更新日:

自己破産後でも融資は受けられる?1年後でも融資してくれる会社?審査の対策も解説

代表弁護士 野条 健人
監修記事
自己破産後でも融資は受けられる?1年後でも融資してくれる会社?審査の対策も解説

自己破産後は信用情報機関に事故情報が登録されるため、金融機関から融資を受けることが難しくなります。

しかし、日本政策金融公庫の融資制度をはじめ、破産歴があっても利用できる資金調達方法は複数存在します。

本記事では、自己破産後に融資を受ける方法や審査を通過するために押さえておくべきポイントなどを解説します。また、自己破産から1年後でも融資してくれる可能性がある方法も紹介します。信用情報の仕組みや各融資制度の概要もわかりやすくまとめているので、ぜひ参考にしてください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ債務整理で
自己破産が得意な弁護士を探す

自己破産後の融資は原則として難しい

自己破産後に融資を受けるのは、原則として難しいといえます。

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されるためです。

銀行や消費者金融は、融資の審査時に信用情報機関のデータを照会します。

そして、過去に自己破産していたことが判明すると、返済能力に×と判断され、審査に落とされてしまいます。

信用情報機関にはCIC・JICC・KSCの3種類があり、それぞれの加盟会員や自己破産の登録期間は以下のとおりです。

信用情報機関 主な加盟会員 自己破産の登録期間
CIC クレジットカード会社・消費者金融 5年
JICC 消費者金融・一部銀行 5年
KSC(全銀協) 銀行・信用金庫 7年

事故情報が登録されている間は事業への融資はもちろん、住宅ローン・自動車ローンの契約やクレジットカードの新規発行も基本的にできません。

なお、事故情報が削除されたあとも、各金融機関が独自に管理している顧客情報には、自己破産の履歴が残ったままになることがあります。

いわゆる「社内ブラック」と呼ばれる状態であり、自己破産で迷惑をかけた金融機関に借入を申し込んでも、審査落ちする可能性が高いと考えられます。

自己破産後に融資を受けられる可能性がある5つの方法

自己破産後でも資金調達できる方法は、公的融資制度を中心に5つあります。

それぞれの特徴や利用条件を詳しくみていきましょう。

融資方法 特徴 向いている人
再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資) ・最大7億2,000万円まで借りられる
・返済期間が長い
【おすすめの人】
・以前事業に失敗した経験がある人
・大きな金額が必要な人
・大きな金額が必要な人
創業融資(新規開業・スタートアップ支援資金) ・最大7,200万円まで借りられる
・担保や保証人が不要な場合もある
【おすすめの人】
・新しく事業を始める人
・開業して間もない人
 
マル経融資(小規模事業者経営改善資金) ・最大2,000万円まで借りられる
・商工会議所や商工会の経営指導を受けていることが前提
・担保や保証人が不要
・小さな規模で事業をしている人
・商工会議所に相談できる人
新株発行による資金調達 ・返済不要の資金を調達できる
・経営の一部を共有する必要がある
・成長が見込める事業がある人
・借金を増やしたくない人
自治体の融資・助成制度(生活福祉資金貸付制度) ・生活費や住居費を借りられる
・利子が低い、または無利子
・審査のハードルが比較的低い
・まずは生活を立て直したい人

日本政策金融公庫の再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)

自己破産後でも、日本政策金融公庫の再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)であれば融資を受けられる可能性があります。

再挑戦支援資金は、一度事業に失敗した経営者の再起を支援するための公的融資制度です。

具体的には、廃業歴があり、新たに事業を始める人または事業開始後おおむね7年以内の人が対象とされています。

再挑戦支援資金の概要
項目 内容
融資限度額 7億2,000万円
設備資金の返済期間 20年以内(据置期間2年以内)
運転資金の返済期間 15年以内(据置期間2年以内)
金利(目安) 基準利率
※所定の条件を満たす人は特別利率が適用
担保・保証人 要相談

日本政策金融公庫の創業融資

自己破産後に融資を希望する場合は、創業融資に申し込むのもひとつの方法です。

具体的には、新規開業・スタートアップ支援資金(再挑戦支援関連)を利用できる可能性があります。

新規開業・スタートアップ支援資金の対象は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の人です。

新規開業・スタートアップ支援資金の概要
項目 内容
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
設備資金の返済期間 20年以内(据置期間2年以内)
運転資金の返済期間 10年以内(据置期間2年以内)
金利(目安) 基準利率 ※所定の条件を満たす人は特別利率が適用
担保・保証人 要相談

新たに事業を始める場合や事業開始後税務申告を2期終えていない場合は、原則として無担保・無保証人で融資を受けられます。

日本政策金融公庫のマル経融資(小規模事業者経営改善資金)

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)は、商工会議所・商工会の経営指導を受けている小規模事業者が無担保・無保証人で利用できる融資制度です。

日頃の経営改善への取り組みなども考慮されたうえで融資の可否が決定するため、破産歴があるというだけで審査に落とされることはありません。

マル経融資の制度概要は以下のとおりです。

項目 内容
融資限度額 2,000万円
返済期間 10年以内(据置期間2年以内)
金利 年利2%程度(令和8年2月時点)
担保・保証人 不要

商工会議所を介するマル経融資は、日頃の経営改善への取り組みなどが考慮されるため、公庫の直接融資とは審査の視点が異なります。

経営指導の実績から、柔軟な審査が期待できる場合があります。

自己破産に至った理由によっては情状酌量してくれる可能性もあるので、最寄りの商工会議所で一度相談してみるとよいでしょう。

新株発行による資金調達

金融機関や公的機関からの融資が難しいなら、新株発行で資金調達することも検討しましょう。

破産歴があっても、会社としての成長性を示すことができれば、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などから資金を集められる可能性があります。

また、返済義務がないため、売上が安定しない時期でもキャッシュフローを圧迫しません。

ただし、株式を発行するということは経営権の一部を渡すということです。

自分の意思決定が制限されないように、出資比率の設計は慎重におこなってください。

自治体の融資・助成制度

事業資金ではなく当面の生活費に困っている場合は、自治体の融資・助成制度を利用するのがよいでしょう。

例えば、各自治体に設置されている社会福祉協議会では、生活福祉資金貸付制度を取り扱っています。

総合支援資金や福祉資金などの複数のメニューが用意されており、生活費や住居費などを無利子または低金利で借り入れることが可能です。

審査の条件も民間金融機関よりは緩やかで、自己破産後でも申込みができます。

貸付額や返済方法などの詳細は、最寄りの社会福祉協議会に直接問い合わせてみてください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ債務整理で
自己破産が得意な弁護士を探す

自己破産後に融資を受けるための3つのポイント

自己破産後の融資審査は厳しくなるので、事前準備が欠かせません。

ここでは、融資を受けるためのポイントを解説します。

できるだけ自己資金を貯めておく

融資を申し込む際には、できるだけ自己資金を貯めておきましょう。

自己資金が多いほど事業に計画性があり、経営者の本気度も高いと判断してもらえるからです。

また、自己資金が多いことは、返済能力をアピールすることにもつながります。

再び自己破産に陥ってしまわないためにも、自己資金をベースに事業を展開できるようにしておきましょう。

実現性の高い事業計画書を作成する

実現性の高い事業計画書を作成することも、自己破産経験者が融資審査を通過するためのポイントといえます。

事業計画書が作り込まれていないまま事業をスタートしても、経営方針が定まらず、失敗に終わる可能性が高いです。

また、審査する側は「なぜ破産したのか」「今回も同じ失敗をするのではないか」といった疑念をもっている可能性があります。

その中で過去の失敗を分析し、再発防止策が盛り込まれた事業計画書を提出すれば、納得してもらいやすくなります。

事業計画書の信頼性を高めるために、税理士や中小企業診断士の指導を受けておくのもよいでしょう。

自己破産の事故情報が削除されるのを待つ

融資を受けるための最も確実な方法は、信用情報機関から破産記録が消えるのを待つことです。

信用情報機関に登録された自己破産の事故情報は、5年~7年程度で削除されます。

そして、事故情報が削除されたあとは、過去の破産歴に関係なくフラットな状態で審査を受けられます。

ただし、社内ブラックには注意が必要です。

事故情報が消えても、破産時に迷惑をかけた金融機関の社内データには記録が残ったままになっている場合があり、審査に落ちる可能性が高いといえます。

信用情報を確認する方法は、以下の記事で解説しているので参考にしてください。

自己破産後の融資に関してよくある質問

最後に、自己破産後の融資についてよくある質問に回答します。

同様の疑問を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

自己破産後も消費者金融なら借入れできる?

信用情報機関に事故情報が残っている間は、アイフルやプロミスなどの大手消費者金融からも借入れはできません。

大手消費者金融も信用情報機関の加盟会員です。

審査時には申込者の信用情報を照会するため、事故破産の事故情報が登録されている約5年間は審査に落ちてしまいます。

だからといって、「自己破産でも融資可能」「ブラックOK」と謳う業者から借り入れるのは絶対にやめてください。このような甘い言葉を謳う業者には要注意です。

登録貸金業者ではない違法な闇金(ヤミ金)の可能性があります。

どうしても生活費が必要な場合は、社会福祉協議会の公的貸付制度などを利用するのがおすすめです。

自己破産後1年で融資を受けることはできる?

自己破産後1年でも融資を受けられる可能性はあります。

自己破産者でも利用できる融資制度は複数ありますが、「自己破産から1年以上経過していること」といった期間要件は設けられていません。

ただし、自己破産直後の信用力は著しく低いため、審査のハードルは高いといえます。

自己破産後5年~7年経過し、信用情報が削除されてからのほうが、融資の成功率は格段に上がります。

自己破産後は住宅ローンや自動車ローンも組めない?

自己破産後しばらくは、原則として住宅ローンも自動車ローンも組めません。

信用情報機関への照会で自己破産していることがバレると、貸し倒れのリスクが高いと判断され、審査に落とされてしまいます。

ただし、自動車に関しては自社ローンを利用するのもひとつの方法です。

支払総額が多くなりやすい点はネックですが、信用情報を確認されないため、事故情報が残っている状況でも審査に通る可能性があります。

住宅ローンに関しては、同居する配偶者名義で申し込むといった対応が考えられます。

自己破産後の融資に関する悩みは弁護士に相談を!

自己破産後は信用情報機関に事故情報が登録されるため、融資を受けるのが難しくなります。

しかし、日本政策金融公庫の融資制度などを利用すれば、破産歴があっても資金調達できる可能性があるので有効に活用しましょう。

今まさに自己破産するかどうかを悩んでいる方は、一度、弁護士に相談してみることをおすすめします。

経験豊富な弁護士に相談すれば、債務整理後の生活や会社経営を考慮したうえで、最適な選択肢を提示してくれるはずです。

ベンナビ債務整理には、自己破産などの借金問題が得意な弁護士が多数掲載されています。

「初回の面談相談無料」「分割払い可能」などの条件を付けて検索できるので、自分に合った弁護士をすぐに見つけられるはずです。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ債務整理で
自己破産が得意な弁護士を探す
東京
神奈川
埼玉
千葉
大阪
兵庫
【自己破産なら】岡田総合法律事務所

【ご相談は何度でも無料】【分割払可】債務整理のデメリットが不安で、依頼を迷っていませんか?借金でお困りの方は早期にご相談ください!丁寧に説明した上で、依頼者様に最善の方法をご提案します。

事務所詳細を見る
【全国対応】立川支店 アディーレ法律事務所 Google口コミ★4.1 口コミ件数101件 ※2026/4/30時点

【全国65拠点以上】【問い合わせ件数1日1,000件以上】【周りに知られずに相談OK】はじめの一歩は弁護士への無料相談!あなたの街のアディーレに、何でもお気軽にご相談ください ※ 2024年1月~12月の平均受電数より問い合わせ件数算出

事務所詳細を見る
【全国対応】北千住支店 アディーレ法律事務所 Google口コミ★4.3 口コミ件数105件 ※2026/4/30時点

【全国65拠点以上】【問い合わせ件数1日1,000件以上】【周りに知られずに相談OK】はじめの一歩は弁護士への無料相談!あなたの街のアディーレに、何でもお気軽にご相談ください ※ 2024年1月~12月の平均受電数より問い合わせ件数算出

事務所詳細を見る
東京都の弁護士一覧はこちら
この記事の監修者
かがりび綜合法律事務所
代表弁護士 野条 健人 (大阪弁護士会)
かがりび綜合法律事務所は、お一人おひとりの悩みに最後まで寄り添いながら問題解決に取り組んでおります。お気軽にご相談ください。
この記事をシェアする

自己破産に関する新着コラム

自己破産に関する人気コラム

自己破産の関連コラム

弁護士・司法書士があなたの借金返済をサポート


債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。

ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたをベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)の弁護士・司法書士がサポートいたします。

編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。