年金の特別催告状とは?払えない場合の対処法も解説
失業した、借金が原因で年金の支払いまで回らないなど、さまざまな事情から特別催告状を無視している方もいるでしょう。
年金を払えない事情があっても、特別催告状を無視するのは危険です。特別催告状を放置していると、財産の差し押さえに発展したり将来の年金が減る恐れがあるためです。
ただし、免除・猶予・分納といった救済制度を受けられる可能性もあります。年金の特別催告状が届いたら放置せず、年金事務所に相談しましょう。
本記事では、特別催告状の意味や無視した場合のリスク、封筒の色ごとの危険度を解説します。財産が差し押さえられるまでの流れや払えないときの具体的な対処法も解説するので、参考にしてください。
年金の特別催告状とは?
特別催告状とは、国民年金保険料の未納者に届く支払い催促のための通知です。通常の催告ハガキを無視した場合に封書で届きます。
特別催告状の段階では、まだ財産の強制徴収はされませんが、赤い封筒が届いたら差し押さえられる可能性が高いです。手元にお金がなくても、届いた時点で必ず年金事務所に連絡してください。
ここでは封筒の色ごとの危険度や、納付したにもかかわらず特別催告状が届いたときの対処法について解説します。
【青→黄→赤(ピンク)】封筒の色で危険度が変わる
特別催告状の封筒には、青(水色)・黄色・赤(ピンク)の3種類があり、色が進むほど状況が深刻になります。
| 封筒の色 | 危険度 | 届くタイミング | やるべきこと |
|---|---|---|---|
| 青(水色) | 低 | 初回の特別催告状 | 未納分を確認し、早めに納付する |
| 黄色 | 中 | 青を無視した場合 | 年金事務所に相談し、分納や免除を検討する |
| 赤(ピンク) | 高 | 黄色も無視した場合 | 数日以内に年金事務所へ連絡する |
青の封筒は、未納期間が比較的短い段階で届く初期の警告です。記載内容も未納状況の説明が中心で、まだ対応に余裕があります。
黄色の封筒は、青を無視した場合に届く中期の警告です。滞納者としてマークされていると考えられるため、早めの対応が求められます。
赤(ピンク)の封筒は、かなり危険な状態です。未納が長期化しており、本人の同意なく財産を差し押さえる「強制徴収」の準備に入る段階に来ています。
赤い封筒が届いたら、数日以内に年金事務所へ連絡してください。一括で払えなくても、分割納付や免除・猶予の相談は受け付けてもらえます。
納付済みでも届く場合は「行き違い」か「過去の未納分」の可能性がある
年金を支払っているのに特別催告状が届く原因として考えられるのは、納付直後の行き違いで発送されたパターンです。
納付したデータが反映されるまでには数日間かかるため、特別催告状の作成日より前に納付が済んでいるなら行き違いと考えられます。あらためて対応する必要はありませんが、不安な場合は年金事務所に問い合わせておくと安心です。
また、免除や猶予の申請に不備があり、未納扱いになっているケースも考えられます。放置すると督促が進むおそれがあるため、届いた書面の内容を確認したらすぐに年金事務所に確認しましょう。
そのほか、過去の未納分が残っているケースもあります。過去に支払っていなかった期間がある場合、時間が経ってから請求が来ることがあります。放置すると差し押さえに発展するリスクがあるため、必ず年金事務所に問い合わせましょう。
特別催告状を無視した場合の5つのリスク

支払えないからといって特別催告状を放置すると、上記のような事態に陥るおそれがあります。年金保険料は「非免責債権」に該当するため、自己破産しても年金の支払い義務は免除されません。
ここからは、特別催告状を無視した場合のリスクについて解説します。
1.延滞金によって支払う金額が増える
特別催告状を無視し続けると、延滞金の負担が発生します。
延滞金が発生するタイミングは、「督促状」に記載された納付期限を過ぎたときです。督促状とは、特別催告状やそのあとに送付される最終催告状を無視した場合に届く書面で、特別催告状が届いた段階ではまだ延滞金は発生しません。
ただし、督促状の期限を過ぎると、最初の納付期限の翌日まで遡って延滞金が計算されます。
利率は滞納期間によって変わり、納付期限の翌日から3ヵ月間は年2.4%程度、それ以降は年8.7%程度まで上がります。放置する期間が長くなるほど、支払い総額が膨らんでいく仕組みです。
反対にいえば、督促状の期限までに未納分を納付すれば延滞金はかかりません。特別催告状が届いた段階で年金事務所に相談し、分納などの交渉を進めれば、延滞金の発生を防げる可能性があります。
2.給与や預貯金口座が差し押さえられる
特別催告状を無視し続けていると、最終的に給与や預貯金口座が差し押さえられます。
ただし、突然差し押さえが実行されるわけではなく、特別催告状から督促状、差押予告通知の順番で書類が届きます。差押予告通知が届いたら、差し押さえが迫っていると考えてください。
優先的に対象になるのは、すぐに支払いに充てられる給与や預貯金です。不動産や自動車も差し押さえの対象ですが、現金化の手続きが必要になるため、まずは預貯金や給与が優先される傾向にあります。
給与が差し押さえられると、日本年金機構から勤務先に通知がいきます。会社に年金を滞納していることが知られてしまい、上司や同僚から信用を失うおそれがあるため注意が必要です。
また、預貯金口座が差し押さえられた場合は、差し押さえ時点での残高が引き出せません。家賃や光熱費の引き落としも止まるため、日常生活に影響が出ます。
差押予告通知が届いた段階で、すでに年金事務所は勤務先や預金口座を把握していると考えられます。いつ差し押さえられてもおかしくないため、特別催告状が届いている今のうちに年金事務所に連絡してください。
差し押さえのターゲットは「控除後所得300万円以上かつ未納7ヵ月以上」
日本年金機構が公表している資料では、強制徴収の対象を「控除後の所得が300万円以上かつ未納月数が7ヵ月以上」としています。赤(ピンク)の特別催告状が届いている場合は、この基準に該当している可能性があります。
ただし、基準以下の所得なら安心してよいというわけではありません。無視を続ければ、所得に関係なく差し押さえの対象になり得ます。
もし支払いが難しければ、免除や猶予の申請を検討しましょう。控除後の所得に応じて保険料の負担がゼロ〜4分の1まで軽減されるため、放置せず制度が利用できるかどうかを相談することが大切です。
3.親や配偶者の預貯金も差し押さえの対象になる
自分の財産だけで足りなければ、同居する世帯主(親)や配偶者の財産が差し押さえの対象になります。世帯主と配偶者には、保険料の連帯納付義務が定められているためです(国民年金法第88条)。
たとえば被保険者が実家暮らしの大学生や専業主婦(夫)だった場合、親や配偶者に支払い義務が及びます。
家族に迷惑がかかる恐れがあるため、特別催告状が届いている段階で自分から動くのがおすすめです。
なお、免除・猶予の申請や分納の相談であれば、本人だけで手続きを進められます。
4.将来の老齢年金や障害・遺族年金が減る
未納期間が長引くと、老齢年金や障害年金、遺族年金の受給額が減ったり、もらえなくなったりする可能性があります。各年金への影響は以下のとおりです。
| 年金の種類 | 未納による主なリスク |
|---|---|
| 老齢基礎年金 | 保険料を納めた月数に応じて受給額が決まる。未納が続けば受給額は下がり、納付期間が10年に届かなければ年金自体を受け取れない。 |
| 障害基礎年金 | 「直近1年間に未納がないこと」「保険料納付済期間と免除期間の合計が加入期間の3分の2以上」などの納付要件がある。未納期間があると、事故や病気で突然働けなくなっても障害年金を請求できないおそれがある。 |
| 遺族基礎年金 | 納付要件を満たしていない場合、万が一の際に残された家族が年金を受け取れなくなるリスクがある。 |
ただし、免除や猶予の申請をしている場合は、免除・猶予の期間が年金の受給資格期間としてカウントされます。保険料を払えなくても、免除や猶予が認められれば障害年金や遺族年金の納付要件を満たせるということです。
免除・猶予の申請が必ずしも認められるとは限りませんが、未納のまま放置するより、申請をしておくほうが将来の保障を守れる可能性は高まります。
国民年金の遺族基礎年金がもらえないケースや対処法については、以下の記事を参考にしてください。
5.信用情報に傷がつく
年金保険料を滞納しただけではいわゆる「ブラックリスト入り」はしません。
日本年金機構は、クレジットカードやローンの利用履歴を管理している信用情報機関ではないためです。年金保険料を滞納しても、信用情報に傷がつくことはありません。
ただし、信用情報に傷がつかないのは、あくまでも現金払いや口座振替で納付している場合です。年金保険料をクレジットカード払いにしている場合は、クレジットカードの滞納履歴が信用情報に記録され、ブラックリスト入りするおそれがあります。
特別催告状が届いてから差し押さえ実行までの流れ4ステップ

特別催告状を無視し続けると、以下の流れで手続きが進み、最終的には差し押さえが実行されてしまいます。
赤(ピンク)の特別催告状が届いている方は、すでにステップ1の直前まで来ています。いつ最終催告状が届いてもおかしくないため、早めに年金事務所に相談しましょう。
それぞれのステップごとに詳しく解説します。
1.最終催告状が届く
特別催告状を放置すると、次に届くのが最終催告状です。納付書が同封されており、指定期日までに未納分の保険料を全額納付するよう求められます。
最終催告状は、差し押さえに向けた事実上の最後通告です。年金保険料の徴収には納付督励と強制徴収の2つの段階があり、最終催告状は納付督励の最終段階にあたります。
納付督励の段階を過ぎると、差し押さえによって強制的に未納分を回収する強制徴収に移行することを念頭に置いておきましょう。
この段階であれば、まだ年金事務所に分納や免除の相談ができる可能性があります。期限を過ぎると強制徴収に移行するため、最終催告状が届いたら放置せずに対応してください。
2.督促状が届いて強制徴収が可能になる
最終催告状の期限を過ぎると督促状が届きます。督促状に記載された期限を1日でも過ぎると、年金事務所は本人の同意なしに財産を差し押さえることが可能です( 国民年金法第96条)。
この段階で注意したいのは、督促状の発送によって滞納の時効がリセットされる点です(国民年金法第102条第5項)。本来、時効は2年と定められていますが、督促状が届いた時点でカウントがゼロに戻るため、時効を待って逃げ切るのは不可能でしょう。
また、督促状の指定期限を過ぎると、延滞金が発生し始めます。延滞金が加算されると本来支払うべき保険料よりも支払い総額が膨らむため、最終催告状が届いた時点で対処することをおすすめします。
3.財産調査がおこなわれて差押予告通知が届く
督促状を無視すると、年金事務所による財産調査が始まり、勤務先や金融機関への照会が強制的におこなわれます(国税徴収法第141条)。
調査されるのは、銀行口座の残高や給与の支払い状況です。勤務先に照会が届くため、会社に年金滞納の事実が知られるおそれがあります。
調査が終わり、差し押さえるべき財産が特定されたあとで届くのが「差押予告通知書」です。差押予告通知書には、滞納分を回収するために財産の差し押さえや、財産を公売にかけて換金する「換価処分」をおこなう旨が記載されています。
差押予告通知書は、差し押さえ前の最後の警告です。支払う意思がある場合は、すぐに年金事務所の窓口に連絡してください。
4.給与や預貯金が差し押さえられる
最終段階では給与や預貯金が差し押さえられ、未払いの保険料に充てられます。
差し押さえは事前連絡がないため、いつ実行されるかは年金事務所の判断次第です。
日本年金機構が公表しているデータによると、令和7年度は上半期だけで6万件以上の督促状が送付され、1万件以上の差し押さえが実行されています。
| 最終催告状送付件数 | 督促状送付件数 | 差押執行件数 |
|---|---|---|
| 99,260件 | 60,242件 | 11,252件 |
差し押さえによって回収された分は戻ってきません。差し押さえ実行後でも相談に乗ってもらえる場合はありますが、実行される前のほうが分納や免除の相談はしやすいでしょう。
特別催告状の段階で年金事務所に連絡すればまだ間に合うため、差し押さえられてしまう前に対応することをおすすめします。
差し押さえを受ける条件や回避する方法については、以下の記事を参考にしてください。
年金の滞納で差し押さえ対象となる財産・ならない財産
「差し押さえ」と聞くと、身ぐるみを剥がされるイメージをもつかもしれません。しかし実際には、生活に最低限必要な財産は法律で保護されています。
下記は、差し押さえの対象になる財産、ならない財産の一例です。
| 対象となる財産 | 対象にならない財産 |
|---|---|
| 預貯金口座の残高 給与の一部 不動産 自動車 有価証券 |
生活に欠かせない衣服・寝具・家具・台所用具・畳・建具 生活に必要な3ヵ月分の食料・燃料 仕事に必要な道具・器具(商品は除く) 義手・義足・眼鏡・車いすなど身体の補助に使うもの 学習に必要な書籍・器具(教科書・参考書・机・文房具など) 実印、仕事に必要な印鑑 |
給与は、税金や社会保険料を差し引いたうえで、本人分の月10万円と同じ家計で暮らす親族ひとりあたり月4万5,000円、さらに残額の20%が保護されます。全額を持っていかれるわけではありません(国税徴収法第76条)。
注意したいのは、給与は銀行口座に振り込まれた時点で「預金債権」として扱われ、給与としての保護が適用されなくなる点です。滞納額によっては、口座残高全額が差し押さえられるケースもあり得ます。
差し押さえによって生活が困窮する場合は、差し押さえの猶予や解除を求められる規定もあります(国税徴収法第152条第2項)。困ったときは年金事務所に相談してください。
年金の特別催告状が来たけど払えないときの3つの対処法

手元にお金がなくても、年金の特別催告状を放置するのは避けてください。放置は最終的に財産を差し押さえられる可能性があるため、もっとも危険な選択肢です。
年金保険料が支払えない場合は、上記の3つの方法を検討しましょう。
自分の状況に合った対処法を選ぶことで、差し押さえを回避できる可能性が高まります。
それぞれ見ていきましょう。
1.免除・猶予制度の利用を検討する
前年の所得が一定基準以下の場合や、学生・失業中の場合、保険料が全額または一部免除されます。納付猶予が認められるケースもあります。
免除・猶予制度を利用すると、承認された期間が未納扱いになりません。
未納のまま放置すると差し押さえに進みますが、免除や猶予が認められれば督促の対象から外れます。差し押さえの危機から抜け出せるうえ、将来の年金受給資格期間にもカウントされる仕組みです。
免除には、以下の4つの段階があります。
- 全額免除
- 4分の3免除
- 半額免除
- 4分の1免除
どの段階が適用されるかは所得次第です。
免除制度には、所得が一定基準以下の方向けの「保険料免除制度」や、失業やDV避難・災害など特別な事情がある方向けの「特例免除制度」などがあります。詳細については後述します。
2.分割払い(分納)ができないか相談する
免除や猶予が認められなかった場合でも、年金事務所に分割納付の相談をすれば、差し押さえを待ってもらえる可能性があります。
分納を認めてもらうために大切なのは、支払う意思を伝えることです。
払えないからといって何もせず放置するのと「月◯円ずつなら払える」と相談するのとでは、印象がまったく異なります。無理のない金額で返済計画を立て、窓口で具体的に説明してください。
相談の際は、以下の情報がわかるメモを持参すると話がスムーズに進みます。
- 基礎年金番号または照会番号がわかるもの
- 毎月の収入がわかるもの
- 毎月の支出の内訳がわかるもの(家賃・光熱費・食費・借金の返済額など)
収支については、家計簿をつけておくのもよいでしょう。窓口に行くのが難しい場合は、電話で相談に乗ってもらえるケースもあります。
ただし、分納で合意した金額や期限は必ず守るようにしてください。約束した分納期限を破ると、差し押さえの手続きに移行するおそれがあるため、確実に払い続けられる金額を提案することをおすすめします。
3.借金のせいで年金が払えないなら弁護士に「債務整理」を依頼する
借金に追われて年金が払えないなら、まずは債務整理で借金問題を解決できないか検討しましょう。
弁護士に依頼すれば、弁護士は債権者に受任通知を送付します。受任通知には督促や取り立てを止める効力があるため、精神的負担を低減することが可能です。
返済に追われていた生活に余裕が生まれれば、年金の納付や免除申請に動けるようになります。
債務整理には、主に3つの方法があります。
| 任意整理 | 将来の利息をカットして毎月の返済額を減らす |
|---|---|
| 個人再生 | 裁判所を通じて借金を5分の1〜10分の1程度まで圧縮する |
| 自己破産 | 裁判所を通じて借金の返済義務そのものを免除してもらう |
どの手続きが適しているかは借金の総額や収入状況によって異なりますが、弁護士に相談すれば状況に合った方法を提案してもらえます。
債務整理の基本については、以下の記事を参考にしてください。
年金が払えないときに利用できる4つの制度
国民年金には、経済的な理由で保険料を払えない方のための救済制度があります。自分の状況に合った制度を利用すれば、差し押さえを回避しつつ将来の年金を守ることが可能です。
手続きは、住所地の役場や年金事務所のほか、郵送や電子申請でもおこなえます。基礎年金番号やマイナンバーがあれば、過去2年1ヵ月前まで遡って申請できるため、期限が過ぎていても諦める必要はありません。
また、承認された期間も10年以内に保険料を追納すれば、将来の年金額を増やせます。まずは、自分がどの制度の対象になるかを確認してみましょう。
1.保険料免除制度
本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定基準以下であれば、保険料の全額〜4分の1が免除されます。
免除には4段階あり、所得に応じて適用される段階が決まります免除の種類ごとの所得基準と納付額は以下のとおりです。
| 免除の種類 | 所得基準 (単身の目安) | 毎月の納付額 (令和7年度) | 年金額への反映 |
|---|---|---|---|
| 全額免除 | 67万円以下 | 0円 | 2分の1 |
| 4分の3免除 | 88万円以下 | 4,380円 | 8分の5 |
| 半額免除 | 128万円以下 | 8,760円 | 8分の6 |
| 4分の1免除 | 168万円以下 | 13,130円 | 8分の7 |
なお、単身以外の全額免除を受けるには、前年の所得が下記の計算式で計算した金額の範囲内でなければなりません。
| (扶養親族等の数 + 1)× 35万円 + 32万円 |
承認期間は7月〜翌6月の1年単位で、全額免除の場合は翌年度以降も継続審査がおこなわれます。ただし、一部免除の場合は毎年申請が必要です。
一部免除(4分の3・半額・4分の1)の場合、減額された残りの保険料は納付しなければなりません。残りを払わなければ、未納扱いになる点に注意してください。
2.保険料納付猶予制度
保険料納付猶予制度は、50歳未満で所得が低い方が対象です。免除制度との違いは、世帯主の所得が審査対象に含まれない点にあります。
保険料免除制度と保険料納付猶予制度の違いは以下のとおりです。
| 比較項目 | 保険料免除制度 | 保険料納付猶予制度 |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 制限なし | 50歳未満 |
| 審査対象の所得 | 本人・世帯主・配偶者 | 本人・配偶者のみ |
| 年金額への反映 | あり(全額免除で2分の1) | なし |
| 受給資格期間へのカウント | あり | あり |
| 障害・遺族年金の要件 | カウントされる | カウントされる |
実家暮らしで親の収入が高く免除の審査が通らなかった方でも、納付猶予なら利用できる可能性があります。
審査の対象は、本人と配偶者の前年所得です。所得基準は全額免除と同様で、単身者であれば67万円以下が目安です。猶予が認められた場合、年金額には反映されませんが受給資格期間にはカウントされます。
承認期間は7月〜翌6月の1年単位です。承認されると翌年度以降は継続審査がおこなわれるため、再申請は必要ありません。
3.学生納付特例制度
20歳以上の学生は、申請すれば在学中の保険料納付を猶予してもらえます。対象となるのは、以下の条件を満たした方です。
- 本人の前年所得が「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除など」以下であること
- 大学・短大・専門学校・高等学校・高等専門学校・特別支援学校・専修学校などの学生であること
審査対象は本人の所得のみで、親の所得は問われないため通りやすい制度です。収入源がアルバイトだけであれば、ほとんどの学生が基準をクリアできるでしょう。
承認期間は4月〜翌3月の1年単位で、毎年申請が必要です。申請は、市区町村役場と年金事務所に加えて、代行事務の許認可を受けた学校の窓口でもおこなえます。
共通の必要書類に加えて、在学証明書または学生証の写しを用意しましょう。
未納のまま放置すると、事故や病気で障害が残った場合に、障害基礎年金を受け取れなくなるおそれがあります。卒業後に余裕ができたら、10年以内に追納して将来の年金額を増やすのがおすすめです。
4.特例免除制度
失業・退職、災害被害、DV避難など特別な事情がある方は、特例免除制度が受けられる可能性があります。
失業・退職による特例免除を申請する場合、以下のような書類で失業の事実が確認できれば本人の前年所得を除外して審査してもらえます。
- 離職票
- 雇用保険受給資格者証
- 履歴事項全部証明書
- 個人事業の開廃業等届出書
- 事業廃止届出書 など
本人の前年所得が除外されれば、退職直後で前年の所得が高い場合でも全額免除が通る可能性があります。
「退職後に国民年金に切り替えたものの払えず放置していた」という方は、この特例免除の対象になり得ます。まずは年金事務所に連絡し、上記の書類を持参してください。
災害やDVにも特例があります。災害で住宅や家財に2分の1以上の損害を受けた場合は、免除の対象になる可能性があります。市区町村役場や年金事務所に必要書類を確認し、手続きしましょう。
DV避難中の方は、配偶者の所得を除外して審査を受けられます。申請の際は、以下の書類を添付しましょう。
- 配偶者と住居が異なること等の申出書+住居地を確認できるもの
- 配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書(初回申請時のみ)
特例免除は継続審査の対象外です。年度をまたぐ場合は、あらためて申請しなければなりません。
年金の滞納や借金に関する相談は「ベンナビ債務整理」がおすすめ
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ベンナビ債務整理は無料で利用できるため、まずはお住まいの地域で相談できる事務所を探してみてください。
年金の特別催告状に関するよくある質問
特別催告状や年金の未納について、読者が疑問に感じやすいポイントをまとめました。不安を感じている方は、自分に当てはまる項目をチェックしてみてください。
特別催告状が届いたあと、支払わずに放置していれば時効になりますか?
結論から言うと、時効で逃げ切ることはほぼ不可能です。
国民年金保険料の徴収権は2年で消滅しますが、督促状が発送された時点で時効はリセットされるためです。特別催告状が届いている段階で、年金事務所はすでに徴収に向けて動いています。
督促を無視し続けると、延滞金が膨らみ、差し押さえのリスクが高まるだけです。年金保険料が支払えない場合は、時効を期待して放置するのではなく免除や分納ができないか年金事務所に相談することをおすすめします。
詐欺や架空請求で特別催告状が届くことはありますか?
本物の特別催告状に似せた、詐欺の通知が届くケースはあります。
以下のような文言が書かれている場合は、詐欺のおそれがあります。
- 国民年金機構・国民年金センター・保険年金事務所といった名称
- 特別督促状・特別支払書など、実在しない書類名
- 個人名義の口座への振り込みを求める内容
日本年金機構がATMの操作や現金の振り込みを指示することはありません。SMSで連絡が届くこともありません。
届いた通知に少しでも違和感を覚えたら、書面に記載された連絡先には電話せず「ねんきんダイヤル」または最寄りの年金事務所に直接確認してください。
ただし、日本年金機構は未納保険料の回収業務を民間事業者に委託しています。委託事業者からの連絡は正式なものであるため、無視せず対応する必要があります。
委託事業者かどうか判断できない場合も、ねんきんダイヤルか最寄りの年金事務所に確認しましょう。
| 電話番号 | 0570-05-1165 (ナビダイヤルからは03-6700-1165) |
|---|---|
| 受付時間 | ・月曜日:8時30分〜19時00分 ・火曜日〜金曜日:8時30分〜17時15分 ・第二土曜日:9時30分〜16時00分 |
さいごに|国民年金が支払えない場合は弁護士に相談しよう
特別催告状が届いている状態は、差し押さえまでのタイムリミットが近づいています。放置すれば給与や預貯金、さらには家族の財産にまで影響が及ぶおそれがあります。
もし借金が原因で年金保険料を支払えないなら、早めに弁護士に相談しましょう。
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・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
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