更新日:

自己破産できないケースとは?免責が許可されない理由11項目や対処法を解説

杉本 真樹
監修記事
自己破産できないケースとは?免責が許可されない理由11項目や対処法を解説

自己破産ができなくて悩んでいる方でも、適切に手続きを進めれば免責が認められるケースがほとんどです。ただし、返済能力がある場合や免責不許可事由に該当する場合は、手続きが難しくなる可能性があります。

この記事では、自己破産できないケースと免責不許可事由11項目を具体的に解説します。免責不許可事由に該当しても裁量免責で救済される可能性や、自己破産が難しい場合の任意整理・個人再生といった代替手段についても紹介します。

また、自己破産にかかる費用の相場、家族への影響、クレジットカードや賃貸契約への影響といった疑問についても回答しています。自分のケースでも自己破産できるのか不安な方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ債務整理で
自己破産が得意な弁護士を探す
目次

自己破産ができない割合はほぼ0!ほとんどの場合は免責が認められる

自己破産とは、裁判所に申立てをおこない、返済しきれない借金を法的に免除してもらう手続きです。正式には免責許可決定といい、免責が認められると借金の支払い義務がなくなります。

「自己破産できないかも」と心配する方は多いですが、実際に免責が認められない割合はほぼ0に近いのが現状です。2023年に日本弁護士連合会が発表したデータによると、2000年以降、免責不許可となるケースは申立件数全体の1%前後の水準で推移しています。

つまり、弁護士や司法書士に相談して適切に手続きを進めれば、ほとんどのケースで免責が認められるのが実状です。

一方で、申立てそのものができなかったり、手続きが通らなかったりするケースも存在します。

自己破産ができない4つのケース

自己破産の申立てが認められないケースには、大きく4つのパターンがあります。それぞれのケースごとに自己破産が認められない理由が異なるため、自分がどのパターンに近いかを確認してください。

1. 借金を自力で返済できる場合

自己破産が認められる前提条件は、借金の返済が不能な状態であることです。手取り収入から毎月の生活費を差し引いた余剰金で、借金を返し続けられるかどうかが判断基準になります。

生活が苦しいという感覚だけでは不十分で、法的・客観的に返済が不可能な状態であることが求められます。たとえば、不動産や高級車など、売却すれば借金を完済できる資産がある場合は支払い不能とは判断されません。

借金の総額を36ヵ月(3年)で割った金額が、毎月の返済可能額を下回っている場合、完済できる見込みありとみなされ、申立てが認められないケースがあります。

毎月ギリギリで回している状況でも、客観的に返済可能と判断されれば、支払い不能とは認められません。

2. 非免責債権しかないような場合

自己破産で免除されない借金を非免責債権と呼びます。具体的には、以下のような借金が非免責債権であり、破産手続が終わったあとも支払い義務が残ります。

主な非免責債権
  • 税金
  • 社会保険料
  • 養育費
  • 故意の不法行為による損害賠償金など

非免責債権しか抱えていない場合、破産を申し立てても借金が減るわけではありません。手続きにかかるコストと手間だけが残るため、裁判所も申立てを受理しない場合があります。

抱えている非免責債権が税金や社会保険料であれば、役所への分割払い相談が現実的な選択肢です。自分の借金が非免責債権にあたるかどうかは、専門家でないと判断が難しいケースもあります。

3. 裁判所費用(予納金)を支払えない場合

自己破産の手続きを進めるには、裁判所に予納金を支払わなければなりません。手続きには同時廃止と管財事件の2種類があり、それぞれ費用に大きな差があります。

予納金の目安
同時廃止 1万2,000円程度
管財事件 20万円以上

費用が用意できない場合、申立てを取り下げるか、裁判所から却下される可能性が高いです。

ただし、費用の問題は解決できる場合がほとんどです。法テラスの審査を通れば、弁護士費用・裁判所費用を立て替えてもらい、毎月少額ずつ返済する制度が利用できます。また、法律事務所によっては費用の分割払いに対応しているところも少なくありません。

4. 免責不許可事由に該当する場合

借金の原因や、手続き中の行為によっては免責不許可事由に該当し、借金の免除が認められない場合があります。免責不許可事由は、破産法252条に定められており、ギャンブルや浪費による借金、財産の隠匿、虚偽の申告などが挙げられます。

ただし、不許可事由に該当したために、破産が失敗するとは限りません。裁判所の裁量で免責を認める裁量免責という制度があり、反省の姿勢や誠実な手続きへの協力が評価されると、実際に不許可事由があっても免責が下りるケースは多くあります。

自己破産できない免責不許可事由の具体例11項目

免責不許可事由は、破産法252条に定められています。該当した場合に必ずしも自己破産できないとは限らないものの、失敗する可能性は高くなるでしょう。

以下では、免責不許可事由を11項目紹介します。

1. 財産隠し・不当な処分

破産前に財産を隠したり、安値で親族に売ったりする行為は、免責不許可事由の中でも特に厳しく判断されます。具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 預金を引き出して手元に隠す
  • 車を家族名義に変える
  • 離婚を名目に過大な財産分与をおこなう など

こうした行為は、破産管財人によって法的に無効にされます。名義変更した車は元に戻され、引き出した預金も回収される可能性が高まるだけでなく、手続きそのものが不利になります。

悪質と判断された場合は、詐欺破産罪などの刑事罰が問われる恐れもあります。少しでも多く手元に残したい気持ちは理解できますが、あとから大きなリスクになると覚えておいてください。

2. 闇金からの借入れなど

返済の見込みがない状態で、さらに借金を増やす行為も、免責不許可事由に該当します。典型的なのは、闇金など高金利の業者からの借入れや、クレジットカードの現金化(換金行為)です。とりあえず今月をしのぐためにおこなった行為でも、対象になり得ます。

破産を決意したあとに借金を増やすのは、債権者を害する行為とみなされやすいです。その場しのぎでおこなった行動が、あとから破産手続を妨げる原因になるケースは少なくありません。

3. 特定の人への優先返済

親だけには迷惑をかけたくないと、家族や知人の借金を先に返してしまうケースがあります。しかし、特定の人への優先返済は免責不許可事由に当たるため注意が必要です。

破産手続では、全ての債権者を平等に扱う債権者平等の原則が適用されます。一部の人だけを優先した返済は、債権者平等の原則に反する行為です。

また、優先的に返したお金は、管財人によって回収される可能性があります。返済した相手も、あとから返金を求められる立場になりかねません。

4. 浪費やギャンブル・投資

以下のような行為は、免責不許可事由の代表例です。

  • ギャンブル…パチンコ・競馬・競艇など
  • 投機的投資…FX・仮想通貨・先物取引など
  • 浪費…ブランド品購入・高級飲食・過剰な交際費など

収入に見合わない支出が浪費とみなされる基準になります。高収入でも生活水準が著しく高い場合は対象になり得ます。

ただし、反省の姿勢が認められると裁量免責が下りるケースも多いです。ギャンブルや浪費が原因だからといって、諦める必要はありません。

一方で、管財事件に移行する可能性が高まり、手続きの費用と時間がかかる点は覚悟しておく必要があります。

5. 嘘をついての借り入れ

年収を偽る、虚偽の勤務先を申告するなど、相手を騙して借金をした場合は、免責が認められにくくなります。

他人の名義を使った借入れや、支払い不能の状態にあると知りながら、新たに借り入れる行為も該当します。破産直前に、返済の見込みがない状態でカードローンを利用するようなケースも対象です。

嘘をついての借り入れは、信用秩序を乱す行為として、裁判所から厳しく判断される項目のひとつとなります。

ただし、どの程度の悪意があったかによって、判断は変わります。自己判断せず、まず状況を整理してみてください。

6. 帳簿の隠滅や偽造

事業主などが、経営の実態を隠すために帳簿を破棄・偽造する行為は、免責不許可事由に該当します。

個人事業主や法人代表者が特に対象になりやすい項目です。売上や資産の正確な把握を妨げる行為は、裁判所から誠実な申立人ではないと判断される根拠になります。

正確な財産調査ができなくなる行為は、免責を否定する強い理由になります。逆に、全ての書類を正直に提出し、透明性を確保する行動は、免責獲得につながります。

7. 債権者を意図的に隠す

裁判所に提出する債権者一覧(借金リスト)から、特定の相手をわざと外す行為は認められません。知人からの借金を「迷惑をかけたくない」という理由で隠したり、特定のカード会社を意図的にリストから外したりするケースなどが挙げられます。

意図的に隠した場合は免責不許可事由に該当し、手続き全体が免責不許可になるリスクが高まります。

一方、うっかり忘れていた場合は免責不許可事由にはなりませんが、その借金については免責の対象外となり、支払い義務が残る点に注意が必要です。

8. 裁判所の調査への非協力

裁判所からの質問に嘘をついたり、回答を拒んだりする行為は、免責不許可事由に直結します。

破産者には、財産や収支の状況を裁判所に対して正確に説明する義務があります。沈黙や曖昧な回答も義務違反とみなされる場合があるため、不都合な事実であっても正直に話すことが大切です。

後ろめたい事情があるから言えないという場合でも、隠した事実があとから発覚したほうが、心証への影響は大きくなります。何を・どう伝えるべきかを整理し、落ち着いて対応しましょう。

9. 管財人の業務を邪魔する

管財人の財産調査や管理業務を、物理的・心理的に妨げる行為は免責不許可事由に該当します。具体的には、以下のような行動が挙げられます。

  • 管財人との面談を拒否する
  • 財産に関する説明を求められても応じない
  • 指示に従わずに財産を処分する

管財人は免責を認めてよいかどうかを裁判所に報告する役割も担っています。管財人との関係が免責の可否を大きく左右するため、指示や連絡には誠実に応じ、必要な協力を惜しまない対応が大切です。

10. 過去7年以内の免責履歴

前回の自己破産から7年が経過していない場合、原則として再度の免責は認められません。

再度の自己破産だけではなく、個人再生の中でも給与所得者等再生という手続きも、前回の自己破産免責から7年以内は利用できません。安易な破産を繰り返させないために設けられたルールです。

しかし、7年以内でも特別な事情があれば、裁量免責が認められるケースがあります。

11. その他、破産法上の義務違反行為

免責不許可事由は上記の10項目だけではありません。手続き中の日常的な行動も、破産法上の義務に違反すれば対象になります。代表的なのが、裁判所の許可なく居住地を離れる行為です。手続き中に無断で旅行や引越しをすると、義務違反とみなされる場合があります。

また、管財人への郵便物転送を妨害するなどの行為も対象になります。手続きの期間中は、裁判所のルールに従って生活する意識を持つことが重要です。

不許可事由があっても自己破産が認められる裁量免責

免責不許可事由に該当していても、諦める必要はありません。裁判所の裁量で免責が認められる裁量免責という制度があります。

裁量免責とは、不許可事由があるケースでも、裁判所が総合的に判断して借金を免除できる仕組みです。借金の原因よりも、現在の誠実な態度と更生への意欲が重視されます。

ギャンブルや浪費が原因の破産申立でも、管財人に協力し反省の姿勢を示せば、免責が認められるケースは少なくありません。「ギャンブルが原因だから無理」「浪費癖があったから認められない」と自己判断するのは避けましょう。

裁量免責が適用されるかどうかは、手続き中の行動と弁護士のサポートによって大きく変わります。自分一人で対処せず、専門家の力を借りるのが重要です。

裁量免責を得るために重要な反省文の書き方

裁量免責を得るうえで、反省文は非常に重要な書類のひとつです。主に以下3つの要素が、反省文では求められます。

  • 借金を抱えた原因の分析
  • 現在の生活改善の状況
  • 今後の決意

「反省しています」という一言で終わらせるのではなく、具体的に書くことが大切です。たとえば、「ギャンブルをやめてから〇ヵ月が経ちます」「家計簿をつけ始め、支出を管理しています」といった具体的な行動を記載すれば、説得力が増します。

嘘や誇張は避けましょう。事実と異なる内容は、あとから発覚した際に心証を大きく損ないます。

この人なら再出発させてよいと判断してもらうには、飾らない正直な言葉が、裁判官や管財人には伝わりやすいです。ただ、何を・どう書けばよいか迷う場合は、提出前に弁護士に添削してもらうのがおすすめです。

自己破産をしないほうがよい人の特徴5つ

自己破産は借金問題を解決する有力な手段ですが、状況によっては別の方法が向いているケースもあります。自分には自己破産しかないと思い込む前に、以下の5つの特徴に当てはまらないか確認してみてください。

1. 自宅や車など高価な財産を手放したくない人

自己破産をすると、裁判所の運用上、20万円を超える財産は処分の対象となるのが一般的です。

マイホームはほぼ手放す必要があり、ローンを完済した価値のある車も処分の対象になりかねません。「どうしても自宅を守りたい」「仕事で使う車だけは残したい」という方には、個人再生が有力な選択肢です。

個人再生では、住宅ローン特則を使えば住宅ローンの返済を続けながら、そのほかの借金を減額できる場合があります。ただし、自宅が本人名義であったり、住宅ローン以外の抵当権・差押がなかったりするなど、いくつかの要件を満たしていなければなりません。

2. 奨学金を借りていて家族(保証人)に迷惑をかけたくない人

奨学金は親や親族が保証人になっているケースが多く、自己破産をすると保証人に残債の請求が届きます。借金処理で家族に迷惑はかけたくない方には、特定の借金だけを対象にできる任意整理が向いています。

奨学金を整理対象から外すと、人的保証(親族が保証人)の場合に保証人への影響を回避できます。なお、機関保証を選んでいる場合は、保証人への影響を心配する必要はありません。

また、日本学生支援機構(JASSO)には返済を一時的に止める返済期限猶予制度や、月々の返済額を減らす減額返還制度があります。2024年4月の制度拡充により、年収400万円以下の給与所得者が減額返還の対象となり、利用しやすくなりました。

奨学金の返済に困っている方は、破産手続の前にこれらの制度を確認してみてください。

3. 連帯保証人に迷惑をかけたくない人

自己破産をすると、連帯保証人に対して債権者から一括での返済請求が送られます。家族や親戚、知人が保証人になっている場合、保証人たちの生活を突然追い詰めてしまうリスクが高いです。保証人だけは絶対に守りたい方には、任意整理が現実的な手段です。

任意整理では、特定の借金だけを整理の対象に選べます。保証人がついている借金を対象から外せば、保証人への影響を避けられます。

自己破産と任意整理、どちらが自分の状況に合うかは、借金の総額や保証人の有無によって変わります。

4. 職業や資格の制限を受けると困る人

自己破産の手続き中は、一部の職業や資格に就けなくなる制限(資格制限)があります。

制限を受ける主な職業・資格は以下のとおりです。

  • 弁護士・司法書士・税理士などの士業
  • 取締役・執行役などの役員
  • 商工会議所・商工会など公的機関の役員
  • 公正取引委員会、労働保険審査会など公的委員会の委員
  • 保険募集人(生命保険・損害保険)
  • 旅行業務取扱主任者
  • 貸金業登録者
  • 質屋
  • 建築士事務所開設者
  • 一般建設業・特別建設業
  • 警備員
  • 宅地建物取引士 など

免責が確定すると復権し、制限は解かれます。ただし、手続きの期間中は仕事に影響が出てしまう点を考慮しなくてはいけません。上記の職種に当てはまる人は、任意整理や個人再生など資格制限のない手続きも検討してみてください。

5. 非免責債権が借金の大部分を占めている人

借金の大半が税金・社会保険料・養育費といった非免責債権の場合、自己破産をしても支払い義務は残ったままになります。非免責債権は免責の例外で、手続きを経ても免除されません。

消費者金融やカードローンが多ければ自己破産の効果は大きいですが、税金や養育費が中心であれば自己破産の効果は小さく、役所への分割相談など別の対処が現実的です。借金の種類ごとに整理してから、どの手続きが適切かを判断するのがおすすめです。

自己破産できない場合の対処法3選

自己破産が難しいケースでも、借金問題を解決する手段はほかにもあります。状況に応じて以下3つの選択肢を検討してみてください。それぞれの特徴と向いている人をまとめます。

1. 任意整理|利息カットで月々の返済を減らしたりする方法

任意整理とは、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、将来発生する利息をカットして元金だけにしたり、返済期間を長期にして分割返済する手続きです。

対象にする借金を自分で選べる柔軟性がメリットで、車のローンや奨学金など「この借金は残したい」というものを除外できます。官報への掲載もなく、家族に知られにくいのも特徴です。

支払い不能というほどではないが、利息が高くて借金が一向に減らない方に向いています。

返済自体は続きますが、利息がなくなると毎月の返済額が下がり、完済の見通しが立てやすくなります。利息さえなければ返せる方は、任意整理から検討してみてください。

2. 個人再生|借金を大幅に減額して自宅を守る方法

個人再生とは、裁判所の手続きを通じて借金を大幅に減額し、3〜5年程度かけて返済する制度です。

自己破産との最大の違いは、住宅ローン特則を使うことで自宅を手元に残せる点。マイホームだけは守りたい方に向いています。

また、ギャンブルや浪費など借金の原因を問われないのも大きなメリットです。免責不許可事由が心配で自己破産をためらっている方の有力な選択肢になります。

ただし、一定の収入があることが条件で、返済を3〜5年程度続けられる見通しが必要です。自己破産と個人再生のどちらが合うかは、収入や資産の状況によって異なります。

3. 即時抗告|免責不許可決定に不服がある場合の対応

裁判所から免責不許可の決定が出た場合でも、裁判所に不服を申し立てる即時抗告という手段があります。

注意が必要なのは、申立期限が不許可決定から1~2週間程度と非常に短い点です。申立期限を過ぎると、不服申立の権利を失います。

即時抗告では、不許可とされた判断を覆すために新たな証拠や、より具体的な反省・更生の姿勢を示さなければいけません。個人で対応するのは難しく、弁護士のサポートが不可欠です。

納得できないと感じた瞬間から時間との戦いになります。免責不許可の通知を受け取ったら、早めに弁護士へ連絡してください。

自己破産を成功させるための4つのポイント

自己破産の手続きを確実に進めるには、いくつかの重要な注意点があります。以下4つのポイントを押さえて自己破産を成功させましょう。

1. 自分の借入れ状況・財産を正確に把握する

手続きを始める前に、全ての借入れ先・借入れ額・保有財産を洗い出しておく必要があります。

申告していない借金や口座があとから発覚すると、免責に大きく影響します。「その借金を忘れていた」「口座の存在を申告していなかった」という言い分は、悪意の有無にかかわらず心証を大きく損ないかねません。

通帳の取引履歴や借入れ先の明細は、できる限り手元に揃えておきましょう。全部あるかどうか自信がない場合は、弁護士と一緒に精査すると安心です。プロの目で確認してもらえば、申告漏れを防げます。

2. 特定の債権者だけに返済しない(偏頗弁済の回避)

弁護士に相談したあとは、特定の人への返済やクレジットカードの利用を止めることが重要です。

「親の借金だけは先に返しておこう」「このカードだけは使い続けよう」という行動は、偏頗弁済とみなされる可能性があります。発覚した場合、管財人によって支払ったお金が回収され、手続きが複雑化します。

よかれと思った行動が、結果として免責不許可事由になるケースは少なくありません。返済を続ける範囲や、止めるカードの種類については、相談した弁護士に必ず確認してください。

3. 裁判所や破産管財人の調査に協力する

管財人からの面談依頼や書類提出の指示には、最優先で誠実に応じましょう。嘘をつかない・約束の期日を守るという基本的な姿勢が、裁量免責の判断材料になります。

管財人は単なる財産調査の担当者ではなく、この人に免責を与えてよいかを裁判所に報告する立場です。誠実な対応の積み重ねが、免責許可の可能性を高めます。

面談では、借金の経緯や現在の生活状況を正直に話す姿勢が大切です。うまく見せようとするより、等身大の姿を見せる方が信頼につながります。

4. 自己破産に精通した弁護士に相談する

自己破産の手続きは、専門的なノウハウが必要な場面が多いです。自己破産をすべきかどうかの判断から、反省文の添削、管財人面談の対策まで、弁護士がサポートしてくれます。適切な手続きを選ぶだけで、費用・期間・結果が大きく変わる場合もあります。

また、複雑な書類のやり取りや期日管理も、弁護士に任せればミスを防げます。手続きに不安を感じている方は、まず無料相談を活用してみてください。

自己破産ができないときに弁護士への相談がおすすめな理由

破産できるかどうか、ほかに手段はないかと悩んでいても、専門知識がなければ判断は難しいです。弁護士に相談することで、状況を整理し、適切な手続きを選ぶ見通しが立てやすくなります。以下では、弁護士への相談をおすすめする主な理由を4つ紹介します。

1.自己破産の条件に該当するか判断してくれる

自分のケースで破産できるかどうかは、専門知識がないと正確に判断するのが難しいです。

収入・資産・借金の内訳など、複数の条件を総合的に見て支払い不能かどうかを判断します。弁護士であれば、状況を聞いた上でその場で見通しを立てられます。

自分のケースに当てはまるかわからない方は、一度弁護士へ相談してみてください。

2.免責不許可事由の場合でもアドバイスをしてくれる

ギャンブルや浪費など、免責不許可事由に心当たりがある方も、弁護士への相談をためらう必要はありません。

不許可事由があっても裁量免責が認められるケースは多く、弁護士はどう対応すれば免責につながるかを具体的にアドバイスしてくれます。反省文の書き方や管財人面談での伝え方、手続き中の注意点など、実務的なサポートを受けることが可能です。

自己破産が難しいケースでは、任意整理や個人再生といった代替手段も含めて、自分の状況に合った方法を一緒に検討してくれます。

3.スムーズに自己破産の手続きを依頼できる

自己破産の手続きには、裁判所への申立書類の作成・財産目録の整理・債権者一覧の作成など、専門的な作業が多く含まれます。

弁護士に依頼できれば、煩雑な手続きを全て任せることが可能です。書類の不備や期日の見落としといったミスを防ぎ、手続きを確実に前に進めてくれます。

また、弁護士が受任通知を債権者へ送付した時点で、取り立ての電話や郵便が止まるのもメリットです。毎日の督促から解放されるだけで、精神的な負担が大きく軽減されます。

4.返済生活から解放される

免責が認められれば、消費者金融やカードローンなどの借金の支払い義務がなくなります。毎月の返済に追われる生活から解放され、収入を生活費や将来のために活用可能です。

借金に追われていた方が、手続きを終えたあとに普通の生活を取り戻しているケースは多くあります。借金問題は、一人で抱え込んでいても前に進みません。まず話を聞いてもらうことから始めてみてください。

自己破産できないときは「ベンナビ債務整理」で弁護士に相談

「自分の状況で本当に破産できるのか」「ほかに手段はあるのか」と迷っている方には、ベンナビ債務整理での弁護士探しがおすすめです。

ベンナビ債務整理は、債務整理に注力する弁護士・司法書士をエリアや条件で絞り込んで探せる法律相談ポータルサイト。初回無料相談に対応している事務所が多数掲載されており、費用を気にせず複数の専門家を比較できます。

免責不許可事由があって不安だったり、ほかの事務所で断られたりした方でも、まず相談してみることで選択肢が広がります。自己破産できないと悩んでいる方は、無料相談だけでも活用してみてください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ債務整理で
自己破産が得意な弁護士を探す

自己破産が成功した事例

免責不許可事由があるから無理と諦めていた方が、弁護士のサポートによって無事に免責を得たケースは実際に存在します。実際に免責が認められた事例を2つ紹介します。

解決事例1. 出会い系詐欺による500万円の借金を解決

出会い系サイトへの高額課金が免責不許可事由に当たると懸念されたケースで、弁護士が詐欺被害という実態を裁判所に丁寧に伝え、無事に免責を得た事例です。

相談者の男性が婚活目的でサイトを利用したところ、サクラによる詐欺で誘導され、12社から合計500万円の借金を抱えるようになりました。

担当弁護士は、サイト課金が浪費・免責不許可事由に該当するリスクを認識しつつも、相談者が悪質な詐欺の被害者であるという背景を丁寧に裁判所へ説明。裁量免責を追求する方針で手続きを進めました。

結果、免責許可が決定されています。借金500万円と月々10万円の返済が全て0円になり、年金生活での再建に成功しました。

解決事例2. ほかで断られた1300万円の借金を自己破産で解決した事例

ギャンブルが原因の借金で、自己破産は無理と複数の弁護士に断られた方が、裁量免責によって1,300万円の借金問題を解決した事例です。

相談者は30代男性で、パチンコ・競馬などのギャンブルが原因で10社から計1,300万円の借金を抱えていました。ほかの弁護士からは任意整理を勧められましたが、収入から見て返済の見込みが立たない状況でした。

受任した弁護士は、免責不許可事由があると把握しつつも、十分に免責が認められると判断し、手続きの準備から完了まで丁寧にサポートしています。

最終的に免責許可決定が下り、1,300万円の借金と月々18万円の返済が全て0円に。ほかで断られた状況から、生活を立て直すことができました。

自己破産に関するよくある質問

自己破産に関してよく寄せられる疑問をまとめました。手続きを検討する前に、気になる点をここで確認しておきましょう。

Q1. 自己破産の手続きにかかる費用の相場は?

自己破産にかかる費用は、手続きの種類によって大きく異なります。裁判所費用と弁護士費用を合わせた総額の目安は以下のとおりです。

手続きの種類 費用の目安
同時廃止事件 40万〜50万円程度
少額管財事件 50万〜70万円程度
管財事件 100万〜130万円程度

借金が少なく、財産もほとんどない同時廃止事件であれば、自己破産の手続きにかかる費用は比較的抑えられます。一方、財産調査が必要な管財事件になると、予納金が高額になりやすいです。

Q2. 弁護士費用が払えない場合でも自己破産できる?

弁護士費用が用意できない場合でも、法テラスの制度を使えば自己破産手続きを進められます。

法テラスの民事法律扶助制度は、収入・資産が一定基準以下の方を対象に、弁護士費用を立て替えてくれる制度です。

立て替えてもらった費用は、月々5,000〜1万円程度ずつ返済していく形になります。なお、裁判所への予納金は立替の対象外のため、別途自分で準備しなければなりません。

また、生活保護受給者であれば、法テラスへの返済が免除される場合があります。

法テラスを使わなくても、分割払いや後払いに対応している法律事務所も多くあるため、費用が原因で相談を躊躇している場合は、一度問い合わせてみてください。

Q3. 自己破産のデメリットにはどんなものがある?

自己破産には複数のデメリットがありますが、免責確定後に解消されるものがほとんどです。自己破産による主なデメリットは以下のとおりです。

デメリット 内容・期間
財産の処分 20万円超の資産(預金・車など)は原則処分される
職業制限 手続き中のみ資格獲得・就労に制限がかかる(警備員・士業・保険募集人など)
官報への掲載 手続き開始・免責確定時に掲載される
ブラックリスト(信用情報) 免責後5〜10年間、クレジットカード・ローンの利用が困難となる
保証人への影響 債権者から保証人へ一括請求が届く
手続き中の行動制限 郵便物の転送・引越し・長期旅行には裁判所の許可が必要となる

日常生活への影響として最も長く続くのが、クレジットカードの利用制限です。免責後5〜10年程度は新規カードの作成やローンを組みにくくなります。

ただし、職業制限や行動制限は免責確定(復権)とともに解消されます。デメリットの多くは手続き中・その後一定期間の制約であり、その後は通常の生活に戻ることが可能です。

Q4. ギャンブルや浪費が原因でも自己破産できる?

ギャンブルや浪費が原因であっても、自己破産は可能です。

ただし、同時廃止ではなく管財事件として扱われる可能性が高いため、費用と時間が多めにかかります。管財人による財産調査と面談がおこなわれ、反省の態度や更生への意欲がより厳しく確認されます。

裁判所が重視するのは借金の理由よりも、現在の状況と誠実な姿勢です。

過去のギャンブルや浪費を正直に認め、現在は改善していると具体的に示せば、裁量免責が認められるケースは少なくありません。自分には無理と自己判断する前に、まず弁護士に相談してみてください。

Q5. どのくらい収入があると自己破産できない?

自己破産ができないかどうかを決める収入の基準額は、法律で一律に定められているわけではありません。

判断の基準になるのは、毎月の手取り収入から生活費を差し引いた余剰金で、3年程度あれば借金を完済できるかどうかです。

たとえば月収25万円でも、扶養家族が多い場合や居住地域の物価が高い場合は、支払い不能と判断されるケースがあります。逆に月収が低くても、財産がある場合は認められない可能性も否定できません。

自分の収入では無理だと感じている方も、一度専門家に収支の状況を話してみれば、正確な見通しが得られます。

Q6. 自己破産すると家族にどんな影響がある?

自己破産は本人の手続きのため、独立している家族の財産や仕事に直接の影響はありません。家族の信用情報にも影響しないため、家族自身がローンを組んだりカードを作ったりする行為も通常どおりできます。

ただし、同居している家族への影響はいくつか考えられます。

  • 破産者名義のクレジットカードに紐づく家族カードは使用できない
  • 破産者が実質的に管理している子ども名義の口座は、処分の対象になる場合がある
  • 返戻金が20万円を超える学資保険は処分対象となり、子どもの進学計画に影響する可能性がある

また、借金の保証人になっている家族がいる場合は、債権者から一括請求が届く可能性があります。さらに、自己破産後は破産者自身が家族のローンや奨学金の保証人になるのも困難です。事前に状況を整理しておけば、家族への影響を最小限に抑えられます。

Q7. クレジットカードや賃貸契約はどうなる?

自己破産後5〜10年程度は、クレジットカードの新規作成やローンの利用が難しくなります。既存のカードも使えなくなるため、その間はデビットカードや現金での生活が基本です。

賃貸契約は、家賃の滞納がなければ更新・新規契約ともに基本的に問題ありません。

ただし、保証会社が信販系(クレジットカード会社系)の場合は、審査で弾かれる可能性があります。賃貸を探す際には、信販系以外の保証会社を使っている物件を選ぶと通りやすいです。住む場所を失うケースは、一般的には少ないと言えます。

Q8. 自己破産すると官報に掲載されるって本当?

官報への掲載は事実です。ただし、一般の人が日常的に官報を確認する可能性はほぼないため、実際に周囲に知られるケースは限られています。

官報とは国が発行する公告紙で、インターネットでも閲覧可能です。破産手続の開始と免責確定の際に掲載されますが、Web版の官報は直近30日分しか無料で閲覧できません。30日の期間を過ぎると一般の方が検索で見つけることは難しくなります。

勤務先や近隣住民が官報を定期的にチェックしているケースは現実的にはほとんどありません。金融機関など一部の業者は確認する場合がありますが、一般の知人・友人や家族に知られてしまうとは考えにくいです。

まとめ|自己破産できない場合も借金問題は解決できる

自己破産できないと感じている方でも、借金問題を解決する手段は残されています。免責不許可事由に該当していても、裁量免責によって免責が認められるケースは多いです。

また、自己破産が難しい状況であれば、任意整理や個人再生といった別の手続きが有力な選択肢になります。状況の整理と正しい判断は、専門家に任せるのがおすすめです。

借金問題の解決に向けて、ベンナビ債務整理での無料相談を活用してみてください。エリアや条件で絞り込んで弁護士を探せるため、自分に合った専門家を見つけやすいのが特徴です。初回相談無料の法律事務所も多く、費用を気にせず話を聞いてもらえます。

借金問題は、抱え込んでいるだけでは前に進みません。状況が苦しいときほど、早めに動き出すよう心がけましょう。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ債務整理で
自己破産が得意な弁護士を探す
東京
神奈川
埼玉
千葉
大阪
兵庫
岡田総合法律事務所

【ご相談は何度でも無料】【分割払可】債務整理のデメリットが不安で、依頼を迷っていませんか?借金でお困りの方は早期にご相談ください!丁寧に説明した上で、依頼者様に最善の方法をご提案します。

事務所詳細を見る
アディーレ法律事務所 立川支店

【Google口コミ★4.1 口コミ件数101件 ※2026/4/30時点】周りに知られずに相談OK!はじめの一歩は弁護士への無料相談!あなたの街のアディーレに、何でもお気軽にご相談ください

事務所詳細を見る
弁護士法人オーガスタ

相談料0円最短即日で対応可能!】弁護士4名体制で全国のご相談に対応可能です!債権者との交渉に自信◎豊富な対応実績を基に毅然とした態度で交渉に臨みます!「借金を0にしたい」「借金を減額したい」といった方はご依頼を!

事務所詳細を見る
東京都の弁護士一覧はこちら
この記事の監修者
杉本法律事務所
杉本 真樹 (群馬弁護士会)
解決への道筋は一つではありませんので、いくつか選択肢をご提案し、それぞれのメリット・デメリットをしっかりとご説明した上で、一緒に最良の選択肢を考えるように心がけております。
この記事をシェアする

自己破産に関する新着コラム

自己破産に関する人気コラム

自己破産の関連コラム

弁護士・司法書士があなたの借金返済をサポート


債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。

ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたをベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)の弁護士・司法書士がサポートいたします。

編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。