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少額管財事件とは|少額管財事件のメリット・注意点・費用の紹介
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2018.7.9

少額管財事件とは|少額管財事件のメリット・注意点・費用の紹介

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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少額管財事件(しょうがくかんざいじけん)とは、自己破産の手続きの1つである、“管財事件”における負担を軽減することを目的とした手続き方法です。

 

そもそも管財事件とは、裁判所によって選ばれた破産管財人が、破産者の資産を調査・管理・換価することで得られた金銭を債権者に配当する、自己破産の手続き方法の1つです。

 

この管財事件のシステムに手を加えたものが少額管財事件なのですが、少額管財事件として運用することで、具体的にどのようなメリットが債務者にあるのでしょうか。

 

この記事では少額管財事件に関して、以下のことをご紹介します。

 

  • 少額管財事件を利用するメリット
  • 少額管財事件の注意点
  • 少額管財事件の手続きの流れ

 

 

少額管財事件のメリット

少額管財事件にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

自己破産を利用しやすくする

自己破産を利用しやすくする理由として、以下の2つが挙げられます。

 

  • 通常の管財事件より費用負担が下がる
  • 通常の管財事件より手続きの簡略化ができる

 

予納金の額が少なくて済む

自己破産の申立てをするとき、申立人は手続きにかかる費用として、“予納金”を支払う必要があります。

 

ちなみに予納金は総称で、この中には手数料、官報広告費、郵便切手代、破産管財人への報酬などが含まれています。

 

そして、破産管財人の報酬のことを“引継予納金”といいます。

 

管財事件ではこの引継予納金の負担が大きく、50万円ほどかかります。ですが、予納金を支払うことができなければ自己破産を行えません

 

自己破産は借金の返済が困難な人を救済する制度にもかかわらず、予納金を用意できないがために利用できないのでは本末転倒です。

 

そこで少額管財事件では、引継予納金を最低20万円にまで下げることで、債務者が自己破産を利用しやすいようにしているのです。

 

手続きの簡略による迅速化

少額管財事件は、通常の管財事件の手続きを簡略して行うため、通常半年~1年ほどかかる管財事件を2~3ヶ月で終了することが可能になります。

 

このように少額管財事件は、手続きの迅速化・予納金額の軽減によって、自己破産を利用しやすくする効果があるのです。

 

同時廃止事件での不正を防止できる

これまで挙げたとおり、少額管財事件は金銭的負担の軽減や手続きの迅速化によって自己破産を利用しやすくするというメリットがありますが、そのほかにも同時廃止事件での不正を防止する役割があります。

 

自己破産の手続きには同時廃止事件と管財事件の2つがあります。両者の違いを簡単に説明すると、管財事件では破産管財人が必要ですが、同時廃止事件では不要です

 

破産管財人の選任がない同時廃止事件は引継予納金を支払う必要がないため、2万円程度の予納金で済みます。何十万とかかってしまう管財事件と比べると経済的な負担が軽いですね。

 

しかし破産管財人による調査が入らないということは、財産や免責についての十分な調査が行われない可能性があり、資産などを隠して申立てが行われるおそれがあります。

 

そこで金銭的な負担が軽い少額管財事件として運用し、申立て本人にかかる負担を軽減した上で、財産や免責不許事由の十分な調査を行うことで、不正を防止しつつ、自己破産の利用がしやすい状況を実現しているのです。

 

少額管財事件の債務者のメリット

  • 裁判者へ支払う予納金を抑えられる
  • 免責確定までの期間の短縮を図れる
  • 同時廃止での不正を回避しつつ費用を抑えられる

少額管財事件でかかる費用

前述のとおり、自己破産の手続きには予納金などの費用がかかります

 

以下では横浜地方裁判所における費用を提示いたしますが、裁判所によって異なる可能性があるため、所轄の裁判所の費用も別途チェックしておいたほうがよいでしょう。

 

  • 予納金(裁判所へ支払う):13,834円
  • 引継予納金:最低20万円
  • 予納郵便切手:計940円分(82円×10枚、10円×10枚、1円×20枚)
  • 収入印紙:1,500円

参考:横浜地方裁判所 破産・免責申立手続事件の郵券・予納金・収入印紙一覧表

 

少額管財事件の注意点

少額管財事件を希望する方は以下のような特徴に留意すべきでしょう。

 

裁判所によっては少額管財事件が採用されていない

少額管財事件は法律で定められた制度ではなく、破産法の範疇で債務者が自己破産をしやすくするために東京地方裁判所によって考えられた運用方法です。

 

一部の地裁によって考えられた方法ですので、すべての地裁で少額管財事件として運用できるとは限りません。

 

また類似する運用方法が行われているとしても、手続きの名称は地裁ごとに異なります。“少額管財事件”とは異なる名称で運用されている可能性もありますのでご注意ください。

 

弁護士に代理人として申立てしてもらう必要がある

少額管財事件として運用されるには、弁護士が代理人として地方裁判所に申立てをしなければなりません

 

弁護士ではなく個人や司法書士が裁判所に申立てをした場合は注意が必要です。管財事件になる可能性があるケースでは、通常の管財事件として運用されてしまうので、必ず弁護士に依頼しましょう。

 

少額管財事件の手続きの流れ

少額管財事件はおおむね以下のような流れで進んでいきます。

①地裁への申立て

代理人を利用して裁判所へ少額管財で自己破産の申立てをします。裁判所によって異なりますが、即日面接といって申立書提出の際に裁判官と代理人弁護士による面接が行われる場合もあります。

②破産管財人候補と面接

破産管財人になる予定の弁護士と面接をします。参加者は破産管財人候補の弁護士と代理人弁護士と債務者本人の3名です。

③破産手続開始決定

申立て後、返済後不可能であることを裁判者から認めてもらうことで、破産手続開始決定がなされます。

④引継予納金

最低20万円の引継予納金を裁判所へ支払う必要があります。管財人候補との面接後から数日です。

⑤債権者集会

裁判者にて破産管財人による財産や負債の状況と免責についてを裁判官と代理人弁護士と破産者に説明します。

⑥免責許可決定

債権者集会終了後1週間ほどで免責許可決定がなされます。2週間ほどで官報公告といって国が発行する機関紙“官報”に掲載されることになります。

⑦免責確定

官報公告から2週間経過しても債権者からの異議申し立て(抗告)が無い場合、免責が確定されます。免責確定後に債務の支払いの免除が決まります。

 

 

まとめ

少額管財事件として手続きしたい場合には、まずは弁護士に相談して、ご自身のケースで利用できるのかを確認してみましょう。

 

また債務整理には、任意整理や民事再生などの自己破産以外の方法もありますので、弁護士と相談する中で一緒に解決策を模索いくこともできます。

 

【関連】破産手続きとは|自己破産の手順と知っておくべきリスク

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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