返済代行とは?メリット・デメリットから費用まで説明します!

東京スタートアップ法律事務所
弁護士 中川 浩秀
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任意整理後には和解書の内容に従って返済を行いますが、この時、あなた自身で返済する方法もあれば、弁護士・司法書士事務所が代わりに返済する方法(返済代行、弁済代行、振込代行などと呼ばれます。以下「返済代行」といいます。)もあります。

事務所によっては返済代行に対応していないこともありますし、返済代行を行っている事務所では返済方法をどちらにするか選べないこともあります。

自身で返済、返済代行どちらにもメリット・デメリットがありますので、返済方法も含めて任意整理を依頼する事務所を選ぶとよいでしょう

この記事では、返済代行とは何か、どういったメリット・デメリットがあるか、返済代行利用の判断基準などについて解説します。

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任意整理後の返済代行とは?

まずは、返済代行についての基本的な内容を確認しましょう。

返済代行とは

返済代行とは、任意整理をして毎月返済していくことになったとき、任意整理を依頼した弁護士・司法書士事務所が、あなたに代わって送金手続きを管理することを言います

任意整理の返済では、原則的には各債権者に自身が個別に銀行振り込みを行わなければなりません。

一方、返済代行では、事前に弁護士・司法書士事務所の口座に毎月、返済金を支払日前に振り込んでおきます。支払日になれば、あなたに代わって弁護士・司法書士が各債権者に返済を行います。

自身で返済と返済代行の比較

ここでは、自身で返済と返済代行との比較を行います。それぞれの違いは次の表の通りです。

 

自身で返済

返済代行

振込件数

債権者の数分 1件

振込費用

債権者数分の振り込み手数料 返済代行の費用
(1件当たり1000円+税/月)

支払いが遅れる
場合の連絡

債権者へ 事務所へ

支払いが遅れた
場合の連絡

債権者から本人へ※ 債権者から事務所へ

債権者からの郵送物

債権者から本人へ※ 債権者から事務所へ

※任意整理後でも弁護士・司法書士が代理人を辞任していない場合、連絡や郵送物は代理人事務所宛になる

自分で返済するメリット・デメリット

  • 毎月の負担は銀行振込手数料のみ
  • 支払いが遅れた場合、債権者からの連絡は直接本人宛に届く
  • 返済が遅れる場合など、債権者への連絡も自身で行う
  • 自己責任で返済額・期限を管理する必要がある
  • 任意整理を行ったことを家族に秘密している場合、それが家族に知られるリスクがより高い

毎月の負担額は振込手数料のみですので、費用面では自身で返済の方が、メリットがあります。

ただし、自身で返済の場合には、任意整理をした時点で弁護士・司法書士事務所との契約が終了する場合が多いため、その点には注意が必要です。

返済が遅れる場合の連絡は、自身で各債権者に行う必要がありますし、債権者からの郵送物の送付先は本人宛になります。

そのため、返済が遅れた場合の手間は増えますし、返済が終了すると契約した際の契約書や本人確認書類、和解書等の原本が返却されますが、そうした返却書類が郵送で自宅に届くと、ご家族に任意整理をしたことが知られてしまう可能性が高まります。

なお、事務所によっては任意整理後にも受任状態を継続しているケースもあります。

その場合には支払い遅延などの連絡は債権者と弁護士・司法書士事務所との間で行われます。依頼する前にどういった形態を採用しているか確認しておくとよいでしょう。

返済代行のメリット・デメリット

  • 振込先が依頼している事務所の1ヵ所だけで手間がかからない
  • 事務所で返済期間や返済額を管理するため返済額・期間の間違いがない
  • 債権者からの連絡・郵送物は事務所宛に届く
  • 事務所で管理することで有利な条件で和解できる場合がある
  • 債権者の対応をするストレスがない
  • 任意整理を行ったことを家族に秘密にしている場合、家族に知られるリスクが低くなる

返済代行の場合には、弁護士・司法書士事務所に各債権者への返済額を一括で支払えばよいので振込が一度で済み、手間がかかりません。

また、返済が遅れそうな場合や、返済が遅れてしまった場合、そうした連絡は事務所が対応してもらえますし、債権者からの郵便物などの送付も事務所を通じて行われます。

やり取りの手間が省けますし、窓口を一本化することによって精神的に楽になるということもあるでしょう。

さらに、返済代行の場合には任意整理の条件が有利になることもあります。

任意整理は将来の利息カットや支払い回数の延長などについて、債権者との交渉を通じて条件を取り決めます。

返済代行によって返済がスムーズになると債権者が判断すれば、借金の減額幅が増加することもあります。

そして、メリットとして大きいのは、家族に知られるリスクが低くなることです。

債務整理を行うにあたり、家族に借金を秘密にしたい方にとっては、返済代行であれば債権者からの連絡や郵送物が直接自宅に届くことを避けることができます。

家族に秘密にしている場合、一度知られてしまえば、それは取り返しのつかないことになりますので、返済代行によりそうしたリスクを軽減できることは大きなメリットになります

しかし、返済代行は次に説明する通り事務所への費用が発生します。

そのため、費用とメリット・デメリットを天秤にかけてよく検討しましょう。

返済代行の費用

事務所によって異なりますが、一般的に返済代行の費用は、債権者1件当たり1,000円+税/月(債権者への振込手数料込を含む。)としている場合が多いようです。

仮に4社に返済する場合には4社×1,000円=4,000円+税/月となります。

ただし、自身で返済する場合にも振込手数料はかかります。

1件当たり200円~300円程度ですので、返済代行費用のうち7割程が代行手数料に充てられているということですね。

1ヶ月当たりの返済費用について、自身で返済する場合と返済代行の場合を比べてみると以下の表の通りとなります。

項目

自身で返済

返済代行

弁護士・司法書士への
振り込み手数料

-

200~300円

債権者への振込手数料

200~300円×返済社数

-

返済代行費用

-

1,000円(+税)×返済社数

自身で返済すると、毎月ATMやネットバンキングを操作する手間がかかりますし、もちろん返済する件数が多いほど時間がかかります

返済代行の費用を高いと思うか安いと思うかは、返済代行の場合に債権者の窓口が自分ではないこと、家族に知られるリスクが低くなることのメリットをどれほど感じられるかに依るところが大きいと言えるでしょう。

実際にどんな人が利用している?

自分で支払うか返済代行をしてもらうかは、任意整理を依頼した弁護士・司法書士事務所の方針にもよりますが、どちらにするか選べる事務所の場合、費用がかかっても返済代行を選択する方は多いようです。

返済代行利用の判断は人それぞれですが、選んでいる人の多くは債権者からの連絡が直接くることと返済代行の費用を天秤にかけていることが多いようです。

自身で返済の場合には毎月ATMやネットバンキングなどから件数分振り込まなければなりません。

返済代行であれば弁護士・司法書士事務所の口座に振り込むだけですので負担も軽減されます。

また、返済し忘れ等があった際に、貸金業社から連絡があることを懸念している人もいるでしょう。

返済代行を利用すれば、未入金や不足金があった場合、貸金業者からの連絡は弁護士・司法書士へ届きます

こういった連絡が本人に届かないことから精神的な負担も軽減でき、返済代行を選ぶ人もいるのでしょう。

任意整理後の支払いが遅れるとどうなる?

任意整理の和解では、「支払いが2回遅れた場合には期限の利益を喪失し、残金を一括で支払う」といった条件を組み込んでいるのが一般的です。

期限の利益とは、指定の期限まで返済を猶予してもらえる権利のことです。

つまり、任意整理後に2回支払いが遅れると、債権者から残金を一括で返済するよう請求されることになります。

当然、1度目の滞納では期限の利益はなくなりませんから、何とかして翌月までに支払う必要があります

返済代行を選択していれば、債権者と信頼関係を維持するために、弁護士・司法書士事務所が窓口となって事情を説明するなどの対応をしてくれます。

また、返済が難しい場合には、再度の任意整理も不可能ではありませんし、個人再生や自己破産といった方針に解決方法を変更することもできます。

こういった場合にも返済代行を選んでいれば、あなたの状況を把握している事務所がスムーズな対応をしてくれるでしょう。

任意整理後に、返済が困難になることを不安に思っている人は、返済代行を検討してもよいかもしれません。

返済代行に対応している事務所

全国各地に事務所がある、総合的なリーガルサービスを提供している弁護士・司法書士事務所の場合、返済代行のみの対応といったケースが多く見られます。

一方、債務整理に特化している事務所では、自身で返済する方法しかないことも多いです。

注意が必要なのは、多くの事務所では返済方法を選ぶことができない点です

自身で返済か返済代行かは、任意整理を依頼した事務所によって決まることを覚えておいてください。

この記事で説明したメリット・デメリットや発生する費用を天秤にかけ、どちらの返済方法がよいかを判断しながら、任意整理を依頼する事務所を決めましょう。

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この記事の監修者
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本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。