2019.11.18

過払い金とは何か?仕組みをわかりやすく解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
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過払い金(かばらいきん)とは、消費者金融・クレジットカード会社からの借入期間が5年以上あり、利息制限法の上限(金利18%以上)を超えて払いすぎていた利息の事です。

この利息制限法で定められた以上に支払ったお金をグレーゾーン金利と呼んだりもします。現在キャッシングの利用者は1400万人以上いると言われており、利用者は貸金業者に利息を払わなければなりません。

ただし、利息制限法で「総額10万円~100万円未満のキャッシングについては、18%を超える場合は無効とする」と定められた法定利率を守らずに運用していた貸金業者から、払いすぎたお金を取り戻すことを、過払い金返還請求と呼んでいます。

(利息の制限)
第一条 金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一 元本の額が十万円未満の場合 年二割
二 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分
引用元:利息制限法第1条

今回はこの「過払い金」に関する基礎知識をご紹介すると共に、払いすぎた過払い金を取り戻すための流れをご紹介致しますので、参考にして頂ければ幸いです。

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過払い金が発生する仕組み|グレーゾーン金利とは?

過払い金の話題で避けて通れないのがグレーゾーン金利の話題についてです。そもそも、お金を貸す際の金利の上限は「利息制限法」によって、15~20%と定められています。

利息制限法とは?
貸金業者が消費者へお金を貸す際の利息や利率に規制を加えた日本の法律のこと。

グレーゾーン金利とは

改正貸金業法が完全施行されるまでの出資法では、上限金利が29.2%と非常に高いものでしたが、29.2%を超えた場合に課せられる「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金」という刑事罰も、出資法の上限金利を超えなければ間逃れていたのです。

利息制限法と出資法の間にある金利については、民事上はアウトなものの、刑事罰はないというグレーな部分の金利というのが名前の由来です。当然ながら、今までに払い過ぎたさ利息は、貸金業者に請求して、返還してもらうことが可能です。

【関連記事】グレーゾーン金利とは|過払い金を返還する為の正しい知識まとめ

どのくらいの期間で発生するのか?

借入の状況や毎月の返済額により異なりますので、「何年取引をすれば過払い金が発生するのか」は一概には言えませんが、おおよそ取引年数が5年以上になると、約半数の方に過払い金が発生する可能性があります。

【関連記事】過払い金請求の期間|過払い金の返還を最速で行う為の全知識

過払い金の対象者は約500万人

まずは自分が過払い金の対象者かどうかを確認するところから、過払い金の返還請求はじまります。過払い金の対象者は「平成22年以前に1度でもクレジットカード・消費者金融・銀行カードローンでキャッシングを行った人全て」が対象になります。

日本では約500万人に過払い金が発生しているといわれており、金額に換算すると約10兆円もの規模になるそうです。現在過払い金ブームが終了に向かうなか、過払い金の対象者となる方はだんだんと減少しています。

ただ、実際に過払い金の返還請求を行う人は実は少数派と言われており、TVCMなどもあまり見かけなくなってきましたが、多い人では100万円以上の過払いが発生しているそうです。

平均すると対象者は約82万円が1人につき存在しているとされています。

【関連記事】過払い金の対象となる人に共通する9つの特徴

過払い金が発生している可能性があるケース

ここまで読まれた方の中には、「私も過払い金を請求できるのだろうか」と疑問に思っている人もいるでしょう。 そこで、どういった場合に過払い金が発生している可能性が高いのかを確認してみましょう。

2010年6月17日以前に借り入れを開始した場合

過払い金の請求ができる可能性があるケースの1つ目は、2010年(平成22年)6月17日以前に借り入れを開始していた場合です。

前述の通り、過払い金が発生する仕組みは、利息制限法と出資法の上限金利に違いがあるからでした。しかし2010年6月18日に出資法が改正されたため、これ以降はグレーゾーン金利が発生することはなくなりました。

ただし、出資法が改正されたとしても、2010年6月17日以前のグレーゾーン金利は支払ったままになっています。貸金業者がグレーゾーン金利分を差し引いて請求してくれるということはありません。

つまり、2010年6月17日以前に返済した借金にはグレーゾーン金利があり、過払い金の請求ができるわけなのです。

借金を完済してから10年以内の場合

2つ目のケースは、借金を完済してから10年以内のケースです。過払い金請求には時効があり、それが最後に返済をした日から10年です。

なお、未完済の場合でも、最後に取引をしてから10年以内の場合には過払い金請求の対象になる可能性がありますので注意してください。

仮に完済していない場合でも、10年以内に借り入れをしているケースや、返済を途中でやめて放置しているケースも過払い金請求ができる可能性があります。

加えて、10年以上前に完済していた借金であっても、同じ貸金業者から続けて借金をし、その間隔が短い場合には、2つの取引が連続しているとみなされて、10年以上前に完済した借金も過払い金請求ができる可能性があります。

ご自身での判断が難しい場合には、一度弁護士・司法書士に相談してみるとよいでしょう。

過払い金が発生している事例

これまで、過払い金請求が可能であるケースをご説明しました。次に、具体的に過払い金が発生した事例を確認しましょう。

利息制限法で定めた金利よりも高い金利で借り入れしている場合

過払い金が発生する仕組みでも解説しましたが、過払い金が発生するのは、利息制限法で定めた金利よりも高い金利で借り入れをしていた場合です。

利息制限法では借り入れ金額によって金利の上限が決まっており、具体的には次の通りとなっています。

  • 10万円未満:20%
  • 10万円以上100万円未満:18%
  • 100万円以上:15%

これ以上の金利で借りている場合には、過払い金が発生している可能性があります。

過払い金が発生する業者・発生しない業者

過払い金が発生するのは、過去にグレーゾーン金利を設定していた業者に限られ、代表的な貸金業者では次のようなものが挙げられます。

  • アコム
  • プロミス
  • アイフル
  • レイク
  • ニコス
  • CFJ
  • セゾン
  • オリコ
  • セディナ
  • イオン
  • ジャックス
  • JCB

など もちろん、これだけではありません。ご自身で判断が難しい場合には、一度弁護士・司法書士に相談しましょう。

一方、次のような業者は出資法が改正される以前からグレーゾーン金利を設定していないため、過払い金は発生しません。

  • オリックス
  • モビット
  • キャッシュワン
  • アットローン(現在はSMBC(プロミス)に吸収)
  • ダイレクトワン
  • 銀行のカードローン
  • 公庫からの借入

なお、上記以外でも破産した、会社更生の手続きをとった、廃業していて連絡が取れないといった貸金業者にも過払い金請求はできないので注意してください。

過払い金返還請求のメリット

では過払い金発生者にとって過払い金返還請求を行うことのメリットはどういったものなのでしょう。

払いすぎた利息が戻ってくる

過払い金は貸金業者に対して発生している債権であるため、過払い金発生者は貸金業者へ過払い金返還を請求するだけの法的な妥当性があります。つまりは、300万円の過払い金が発生している人は、貸金業者に対し300万円の債権を所有していることと同じことなのです。

任意(裁判抜き)で交渉できるため負担が軽い

過払い金返還請求は個人で行うこともできますが、弁護士や司法書士など法律の専門家に依頼して、貸金業者と過払い金返還に関する交渉を代行してもらう方が確実性があります。

個人で行った場合と比べ、専門家が窓口になるだけで返還される金額の割合が高額になるといったメリットもありますし、日常的に時間を空けるのが難しい人にとって、手続きの負担が軽いということも大きいです。

また法律の専門家へ依頼した場合、過払い金返還請求書の郵送から、実際の交渉まで委託することができるため負担が大きく減ります。

訴訟を提起すれば高額な返還が期待できる

高額な過払い金返還を期待するのであれば、訴訟を行うのが有効です。訴訟提起の知らせが貸金業者側へ郵送されると、裁判まで持ち越しになるのを嫌がる貸金業者も多いため、初回の交渉と比べ高額な過払い金の返還が期待できます。

満額の過払い金返還を望む方は裁判の判決

過払い金返還請求の裁判まで進むと、争点がない限り、過払い金発生者は満額の過払い金と過払い金に発生している利息の5%を返還する旨の判決が貰えるでしょう。

裁判の判決が下されると、債務名義(公的に債権を主張するための証書)を取得することができるため、もし貸金業者が支払いに応じない場合、過払い金を強制執行によって返還することが可能です。

過払い金返還請求のデメリットと思われている事

一般的には、過払い金請求をするとブラックリスト(信用情報機関)に載ってしまい、5〜7年間程度お金を借りることができなくなってしまうと思われているようですが、そんなことはありません。

ブラックリストに載る?

それは債務整理(自己破産・民事再生・任意整理・特定調停)の事実や返済の遅れなどの事実が発生した場合ですので、過払い金の請求でブラックリストに載る事はありません。

ブラックリスト(信用情報機関)とは?

よく言われるブラックリストとは、信用情報機関の返済能力に関する情報のこと。お金を貸しても返済が難しいと思われる方の信用情報が登録される事を「ブラックリストに載る」という。

過払い金の満額が返還されるとは限らない

発生している過払い金に対して全額の過払い金が返還されるわけではありません。交渉する企業の経営状態が大きく影響しますが、1回目の交渉において返還される金額は、過払い金返還に対応の良い貸金業者でも7080%ぐらいでしょう。

借入残高がある場合の注意点

過払い金の発生金額と借入残高の差額分が請求できる過払い金の額になるため、もし借入残高の方が過払い金の発生金額を上回っていた場合、過払い金返還請求ではなく、過払い金発生による減額交渉を行わなければなりません。

この減額交渉は債務整理の一つである任意整理の一環として行われるため、この場合、ブラックリストへ掲載されてしまいます。

  手続き ブラックリスト掲載
過払い金 ≧ 借入残高 過払い金返還請求 ×
過払い金 < 借入残高 任意整理

【関連記事】ブラックリストとは|載る理由と消し方をわかりやすく解説

専門家に依頼すればお金がかかるというデメリットはある

払いすぎたお金を請求する事に対するデメリットは何もありません。強いて言えば、自分で行うか、司法書士などの専門家を雇うかで多少のメリットデメリットはあるかも知れませんが、詳しくは下記の記事でご確認頂ければと思います。

【関連記事】過払い金請求にデメリットはない|ブラックリスト掲載は誤解

自分で過払い金請求する方法

過払い金請求は裁判所を通さない「私的」な交渉であるため、あなた自身で行うことも不可能ではありません。具体的には次のような手順を踏みます。

  1. 金融業者に取引履歴の請求をする
  2. 過払い金の金額を算出する
  3. 過払い金請求書を送付する
  4. 貸金業社と和解交渉をする

➀では、過払い金を計算するために、まず取引履歴を請求します。貸金業者のサービスセンター等に連絡し、取引履歴を送ってほしい旨を伝えてください。

理由を聞かれたときに、「過払い金請求をするため」というと、対応してもらいないケースがあるので注意しておきましょう。「現在までの支払い状況を確認したい」と伝えるようにしてください。

②では、過払い金がいくら発生しているかを計算します。間違った金額を算出してしまうと、返還される過払い金が少なくなってしまうので注意しましょう。詳しい計算方法は、関連記事「過払い金計算方法|過払額がすぐに分かる引き直し計算の手順」を参考にしてください。

③では、貸金業者に「過払い金返還請求書」を送付します。特に書式はありません。送付した証拠が残るように内容証明郵便で送るとよいでしょう。

④で貸金業者と和解交渉をします。返還に応じてもらえた場合には指定した口座に振り込んでもらえます。 なお、ご自身での過払い金請求は困難なケースも少なくありません。

正確に過払い金の金額を算出しなければなりませんし、業者が直ちに和解するとも限りません。満額よりも少ない金額での和解を提案することもあるでしょうし、そもそも過払い金請求自体に応じてもらえないケースもあるでしょう。

そうなった場合には裁判手続きを経なければなりません。 そのため、正確に過払い金を算出するためにも、手続きをスムーズにするためにも、弁護士・司法書士に過払い金請求の依頼をするとよいでしょう。

過払い金の返還請求の流れ

過払い金の返還請求は、手順としては至極簡単なもので、以下の手順で出来ます。

  1. 貸金業者から取引履歴を取得する
  2. 取引履歴を踏まえて引き直し計算を行う
  3. 金融業者へ過払い金請求をする
  4. 金融業者と和解交渉を行う
  5. もし応じない場合は裁判所へ過払い金返還請求を起こす
  6. 裁判と併行しながら過払い金返還金額の和解交渉に持ち込む
  7. 過払い金の返還(金融業者から振り込まれる)

基本的には以上になります。

5と6に関しては、貸金業者と揉めた場合は司法書士や弁護士への依頼も検討する必要があります。

【関連記事】過払い金の請求の流れと期間|弁護士や裁判も必要か?

いくら過払い金がもらえる?無料相談で確認しよう

まずは、お近くの弁護士・司法書士事務所に無料相談して、いくら過払い金があるか確認しましょう。

金額が確認できたら、次の3点もあわせて相談して、過払い金請求すべきか判断しましょう。

・過払い金を請求して、何かデメリットがあるか?
・費用はいくらぐらいかかるのか?
・どんな手続きや準備が必要なのか?

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まとめ

過払い金は、この記事をお読みいただいているあなたにも発生している可能性があります。

過払い金があるかどうか比較的簡単に分かるものですので、まずはご自身で確認してみましょう。

【参照元】利息制限法

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。