個人事業主が自己破産をするには?費用や自己破産後の影響を徹底解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
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個人事業主の方が自己破産をする際、基本的に管財事件となり、破産管財人が選任され、財産を調査した上で、債権者(お金の借り入れ先)に分配されます。

また、一般の人の自己破産と異なり、取引先があったり財産が多かったりするため、自己破産を検討している方は、まず抑えておくべきことが何点かあります。

今まで苦労して事業を継続してきたのに、自己破産という選択を迫られるのは非常に辛いかと思います。

この記事では、

  • 個人事業主が自己破産する前に知っておくべきこと
  • 個人事業主が自己破産をする方法
  • 個人事業の自己破産に関するQ&A
  • 個人事業主が自己破産する際に弁護士へ依頼するメリット

について説明します。自己破産をご検討中の個人事業主の方は、損をしない自己破産をするためにも、この記事を活用していただければと思います。

自己破産をご検討中の個人事業主へ

個人事業主の自己破産は、財産があり取引先がある以上、個人が行う破産と異なります。自己破産を検討するのであれば、弁護士や司法書士といった専門家を交えることをおすすめします。

自己破産を専門家に依頼するメリットは以下の通りです。

  1. 取り立てが最短即日で止まる
  2. 自己破産における手続きを一任できる(※)
  3. 自己破産費用が安くなる可能性がある
  4. 免責許可を受けやすくなる
  5. 財産の取り扱いについて教えてくれる

※司法書士は一部業務に制限が設けられています。

個人事業主が自己破産する前に知っておくべきこと

個人事業主が自己破産する際に、取引先との契約がどうなるのか、どのような財産が残せるかをまず把握しておきましょう。

以下では、個人事業主が自己破産する際に知っておくべき取引先との契約や財産の取り扱いについて説明します。

自己破産後に事業を再開するのは難しい

「自己破産後も事業を続けたい」と、熱い思いを抱いている方もいるでしょう。しかし、自己破産後に事業を再開するのは極めて困難です。

自己破産後は、信用情報機関にご自身の情報が登録されることで、5~10年程度は新規の借入ができなくなり、事業再建のために融資を求めても審査が通ることは基本的にありません。

また、自己破産をすると、取引をしていた相手からの信頼を失う可能性は高いでしょう。自己破産後は、それまで築き上げていた人脈を頼るのが難しくなるかもしれません。

資金面からも信頼面からも事業を再開するのは困難だといえるでしょう。

取引先との契約は解除される

基本的に、自己破産をすると、取引先や従業員などとの契約関係はすべて解除されると同時に、事業は廃止されます。

契約を解除するタイミングは、後述の『管財事件の期間・流れ』の図1の「②契約および受任」の後です。

最低限の財産しか残らない

自己破産をすると、原則として、20万円以上の価値のある財産は手放さなくてはいけません。そのため、住宅や車などは換価処分の対象となります。

20万円以下の財産および99万円以下の現金、生活必需品である衣類や寝具などは手元に残せます。

個人事業主が自己破産をする方法

個人事業主が自己破産をする場合は、一般の人が自己破産をする場合と少し異なる点があります。それを踏まえ以下では、個人事業主の自己破産の方法について説明します。

個人事業主の自己破産は基本的に管財事件

自己破産には「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類がありますが、基本的に、免責不許可事由()がなかったり、総資産が20万円以下であったりする場合は、同時廃止事件になり、逆に、免責不許可事由に当てはまっていたり、総資産が20万円以上あったりする場合は、管財事件になります。

一般の人が自己破産をする場合は、同時廃止事件になることが多いですが、個人事業主が自己破産をする場合は、資産を20万円以上持っていることがほとんどなので、管財事件になるのが通常です。

ただし、最終的に同時廃止事件と管財事件のどちらになるかは、裁判官の裁量で決まります。

また、管財事件を行うには、裁判所の手続きの費用として約20万円を納める必要があり、この20万円を用意できない場合は、同時廃止事件になることもあります

※免責不許可事由

①本人の浪費により借金を作った場合

②財産を隠す・壊す・渡すなどした場合

③破産申立前の1年間に、住所、氏名、年齢、年収などの経済的な信用に関わる情報に嘘の情報を伝えて、借り入れなどを行った場合

④ローンやクレジットで商品を買い、その商品を安い値段でお金に換えた場合

⑤破産申立日から数えて7年以内に免責を受けたことがある場合

⑥裁判所や破産管財人の調査に協力しなかった場合

管財事件にかかる費用

管財事件でかかる費用と内訳は下表の通りです。ただし、申立をする裁判所によって異なることがあるので、一度裁判所に確認してみてください。

内訳

費用

裁判所へ支払う予納金

約1.3万円

引継予納金

最低20万円

予納郵便切手

計940円

収入印紙代

1,500円

少額管財事件では費用が異なりますのでご注意ください。

少額管財事件に必要な費用とは

管財事件に必要な書類

管財事件で必要になる書類は、下表の通りです。必要書類は19枚と多く、なかには②の家計の状況(家計簿)のように、申立日の数ヶ月前から作成し始めなければならないものもあるので、早めに確認しましょう。

ただし、必要書類は裁判所によって異なることもあるので、申立をする裁判所が決まったら一度調べてみてください。

必要書類と家計簿の書き方については、それぞれ「自己破産の申立に必要な書類」「個人再生の家計簿(家計収支表)はいつからいつまで書く?嘘や適当なことを避けるには」で詳しく解説しています。

管財事件の流れと期間

管財事件にかかる期間は、おおよそ半年~1年といわれています。管財事件では、資金の処分や換金、配当などを行うため、時間がかかることを覚えておきましょう。

管財事件の流れ

上表は、一般的な管財事件の流れを示したものです。自己破産は裁判所を介して行う手続きであるため、弁護士に依頼するのが一般的なので、②の「契約および受任」以後の手続きは、弁護士と一緒に行います。

【具体的な流れを知りたい方へ】

自己破産の手続きと流れを徹底解説

個人事業主の自己破産に関するQ&A

以下は、自己破産を検討している個人事業主の方からよく寄せられる質問なので、確認してみてください。

売掛金はどうなるの?

破産開始決定前に回収した売掛金は現預金資産として処理されますし、未回収の売掛金の処理は管財人の判断に委ねられます。

なお、破産手続き開始決定に仕事をして、回収した売掛金は「新得財産」として手元に残すことができます(図③)。

破産すると取引先への未払い金はどうなるの?

自己破産をして免責を受けると、取引先への未払い金も支払う義務がなくなります。

確定申告はどうするの? 確定申告をしてない場合でも自己破産できる?

自己破産後の確定申告は、必須ではありません。確定申告は、所得があった方が行う手続きであるため、赤字経営であった場合は必要ないといえます。

また、確定申告をしていなくても自己破産をすることは可能ですが、2年分の課税証明書や、経費をまとめたものを裁判所に提出する必要があります。

家族への影響はある?

自己破産をしても、家族への直接的な影響はありません。ただし、家族が連帯保証人になっている場合は、借金の請求が家族宛てにいきます。

また、車や住居などの財産が没収されることで生活への支障は避けられないでしょう。

また、子供がいて、申立人の名義で学資保険を契約している場合は、解約することになります。

学資保険は、積み立て型の契約であることがほとんどですが、解約するとそれまで積み立ててきたお金が返還されて、自己破産の手続きで配当原資に回されるのが通常です。

ただし、場合によっては契約を続けられることがあるので、学資保険がある場合は弁護士に相談してみましょう。

個人事業主の自己破産を弁護士に依頼するメリット

管財事件は、手続きが複雑なうえに、財産も失うので、申立人の負担が大きいと言われています。

しかし、弁護士に依頼すれば、手続きをほぼすべて任せられますし、申立人にとって有利になるように手続きをすすめてくれるので安心です。

そのほかにも、取り立てが止まる、裁判所への出頭回数が減るなどのメリットを受けられます

以下では、依頼するメリットをご紹介するので、前向きに依頼を検討してみてください。

弁護士に依頼するメリットについては、「自己破産の無料相談ができる弁護士を探す|依頼する4つメリット」で詳しく解説しています。

まとめ

管財事件の場合、財産を適切な形で管財人に引き継ぐ必要もあります。そのため、個人事業主が破産する場合は、弁護士への依頼も検討すべきでしょう。

己のすべてを捧げてきた事業を断念し、断腸の思いで自己破産を選択した個人事業主の方を、当サイトでは全力でサポートいたします。

自己破産について何か不明点があったり、弁護士に相談したいと考えている場合は、気軽にお尋ねください。

自己破産をご検討中の個人事業主へ

個人事業主の自己破産は、財産があり取引先がある以上、個人が行う破産と異なります。自己破産を検討するのであれば、弁護士や司法書士といった専門家を交えることをおすすめします。

自己破産を専門家に依頼するメリットは以下の通りです。

  1. 取り立てが最短即日で止まる
  2. 自己破産における手続きを一任できる(※)
  3. 自己破産費用が安くなる可能性がある
  4. 免責許可を受けやすくなる
  5. 財産の取り扱いについて教えてくれる

※司法書士は一部業務に制限が設けられています。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。