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自己破産と生活保護は両方できる?先にすべき手続きと法テラスで費用を抑える方法

自己破産と生活保護は両方できる?先にすべき手続きと法テラスで費用を抑える方法

生活保護を受けながら借金の督促に追われ、出口が見えずに追い詰められている方は少なくありません。うつ病などで働けず返済が続けられない方や、「ケースワーカーに知られたら受給を打ち切られるのでは」と一人で抱え込んでいる方もいるでしょう。

結論から言うと、生活保護受給中でも自己破産の手続きは可能です。そもそも、生活保護費を借金の返済に充てることは制度上認められていません。返済を続ける手続き(任意整理など)は利用できないため、借金を抱えた生活保護受給者が生活を立て直すには、事実上、自己破産をするしかありません。

「自己破産するしかない」と聞くと費用が心配になるかもしれませんが、法テラス(日本司法支援センター)の制度を活用すれば、弁護士費用の負担を実質ゼロにすることも可能です。

本記事では、生活保護受給者が自己破産を申し立てる際の手順や、メリット・デメリットについてわかりやすく解説しています。必要な書類や、ケースワーカーへ相談する際の注意点も紹介していますので、解決への第一歩として参考にしてください。

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目次

生活保護を受け取っていても自己破産はできる!

生活保護を受給中でも、自己破産の申立ては可能です。生活保護法にも破産法にも、両方の制度を併用してはいけないという条文はありません。

実際に、生活保護を受けながら借金を整理するために、自己破産を選ぶ方も多くいます。督促や取り立てに不安を感じているなら、生活保護中でも自己破産の申請を検討してみてください。

自己破産申請をして、弁護士から債権者に受任通知を送ってもらえば、その時点で督促はストップします。借金を放置すればするほど、督促のストレスは大きくなるだけなので、早めに対処しましょう。

自己破産後でも生活保護は申請できる

生活保護を受給中でも、自己破産の申立ては可能です。生活保護法にも破産法にも、生活保護を受けながら自己破産をしてはいけないという決まりはありません。

前述のとおり、生活保護受給者は借金の返済を続けることができないため、自己破産の手続きを進めることになります。実際に、多くの受給者が自己破産によって借金問題を解決し、生活を立て直しています。督促や取り立てに不安を感じているなら、ためらわずに自己破産の手続きに向けて動き出しましょう。

弁護士に自己破産の手続きを依頼し、債権者へ「受任通知」を送ってもらえば、その時点で法的に督促はストップします。裁判所へ自己破産を申し立てる前の段階(準備段階)ですぐに取り立ては来なくなるため、安心して生活を送ることができます。

借金を放置すればするほど督促のストレスは大きくなるだけなので、一人で抱え込まずに早めに専門家へ対処を任せましょう。

自己破産と生活保護はどっちを先に申請すべき?

自己破産と生活保護は、どちらから先に手をつけても基本的に問題ありません。ただし、状況によって、優先すべき順番は変わってきます。状況別の優先すべき手続きを把握しておきましょう。

すでに多額の借金がある場合は「自己破産」を優先

返済の見込みがまったく立たないほどの借金がある場合は、生活保護の申請より先に自己破産の準備(弁護士への依頼)を進めるのがおすすめです。

借金を抱えたまま生活保護の窓口へ行くと、「まずは借金を整理してください」と指導されるケースが少なくありません。生活保護費を借金の返済に充てるのは認められていないため、福祉事務所としても先に借金整理の目処を立てるよう求める形になります。

そこで、先に弁護士へ依頼して債権者に受任通知を送ってもらうことで、督促を止められるのも先に弁護士を入れておく大きなメリット。取り立てに怯える日々から解放されます。

すぐに生活保護申請をしたい場合も、「すでに弁護士に自己破産を依頼している」と示せる状態にしておけば、福祉事務所側にも状況が伝わりやすくなるはずです。結果として、生活保護の申請がスムーズに進みやすくなります。

借金の金額にかかわらず、生活保護を受給するなら借金の返済はできなくなります。まずは弁護士に依頼して督促をストップさせ、早めに生活をリセットするための行動を起こしましょう。

今の生活費に困窮している場合は「生活保護」を優先

今日や明日の食費にも困っているような状況なら、何よりも先に生活保護の申請を進めてください。申請の際は、借金の存在を隠さず、正直に福祉事務所へ伝える姿勢が大切です。借金の有無は、生活保護の受給資格そのものには影響しません。

窓口によっては生活保護の前に借金の整理を促されるケースもありますが、困窮している事実を伝え、「生活保護を申請します」と明確に意思を伝えることが大切です。無事に受給が決定し、最低限の生活が確保できたら、できるだけ早く弁護士へ自己破産の相談をしましょう。

生活が落ち着いたあとも借金を放置すれば、督促は止まりません。法律上、生活保護費そのものは差し押さえが禁止されていますが、保護費が振り込まれた銀行口座が差押え(凍結)され、当面の生活費が引き出せなくなるリスクは残り続けます。 生活保護で守るのは目の前の生活、自己破産で整理するのは過去の借金です。

無料相談に対応している法律事務所も多いうえ、生活保護受給中であれば法テラスの制度を利用することで弁護士費用等の負担も原則免除(実質ゼロ)になります。費用を心配して後回しにせず、まずは早めに専門家へ相談してみましょう。

生活保護受給中に借金を放置する4つのリスク

借金を抱えたまま生活保護を受給していると、見過ごせないリスクが少しずつ重なっていきます。気づかないうちに、受給そのものが危うくなるケースも少なくありません。ここでは、放置することで生じる4つのリスクを順番に紹介します。

生活保護費を借金返済に充てると不正受給とみなされる

生活保護費を借金の返済に使うのは、生活保護制度のルールに反する重大な違反行為です。

保護費は、最低限度の生活を維持するためだけに税金から支給されるお金です。そのため、保護費を個人の借金返済に回すことは、目的外の不適切な支出とみなされます。

もし隠して返済している事実がケースワーカーに発覚した場合、まずは「すぐに返済をやめて自己破産などの整理をしなさい」と厳しく指導されます。この指導に従わずに返済を続けた場合、生活保護の支給停止や廃止(打ち切り)といった重いペナルティが科せられるリスクがあります。

なお、受給開始直後などに口座から「うっかり引き落とされてしまった」という場合、すぐにケースワーカーへ報告して弁護士に対処を依頼すれば、いきなり容赦なく処分されることは通常ありません。一番危険なのは「バレたら処分される」と怯えて隠し続けることです。

借金がある場合は無理に返済しようとせず、速やかに自己破産の手続きを進めることが不可欠です。

督促放置で口座が差し押さえられ保護費が引き出せなくなる

借金の督促を無視し続けると、銀行口座が差し押さえられ、振り込まれたはずの保護費が使えなくなる恐れがあります。

法律上、生活保護費そのものは差し押さえが禁止されています。しかし、口座に入金された時点で「単なる預金」として扱われるため、差し押さえの対象になってしまうのが実情です。

預金が差し押さえられれば、家賃や食費の引き出しができなくなり、生活が立ち行かなくなります。後から「差し押さえられたのは生活保護費だから取り消してほしい」と裁判所へ申し立てる手続きもありますが、手続きには手間と時間がかかり、審査を待っている間(数週間など)は当面の生活費が一切引き出せなくなってしまいます。

だからこそ、借金の督促状が届いている場合は絶対に放置せず、実際に差し押さえを実行されてしまう前に、今すぐ弁護士へ相談すべきです。

早急に弁護士へ依頼して受任通知を送ってもらえば、現在の取り立て(電話や手紙)がストップします。さらに、弁護士が「自己破産の準備に入った」と債権者へ通知することで、「今から費用をかけて差し押さえをしても無駄になる」と判断して法的措置を踏みとどまる債権者も少なくありません。確実に防げるわけではありませんが、結果として口座凍結という最悪の事態を未然に回避できる可能性は高まります。生活基盤を守るためにも、まずは落ち着いて根本的な解決へ進みましょう。

ほかの債務整理(任意整理・個人再生)は受給中に利用できない

生活保護を受給中は、任意整理や個人再生といった、返済を続けるタイプの債務整理は利用できません。任意整理も個人再生も、将来にわたって安定した収入から借金返済を続けることが大前提の手続きだからです。

前述の通り、生活保護費から借金を返済することは制度上固く禁じられています。返済に充てるお金(原資)が認められない以上、裁判所に個人再生を申し立てても認可されず、債権者も任意整理の交渉には応じてくれません。

したがって、弁護士に相談した場合も、必然的に自己破産での解決を進めることになります。生活保護受給者が借金問題を法的に解決する手段は事実上「自己破産」に限られており、借金の整理方法に複数の選択肢があるわけではない点をしっかりと理解しておきましょう。

申請段階で借金整理を指導され受給開始が遅れる

借金がある状態で生活保護を申請しようとすると、窓口のケースワーカーから「まずは借金を整理してから来てください」と求められるケースが多く見られます。

大前提として、法律上、借金があること自体は生活保護を受けられない理由にはなりません。しかし、福祉事務所としては「支給した保護費が借金の返済に流用されてしまうのではないか」と警戒します。法律上は申請を必ず受理しなければならないものの、現実の窓口では借金整理の目処が立っていないと難色を示されて手続きを渋られ(いわゆる水際作戦)、結果として保護費を受け取るまでの期間が延びてしまうリスクがあります。

しかし、弁護士に依頼して自己破産を進める意思を示せば、状況は大きく変わります。「すでに弁護士へ自己破産を依頼しており、保護費から返済することはない」と客観的に示せるため、福祉事務所側も安心し、受給開始の手続きが格段にスムーズに進みやすくなります。

窓口で不当に追い返されるのを防ぎ、確実に生活を立て直すためにも、まずは早めに弁護士へ相談し、自己破産の準備と生活保護の申請を同時並行で進めましょう。

生活保護受給者が自己破産をするメリット5つ

自己破産には、生活保護を受給している方にとって大きなメリットが5つあります。ここでは、代表的な5つのメリットを順番に見ていきます。

借金の取り立てが「最短即日」で停止する

弁護士に自己破産の依頼をした時点で、弁護士から債権者(借入先)に対して「受任通知」という書面が送付されます。この受任通知が債権者に届いた瞬間から、貸金業法などの法律により、債権者は債務者本人へ直接の取り立て(電話や手紙、訪問など)をすることが一切禁止されます。

なお、生活保護受給者が弁護士費用を無料にするには「法テラス」を利用しますが、法テラスの窓口に直接予約を入れると面談まで数週間待たされることがあります。そこで、法テラスに対応している弁護士事務所へ直接相談する(実務上これを『持ち込み方式』と呼びます)ことで、相談までの待ち時間を大幅に短縮できます。

持ち込み方式で依頼した場合、本来は法テラスの審査(通常2〜4週間)を経てから受任通知が送付されるのが原則です。しかし、生活保護受給者は審査に通る可能性が高いため、依頼者の窮状を考慮し、審査結果を待たずに「事前着手」として依頼直後(最短即日)に受任通知を送ってくれる法律事務所も数多く存在します。

早く督促を止めたい場合は、無料相談の予約をする段階で「法テラスの審査前でも、すぐに受任通知を出してもらえますか?」と確認しておくのがおすすめです。対応の早い事務所を選べば、早ければ依頼した当日のうちに、遅くとも数日以内には取り立ての恐怖から解放されるでしょう。

免責が認められやすい

生活保護受給者は、生活を維持するための最低限の収入(保護費)しかなく、客観的に見て借金の返済が不可能な「支払不能」の状態にあります。公的な機関から「自力での生活や返済は困難」と認定されている状態でもあるため、裁判所に対しても支払不能であることをスムーズに認めてもらいやすいのが特徴です。

また、生活保護の受給要件を満たしている以上、めぼしい財産がないことも明らかです。そのため、多くのケースで「同時廃止(どうじはいし)事件」という簡易な手続きとして処理されます。同時廃止事件とは、換価できる財産がないために、破産手続きの開始と同時に手続きが完了する仕組みです。破産管財人による財産調査などが入らない分、免責(借金をゼロにする決定)までスピーディーに進みます。

結果として、一般的な自己破産よりも手続きの手間や負担が少なく、迅速に借金問題を解決できるのが実情です。

ただし、借金の主な原因がギャンブルや浪費である場合(免責不許可事由といいます)は注意が必要です。これらに該当すると、財産がなくても管財人が選任される「管財事件」として扱われ、調査のために時間がかかる可能性があります。

とはいえ、深く反省して手続きに協力すれば、裁判所の裁量によって最終的に免責が認められる(裁量免責)ケースがほとんどです。「ギャンブルの借金だから自己破産できない」と諦めず、まずは弁護士へ正直に事情を打ち明けてみましょう。

実質無料で相談できる

法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助制度を利用すれば、弁護士費用などの負担を実質無料(ゼロ)にすることができます。法テラスの利用には収入や資産に関する条件が設けられていますが、生活保護受給者の場合は、役所が発行する「生活保護受給証明書」を提出するだけで、この条件を確実にクリアできます。

法テラスでは弁護士費用はもちろん、一般的な自己破産では立て替えの対象外となりやすい高額な「裁判所への予納金(管財人費用など)」まで立て替えてくれる、生活保護受給者だけの特例があります。そのため、自己破産を依頼する際に手元の資金が1円もなくても全く問題ありません。

法テラスはあくまで費用の「立て替え」を行う制度ですが、生活保護を受給している期間中は、立替え金の月々の分割返済がストップ(猶予)されます。つまり、自己破産の手続き中も費用の支払いは一切発生しません。

さらに、自己破産の手続きが無事に終わったあとも生活保護を受給し続けていれば、立て替え分の返済が完全に不要になる「償還免除(しょうかんめんじょ)」の申請ができます。これにより、最初から最後まで自己負担ゼロで借金を整理することが可能です。

生活保護の打ち切りリスクを低減できる

自己破産によって借金を法的にゼロにすれば、生活保護が打ち切られる不安から完全に解放されます。

大前提として、借金があること自体で保護が打ち切られるわけではありません。しかし、借金を隠したまま、生活保護費からこっそりと返済を続けていると、「ケースワーカーにバレたら支給を打ち切られるかもしれない」というリスクがあり、常に恐怖や不安が付きまといます。

自己破産によって借金の返済義務そのものを消滅させれば、保護費を返済に流用する心配がなくなるため、指導違反に問われることは絶対にありません。

むしろ、ケースワーカーに対しても「法的に借金を整理し、真面目に生活を立て直そうとしている」という前向きな姿勢が伝わります。後ろめたい思いをすることなく、堂々と安心して生活保護の受給を続けていけるようになるのが、自己破産の最大の利点です。

生活再建に向けた活動に集中できる

借金問題が解決すれば、病気の治療や就労準備など、前向きな活動に集中できるのも大きなメリットです。複数の借金を抱えている状態では、いつ来るかわからない督促に怯えたり、「払えない借金をどう解決すればいいのか」と思い悩んだりするだけで、一日が終わってしまう日もあるでしょう。

精神的な余裕がない状態では、自立に向けた一歩を踏み出すのも難しくなります。自己破産によって経済的な重荷が下りれば、これまで借金の悩みに奪われていたエネルギーを、心身の回復にしっかりと使えるようになります。

借金問題を自らの意思で解決し、生活を立て直して自立に向かおうとする姿勢は、ケースワーカーから見ても非常に好印象です。生活保護制度の目的である「自立」に向けた前向きな行動だからです。結果として就労支援プログラムへの参加などもスムーズになり、借金を綺麗に整理してから安心して仕事復帰に向けて動き出せるケースも少なくありません。

生活保護受給中に自己破産をするデメリット3つ

生活保護受給中の自己破産には、デメリットもあります。しかし、デメリットを正しく理解しておけば、過度に恐れる必要はありません。ここでは、代表的な3つのデメリットを順番に確認していきます。

新たな借り入れができない

自己破産をすると、5〜7年程度は新たな借入やクレジットカードの作成ができなくなります。信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆる「ブラックリスト」と呼ばれる状態です。事故情報が登録されている間は、ローンの審査にも通りにくくなります。

しかし、生活保護を受給している方にとって、これは実質的なデメリットにはなりません。理由は大きく2つあります。

1つ目は、生活保護を受給している間は返済能力がないとみなされるため、ブラックリストに載っていなくても新たな借り入れやクレジットカードの審査にはほとんど通らないからです。

2つ目は、生活保護の制度上、新たな借金は「収入」として扱われるからです。万が一お金を借りられたとしても、その分だけ翌月の保護費が減額されたり、ケースワーカーからの指導対象になったりするため、受給中は原則として新たな借金をしてはいけません。

つまり、「そもそも新たな借金をしてはいけない(借りる意味がない)」ため、ブラックリスト入りを気にして自己破産をためらう必要は全くありません。なお、クレジットカードが使えなくなっても、審査不要で作れるデビットカードやプリペイドカードなどで十分に代用できるため、日常生活で不便な思いをすることはありません。

官報に氏名と住所が掲載される

自己破産をした事実は、国が発行する「官報」という機関紙に掲載されます。氏名や住所などの情報が、手続き開始時と免責が確定したときの、合計2回にわたって掲載される仕組みです。

官報はインターネット版でも閲覧できますが、日常的にチェックしている一般の方はほとんどいません。法律関係者や金融業者など、限られた人しか目を通していないのが実情です。

ただし、過去には官報の情報を集めて検索できる違法なサイトが問題になり、たびたび摘発と再出現を繰り返してきた経緯もあります。そのため、官報掲載だけで周囲の知人やご近所に知られる可能性は低いものの、「絶対に誰にも知られない」とは言い切れません。

しかし、万が一自己破産したことが周囲に知られたとしても、それによって生活保護が打ち切られたり、今の生活にペナルティなどの実害が出たりすることはないため安心してください。

むしろ注意すべきなのは「ヤミ金からの郵便物」です。官報の情報を見た違法なヤミ金業者から、「ブラックでも貸します」といったハガキやDMが届くことがありますが、絶対に無視してください。自己破産後にヤミ金から借金をしてしまうと、生活保護を打ち切られる恐れがあります。

不安なことがあれば一人で抱え込まず、まずは弁護士に相談しながら安心して手続きを進めましょう。

連帯保証人に一括請求がいく

自己破産をすると、本人の借金(返済義務)は法的にゼロになります。ただし、借金に連帯保証人がいる場合は話が別です。

大前提として、一般的な消費者金融やクレジットカードの借金には個人の連帯保証人はついていないため、親族などに請求がいくことはありません。しかし、「奨学金」や「アパートの家賃滞納」などで親族や友人に連帯保証人を頼んでいる場合は注意が必要です。

破産の効力は連帯保証人には及ばないため、本人が自己破産をすると、債権者から連帯保証人へ残額の一括請求が届きます。しかもこの請求は、弁護士に自己破産を依頼した直後(債権者に受任通知が届いた時点)でいきなり届きます。

そのため、何も伝えずに手続きを進めてしまうと、突然の一括請求で相手がパニックになり、関係が大きく崩れる恐れがあります。該当する借金がある場合は、弁護士に依頼する前の段階で、事前の説明と謝罪が欠かせません。

連帯保証人自身も一括請求を支払えない場合は、連帯保証人も含めた債務整理(一緒に自己破産するなど)を同時に検討するのが望ましいでしょう。

「どう説明していいか分からない」「怒らせるのが怖い」という場合でも、まずは弁護士に相談してください。弁護士が間に入り、連帯保証人への上手な伝え方や、連帯保証人側の法的な対応についても適切なアドバイス・サポートをしてくれます。

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生活保護受給者が自己破産をする際の手続き9ステップ

生活保護受給者が自己破産をする際の手続き9ステップ

法テラスを利用した自己破産は、弁護士への相談から免責の確定まで、9つのステップで進みます。ひとつずつステップを確認し、どのような対応が求められるのかを確認しましょう。

ステップ1:弁護士に相談し受任通知を送付してもらう

生活保護受給者が自己破産をする際は、費用の負担をなくすために法テラスの立て替え制度を利用するケースが多いです。

まずは、法テラスと契約している弁護士事務所に直接相談し、依頼しましょう。弁護士事務所に自分から出向く「持ち込み方式」なら、法テラスの窓口を経由するよりもスピーディーに手続きを進められます。自分で信頼できる弁護士を選べるのも、持ち込み方式の利点です。

前述の通り、法テラスの審査を待たず依頼直後に受任通知を送ってくれる(事前着手に対応している)事務所であれば、早ければ依頼した当日のうちに督促が収まり、多くの場合は数日以内に止まります。

無事に弁護士への依頼が済んだら、ケースワーカーにも「弁護士に自己破産を依頼しました」と報告しておきましょう。早めに伝えておけばケースワーカーも安心し、その後のやり取りもスムーズになります。

ステップ2:民事法律扶助(立替制度)を申請する

弁護士への依頼と並行して、弁護士を通じて法テラスの弁護士費用立て替え制度を申請します。

申請の窓口や書類手続きは弁護士が代行してくれるため、本人が法テラスへ直接出向く必要はありません。

審査では収入や資産が一定の基準を下回っているかどうかが確認されますが、生活保護受給者の場合は、役所で発行される「生活保護受給証明書」を提出するだけで、この審査を確実にクリアできます。 ステップ1のケースワーカーへの報告の際に、あわせてこの証明書を発行してもらって弁護士に渡せば、手続きに無駄がなく非常にスムーズです。

収入の基準
人数(※1) 手取り月収の基準(※2) 家賃または住宅ローンを負担している場合に加算できる限度額(※3)
一人 182,000円以下
(200,200円以下)
41,000円以下
(53,000円以下)
二人 251,000円以下
(276,100円以下)
53,000円以下
(68,000円以下)
三人 272,000円以下
(299,200円以下)
66,000円以下
(85,000円以下)
四人 299,000円以下
(328,900円以下)
71,000円以下
(92,000円以下)

※1:申請者と、家計に貢献している同居人の合計人数
※2:東京や大阪などの生活保護一級地に居住している場合は()内の金額が適用
※3:東京都23区内に居住している場合は()内の金額が適用

資産の基準
人数(※1) 資産合計額の基準(※2)
一人 180万円以下
二人 250万円以下
三人 270万円以下
四人 300万円以下

※1:申請者と、家計に貢献している同居人の合計人数
※2:医療費や教育費などの出費が確定している場合は相当分が控除される(無料法律相談の場合は3ヵ月以内の出費のみ対象)

生活保護受給者であれば、収入・資産の基準を満たしていると考えて問題ありません。

書類のやり取りなどで前後する場合もありますが、長くても数ヵ月程度で結果が出るのが一般的です。

ステップ3:審査通過後に三者契約を締結する

法テラスの審査に通過すると、弁護士費用などの立て替えを決定する援助開始決定が出ます。事件名や立て替え額などが記載された「決定書」が、弁護士を通じて手元に届く仕組みです。

援助開始決定をもとに、法テラス・弁護士・本人の三者間で正式な契約を結ぶと、弁護士は正式な代理人として裁判所への対応を本格的に開始できます。

三者契約が完了すると、申立てに向けた書類収集や申立書の作成といった、具体的な作業が始まります。住民票や通帳のコピーなど、必要な書類を弁護士の指示に沿ってひとつずつ揃えていきましょう。

ステップ4:借金総額を確定する

弁護士が各債権者から取引履歴を取り寄せ、正確な借金総額を確定させます。借金総額がわからない状態では、裁判所への申立てができません。

取引履歴の取り寄せと同時に、過払い金が発生していないかの調査もおこなわれます。

過払い金は、利息制限法の上限を超える金利(グレーゾーン金利)の払いすぎ分です。高金利での貸し付けは2010年の法改正で撤廃されたため、それ以前から長期間借り続けていた場合、過払い金が見つかるケースがあります。

ただし、過払い金には時効があり、原則として「最後の取引(完済した日など)から10年」が過ぎると請求できなくなります。高金利の撤廃からすでに長い年月が経過している現在では、時効を迎えているケースが多くなっています。

また、生活保護受給者の場合、万が一過払い金が戻ってきたとしても、それは制度上「収入」として扱われます。そのため、法テラスの立替金の支払いや、過去に受け取った保護費の返還などに充てられ、基本的に自分の手元に残るわけではない点に注意してください。

とはいえ、取引履歴の確認や過払い金の調査などはすべて弁護士が代行してくれます。本人が債権者一社一社に連絡を取ったり、複雑な計算をしたりする手間は一切ありませんので、安心して任せましょう。

ステップ5:自己破産の申立てをおこなう

書類が揃い、借金額が確定したら、弁護士が確定した総額を申立書に反映させて書類を完成させ、管轄の地方裁判所へ自己破産の申立て(提出)をおこないます。

申立てには裁判所へ納める予納金や印紙代などの実費がかかりますが、これらも法テラスの立て替え対象に含まれているため安心です。実際に、手元の現金がまったくない状態から申立てを進め、無事に解決できた方も少なくありません。

申立てが完了すれば、あとは裁判所の手続きが進むのを待つ段階に入ります。申立て後の裁判所からの連絡や問い合わせは、すべて代理人である弁護士にいくため、裁判所から本人のもとへ直接電話がかかってきたり、郵便物が届いたりすることはありません。

後日おこなわれる裁判官との面接(免責審尋)など、今後の流れについては弁護士から案内があるため、安心して報告や指示を待ちましょう。

ステップ6:破産手続の開始決定が出される

裁判所が申立書を審査し、支払い不能の状態であると認めれば「破産手続の開始決定」が出されます。なお、手続きの過程で裁判官との面接(審尋)がおこなわれる場合がありますが、弁護士に依頼していれば本人の面接が省略されるケースも少なくありません。万が一呼ばれた場合でも、弁護士が同席してサポートしてくれるため、一人で答えに困る心配は不要です。

財産がほとんどない生活保護受給者の場合、開始決定と同時に財産の調査・清算手続きが終了する「同時廃止(どうじはいし)事件」になるのが一般的です。破産管財人も選ばれず、そのまま借金をゼロにするための審査(免責手続)へシンプルかつスピーディーに進みます。

一方で、ギャンブルや浪費が借金の主な原因になっている場合は、詳しい調査のために「管財事件」として扱われ、破産管財人との面談や生活状況の報告などが必要になるケースもあります。 管財事件になると通常は20万円程度の高額な裁判所費用(予納金)がかかりますが、生活保護受給者であれば法テラスが立て替えてくれるため費用の心配はいりません。

管財事件になってもスムーズに進められるよう、借金の原因などに心当たりがある場合は、依頼する前の段階で弁護士へ正直に伝えておき、あらかじめ対応の方針を立てておいてもらいましょう。

ステップ7:債権者からの意見申述期間が設けられる

破産手続の開始決定が出たあと、債権者が免責(借金をゼロにすること)に反対する意見を裁判所に提出できる期間が1〜2ヵ月ほど設けられます。

ただ、消費者金融やクレジットカード会社が、わざわざ反対意見を出すケースは多くありません。反対意見を出したところで裁判所の決定が覆る可能性は極めて低く、業者側にとって無駄な手間になるからです。そのため、本人が何か特別な対応をする必要はなく、基本的には結果が出るのを待つのみとなります。

ただし、管財事件になった場合は、管財人から毎月の「家計簿」の提出など生活状況の報告を求められるほか、裁判所で行われる「債権者集会」への出席も必要になるため、指示に従って誠実に対応する必要があります。

不安に感じるかもしれませんが、家計簿の書き方のアドバイスから、管財人との面談・債権者集会への同席まで、代理人である弁護士がしっかりとサポートしてくれます。一人で対応することはないため、安心して弁護士と協力しながら進めていきましょう。

ステップ8:免責審尋を経て免責許可決定を受ける

決定の前に、「免責審尋(めんせきしんじん)」という裁判官との簡単な面接がおこなわれる場合もあります。面接といっても、氏名や住所の確認、「二度と借金をしない」という約束の確認などが中心です。弁護士が同席し、必要に応じて代わりに説明してくれるため、過度に心配する必要はありません。

審査を経て、問題がなければ裁判所から「免責許可決定」が出されます。この決定は約1〜2週間後に官報へ掲載され、そこから債権者からの不服申し立てなどが出ないまま2週間が過ぎると、正式に「確定」する仕組みです。

免責許可が確定した時点で初めて、借金の支払い義務が法的に全て免除されます。その後、裁判所から代理人である弁護士を通じて、本人の手元へ「免責許可決定書」が渡されます。

この決定書は、ケースワーカーへ「無事に借金問題が解決しました」と完了報告をするために欠かせない重要な書類です。また、法テラスへ「弁護士費用の返済免除(償還免除)」を申請する際にも必要になるため、なくさないよう大切に保管し、弁護士の指示に従って最後の手続きを済ませましょう。

ステップ9:法テラスへ償還免除を申請する

自己破産の手続きが全て終わったら、最後に法テラスへ費用の「償還免除(しょうかんめんじょ)」を申請します。手続きが終わった時点でも引き続き生活保護を受給していれば、償還免除の対象です。立て替えてもらった弁護士費用や裁判所費用は、審査を経て原則として全額が免除(ゼロ)になります。

申請は、弁護士を通じて必要書類を提出するだけです。本人が何か複雑な手続きをする必要はありません。具体的には、役所で最新の「生活保護受給証明書」を発行してもらい、弁護士に渡すだけで完了します。ケースワーカーへ免責決定の完了報告をする際に、あわせて発行してもらうと非常にスムーズです。

ただし、借金がゼロになったからと安心して償還免除の申請を忘れたまま放置すると、立て替えてもらった分の返済請求が法テラスから届いてしまうので注意してください。弁護士からの最後の案内を見落とさず、確実に申請を終えて、本当の意味での「費用負担ゼロ」での解決を実現させましょう。

生活保護受給中の自己破産で必要な書類

自己破産で必要になる書類は、「最初の相談時」「法テラスの審査時」「裁判所への申立て時」など、手続きの段階や目的によって異なります。なお、集めた書類はすべて弁護士へ提出して任せればよいため、本人が直接法テラスや裁判所へ提出しに行くことはありません。段階ごとに確認していきましょう。

弁護士に提出する書類

弁護士への最初の相談・依頼にあたっては、借金の全体像や生活状況を正確に把握するための資料を準備します。主に必要になるのは、次のような書類(持ち物)です。

  • 督促状や借入明細書、クレジットカード本体:借入先の名称や残高がわかるもの(※紛失していても手元にあるものだけで構いません)
  • 通帳(または写し):生活保護費の入金や生活費の引き出しが記録された、過去1〜2年分のお金の動きがわかるもの(※持っている全ての口座)
  • 家計の収支がわかる書類:家賃の金額がわかる賃貸借契約書や、毎月の保護費の支給額がわかる「保護決定通知書」など
  • 生活保護受給を証明する書類:役所で無料で発行してもらえる「生活保護受給証明書」
  • 本人確認書類:マイナンバーカードや運転免許証、住民票など、氏名・生年月日・現住所が確認できるもの(※生活保護受給者は健康保険証を持っていないため注意しましょう)

「督促状を捨ててしまった」「何社から借りているか分からない」という場合でも、弁護士が調査してくれるため、問題ありません。何が必要か分からなくても、相談した時点で分かりやすいリストをもらえます。資料が一部足りなくても、あるいは手ぶらの状態でも相談自体には全く支障ありませんので、まずは早めに相談へ行きましょう。

法テラスへ提出する書類

弁護士費用立替制度を利用する際は、弁護士を通じて法テラスへ次のような書類を提出します。

  • 援助申込書・法律相談票:申込者の氏名や事件の概要などを記載した書類です。弁護士が作成してくれるため、本人は内容を確認して署名するだけで済みます。
  • 生活保護受給証明書・保護決定通知書など:いずれかひとつ。法テラスへの申込みから3ヵ月以内に役所で発行された最新のものが必要です。
  • 世帯全員の住民票の写し:同居する家族全員の氏名・続柄が記載されたもの。
  • 通帳の写し:直近の入出金や預貯金残高がわかるもの。

※弁護士への相談時に持参した通帳の写しや受給証明書がそのまま申請に使えることも多いため、二度手間になることはほとんどありません。

裁判所へ提出する書類

弁護士が申立書類を整え、裁判所へ提出します。 難しそうな書類がたくさん並んでいますが、実は大半の専門書類は弁護士が作成・代行してくれます。本人がやらなければならないのは、住民票や通帳のコピーを集めることと「家計収支表」を書くことくらいですので安心してください。

弁護士がヒアリングをもとに作成してくれる主な書類
  • 破産・免責申立に関する陳述書:借金に至った経緯や現在の生活状況をまとめたもの。
  • 資産目録一覧・資産目録詳細説明書:所有する財産を全て記載したもの。
  • 債権者一覧表:借入先の名称や金額を一覧にしたもの(弁護士が取り寄せた取引履歴をもとに作成します)。
  • 滞納公租公課一覧表:税金や保険料などの未払いがある場合に作成します。
本人が集めて(書いて)弁護士へ渡す主な書類
  • 家計収支表(家計簿):直近2ヵ月分の収入と支出の内訳を記載したもの(※弁護士から渡される用紙に毎月記入します)。
  • 住民票:本籍地と世帯全員の記載があり、申立てから3ヵ月以内に発行されたもの。
  • 通帳の写し:表紙と裏表紙を含む直近1〜2年分(裁判所による)で、申立ての直前(1週間以内など)に最新の記帳をしたもの。
  • 生活保護受給証明書など:受給状況を確認するための証明書。
  • 各債権者への残高がわかる資料:手元に残っている請求書や取引明細書など(※手元にない場合は弁護士が調査してくれます)。
該当する場合のみ本人が集める書類
  • 賃貸借契約書:賃貸住宅に住んでいる場合
  • 無資産証明書など(不動産がないことの証明書):不動産を所有していないことの証明を求められた場合
  • 車検証:自動車を保有している場合
  • 保険証券:保険に加入している場合

生活保護受給者が自己破産をするときの注意点5つ

生活保護を受給している方が自己破産する際には、いくつか気をつけておきたい点があります。特に押さえておきたい4つの注意点を順番に確認していきます。

弁護士に依頼したらケースワーカーへ相談する

自己破産の手続きを進めるにあたって、担当のケースワーカーへの報告は欠かせません。ケースワーカーとの信頼関係は、生活保護を受け続けるうえで非常に重要です。借金の存在や自己破産を進めている事実を隠すのは厳禁です。

報告をせずに隠したまま手続きを進めてしまうと、「保護費でこっそり借金を返しているのではないか」と疑われ、最悪の場合は指導違反とみなされて支給が止まってしまうリスクがあります。 前述のとおり、まずは弁護士に依頼を済ませ、速やかに「弁護士に自己破産を依頼しました」と事後報告するのがスムーズです。伝え方に悩んでいる場合は、弁護士から具体的なアドバイスを受けることも可能です。

借金の督促を放置せず早めに対処する

借金の督促を放置していると、口座が差し押さえられ、振り込まれた保護費が引き出せなくなる恐れがあります。生活保護費そのものは差し押さえが禁止されたお金ですが、口座に入金された時点で「預金」として扱われるため、差し押さえの対象になってしまいます。

差し押さえは、ある日突然実行されるケースも珍しくありません。「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、督促状が届いた時点ですぐに弁護士へ相談しましょう。早急に受任通知を送ってもらうことで、債権者が法的措置を踏みとどまるケースも多く、口座凍結という最悪の事態を未然に防げる可能性が高まります。

不正受給による返還金は免除されないと知っておく

万が一、過去に収入の無申告など「不正受給」があり、福祉事務所から生活保護法にもとづく返還金や徴収金の支払いを求められている場合、これは税金と同じ「非免責債権」に分類されます。自己破産で他の借金が消えても、これら役所への返還義務だけは消えずに残る特別な債務です。

あと回しにすると役所から督促や差し押さえを受けるリスクがありますが、自己破産で消費者金融などの借金がゼロになれば、役所への返還金(月々の保護費からの少額天引きなど)には無理なく対応できるようになります。不安な点がある場合は、早めに福祉事務所や弁護士へ相談してみてください。

価値ある財産は処分される点を理解する

自己破産では、一定以上の価値がある財産(持ち家や、時価20万円を超える車など)は原則として売却され、債権者への配当に充てられます。

ただし、生活保護を受給できている時点で、資産価値のある持ち家や車はすでに処分済みであるのが一般的です。受給中に新たに手に入れるのも現実的には考えにくいため、「自己破産で何かを取られるのではないか」と過剰に心配する必要はありません。

もちろん、生活必需品である家具や家電が処分されることはありません。また、破産法上は一定の現金を手元に残すことが認められています(※ただし生活保護のルール上、そもそも多額の現金や貯金は持てない点には注意が必要です)。いずれにせよ、手元の生活費や家財道具が没収されることはないため、自己破産をしたからといって直ちに生活が立ち行かなくなる心配はありません。

虚偽申告をせず誠実な態度で手続きに臨む

自己破産で借金を免除してもらうには、裁判所に対して誠実に手続きを進める義務があります。財産を隠したり、裁判所に嘘の説明したりすると、「免責不許可事由」に該当し、借金が消えずに残ってしまう可能性があるため注意が必要です。

また、特定の親族や知人だけにこっそり優先して返済する行為や、「スマホの端末代(分割払い)だけを払う」といった行為も厳禁です。これらは「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と呼ばれ、債権者間の公平を損なうルール違反にあたります。

隠しごとがあとから発覚すると、せっかくの手続きが台無しになってしまいます。虚偽申告は絶対にせず、弁護士の指示に従って誠実な態度で手続きを進めることが何よりも重要です。

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自己破産と生活保護に関するよくある質問

自己破産と生活保護について、よくある質問にお答えします。家族への影響や、ギャンブルが原因の場合の対応など、不安に感じる点は人それぞれです。不安を解消できるよう、丁寧に確認していきましょう。

Q1. 自己破産をすると同居している家族の生活保護受給に影響する?

本人が自己破産をしても、同居している家族の生活保護の受給資格や保護費の金額に直接の影響はありません。自己破産はあくまで個人の手続きであるため、家族が代わりに借金を払う義務はなく、世帯の保護費が減らされることもないため安心してください。

ただし、同居の家族が借金の連帯保証人になっている場合は、家族に一括請求がいってしまうため影響が出ます。また、自己破産の手続きを進めること自体はケースワーカーへの報告が必要です。不安な点は、家族構成や借金の状況まで含めて、事前に弁護士へ詳しく相談してみてください。

Q2. ギャンブルや浪費が原因でも生活保護受給中に自己破産できる?

借金の原因がギャンブルや浪費であっても、自己破産は可能です。

ギャンブルや浪費による借金は本来「免責不許可事由」に当たりますが、裁判所の「裁量免責」制度により、反省の意思や事情を考慮して最終的に免責(借金ゼロ)が認められるケースが大半です。

ただし、口頭での反省だけでは不十分です。ギャンブルを完全にやめていることや、毎月家計簿をつけていることなど、行動で反省を示す姿勢が求められます。 詳しい調査が入る「管財事件」となるため通常より手続きに時間がかかりますが、その際にかかる高額な裁判所費用(管財人費用)も法テラスの立替え対象になるため、費用の心配はいりません。早めに弁護士へ相談し、状況を正直に話したうえで手続きを進めましょう。

Q3. 生活保護受給中に2回目の自己破産はできる?

過去に自己破産の経験があっても、前回の免責許可決定が「確定した日」から7年以上経過していれば、原則として2回目の破産が可能です。また、破産の回数そのものを理由に生活保護の受給を拒否されたり、打ち切られたりすることはありません。

ただし、前回の自己破産から7年以内だったり、前回とまったく同じ原因(ギャンブルなど)で借金を重ねていたりすると、裁判所の審査が非常に厳しくなり、裁量免責が認められにくくなります。

とはいえ、病気や失業などやむを得ない事情があれば、7年以内でも免責が認められる可能性は残されています。1回目より複雑で厳しい手続きになりやすいため、まずは債務整理の実績がある弁護士に早急に相談し、今後の対応を任せるのが一番確実な方法です。

Q4. 自己破産の手続き中も生活保護費は支給される?

自己破産の手続き中であっても、生活保護費は通常通り支給され続けます。申立てをおこなったからといって支給が止まったり減額されたりすることはなく、裁判所での手続きと福祉事務所からの支給はまったく別々に進むため安心してください。

受け取った保護費は、食費や光熱費などの生活費に全額使って構いません。 もちろん、保護費の中から高額な弁護士費用や裁判所への予納金を捻出する必要もありません。費用面は法テラス(民事法律扶助制度)を利用すれば、手続き中(生活保護を受給している間)は立て替え金の分割払いも完全にストップ(猶予)されるため、自己負担は1円も発生しません。生活保護費を一切削ることなく、安心して手続きを進められます。

Q5. うつ病で働けなくても自己破産や生活保護は受けられる?

うつ病などの病気で働けず、借金の返済が難しい場合でも、自己破産と生活保護はどちらも問題なく受けられます。

病気で収入が減り、返済が続けられなくなった事情は、自己破産における「支払不能(借金が返せない状態)」の強力な根拠として扱われます。また、医師の診断書があれば、就労が困難である点を客観的に証明でき、生活保護の受給要件もスムーズに満たしやすくなります。

うつ病などで「手続きをする気力がない」という状態であっても、弁護士に相談すれば面倒な書類作成や裁判所とのやり取りをすべて代わりに進めてくれます。一人で抱え込まず、まずは専門家に頼って心身の回復を優先しましょう。

Q6 自己破産の手続きが長引いた場合も生活保護費は受給できる?

自己破産の手続きに半年から1年程度かかったとしても、その間も生活保護費は問題なく受給し続けられます。手続きの進み具合と生活保護の受給資格は無関係であり、「手続きが長引いている」という理由だけで保護費が止められることは絶対にありません。

ギャンブルが原因で管財事件になったり、債権者の数が多くて調査に時間がかかったりする複雑な案件でも、弁護士が最後までしっかりサポートしてくれます。ただし、ケースワーカーからは定期的に手続きの進捗を聞かれることがあるため、「今は弁護士が手続きを進めてくれています」と正直に報告しておきましょう。焦る必要はありませんので、弁護士の指示に従って着実にステップを進めていけば大丈夫です。

まとめ|自己破産と生活保護の悩みは弁護士の無料相談窓口へ

生活保護を受給していても、自己破産はためらわず検討してよい選択肢です。借金を法的に整理すれば、保護費を返済に使う不正受給のリスクからも、督促の恐怖からも解放されます。

「ケースワーカーに知られるのが不安」「お金がないから無理」と、一人で抱え込む必要はありません。正しい順番で誠実に手続きを進めれば、生活保護も自己破産も問題なく両立できます。借金の悩みは、抱え込むほど解決が遠のきます。

生活保護と自己破産に悩んでいる方は、ベンナビ債務整理で、債務整理に強い弁護士を探してみてください。地域や相談内容で絞り込めるため、自分に合った事務所を見つけやすく、初回相談無料の事務所も多数掲載されています。

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この記事の監修者
札幌パシフィック法律事務所
佐々木 光嗣 (札幌弁護士会)
2018年2月に札幌パシフィック法律事務所を設立。スタッフも一丸となり「身近なリーガルパートナー」として迅速な問題解決を目指す。
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編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。