社から、一括請求を受けるケースもあります。

一括請求書では、裁判などの法的措置に移行する旨が予告されるのが一般的です。

6.裁判を起こされて訴状・呼出状が届く

一括請求の通知も無視していると、債権者は裁判(訴訟)の提起などの法的手続に移ります

裁判所が訴状を受理すると、債務者のもとに特別送達という方法で訴状と期日呼出状が届きます

借金を払えなくても裁判所の通知を無視してはいけない理由

借金をはらえないからといって裁判所の通知を無視すると、債権者の請求を全面的に認める判決が下される可能性が高くなります

裁判の中で分割弁済を打診する機会も失います。

欠席判決により財産・給与を差し押さえられるおそれがある

訴状を受け取ったあと答弁書を提出せず、第一回期日にも出頭しないと、欠席判決が下される可能性が高くなります

被告(債務者)が欠席した場合、原告(債権者)の主張を全て認めたとみなされる(擬制自白)ためです。

原告の請求を認める判決が確定すると、債権者は強制執行(差し押さえ)を申し立てられるようになります。

給与・預貯金・不動産など、債務者の財産から強制的に債権の回収を図ります。

分割返済を打診する機会を失う

裁判所の通知を無視して適切な対応をとらないままでいると、債権者に分割返済を打診する機会も失います

裁判に応訴すれば、裁判上・裁判外での和解の申入れが可能です。

答弁書に分割払いによる和解を希望する旨を記載すると、裁判官の調整によって和解できるケースも少なくありません。

弁護士が代理人になっている場合はとくに、支払い可能な範囲で分割払いの和解が成立する可能性が高まります。

訴状を受け取ったあと答弁書も提出せず、口頭弁論期日も無断で欠席を続けるのは、和解交渉を試みる機会を自ら放棄するのと同じです。

借金を払えない場合でも裁判を回避する方法はある

借金を約定どおり払えなくなった段階で弁護士に債務整理を依頼すれば、裁判を回避できる可能性が高まります

通常、債権者が裁判などの法的手続に移るのは、債務者が長期間返済を滞らせ、督促や催告などに適切に対応しなかったケースです。

返済が遅れるとわかった時点で、事前に債権者に連絡すれば、返済期間の延長などに柔軟に応じてもらえる場合もあります。

滞納を一時的に解消したとしても、再び返済が困難になる場合は、早期に債務整理を検討するのが賢明です。

滞納期間が短いほど弁護士が介入できる余地が大きく、解決の選択肢も広がります。

弁護士に依頼すれば、借金の総額・収支状況などに応じて、最適な解決策の提案を受けられます

債権者が提訴する前に弁護士に債務整理を依頼すれば、債権者が提訴を見合わせるケースも少なくありません。

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借金滞納による裁判中でも債務整理はできる

裁判を起こされたあとでも、債務整理をする余地はあります

具体的には、答弁書に債務整理を予定している旨を記載し、債権者にも伝えます。

判決が確定すると解決の選択肢が狭まるため、早期の対応が必要です。

1.任意整理|裁判中・裁判外で債権者と交渉できる

裁判を起こされたあとでも、任意整理の申入れが可能です。

任意整理とは、債権者との直接交渉により、返済条件を変更してもらう手続きです。

将来利息のカットや返済期間の延長により、月々の返済額を抑えられます

提訴後、早い段階で弁護士を通じて実現可能な返済計画を示すと、裁判外で和解が成立して訴訟を取り下げてもらえるケースもあります。

裁判外の交渉が成功しなかった場合も、裁判官の働きかけによって分割払いによる裁判上の和解が成立することも珍しくありません。

2.個人再生|裁判中でも申し立てられる

借金の裁判の進行中も、個人再生の申立てが可能です。

個人再生とは、借金を概ね5分の1に減額し、3年~5年の分割払いにして債務者の経済的更生を図る裁判所の手続きです。

条件を満たせば、一般の借金とは切り離して住宅ローンの支払いを継続できるので、マイホームを保持したまま借金を整理できます。

個人再生の手続きが開始されると、債権者が仮に判決を得ても、強制執行ができなくなります

そのため、裁判中に個人再生を申し立てる場合は、裁判を継続する意味がないと債権者に説明し、訴えの取り下げを交渉するのが一般的です。

3.自己破産|裁判中でも申し立てられる

借金の裁判の進行中も、自己破産の申立てが可能です。

自己破産とは、返済能力がないことを裁判所に認めてもらい、税金や養育費などを除く借金の返済義務を免除してもらう手続きです。

財産の換価処分が必要になる場合がありますが、一定額以下の財産は手元に残せます

破産手続が開始する前に提起された裁判は、破産手続開始決定とともに中断します。

債権者は新たに裁判を起こしたり、強制執行を申し立てたりできません。

裁判に負けても債務整理すれば差し押さえを回避・停止できる?

任意整理は裁判所を介さない私的整理であるため、差し押さえを停止する効果はありません

他方、個人再生や自己破産を申し立てる場合は、差し押さえを回避・中止できる可能性があります。

1.任意整理|差し押さえを回避・停止できる可能性は低い

裁判に負けたあと、任意整理を申し入れても、差し押さえを回避・停止できる可能性は低いでしょう。

任意整理は、裁判所を介さない手続きであるため、すでに実行されている強制執行を法律的に停止させる効力はありません。

差し押さえ前の段階なら、差し押さえを見合わせてもらえる余地もあるでしょう。

ただし、裁判まで進んでいる経緯から、返済期間の短縮や頭金の支払いといった厳しい返済条件を提示される可能性が高いです。

すでに差し押さえが実行されている段階では、債権者が和解交渉に応じるメリットは薄れるため、任意整理による解決が困難なケースが多いです。

2.個人再生|差し押さえを回避・停止できる可能性がある

個人再生を申し立てると、差し押さえを回避・中止できる可能性が高いです。

再生手続が開始する前にすでに差し押さえを受けている場合、開始決定正本と上申書を執行裁判所に提出すると、執行手続は中止されます。

申立てから開始決定までの間も、裁判所に中止命令を発令してもらうと、執行裁判所への書面の提出により、執行手続が中止されます。

債権者が強制執行に移る前に、弁護士を通じて申立ての予定を伝えれば、差し押さえを見合わせてもらえるケースも少なくありません

3.自己破産|差し押さえを回避・停止できる可能性がある

自己破産を申し立てる場合も、差し押さえを回避・停止できる可能性が高いです。

破産手続が開始すると、債権者は強制執行ができなくなります。

破産手続開始前に差し押さえを受けている場合も、開始決定正本と上申書を執行裁判所に提出すると、執行手続が中止されるためです。

なお、自己破産の手続きには、大きく分けて同時廃止事件と管財事件の2種類があります。

同時廃止事件では、免責が確定するまでの間、給与を満額受け取れません。

免責許可決定が確定したタイミングで、満額の給与とプールされた分を受け取れるようになります。

管財事件の場合は、破産手続開始決定後、強制執行手続きが停止してから満額の給与を受け取れます

借金が払えない・裁判を起こされた場合に弁護士に相談するメリット

借金問題や裁判の対応を弁護士に相談すると、現状の整理と解決の見通しが立てられます

借金問題の最適な解決方法は、借金の総額・収入・財産状況によって異なります。

弁護士に相談すれば、個々の事情に合った解決方法を提案してもらえるでしょう。

弁護士に債務整理を依頼すれば、受任通知の送付により、債権者からの催促や取り立てが止まります

自己破産はもちろん、任意整理や個人再生を申し立てる場合も返済を一時的に停止できるため、生活再建に注力しやすくなります。

取り立てによるストレスから解放され、電話や郵便物が原因で家族や職場にバレる可能性も低くできるのが弁護士に相談するメリットです。

借金を払えない方・裁判を起こされた方は「ベンナビ債務整理」

借金を払えない場合・裁判を起こされた場合は、「ベンナビ債務整理」の活用がおすすめです。

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掲載中の法律事務所の多くが初回相談無料に対応しており、費用に不安がある方でも気軽に弁護士に相談できます。

弁護士費用の分割払い・後払いに対応している事務所も絞り込めるため、依頼を見据えて相談する際も安心です。

借金滞納による裁判・差し押さえのリスクは、時間の経過ごとに増えていきます。

返済が順調にできなくなったとき、裁判所から訴状が届いたときは、「ベンナビ債務整理」を通じて早期に弁護士に相談してください。

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弁護士への依頼で裁判・差し押さえを回避・停止できた事例

本章では、「ベンナビ債務整理」を通じて弁護士に債務整理を依頼した結果、裁判や差し押さえを回避・停止できた事例を紹介します。

裁判を起こされたあとに任意整理できたケース

裁判を起こされたあとに、任意整理による和解が成立したケースです。

相談者は借金の返済を半年以上滞納し、債権者から残額80万円の一括返済を求める訴訟を起こされました。

依頼者は訴状の受け取り後、すぐに弁護士に相談。

弁護士の和解交渉に債権者が応じ、裁判途中に分割返済の和解が成立しました。

任意整理後の月々の返済額は3万円です。

訴状を受け取ったあと、早期に弁護士に相談したのが功を奏した事案です。

自己破産の申立てにより差し押さえを止められたケース

借金滞納により給与を差し押さえられていたものの、自己破産の申し立てにより差し押さえを止められたケースです。

相談者は、債権者10社からの合計810万円の借金を抱えていました。

弁護士への依頼時点ですでに給与差し押さえが実行されており、着手金の支払いも困難な状況でした。

幸いにも家族の援助により弁護士費用を賄え、早期の申立てが可能に。

自己破産を申し立てた時点で、債権者が給与差し押さえを取り下げたため、申立後の生活は安定しました。

借金を払えずに裁判を起こされた方が抱くよくある質問

本章では、借金滞納により裁判所を起こされた方が抱く疑問にQ&A形式で回答します。

Q.裁判所から呼び出しが届いたが行けない場合はどうなる?

答弁書を提出せず、第1回口頭弁論期日にも出席しないと、原告(債権者)の請求を認める判決が下される可能性があります。

指定された期日に行けない場合は、答弁書を提出してください

答弁書を提出すれば、答弁書の内容を法廷で述べたものとみなされます(擬制陳述)。

2回目以降の期日は、あなたと原告の都合を聞きながら、できる限り両者が出廷できるように調整しています。

事前の準備をして必ず出廷するようにしましょう

どうしても出席できない事情がある場合は、裁判所に期日変更を申請してください。

弁護士に依頼した場合は弁護士が代理人として期日に出頭するため、尋問期日を除き、あなたが裁判所に出向く必要は基本的にありません。

Q.裁判で借金返済の判決が出たら消滅時効はどうなる?

債権者の請求の全部または一部を認める判決が確定すると、時効のカウントがリセットされ、新たに10年間の時効期間がスタートします。

Q.弁護士に依頼すれば差し押さえをすぐに止められる?

弁護士に依頼したからといって、全てのケースですぐに差し押さえを止められるわけではありません。

差し押さえを止められるか否かは、債務整理の種類や債権者が講じる手続きの段階によって異なります。

個人再生や自己破産を選択する場合でも、申立て準備には数ヵ月を要するケースが多いです。

差し押さえを受けてからの相談では、準備期間中も差し押さえが続く可能性があります。

まとめ

借金の滞納が続くと、債権者は裁判や支払い督促などの法的手段に移ります

裁判所の通知を無視すると欠席判決が下され、最終的に給与や預貯金を差し押さえられるおそれがあります。

訴状を受け取ったら、無視せず早めに弁護士に相談してください

返済が難しくなった段階で、早期に弁護士に債務整理を依頼すれば、裁判を回避できる可能性が高まります。

裁判所から通知が届いても、諦める必要はありません。

裁判中でも差し押さえ後でも、個人再生・自己破産の申立てで状況を打開できる可能性があります。

弁護士への相談が早ければ早いほど、解決の選択肢が広がります。

まずは「ベンナビ債務整理」を活用して、債務整理に注力する弁護士に早期に相談してください。

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この記事の監修者
杉本法律事務所
杉本 真樹 (群馬弁護士会)
解決への道筋は一つではありませんので、いくつか選択肢をご提案し、それぞれのメリット・デメリットをしっかりとご説明した上で、一緒に最良の選択肢を考えるように心がけております。
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本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。