買い物依存症になる原因と治し方|自分で診断できるチェックリスト付き
「買い物がやめられず、お金がないにも関わらずカードを切ってしまった」
「借金をしても買い物がやめられない」
上記に該当する人は買い物依存症かもしれません。買い物依存症とは、買い物したいという気持ちを自分で抑えることができず、結果的に借金などをしてまでも買い物を続けてしまうことを言います。
一見、ただ単なる買い物が好きな人とも思うかもしれませんが、買い物依存症の人は、辛い鬱憤した気持ちを紛らわせるために買い物を続ける方も多く、多くのストレスを抱えていたいりうつ病などの精神疾患があるとも考えられます。
この記事では買い物依存症になってしまった人ができる対処法や、過度な買い物により借金を作ってしまった人の解決法をご紹介します。
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あなたの買い物依存症の傾向は?|チェックリスト
自分がどのくらい買い物依存症の特徴に該当するのか、チェックしましょう。『買い物依存症チェックリスト』を用意しましたので以下の項目に◯か☓で答えてみてください。
※買い物依存症に関する正式な文献は無かったため、アメリカ精神医学会が発表している『ギャンブル依存症の診断の手引き』を基に買い物依存症編に一部を改変しました。
- 興奮を得るために、使用金額を増やして買い物をする。
- 買い物をするのを中断したり、中止したりすると落ち着かなくなる、またはイライラする。
- 買い物をすることを制限しよう、減らそう、またはやめようとしたが成功しなかったことがある。
- しばしば買い物に心を奪われている。
- 苦痛の気分のときに買い物をすることが多い。
- 無駄な物を買ったこと取り戻そうとして別の日に買い物をすることがある。
- 買い物へののめり込みを隠すためにウソをつく。
- 買い物によって大切な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさらしたり、失ってしまったりしたことがある。
- 買い物によって引き起こした絶望的な経済状態から免れるために、他人にお金を出してくれるよう頼んだことがある。
(参考:文部科学省|「ギャンブル等依存症」などを予防するために)
買い物が好きという人と、買い物依存症は全くの別物です。
買い物好きの人は、目的のものを買うために何かを我慢してお金を蓄えて買っている一方、買い物依存症の人の場合は、何かを我慢しているわけではなく、欲しいものをその時の欲求だけで買ってしまって、不安や寂しさやイライラなどの精神的ストレスを抑える状態になってしまっているのです。
買い物依存症に陥る原因
買い物依存症を治療するには、その前に買い物依存症に陥る原因を知る事が重要です。ここではその原因として考えられるものをいくつかご紹介します。
社会の中で強くストレスを受けているから
「ストレスの多い日本社会」などと言われることがありますが、買い物依存症とストレスの関係性は非常に高く、ストレスを溜め込む人ほど、ストレスのはけ口として買い物に走りがちです。職場や学校、家庭など人と関わりを持つ場面は多くありますが、さらにはインターネットの発展により、SNSや掲示板などのネット上での人とのコミュニケーションも当たり前になりました。
人と関わる機会が多ければ、それだけストレスを抱える機会も増えてきます。さらに、SNS等で「自分を良く見せたい」と思う自己顕示欲が買い物依存症に拍車をかけることもあります。
クレジットカード、キャッシングの利便性が向上したから
クレジットカードやキャッシングは、以前よりも付加価値が増え、各社が競争のために様々なメリットを前に出してきています。また、近年ではキャッシュレス化が推奨される傾向もあります。(参考:経済産業省)
キャッシュレス自体は非常に便利な決済方法なのですが、利用者は「お金を使っている」という認識が現金に比べると低くなってしまいます。
結果、各会社のサービスの特徴にあわせて決済方法を複数所持するというスタイルが普及してきており、手持ちがなくても支払える環境が整いやすい状態であると言えます。上手に使えば大変便利なアイテムも、使い方を間違え乱用すると後悔のもととなってしまいます。
インターネットの発達で買い物が便利になったから
キャッシュレスと関連して、買い物が便利になったことが買い物依存症を助長している原因とも考えられます。特に、インターネットでの買い物は近年著しく発展し、当たり前になってきました。
インターネットで、何回かクリックをして、口座情報やクレジット情報を入力すれば、家にいながら簡単に買い物ができてしまいます。ネットサーフィンでかわいい物やカッコいいものを見つけたらそのまま購入カートに進みやすいように各サイトは設計されています。
特に出かけたりしないから、通販ばかりしてしまう。買い物依存症かもしれない。
— Loki (@magical_donut69) November 22, 2020
新型コロナウイルスの影響で外出が減り、インターネットでの買い物が増えたという方もいました。
買い物依存症に陥りやすい人の特徴
買い物がしやすい世の中になったことが、買い物依存症の人を増やしている原因ではありますが、買い物依存症になりやすい人とそうでない人の違いがあります。では、どのような人が買い物依存症になりやすいのでしょうか?
女性
まず大前提として、男性よりも女性のほうが買い物依存症になりやすい傾向にあります。買い物依存症ではないにせよ、趣味が「ショッピング」という女性は多く、行き過ぎると買い物依存症に陥ってしまうようなケースもあります。
一方で、男性は女性よりもパチンコや競馬などのギャンブル依存症になりやすい傾向にあるかもしれません。
虚栄心が人一倍強い
劣等感が強く虚栄心が強い人も、買い物依存症になってしまう可能性があります。「周りによく見られたい」と思うあまり、ついブランド物のカバンや洋服や高級車など、自分の身の丈に合わないものでも無理して買い物してしまう可能性が高いからです。
買い物依存症の人の特徴と重症化した際の末路
まずは、買い物依存症がどのようなもので、このまま買い物依存症が続くとどのようになってしまうのかを例を併せてご説明します。
クレジットカードの限度上限の利用や借金までしてしまう
やっぱり今月も赤字確定だ。買い物しすぎた…立派な買い物依存症だなぁ…前給使うの確定になりそうです…
— しらたき@借金返済 (@shiratakidebu) November 24, 2020
『買い物依存症』と『ただの買い物が好きな人』とでは、どのような違いがあるのでしょうか?買い物依存症の人は自分の制御だけでは買い物を止められない状態にあると言えます。
普通の人であれば、経済的にピンチであれば「これ以上はマズい」と買い物を止めようとストップがかかりますね。
買い物依存症の人は、そのような考えよりも「買い物をしたい」という気持ちを優先させてしまいます。その結果、借金やクレジットカードの上限以上にお金を使ってまでも買い物をしてしまいます。
買い物依存症の果てに、借金生活という方も少なくありません…。
買った物はほとんどがいらない物
多分リボいさんは買い物依存症なのた…むしゃくしゃすると何か買い物したくなるし、よく三度の飯より買い物のことを考えてるのだ…なんなのだ…この買っても買っても満たされない虚無感は…なのだ…
— リボ(払)い(が終わらない)さん (@NO_RIBO) November 19, 2020
買い物依存症の人は「○○が欲しい」というよりも、「買い物をしたい」と、何かを買う行為そのものに依存していることも多いです。
結局、買った後に冷静になってみるとほとんどは要らない物ですし、物で溢れかえっていきます。冷静になれるのはその時だけで、しばらく経てば再び買い物をしたい衝動が湧き上がってきます。
買い物依存症を克服するための治療法・改善方法
誰にとっても決して他人事ではない買い物依存症。「依存症」というだけあって、放っていても勝手に治るものでもありません。改善方法などをまとめたので、現在お悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
家計簿を作成する
買い物依存症を自力で克服できそうな方は、家計簿をつける習慣を作ることをおすすめします。買い物依存症の方は、どれだけお金を使っているのか把握していない方が多いです。つまり、どれだけ使っているかを把握できるようになれば、経済的な危機感を持ちやすくなり、買い物したい欲求に対してブレーキをかけられるかもしれません。
お金を貯める癖をつける
買い物依存症の方は、使えるお金を全て買い物に使おうとする傾向にあります。「余ったお金なんだから自由に使っていいじゃん」と思う方もいるかもしれませんが、買い物依存症はどんどんエスカレートすることもあります。
まずは毎月少しでもいいので貯金をしていく癖をつけましょう。買い物する喜びをお金が貯まる喜びに変えることができてくれば、買い物依存症脱出の大きな要因になりますね。
どうしてもお金を貯める自信がない方は、一度貯金したお金を一定期間引き落とすことができない定期預金を利用してみるのも手です。半強制的にお金が使えなくなるので、自制心で抑えきれない方には特におすすめです。
クレジットカードを使わない
クレジットカードなどで買い物が多い方は、思い切ってクレジットカードを使わなくすることも対策の一つです。クレジットカードは現金よりも利用額がわかりにくく、上限以内であればいくらでも使えてしまうという性質が際限なく買い物してしまう結果を招きやすく、これが癖付くことで買い物依存症に陥りやすいです。買い物依存症の原因がわかっていれば、その原因をつぶしていくことも大事ですね。
自律神経を整える
ストレスを増やさないためには、自律神経を整えながら、まずはストレスに対する免疫を作るべきです。規則正しい生活を送ることと、栄養バランスが取れた食事を心がけることが一般的にはよく挙げられます。
しかし、人によっては仕事の都合でなかなか実現できない人もいるでしょう。そのような場合は、なるべく質の良い睡眠を取ることを優先に日々のスケジュールを工夫しましょう。
質の良い睡眠を取るためには、ヨガやストレッチ、湯船につかるなど、血液の循環を良くすることが重要と言われています。
また、ストレスのはけ口として、体を動かすような健康的な趣味に没頭したり、日記やブログに自分の感情をぶつけるなどの行為も自分自身へのカウンセリングになるので効果的と言われています。
インターネットショッピングのページを開かない
最近はネットショップの品揃えが豊富で、インターネットで買えないものはないと言っても過言ではありません。これまでの検索履歴から関連商品を表示してくる広告もとても多いです。
ネットオークションにしても、本来の価格よりも低価格で購入できる嬉しさや、競り落とせるかどうかのスリルが快感となり、普通の買い物よりも依存しやすいという特徴があります。 極論ですが、そういったページを「見ない」ことで買い物したい衝動は抑えられます。新商品などへの好奇心、購買意欲を視覚からシャットアウトすることはとても有効です。
買い物を極端に我慢しない
いくら買い物依存症の方は生活水準を下げるべきだといっても、倹約のし過ぎは、精神衛生上よくありません。節約や貯金を長続きさせるためにも、本来の意味で買い物依存症を克服するためにも、適度に買い物を楽しむことは必要です。
もちろん使いすぎは良くないので、価値のあるものやサービスに対してはしっかりとお金を使い、価値のないものやサービスに対しては使わないというルールを設けましょう。
具体的には、まずは普段お金を何に使っているのか、「投資」と「消費」と「浪費」の3種類に分類します。
- 買ったものが、払った以上の価値がある=投資
- 買ったものが、払った額と同じ価値がある=消費
- 買ったものが、払った額以下の価値しかない=浪費
お金の「浪費」を減らし、「投資」を増やすことを意識して買い物をすることが大切です。例えば、同じ洋服でも、購入後にタンスに眠りっぱなしならば「浪費」ですが、仮にその洋服を着て素敵な男性に「今日の服かわいいね」なんて言われれば、嬉しい気持ちを手に入れたという価値があります。
買ったものをきちんと使って価値を見出せるのであればそれは「投資」や「消費」に分類しましょう。
カウンセリングを受ける
精神疾患が原因で買い物依存症に陥ってしまった場合、やはり専門家に任せることが一番です。「精神科」や「心療内科」などの医療機関に行き、まずはカウンセリングを受けることをおすすめします。
また、保健所でも依存症に関する相談を受け付けています。どこの病院に頼ればよいのかわからない人や、「実感はわかないけど、なんとなく買い物依存症っぽい…?」などと不安を感じた人におすすめです。
買い物のしすぎによる借金を自力で返済する場合は金利に注目を
買い物依存症が原因で作ってしまった借金を返済するのに、周囲に頼るのは心情的に難しいでしょう。ここでは、自身で借金を返済するための方法を紹介します。
例えば現在、あなたに以下の3つの借金があるとします。
- クレジットカードのキャッシングローン30万円
- 自動車ローン100万円
- 住宅ローン3,000万円
そして、ボーナス100万円が入ってきました。(現在ボーナス払いにしている買い物はなく、何に使っても良いお金とします。)
さて、上記3つのうちどれから返済していくでしょうか?
- キャッシングローンを全額返済して、残り70万円を自動車ローンにあてる
- 自動車ローンを全額返済して終わらせる
- 住宅ローンの一部の返済にあてる
ここで注目すべきは、各金額ではなく金利です。およそ、住宅ローンは金利3%、自動車ローンは5%、キャッシングローンの金利は15%くらいです。この場合、まず金利の一番高いキャッシングローンを全額返済するのが最も賢い選択です。
ちょうど100万円で全額返済できるという理由から、②の自動車ローンを選択してしまいがちですが、15%という高い金利のついた借金をできるだけ早く完済し、本来払うはずだった15%の金利をなくすことのほうが大切です。
このように、借金返済時は金利にも注目をしてみてください。
買い物のしすぎによる借金を返済する債務整理の方法3つ
任意整理(にんいせいり)
業者との話し合いによって、将来分の利息をカットしたり毎月の返済額を調整したり、無理のない返済を実現させるための手続きです。
債務整理の中で最も簡易的で周囲に一番バレずらく、制約もほとんどありません。収入があり、最長5年(60回)で借金を分割した場合に返済できる人が利用できます。
個人再生(こじんさいせい)
裁判所に今後の返済計画を提出し、認めてもらうことで、借金の総額を最大90%減額できる手続きです。その後、3年で返済することを求められますので、継続的な収入がある人が利用できます。
自己破産(じこはさん)
財産を借金返済にあて、それでも返済できなかった部分に関して、返済義務を失くすことができる手続きです。収入がない、返済できる見込みがまったくない人が利用できます。
ただし、買い物依存症(浪費)によってできた借金は、場合によっては自己破産が認められないケースもあります。弁護士と相談の上、慎重に手続きを進める必要があります。
また、自己破産では、一定の財産は残せますが、家や車を残すことはほとんどできませんのでご注意ください。
お近くの債務整理が得意な事務所は以下から探せます。
まとめ
買い物依存症は、主にストレスや自己顕示欲などで、必要もない買い物によって満足感を得ようとしてしまう依存症です。買い物依存症が悪化してしまうと、借金をしてでも不要な買い物を続け、生活を崩壊させてしまうリスクがあります。
自分自身が「買い物依存症を治療して、借金に悩まされずにゆとりある生活を送る!」という高い意思を持つことも大切ですが、もし周囲の人間のサポートが得られれば、自分が買い物依存症であることを告白してサポートを要請してみるのも良いかもしれません。
ボランティアで行われる自助グループもあるので、同じ経験を持つ人たちのサポートによって必ず治療できる方法があることも知っておきましょう。
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