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任意整理後の生活はどうなる?クレジットカードやローンへの影響を解説

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弁護士や司法書士に任意整理を依頼したあとは、口座の引き落としや取り立てが止まるなど、生活にさまざまな影響が出ます。

本記事では、任意整理を依頼したあとに起こる変化について、以下に焦点をあてて解説します。

  • 借金
  • 銀行口座やクレジットカード
  • 新規の借り入れやローン
  • 就職や保険などの日常生活

任意整理の依頼を検討している方は、ぜひご覧ください。

依頼後の生活を具体的に想像できるようになるでしょう。

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任意整理後の借金はどうなる?

まずは、任意整理が借金に与える影響を解説します。

借金の取り立てや口座引き落としが止まる

依頼後、弁護士・司法書士が債権者に受任通知書を送ることで、取り立てや引き落としが止まります。

貸金業法により、債権者は借金の督促ができなくなるからです(貸金業法第21条1項9号)。

引き落としは、和解案が成立するまでの期間はおこなわれません。

成立後は、和解案で決められた金額が引き落とされます。

取り立てや口座引き落としが止まらない場合の対処法

基本的に、受任通知書の送付後は引き落としなどが止まりますが、まれに「受任通知書の郵送が口座振替日までに間に合わない」などの理由により、引き落とされたりすることがあります。

そういった場合に備えて、あらかじめ口座の残高を0円にしておいたり、口座を凍結したりしておくとよいでしょう。

借金の元金を3年~5年かけて返済していく

任意整理 交渉

任意整理が完了したあとは、債権者と取り決めた和解案にしたがって借金を返済していきます。

通常は、借金の利息や遅延損害金をカットし、元金のみを3年間~5年間で返済していくように取り決めますが、場合によっては返済期間を延長することも可能です。

また、過払い金がある場合は、借金の返済に充てることで早期完済につながります

用語解説
遅延損害金
借金の返済が遅れた場合に支払わなければならない延滞料金

任意整理後に自己破産することもできる

たとえ任意整理をしたあとでも、やり繰りが厳しくなったりした場合は自己破産が可能です。

ただし、任意整理と自己破産の両方の手間や費用がかかるので、はじめから自身に適した債務整理を選択しましょう

なお、任意整理とは違って自己破産には利用条件がありますが、借金が多額で返済できそうにない場合などは自己破産を選択したほうがよいかもしれません。

また、個人再生なども借金を減額できる有効な方法です。

任意整理後のブラックリスト状態はいつまで続く?

任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理をすると、信用情報機関にて事故情報が登録されて、いわゆるブラックリストの状態になります。

基本的に、ブラックリストの期間は「借金を完済してから5年程度」です。

信用情報機関については、株式会社日本信用情報機構(JICC)・株式会社シー・アイ・シー(CIC)・全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つがあります。

任意整理後の銀行口座やクレジットカードはどうなる?

依頼後に弁護士や司法書士が債権者に受任通知書を送ったり、自身の情報が信用情報機関に登録されたりすることで、以下のような制約を受けます。

銀行口座が凍結される

任意整理の対象に銀行のローンが入っている場合は、弁護士などが銀行に受任通知書を送ることで口座が凍結されます。

そのため、銀行でのローンを任意整理する場合は、依頼後すみやかに当該銀行の口座のお金を引き出しておいてください

また、給与の受け取りや公共料金の引き落としでその口座を利用している場合は、別の口座で利用できるように変更手続きをおこなってください。

そうしないと、自分が必要なときにお金を引き出せなかったり、給料日に給与を受け取れなかったりします。

また、口座に残高が残っていると、銀行は残高を債務の返済に充てようとするので、残高は0円にしておいたほうがよいでしょう。

もちろん、最終的には銀行にローンを返済しなければなりませんが、予期せぬ財産の減少になるので、依頼後は残高を0円にしておき、任意整理の手続きが完了してから返済することをおすすめします。

クレジットカードの新規作成・利用ができなくなる

任意整理をすると、5年程度は信用情報機関に債務整理をしたことが記録されます。

これによりさまざまな制約を受けますが、その一つが「クレジットカードの新規作成と利用が不可能になること」です。

通常、信用情報機関に事故情報が登録されるのは、債権者と和解したあとです。

「なかなか和解できない」などで登録が遅れた場合は、それだけ制限が解かれるまでの期間が長くなります。

ブラックリストの期間中でもクレジットカードを作る方法はありますが、基本的には作成は難しいと考えておきましょう。

任意整理後に借り入れ・ローンは利用できる?

任意整理後は、信用情報機関に事故情報が登録されることで、借り入れなどに関しても以下のような制限がかかります。

新規の借り入れ・ローンは利用できなくなる

金融機関・消費者金融・クレジットカード会社などで審査がおこなわれる際は、過去のクレジットカードやローンの利用履歴など、さまざまな情報が確認されます。

信用情報機関に事故情報が登録されることで、基本的に借り入れなどに関する審査には通らなくなります

事故情報があると「十分な返済能力がなく、滞る恐れがある」とみなされるからです。

連帯保証人になれない可能性がある

信用情報機関に事故情報が登録されることで、奨学金をはじめとする借金の連帯保証人になることができなくなります

事故情報があると「連帯保証人の適性を欠く」とみなされるからです。

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任意整理後の就職・保険・生活はどうなる?

ここでは、任意整理による日常生活への影響について解説します。

任意整理をしても就職や保険に影響はない

任意整理をしても、就職や保険には影響はありません

企業には信用情報機関での情報を調べる権限がないからです。

また、保険は借金とはみなされないので加入することができます。

分割タイプの保険も同様です。

任意整理したことを家族などに知られるリスクは低い

弁護士や司法書士に依頼すれば、債権者からの郵送物や連絡が弁護士・司法書士宛てに送られるので、周囲に知られるリスクは低いといえます。

自分で任意整理をおこなう場合は知られやすいかもしれません。

任意整理後の職業の制限はない

任意整理をしても職業の制限はありません

自己破産をおこなうと一時的に特定の職業に制限がかかりますが、任意整理ではかかりません。

自己破産の手続き中は職業資格制限があり、一部の職業には就けなくなります。

弁護士・公認会計士・税理士・証券会社の外交員・生命保険募集員・損害保険代理店・警備員などがこれに該当します。

引用元:自己破産による仕事や生活への影響は?|自己破産Q&A

任意整理後の専門家への依頼手続きや依頼費用はどうなる?

ここでは、任意整理を依頼する場合の弁護士・司法書士に関することを解説します。

依頼費用を支払えなくなった場合は辞任される恐れがある

「依頼費用を分割払いや後払いで支払うことになっていたが、途中で支払いができなくなった」という場合、和解案が白紙に戻ったり、弁護士・司法書士に辞任されたりする恐れがあります。

1回~2回の延滞であれば債権者や弁護士に許容してもらえるかもしれませんが、延滞しないに越したことはありません。

延滞しないように、和解案の作成時には無理のない返済計画を立てましょう

やむを得ず延滞する場合は、速やかに債権者や弁護士・司法書士に連絡をしてください。

依頼費用を延滞した場合のリスクや対処法は、以下の記事で詳しく解説しています。

依頼後に弁護士や司法書士を変更することもできる

どのような理由であっても、依頼後に弁護士・司法書士を変更することは可能です。

依頼者は委任契約の主導権を握っているためです(民法第651条)。

しかし、多くの場合、依頼時に支払った着手金や相談料などは返還されません

新たに依頼する弁護士・司法書士には、さらに着手金などを支払わなければいけないこともあります。

また、委任契約を解除するのに正当な理由がない場合は、損害賠償の支払い義務が生じる恐れもあります。

そのため、依頼してから弁護士・司法書士を変更することはおすすめできません

途中で変更することがないように、弁護士・司法書士選びは慎重におこないましょう。

用語解説
損害賠償
不法行為により損害を受けた人に対して、その原因を作った人が損害を埋め合わせるために支払うお金

専門家に依頼して任意整理が完了するまでの流れ

以下は、任意整理を弁護士・司法書士に依頼した場合の流れです。

依頼後は、基本的に弁護士・司法書士が手続きを代行します。

任意整理 流れ

無料相談から任意整理の完了までにかかる期間は、約1ヵ月~3ヵ月といわれていますが、債権者との交渉次第では期間が短縮したり長期化したりします。

初回相談料無料の事務所も多くあるため、複数の弁護士・司法書士に相談し、費用や対応を比較してから依頼するとよいでしょう。

依頼費用を支払うタイミングは事務所により異なりますが、依頼時や完了後などが多いです。

本来は依頼前に支払うことになっていても、「金銭的な事情で後払いをさせてほしい」などと伝えれば応じてもらえることもあります。

任意整理の流れをより詳しく知りたい方は、以下の記事を確認してください。

任意整理後に関するよくある質問

ここでは、任意整理後に関するよくある質問について解説します。

Q.任意整理後の賃貸契約はどうなる?

これまで家賃滞納などのトラブルを起こしていなければ、任意整理後も賃貸住宅に住み続けることができます

ただし、引っ越しなどで新たに賃貸借契約を結ぶ場合は、任意整理したことを理由に審査で落とされる可能性があります。

Q.任意整理後も携帯電話・スマートフォンは持てる?

任意整理をして信用情報機関に事故情報が登録されても、携帯電話・スマートフォンを購入することは可能です。

ただし、分割払いについては借金と同じとみなされるため、審査に通らない可能性があります。

任意整理後にブラックリストから消えれば、分割購入ができるようになります。

Q.任意整理後に返済できなくなった場合はどうすればよい?

任意整理後に返済が厳しい状況になった場合は、以下のような対応を検討しましょう。

  • もう一度任意整理をして再和解する
  • 任意整理の対象を増やして追加介入する
  • 個人再生や自己破産を申し立てる など

どの方法が最適かは状況によって異なるので、借金返済で悩んでいる場合は債務整理が得意な弁護士などに一度相談してみることをおすすめします。

まとめ

任意整理を依頼すると、借金を減額できたり、取り立てが止まったりするなどのメリットがあります。

一方で、クレジットカードの新規作成・利用ができなくなるなどの制約を受けることになります。

しかし、借金返済に苦しんでいる場合は、なによりも借金問題を解決することが急務です。

任意整理をすると利息の支払いが免除されるため、借金返済の負担が軽減し、今の生活苦が一変するでしょう。

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この記事の監修者
弁護士法人春田法律事務所
春田 藤麿 (大阪弁護士会)
「お客様の期待を上回る結果を目指す」「生涯にわたり、お客様のパートナーとなる」ことを理念とし、2016年に設立。現在は全国にオフィスを構え、個人・法人を問わず、ニーズに合わせたサポートを提供。
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編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。