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債務者とは?債権者との違いや借金を返せないときの対処法をわかりやすく解説

代表弁護士 野条 健人
監修記事
債務者とは?債権者との違いや借金を返せないときの対処法をわかりやすく解説

借金を抱えていると、債務者・債権者・連帯保証人といった言葉が飛び交い、自分の立場や権利が正確につかめないという方も多いでしょう。

各用語の定義と役割を理解することは、現在の借金問題を整理し、法的に認められた解決策を見つけ出すための不可欠なステップとなります。

本記事では、債務者・債権者の基本的な定義と関係性から、返済が滞った場合に何が起きるか、返済できないときの対処法まで解説します。

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目次

借金問題における債務者・債権者の関係性とは

借金問題を整理するうえで、まず押さえておきたいのが債務者と債権者の関係です。

債務者は返す義務を持つ人、債権者は返してもらう権利を持つ人です。

返済が滞ると、債権者には法的権力をもって債務者へ返済を求める義務があります。

督促・一括請求・財産の差し押さえと、段階的に状況が深刻になるので注意が必要です。

債務者とはお金を借りた人、債務とはお金を返す義務

債務とは、相手に対して一定の行為をおこなう義務のことです。

お金の貸し借りでは、借りたお金を返す義務が債務にあたります。

借金の返済義務を負う人を債務者、逆に返済を求める権利を持つ人を債権者と呼びます。

たとえば、消費者金融からお金を借りた場合、借りた側が債務者となります。

返済が難しい場合は、債務整理などの手続きを通じて返済条件を見直すことも可能です。

返済条件の変更に応じてもらえるかどうかは、債権者ごとの対応方針や交渉の進め方によって結果が左右される点に注意してください。

債権者とはお金を貸した人、債権とはお金を返してもらう権利

債権は、債務者に対して返済や物の引渡しを請求できる権利を指します。

簡単にいうと、お金を貸した人がもつ、借りた人に対して返済を求める権利のことです。

債権者は、債務者が返済をおこなわない場合、督促や裁判、強制執行といった複数の法的手段を取ることが可能です。

返済条件の変更に応じるかどうかは、債権者ごとの対応方針にもより、交渉の進め方や提示する条件によって結果が左右される点に注意してください。

債務者が債権者に条件変更の交渉をする際は、弁護士に依頼すると円滑に解決できる可能性が高まります。

債務者には「連帯債務者」と「第三債務者」の2種類がある

債務者には連帯債務者と第三債務者の2種類があり、それぞれ債権者からの請求の仕方が異なります。

一つひとつ理解を深めていきましょう。

連帯債務者とは「同じ債務を負って借金を返済する債務者」

連帯債務者とは、1つの借金に対して複数人がそれぞれ全額の返済義務を負う形態のことです。

たとえばAさんとBさんが連帯債務者として100万円を借りた場合、金融機関はAさんにもBさんにも「100万円を返してください」と請求できます。

主債務者と対等な立場のため、「まず本人に請求してほしい(催告の抗弁権)」という主張が原則できません。

連帯債務者は、住宅ローンのペアローンなどでよく見られる形態です。

主債務者が返済できなくなった場合、連帯債務者は全額の返済義務を負わなければなりません。

第三債務者とは「債務者に対してさらに債務を背負う人」

第三債務者とは、債権者でも債務者でもなく、債務者に対してさらにお金を支払う義務を負っている人や機関のことです。

たとえば、わかりやすい例が勤務先の会社です。

勤務先の会社は債務者に給与を支払う立場のため、債務者の第三債務者にあたります。

債権者が強制執行(差し押さえ)を申し立てると、この第三債務者に対して直接支払いが求められます。

もし給与が差し押さえられた場合は会社に通知がいくため、職場に借金の存在が発覚してしまうでしょう。

債権者が債務者に発揮できる5つの権利

債権には、法的な強制力が認められています

単に「返してほしい」という希望ではなく、法律に基づく権利です。

返済を放置し続けると、債権者によって下記の権利が段階的に行使されていくため、早い段階で相談するなどの対処をとる必要があります

権利(効力) 内容
給付保持力 債務者から受け取った給付を正当な利益として持ち続けられる権利
訴求力 債務者が支払わない場合、裁判所へ訴えて支払いを請求できる権利
執行力 確定判決などを根拠に、裁判所を通じて強制執行を申し立てる権利
貫徹力 債務の内容を最終的に実現させる権利
掴取力(かくしゅりょく) 債務者の財産を把握し、そこから優先的に返済を受けられる権利

債務者が借金を返さなかった場合に起こる5つのこと

借金の返済を放置し続けた場合、状況は段階的に悪化していきます。

督促からはじまり、遅延損害金の発生や一括請求、訴訟、強制執行と進んでいきます。

各段階で何が起きるかを把握しておくことが、借金問題の早期解決につながるでしょう。

①債権者から返済を督促される

返済を滞納すると、債権者から電話や督促状、訪問などによる督促が届きます

最初は穏やかな連絡でも、滞納が続くと督促の頻度や言い回しは次第に厳しくなっていきます。

督促が届き始めた段階は、まだ取り得る選択肢が多いので、対策を打ちやすいタイミングです。

そのまま放置せず、できるだけ早めに専門家へ相談することをおすすめします。

②遅延損害金が発生する

返済期日の翌日から、遅延損害金が自動的に発生します。

通常の利息よりも高い利率で計算され、貸金業者からの借入れの場合は年20%が上限です(利息制限法第7条第1項)。

滞納が続けば続くほど元本に上乗せされていき、放置した分だけ返済総額が膨らみます

たとえば残債100万円で遅延損害金が年20%の場合、1年放置するだけで利息だけで約20万円が追加されます。

少し待ってもらえれば払えるという状況でも、時間が経つほど負担は増えていくのが現実です。

放置せずに、できるだけ早めに動くことが重要です。

③残りの借金を全額返済する義務が生じる

分割払いで返済している場合、一定の条件が重なると期限の利益の喪失が発生します。

期限の利益とは、返済を分割でおこなえる権利のことです。

期限を過ぎると、残りの借金を一括で返済しなければならなくなるので注意が必要です。

多くの借入契約では、2ヵ月以上の滞納や督促を無視し続けた場合に期限の利益を喪失する旨が定められています。

月々数万円の分割返済が、突然数百万円の一括請求に変わるケースも少なくありません。

④保証人に対して借金を全額請求される

主債務者(借りた本人)が返済を滞納すると、債権者は保証人に全額の支払いを求めてきます

連帯保証人の場合は、「まず本人に請求してほしい(催告の抗弁権)」という主張が原則できません。

債務者本人の状況にもかかわらず、保証人が直接一括請求を受けるリスクがある点には注意が必要です。

保証人への影響を最小限に抑えるには、滞納が深刻化する前にどの債務に誰が保証人としてついているのかを把握しておくことが不可欠です。

自力での返済が困難で、保証人に迷惑をかけたくないと考えている方は、法的な解決策や対象範囲を早めに弁護士へ相談するのをおすすめします。

⑤放置した場合は債権者に訴訟を提起される

督促を無視し続けると、債権者は裁判所に訴訟を提起します。

裁判所から特別送達が届いた場合、訴訟が始まったサインです。放置すると、債権者の主張がほぼそのまま認められた判決が下されます。

判決が確定すると、強制執行によって給与や預貯金の差し押さえが申し立てられます。

期日までに答弁書を提出しないと対応できる選択肢がほぼなくなってしまうので、特別送達が届いた時点ですぐに弁護士へ相談してください。

⑥強制執行によって給与・預貯金などを差押えされる

強制執行とは、裁判所の手続きを経て、債務者の財産を強制的に差し押さえる法的措置です。

主に、給与・預貯金・不動産・車などが対象になります。

給与の場合、手取り額の4分の1(または月額33万円を超える部分)まで差し押さえが可能です。

差し押さえの通知が勤務先に届くため、会社に借金の存在が発覚するリスクもあります。

強制執行を受ける段階まで進むと、生活への影響が非常に大きくなるので注意が必要です。

強制執行を回避・解除するための具体的な方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

⑦債務者が死亡したら借金は相続人に引き継がれる

債務者が亡くなった場合、借金も相続の対象になります。

包括承継といって、預貯金などプラスの財産だけでなく、借金などマイナスの財産もセットで引き継がれます

相続人が知らないまま自動的に返済義務を負うケースもあるので注意が必要です。

相続人に借金が引き継がれるのを回避するには、主に2つの方法があります。

方法 詳細
相続放棄 被相続人から受けたプラスの財産・マイナスの財産の両方を一切引き継がない手続き
限定承認 相続で得たプラスの財産の範囲内で借金を返済し、ほかの負債を引き継がない手続き

突然の相続によって多額の債務が発覚して対応に困った際も、早めに弁護士へ相談すれば状況に応じた解決策を選択できる可能性が高まるでしょう。

債務者が借金を返済できないときにすべき対処法

返済が苦しい場合にできることは、大きく3つに分けられます。

できるところから取り組みつつ、難しければ専門家への相談も視野に入れましょう。

支出を減らす

まずおこなうべきなのは、固定費の見直しです。

スマートフォンの料金プランや使っていないサブスクリプションなどを整理するだけで、月数千円から数万円の削減が見込める可能性があります。

食費や日用品などの節約より、固定費の削減のほうが効果が出やすく、一度見直せばその後の手間もかかりません

支出を削ってもなお返済が追いつかない場合は、次の方法を考えるのが現実的な判断です。

収入を増やす

次におすすめなのは、副業や転職をして月々の収入を増やす方法です。

副業は、クラウドソーシングでの単発仕事や配達系の副業、資格を活かしたパート勤務など、すぐに始めやすい選択肢は多数あります。

たとえ大きな収入源ではなくても、月数万円プラスで稼ぐだけで経済的に余裕ができる可能性があります。

また、自治体による生活支援の給付金や低金利で借り換えできるローン制度も選択肢のひとつです。

ただし、借り換えは高金利の借金を低金利に移す目的でのみ有効です。

追加の借り入れは状況を悪化させるケースが多いので慎重に進めましょう。

債務整理を検討する

支出を削ったりして収入を増やしても、返済が追いつかない状況なら、債務整理を選択肢に入れるべきでしょう。

詳しくは後述しますが、債務整理は、任意整理・個人再生・自己破産の3種類に分けられ、状況や目的によって向いている方法は異なります。

信用情報に傷がつくというデメリットはありますが、 返済不能な状態を放置するほど遅延損害金は膨らみ、強制執行などの事態を招くリスクが高まります。

どの手続きが自分に適しているかは、借金の総額や本人の返済能力によって決まります。

まずは、各手続きの仕組みや条件を正しく把握し、自分の状況に照らし合わせて慎重に検討するのがおすすめです。

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借金を解決できる3つの債務整理

債務整理はそれぞれ仕組みや条件が異なるため、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。

具体的に解説します。

任意整理|債権者との交渉で将来の利息をカットできる

任意整理とは、弁護士や司法書士が債権者と直接交渉し、支払いスケジュールや将来の利息をカットして分割払いに組み直す手続きです。

任意整理は裁判所を通さない方法なので、手続きが比較的スムーズに進みます

整理する借金を自分で選べるのも大きな特徴であり、保証人付きの借金を対象から外せば保証人への影響を回避できます。

3年~5年の分割払いに変更できるケースが多いので、月々の返済額を下げながら完済を目指すことが可能です。

ただし、元本は原則として減額されないので、元本が大きすぎる場合は個人再生や自己破産が適している可能性があります。

個人再生|裁判所を介して借金を最大1/10まで減額できる

個人再生とは、裁判所を通じて元本を大幅に減額し、3年?5年で分割返済する手続きです。

個人再生をおこなえば、借金の額によって5分の1から最大10分の1まで圧縮できます

住宅ローン特則を使えば、マイホームを手放さずに手続きを進めることも可能です。

また、自己破産のような資格制限がほとんどないため、警備員や士業といった職種の方でも仕事を続けながら手続きを進められます。

ただし、安定した収入があることが条件なので収入が不安定な場合は弁護士に事前に確認しておくと安心です。

自己破産|一部の債務を除き全借金の支払いを免除してもらう

自己破産とは、全ての借金の返済が不可能になった場合に、裁判所を通じて債務の免除(免責)を受ける手続きです。

税金・養育費・一部の罰金を除く借金がゼロになるため、3つの中で特に強力な借金解決手段です。

自己破産をすると、一定以上の財産は換金されて債権者に分配されますが、生活に必要な最低限の財産は手元に残せます

手続き中は一部の職業に就けない制限(弁護士・警備員など)がありますが、免責後は解除されます。

自己破産は、国が法律で認めた債務者が再び前を向いて再スタートを切るための正当な権利です。

自己破産をするデメリットを正しく理解したうえで、早期に生活をリセットし、生活を建て直すための選択肢として捉えることが大切です。 

債務者が弁護士・司法書士に依頼するメリット

債権者が専門家へ依頼する主なメリットは、複雑な手続きを代行してもらえる点に加えて、債権者からの督促をストップできる点です。

弁護士や司法書士が受任通知を債権者に送付した時点で、貸金業者による直接の取り立ては法律によって禁止されます。

なお、依頼先となる弁護士と司法書士では、対応できる業務の範囲に以下のような違いがあります

手続き 弁護士の場合 司法書士の場合
任意整理 金額の制限なしで一律で可能 1社あたり140万円以下の借金のみ可能
個人再生・自己破産 審尋の同席も含めて全て代理可能 書類作成のみ可能(裁判所の代理は不可)

借金の総額が多額である場合は、全ての手続きにおいて代理権を持つ弁護士への依頼がおすすめです。

一方で、1社あたりの負債が比較的少額であり、書類作成などのサポートを主な目的とする場合は、司法書士への依頼がおすすめです。

借金問題を解決するときは、自身の負債状況や必要とするサポートの範囲を照らし合わせて依頼する専門家を選びましょう

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【手続き別】債務整理を弁護士に依頼して借金問題を解決できた事例

続いて、債務整理を弁護士に依頼して借金問題を解決できた事例を3つ紹介します。

【任意整理】200万円の借金がゼロになったケース

自営業の運転資金をクレジットカードでまかなっていた方のケースです。

取引先の倒産で代金が回収できなくなったうえ、自身も体調を崩して仕事を続けられなくなり、返済が滞ってしまいました。

数年後、当時のクレジットカード会社から債権を譲り受けたという見知らぬ会社から督促状が届き、驚いて専門家へ相談。

請求額は遅延損害金が加わって約200万円に膨らんでいました。

しかし、最終返済から5年以上が経過して裁判所からの通知も届いていなかったため、消滅時効を援用できる可能性が高い状況でした。

債権調査の結果、最終支払日から6年が経過していたため、内容証明郵便による消滅時効の援用をし、約200万円の借金を実質ゼロにできました

一人で抱え込まず、督促状をきっかけに早めに相談したことが、結果を大きく変えた事例です。

【個人再生】400万円の借金を4/1まで減額できたケース

妻と子ども2人の4人家族で暮らす方のケースです。

生活費や子どもの養育費がかさんで400万円の借金を抱えていましたが、収入があったため毎月きちんと返済できていました。

しかし、子どもの成長とともに教育費などの出費が増え、住宅ローンも抱える中で、月8万円の返済が次第に重くのしかかるようになりました。

「このままでは将来に希望が持てない」と思い、思い切って専門家へ相談しました。

話し合いの結果、選んだのは個人再生でした。

裁判所に認められ、400万円あった借金は4分の1の100万円まで減額

債務整理に強い弁護士に相談したことで、月々の返済も約2.8万円まで下げられた事例です。

【自己破産】400万円の借金が免責となったケース

最後に紹介するのは、事業の失敗などで400万円を超える借金を抱え、返済の見通しが立たなくなったケースです。

弁護士に相談した結果、自己破産の申立てを進めることになりました。

免責不許可事由(ギャンブルや浪費による借金など)がなかったため、裁判所から免責許可決定が下り、400万円の借金が法的にゼロになりました

自己破産後は5~7年間、信用情報に事故情報が残りますが、その間も現金払いや家族名義のカードは利用することが可能です。借金をリセットして生活を立て直した事例です。

 

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債務者に関連するよくある質問

最後に、債務者に関するよくある質問をいくつか紹介します。

債務者に関する疑問をクリアにするために、一つひとつ確認しておきましょう。

Q1.「債務者」と「債権者」の簡単な覚え方はある?

漢字の意味で覚えると、混乱しにくくなります。

「債務(さいむ)」の「務」は「義務・務め」、「債権(さいけん)」の「権」は「権利」です。

返す「義務」があるのが債務者、請求する「権利」があるのが債権者と整理しておくと混乱しません。

法律の文書や契約書でもこの2語は頻出です。

ここで覚えておくと、今後の手続きの説明もスムーズに理解できるでしょう。

Q2.「連帯債務者」と「連帯保証人」は何が違うの?

どちらも返済義務を負う点は同じですが、立場の重みが違います。

連帯債務者は、最初から自分の借金として全額の返済義務を負います。

住宅ローンのペアローンなどが典型例です。

連帯保証人は、主債務者が返さない場合に代わりに返すという立場です。

ただし、債権者から請求が来た際に「まず本人に請求してください」と断れない点では、連帯債務者と同様に重い責任を負います。

どちらの立場にある場合も、主債務者が返済できなくなったタイミングで影響が及ぶので、早めに状況を確認しておきましょう。

Q3.テレビやドラマで聞く「第三債務者」とは誰のこと?

第三債務者とは、債務者(借金をしている人)に対してお金を払う義務がある「第3の人物」のことです。

もっとも身近な例は、勤務先の会社です。

会社は毎月給与を支払う義務があるため、債権者が給与の差し押さえを申し立てると、裁判所から勤務先に通知が届きます。

この通知によって、会社に借金の存在が発覚します。

差し押さえが会社に届く前に手を打てるかどうかが、職場への影響を避けられるかの分かれ目になるでしょう。

Q4.債務者が多重債務者でも、新しくカードは作れる?

多重債務者が新しいクレジットカードやローンの審査に通ることは、極めて難しいです。

なぜなら、クレジットカードやローンの審査では信用情報機関への照会がおこなわれるからです。

現在の借入状況・滞納履歴・債務整理の記録などが確認されるため、複数の借り入れがある状態は審査に不利に働きます。

「バレないだろう」と思って申し込んでも、照会の段階で状況は把握されます。

虚偽の申告は審査上の問題にもなりかねないので注意が必要です。

まず優先すべきは、今ある借金の整理です。

任意整理や個人再生で返済計画を立て直し、信用情報が回復する5~7年後には通常の金融サービスを利用できるようになります。

Q5.債務者が破産すると、家族も債務者になるの?

借金は、あくまで個人のものです。

家族が保証人や連帯債務者になっていない限り、家族が返済義務を負うことはありません。

ただし、家族名義の口座であっても実態として債務者の資産と判断された場合は、調査の対象になる場合があります

財産の移し方によっては否認(取り消し)される可能性もあるので、弁護士に確認してから判断することをおすすめします。

Q6.債務者が破産したら債権者はどうなる?

債務者が破産すると、債権者は通常の強制執行などの申し立てができなくなります

それまでの債権は破産債権として扱われ、破産手続きの中で配当を受ける流れになります。

ただし、破産管財人の報酬や税金など優先順位の高い債務が先に支払われるので、破産債権への配当はごく僅かになるケースが多い傾向です。

「債権をできるだけ回収したい」という立場であれば、債務者の返済が滞り始めた段階で早めに法的手続きを検討することが重要です。

Q7.破産した場合でも強制執行される?

破産手続開始の決定があった時点で、債務者の財産は破産財団となります。

破産財団に対しては、強制執行などを新たに申し立てることは不可能です(破産法42条1項)。

また、すでにおこなわれている差し押さえも、決定後は失効します(同条2項)。

破産財団は破産管財人によって換価・処分され、債権者への配当に充てられます。

個別の強制執行ではなく、破産手続きの中で分配される仕組みに切り替わるイメージです。

Q8.破産債権はほとんど弁済を受けられない?

実態として、破産債権への配当がほぼゼロになるケースは少なくありません

破産手続きでは、配当の前に破産管財人の報酬・公租公課などが優先的に支払われます。

これらを差し引いた残りから破産債権への配当がおこなわれるため、残高が少ない場合は配当が全くないケースもあります。

債務者側から見ると「借金がゼロになる」、債権者側から見ると「ほぼ回収できなくなる」という構造です。

債権者の立場にある場合は、滞納が始まった段階で速やかに回収手続きを進めることが重要です。

Q9.債務者側は自己破産するのが一番お得?

「借金がゼロになる」という点だけで言えば強力な手段ですが、一番お得とは限りません。

自己破産をすると、職業・資格制限やブラックリスト入りといった生活面で大きな影響が生じるからです。

借金問題を解決するときは、元本を圧縮しながら返済を続けられる個人再生や、対象を選んで利息をカットできる任意整理が適しているケースも少なくありません。

どの方法が自分の状況に合っているかは、収入・借入額・財産の状況・家族構成などによって変わるでしょう。

まとめ|借金の返済にお困りのときは弁護士へ

借金の返済が困難な状況を放置してしまうと、事態はどんどん悪化していきます。

遅延損害金の加算や一括請求、さらには裁判所を通じた強制執行といった深刻な事態も、早期に対応することで回避できるケースがほとんどです。

そのうえで、任意整理・個人再生・自己破産にはそれぞれ異なったメリット・デメリットがありますが、いずれの手続きも着手が早いほど生活再建に向けた選択肢を確保できます。

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この記事の監修者
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本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。