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民事再生法とは|破産・会社更生との違いを解説
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民事再生法とは|破産・会社更生との違いを解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二
監修記事
Kaisha2-728x406

民事再生(みんじさいせい)とは、会社が抱える借金を減らして会社の経営を立て直すための法的手続きの1つです。

 

まだ新しいニュースなので、知っている方も多いと思いますが、航空業界3位のスカイマークは資金繰りがうまくいかず2015年1月28日に会社更生ではなく民事再生をしました。スカイマークは2016年3月28日に民事再生を完了。1年2ヶ月という短期間で借金の返済をしました。

 

ここでは、民事再生の仕組み・似ている会社更生法との違い・弁護士費用などをお伝えしますので参考にしていただければ幸いです。

 

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民事再生法とは事業を立てなおすための倒産

民事再生は、倒産手続の一種ですが借金を減らし会社を再建できます。破産をするまで経営が傾いていないからです。ただ、無条件で再生手続が許可される訳ではなく、利用にはいくつかの条件をクリアする必要があります。

 

この章では、民事再生手続きをするための条件会社更生法との違いについてお伝えしていきますので参考にしてください。

 

会社更正法との違い

民事再生と会社更生法の違いを表にまとめました。

 

 

民事再生法

会社更生法

財産や経営の管理

経営者

更生管財人

担保権の行使

×

対象

中小企業・個人・事業主

大手企業

手続きに要する期間

約半年

数年以上

弁済期間

最長10年

最長15年

どういうことなのかを紐解いていきます。

 

財産や経営の管理

民事再生と会社更生との一番違いは経営者の関与の有無です。民事再生手続では経営者(役員)は退任せず、経営から財産の処分まで会社本位で行うことが可能です。

 

しかし会社更生法では、手続きの申請をすると経営者(役員)は財産や経営など全ての権限を失い、裁判所から選定された更生管財人(弁護士)が代わりに債権処理を行います。

 

民事再生は法人の種類に関係なく手続きできる

民事再生は、個人や法人を問わず利用できる手続きです。

 

個人で行う時には個人再生といいます。一方、会社更生手続を利用できるのは株式会社だけです。

 

また民事再生は中小企業が多いのに対し、会社更生法は大手企業がメインに手続きを行います。会社更生法は民事再生に比べて強力な効果ためコストや時間がかかるからです。

 

担保権の行使

民事再生法なら担保権者は一般債権者とは区別して扱われ、再生計画による債務免除や圧縮の影響を受けません(担保権の範囲内でですが。)。一方、会社更生手続では担保権者も他債権者と同様に更生計画内で処理されますので、担保権に基づく優先弁済は受けられません。

 

手続きにかかる期間

民事再生は、裁判所に認可されるまでの期間は約半年と言われています。対して会社更生は、手続きが複雑なために裁判所に認可されるまでに数年かかるケースもあります。

 

手続きに時間がかかる原因は、大手企業がする手続きなので、規模が大きいので多くの利権が絡み債権者たちの利害関係を調整するためです。

 

弁済期間

民事再生・会社更生も、会社の借金を法的に減額し会社を立て直すための手続きではありますが、減額後の借金の残高は、債権者たちへ返済する必要があります。

 

民事再生の弁済期間は5~7で終わるのに比べて、会社更生は大手企業がする手続きなので10年以上かかることも珍しくもありません。また今までは上限は最長20年でしたが会社更生法が変更されたことにより弁済期間は15年以内に変更になりました。

(参考:平成14年度総合評価実地結果報告書|法務省)

 

裁判所費用

裁判に収める予納金は、減額する借金の額に比例して高額になります。会社の規模と借金の額は比例するため、会社更生を申請する企業の方が、民事再生をする会社より、収める予納金は高額です。 

 

タカタが民事再生法を使った理由

タカタが会社更生法ではなく、民事再生法を使ったのは今までの経営陣が引き続き業務ができるからです。

 

民事再生法を使うと、裁判所が選んだ管財人(弁護士)が会社の管理や経営を行います。今までの経営陣を残したまま会社経営を行いたいので会社更生法ではなく民事再生を選びました。

(参考:タカタが再生法適用申請 なぜ使われない更生法|日本経済新聞)

 

民事再生をするメリット・デメリットのおさらい

民事再生をした時のメリット・デメリットをまとめました。

 

メリット

  1. 継続して事業ができる
  2. 経営権を放棄しないで済む
  3. 借金を大幅に減らせる
  4. 比較的短期間で会社を再建できる

 

デメリット

  1. 再生しても信用を取り戻すのは大変
  2. 申請するには資金が必要(※)
  3. 債権者集会で50%以上の賛成を得る必要がある(※)
  4. 担保権の内容を左右することはできない

(※)…後述します。

 

民事再生手続きをする条件

民事再生法の開始申立の要件は以下のいずれかに該当することです。

 

  1. 破産の原因たる事実の生ずるおそれがある
  2. 事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない

 

破産の恐れがある

「破産の原因たる事実の生ずるおそれがある」とは、支払不能、支払停止、債務超過のいずれかにあたる事実であり、それらの事実の生ずるおそれがあるときです。

「事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない」とは債務者の財産をもって債務を完済することができない状態をいいます 

民事再生法の可決の条件

民事再生計画が可決されるには債権者集会(「債権者集会から民事再生の決議」にて後述)にて債権者の過半数、債権総額の半分以上の同意が必要です。

債権者からの同意を得ることが大切

債権者の意向によって民事再生法を適用できるかどうかで決まります。少しでも多くの債権者からの同意を得るために、今後の事業の展望を、債権者達に理解してもらうことが必要です。

 

 

民事再生法の手続き方法と手順

実際に民事再生法を適用するまでの手続きと流れをお伝えします。

①再生手続きの申し立て

まず民事再生の手続きを始めるにあたり、法人を管轄している裁判所に民事再生の申し立てを行わなければなりません。申し立ての際には、裁判所への申立書類と予納金が必要になります。予納金に関しては、「法人の場合」にて後述します。

申立書類

一般的に申し立て必要な書類の一覧を5点にまとめました。

  • ・民事再生の申立書
  • ・保全処分の申立書
  • ・定款のコピー
  • ・債権者一覧表(郵便番号、住所なども記載)
  • ・資格証明書(申立から1か月以内)

保全処分の申立てとは、債権者たちの抵当権の行使を、手続きが完了するまで待ってもらうためのものです。各申立ての書類は管轄内の裁判所にてお取り寄せください。

※申し立ての時に必要な書類は、裁判所によって異なります。

②再生手続きの開始決定

申し立てから約2週間後、民事再生手続きが開始します。民事再生の申し立てと同時に、保全処分の申し立てが受理されるため、債権者たちは抵当権を行使できません。そのため債権者からの支払いの督促は止まります。

債権者の動向

再生手続きの開始と同時に、裁判所から各債権者達へ再生手続き開始の通知書債権届出の書類が郵送されます。通知書は、債務者が手続きを開始したことと抵当権の行使を止める目的があります。債権届出は、債務者が、裁判所に債権(借入金額など)を裁判所へ知らせるための書類です。なお、債権者も回収できないと見込まれる債権がある場合には、通知書と一緒に送られてくる債権者届を裁判所に送ります。

③財産目録と賃貸対照表の提出

再生手続きの開始決定から約1ヶ月後に、裁判所へ財産目録と賃貸対照表を提出します。この2つの書類は、会社の資産や負債額を計算するための書類です。

  • ・財産目録…現在の資産と負債額の種類・金額・数量などを具体的に記すための書類
  • ・賃貸対照表…現状に至るまでの会社の財政状況を記すための書類(過去1年間における資金の運用に関して月別に記載)

また賃貸対照表を元に、会社が運営する各業務の利回りがどういったものかなど、民事再生をするに至った経緯や・今後の事業の展望などを伝えるための報告書の提出も必要です。

④債権認否書の提出

債権者の債権届けをだしたら、債権認否書を裁判所へ提出します。債権認否書を提出するにあたり、債権届けに記載された債権が正しいものかどうか確認しなければなりません。各債権者の取引履歴を元に、債権の有無金額が正しいかどうかを確認し認否書を作成します。

認否書は、月々の返済金額・借入金額・金利などを元に、各債権者への債務額を計算して正確に記載しなければなりません。

⑤再生計画案の提出

再生手続きの申立てから、2~3ヶ月で再生計画案を裁判所へ提出します。再生計画案は、どの程度の債務を免除するのか、手続き後の債務を返済方法・期間をまとめた計画書です。この再生計画案を元に、債権者は民事再生へ同意するかを判断します。

再生計画案の作成方法

民事再生の手続きは債務の免除をするため債権者たちの利害が絡みます。そのため民事再生を行う目的を各債権者たちへ理解してもらうことが必要です。

理解してもらうためにも各債権者達へ再生計画案について相談します。相談の際、各債権者達の意向を確認し、債権者にとって受け入れやすい再生計画案を作りましょう。また債権者の数次第では全員の意向を受け入れるのは難しいでしょう。

そこで債権総額の占める割合が大きい債権者に配慮して、再生計画案を作ることをオススメします。但し、この場合も特定の債権者のみを優遇し、他の債権者を劣位に置くなど債権者間の公平を害する計画を策定することはできませんので、注意しましょう。

作成する上でのポイント

  • 各債権者の意向を確認する
  • 債権者間の公平を外資ない範囲で、債権総額の占める割合の高い債権者への配慮を行う。

⑥債権者集会から民事再生の決議

再生計画案の提出後、債権者集会が開かれます。集会では、債権者全員に出席をしてもらい、再生計画に関する多数決の結果を元に民事再生できるか決定します。上述しましたが、この多数決では出席した債権者の過半数の同意かつ債権総額の2分の1以上の債権者の同意が必要です。

無事手続きが完了したら、民事再生によって減額された借入残高の返済と共に再び会社の運営がスタートします。

民事再生を認可させるための豆知識

民事再生を適用させるためには、いかにして債権者の同意を得るかと弁護士の選びが大切です。

定期的な債権者との交流

債権者から同意を得るために、なるべく早い段階で債権者の方々と交流を持ちましょう。会社運営の相談という体で、定期的に債権者の方々と連絡を取る事をオススメします。債権者の数によっては全ての方に会うのは困難でしょう。

債権者の数が多い場合には、交流会などの場を設けて民事再生をすること伝えてください。

弁護士へ依頼をする

民事再生の手続きを無事完了させるためには弁護士へ依頼した方が確実でしょう。裁判所への提出する書類を法律の素人が全てまかなうことは難しいからです。

また再生計画案を作成する時も、専門家であれば債権者の動向に詳しいため効果的な書類を作れます。各債権者との相談や交渉においても委託できるので、民事再生の決議においても弁護士へ依頼する方が心強いことは間違いありません。

弁護士を選ぶ基準

企業の倒産に関する手続きの受任件数会計分野が得意な法律事務所の2つを元に弁護士を選んでください。弁護士によっては専門分野は異なるからです。破産法に通じている弁護士を選ぶためにも、倒産に関する手続きの受任件数は物差しになります。

財産目録や賃貸対照表は、会計の専門的な知識を要します。そのため専属の公認会計士が在籍している法律事務所や、公認会計士との連携が上手くとれる事務所の弁護士へ依頼してください。

 

 

民事再生にかかる費用

民事再生に必要な費用についてまとめました。当記事では法人に関する民事再生がメインですが、個人の場合の費用についても紹介します。

法人の場合

民事再生の手続きの費用は、裁判所への予納金と弁護士費用の2つがあります。

裁判所への予納金

裁判所への予納金は、負債額に応じて決まります。負債総額と予納金の関係について表にまとめました。

負債総額

予納金

5,000万円未満

200万円

5,000万円以上、1億円未満

300万円

1億円以上、5億円未満

400万円

5億円以上、10億円未満

500万円

10億円以上、50億円未満

600万円

50億円以上、100億円未満

700万円

100億円以上、250億円未満

900万円

250億円以上、500億円未満

1,000万円

500億円以上、1,000億円未満

1,200万円

1,000億円以上

1,300万円

弁護士費用

弁護士の費用は、着手金と成功報酬の2種類があります。法人の弁護士費用は、債権者の数負債総額に比例します。費用の相場は、着手金と成功報酬を合わせて150万円~1,000万円です。各弁護士事務所によって取り決めは異なりますので、費用については依頼する弁護士事務所にご確認ください。

個人の場合

個人で行う民事再生を個人再生といいます。法人と同じで手続きに必要な費用は、裁判所への予納金と弁護士費用の2つです。

裁判所への予納金

裁判所へかかる費用は以下です。

  • ・収入印紙代の1万円
  • ・官報掲載費用の1万2千円
  • ・郵便切手代の1,600
  • ・個人再生委員への報酬の25万円

個人再生委員は、弁護士を依頼することで必要がない場合もあります。

※各裁判所によって個人再生委員の取り決めは異なります。(東京地裁は必須)

弁護士費用

弁護士費用については、着手金と成功報酬(借金の減額に応じて決まる)がありますが、企業の再生手続は規模が大きければ当然相当の費用が発生します。こちらはケース・バイ・ケースと言わざるを得ませんので、個別に弁護士に確認してください。

なお、法人の場合と、個人の民事再生は手続きの上で、色々と勝手が違います。そのため個人再生について詳しくは以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】

民事再生に失敗したら強制執行される

民事再生を成功できれば問題ないかもしれませんが、再建困難と判断される場合強制的に破産手続きに移行します。

破産手続きとは、今後借金を返済できる見込みがない企業のための手続きです。破産を行うと会社の全ての財産を換金し、各債権者へ配当します。

破産手続きの方法と手順

破産の手続きを行う流れをお伝えしていきます。

①破産の申立

裁判所へ破産申立書類と、予納金と共に破産の申請を行います。上述した表と同じで負債総額に応じて高額になります。

負債総額

予納金

5,000万円未満

70万円

5,000万円以上~1億円未満

100万円

1億円以上~5億円未満

200万円

5億円以上~10億円未満

300万円

10億円以上~50億円未満

400万円

50億円以上~100億円未満

500万円

100億円以上

700万円

②破産手続き開始

破産手続きの開始が決定すると、企業の財産の管理と処分を行うための破産管財人が選ばれます。民事再生との違いは、この段階で経営者は財産について触れられないことです。

民事再生同様、各債権者へ破産手続きの開始通知が届くため、各債権者は債権届出を提出します。

③資産の換価と回収

会社の資産を換価し回収するために、破産者は破産管財人と打ち合せを行います。

④債権者集会

手続き開始後、数ヶ月に裁判所にて債権者集会が行われ、会社が倒産した経緯や配当する資産についての報告をします。

⑤債権者への配当

債権者集会が無事終われば、会社の債務は免除され資産は各債権者へ配当されます。

 

 

まとめ

個人再生と異なり、会社の経営者の方以外は、民事再生はあまり馴染みがないかもしれません。しかし法人の手続きですが個人の債務整理と重複する箇所はたくさんあります。当記事が民事再生を検討されている方や、経営が傾きそうな会社へ在籍している人のお役に立てたのなら幸いです。

また倒産した会社へ過払い金請求を考えている人が、会社の実情を知る意味でも当記事がお役に立てたらと思います。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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