過払い金の時効は何年?10年以上経っても請求できる3つのケース

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
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過払い金とは、過去に消費者金融やクレジットカード会社からの借入金を返済する際に、利息制限法の上限(金利18%)を超えて払いすぎていた利息のことをいいます。

 

過払い金の返還請求をするためには、一般に10年の時効があると言われています。つまり、最終取引日から10年を経過してしまうと、過払い金返還請求をするのは難しくなります。
 

ただし、「最終取引日から10年経ってしまったから絶対に請求ができない」とは一概には言い切れません。今回は、10年以上経っていても過払い金を請求できる場合や、過払い金と時効についてご紹介いたします。

 

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過払い金と時効の関係の基礎知識

2006年の出資法の改正などで、高金利での貸付が禁止されてから今年で10年となります。CMなどで「過払い金の時効は10年です」という話を耳にする機会が増えた方も多いのではないでしょうか。

 

まずは、過払い金と時効の関係についての基礎知識をご紹介いたします。

 

過払い金請求の時効とは

民法では、何かを請求する権利(債権)を使わない状態が10年間続くと、その権利を消滅させるという規定を設けています(民法167条1項)。

これがいわゆる「時効(消滅時効)」というものです。

 

過払い金を請求する法的根拠は、民法703条で規定されている「不当利得返還請求権」です。つまり、貸金業者が利息制限法を超えて不当に受け取った利息金なので、これを返してくれるよう請求するのが過払い金返還請求権です。

 

過払い金を請求する権利も、10年の消滅時効にかかります。その10年をどこから数えるかというと、「最終の返済日から10年」とされています。よく勘違いされる方がいますが、「過払い金が発生してから10年」ではありません。

 

したがって、借入日や初回の返済日が10年以上前であったとしても、最後に返済した日から10年が経過していなければ、まだ返還請求をすることができるのです。
▶︎時効の援用|借金が無くなる消滅時効の援用の手続きまとめ

 

10年以上前に完済した取引はどうなるか

もっとも、完済日から10年以上経ってしまった場合でも、過払い金が取り戻せる可能性がゼロとは限りません。例えば、現在もなお同じ業者に借金をしており返済を続けている場合や、相手の取り立てが暴行や脅迫を伴う違法なものであった場合など、過払い金を請求できるケースがあります。

 

「昔の借金だから」「もう完済しているから関係ない」として、過払い金請求の対象から外してしまうのは早計です。

 

再契約と時効の関係

取引の途中で完済し、再び借入れをしている場合でも、完済前の分を含めた全ての取引についての過払い金を請求できるのが原則です。

 

これは、時効の進行が「最終返済日」を起算点として始まることから、同じ業者で借金・返済を続けている場合は直近の最終返済日が時効の起算点となるためです。

 

ただし、一旦完済したときに基本契約を解約していたり、解約手続きはしていなくても再借入れまでの空白期間が長期にわたるような場合は、途中完済した時点で取引が終了していたと判断されることがあります。

 

このため、再借入れのときに別の新たな契約が開始したとして、途中完済した部分について取引終了から10年以上が経っている場合は過払い金の請求ができなくなるケースもあります。

 

充当合意とは

過払い金の時効の起算点が最終取引時点とされた背景には、「充当合意」という考えがあります。

 

過払い金の充当合意とは、「過払い金が発生した場合には、弁済当時、他の借入金債務が存在しなければ、上記過払い金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意」のことをいいます。

 

つまり、過払い金が発生したら、その過払い金は次の借入れと相殺できるということになります。このような過払い金の充当合意は、貸金業者にとって不利なものといえるので、明示に契約書などに示されるものではありません。

 

しかし、一般的なキャッシング等の金銭消費貸借契約では、このような合意が法律上で認められています。

 

平成17年6月に50万円を借り入れ、同年11月に30万円を返済した結果、過払い金が5万円発生していた場合

その後平成18年1月に新たに20万円を借り入れ、平成18年9月に40万円を返済すると、借金はなくなりますが過払い金は残ります。

 

そして、過払い金債権が取引ごとに発生するならば、平成17年11月の過払い金は時効が成立してしまいます。

 

  H17.6 H17.11 H18.1 H18.9
借入 50万円   20万円  
返済   30万円   40万円
過払い金   5万円

⇒時効成立

  あり
残債務 50万円 20万円 40万円

0円


これに対して、充当合意がなされていると、平成17年11月の過払い金は、次の借入金に充当されることになります。
 

  H17.6 H17.11 H18.1 H18.9
借入 50万円   20万円  
返済   30万円   40万円
過払い金   5万円   あり
充当額     5万円  
残債務 50万円 20万円 35万円

0円


平成18年9月の時点で残債務は0円になり、余分に払ってある5万円と過払い金が相手方業者にとっての不当利得となります。

 

このように、充当合意がなされた状態で過払い金を計算すると、1回目の借金の完済日がとっくに時効を迎えていた場合でも、2回目の借入までの期間が10年以内であれば、1回目に発生した過払い金は2回目の借入の元本に対する弁済として時効前に使われることになります。

 

充当計算の場合は、片方の取引で過払い金が発生した瞬間に、もう一つの別の取引の支払いに充当するので、その時点で元本が減り、結果として借金の利息の発生も抑えることができます。

 

【​過払い金請求の基礎知識】
過払い金請求|メリットや返還請求方法・専門家選びの全知識
過払い金の消滅時効は10年|時効を止める方法と過ぎた場合の対策

 

 

10年以上経過していても過払い金請求できるケース

実際に、完済から10年以上経過していても過払い金を請求できるケースはどのようなものなのでしょうか。ここでは、過払い金を請求できるケースの具体例とともに、争われるポイントなどを整理してみました。

 

今なお同じ会社へ返済している場合

一般的に、消費者金融との基本契約では上限枠(例:50万円)と毎月の最低返済額(例:2万円)を定めて、その枠の範囲で返済したり借りたりを繰り返すことが多いと言われています。

 

この場合、厳密に言えば返済日のたびに過払い金が発生することになりますが、平成21年1月の最高裁判所の判決によって、1つの基本契約をもとに借りたり返したりを繰り返す場合は、一連の取引で発生した全ての過払い金について、最終取引時点から過払い金の時効が進行することになりました。

 

そのため、現在も同じ会社へ返済を続けている場合は、直近の返済日から10年が経過していなければ、過払い金を請求できる可能性が充分あります。

 

取引の連続と分断の判断方法

同じ貸金業者から複数回の借入をしており、かつ完済している場合で、それらの複数の取引が「一連の取引」とみなされるのか「別々の取引」とみなされるのかについては、法律上明確に決まっているわけではありません。

 

業者との契約を解約して再度契約を締結した後取引を再開している場合や、途中で完済してから再度取引を再開するまでの期間のことを空白期間と呼びますが、この空白期間が1年程度を越えると、業者としては「別々の取引である」として取引の分断を主張してくるケースが多くあります。

 

取引の連続と分断が争われる判断ポイント

  1. 1.複数回の取引が1つの基本契約によるものかどうか
  2. 2.取引と取引の間の空白期間の長さ
  3. 3.借入時の契約の内容や形態
  4. 4.空白期間中にも契約の更新や年会費等の支払いがあるか

 

例えば、クレジットカードのキャッシングのように、原則として1つの基本契約のもとに借入と返済を繰り返し、空白期間中にも年会費を支払っていたようなケースでは、連続した1つの取引として認められることが多いです。

 

また、別に借入契約を結び直した場合でも、単なる借換えであったり、空白期間が短い場合には、連続した1つの取引として認められる場合があります。

 

これらの場合には、最終取引日から10年が過払い金請求の時効となりますので、現在も取引がある場合には過払い金返還請求の余地が充分あると言えるでしょう。

 

不法行為の場合はプラス3年の猶予あり

取り立てのされ方が酷かった場合など、貸金業者からの請求が「不法行為」を構成する場合は、時効について特別なルールが適用されます。

 

不法行為とは、違法な行為によって人に損害を与えた場合をいい、その被害者が加害者に対して損害賠償を求めることができるという制度が民法709条に規定されています。

 

709条(不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

724条(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする。
参考:民法

不法行為を理由とする損害賠償請求権は、通常の10年の時効ではなく、「損害を知った時から3年」で消滅時効にかかります。

 

この「損害を知った時」を取引履歴の開示を受けた時と考えると、開示から3年以内であれば、完済から10年以上経っていても、損害賠償金として過払い金を取り戻すことができるというわけです。

 

不法行為となるかどうかは裁判所が判断することですが、暴行や脅迫を伴う請求や、法的根拠がないことを知りつつあえてする請求など、「社会通念に照らして著しく相当性を欠く」場合は、不法行為に該当するとされています。

 

全部のケースで認められるわけではありませんが、実際にこの不法行為を認めた判決もありますから、諦めずに請求してみましょう。

 

 

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消滅時効になった過払い金と現在ある借金の相殺

過払い金が10年で時効消滅してしまうというのは上記のとおりですが、だからといって諦めてしまうのは勿体ないでしょう。

 

消滅時効になった過払い金でも、現在ある借金と相殺できる場合があります。ここでは、消滅時効になった過払い金でも現在の借金と相殺できるケースをご紹介いたします。

 

充当と相殺の違い

過払い金の計算方法には、充当と相殺(そうさい)という2つの考え方があります。先に述べた充当合意のもとに充当計算をすると、当然ながら過払い金は増加します。

 

逆に、相殺計算を行うと、発生した過払い金をその時点での借金の返済に回して元本を減らしていく計算になりますから、過払い金自体は減ることになります。

 

実際の計算例

この説明では「どう違うの?」と思われるでしょうが、50万円の過払い金と50万円の借金が1年間併存する場合で考えてみましょう。1年後、50万円の過払い金には過払い利息として5%が加算され、合計で525,000円になります。

 

そして50万円の借金には18%の法定利息が加算されるので、合計で590,000円になります。相殺というのは、過払い金と借金が併存する状態でなされるものです。この時点で相殺したとすれば、65,000円の借金が残ってしまいますね。

 

充当計算の場合は、50万円の過払いと50万円の借金が発生した瞬間に過払い金が元本に組み入れられるので、その時点で過払いも借金も0円になり、1年経っても1円の利息も発生しません。

 

確かに、50万円の過払いと50万円の借金が生じたときに相殺すれば、充当と変わりがないようにも思えます。

 

しかし、借入をしている人たちは、過払い金がいくらあるかは知りません。つまり、「私は過払い金が50万円あるから、こっちの50万円の借金と相殺して0円にしてしまおう」という人はまずいないのです。

 

そうすると、相殺できることに気付かないうちに支払いを続けた結果、50万円の借金を完済した後に50万円の過払い金に気付いたとしても、相殺の対象になる借金がなくなってしまったために相殺をすることはできなくなってしまいます。

 

消滅時効になった過払い金でも現在の借金と相殺できるケースがある

消滅時効にかかった過払い金でも、消滅する以前に相殺できる状態にあった場合は、相殺をすることができます(民法580条)。

 

例えば、何度か借入をしている業者に対して、1回目の借入に対する弁済で発生した過払い金を2回目の借入へ充当することが否定された場合(取引の分断が認められる場合)です。

 

1回目の過払い金が既に時効になっていた場合でも、相殺を宣言すれば、1回目の完済時点から10年以内に2回目の借入を行っている場合ならば2回目の借入で発生した債務と相殺させることができます。

 

時効が成立して過払い金として返還請求をすることはできなくても、相殺によって2回目の借入の元本を減らしたり、ゼロやマイナスにすることができるため、相殺させた過払い金の額によっては2回目の借入の弁済時点から再び過払いとなる可能性もあります。

 

相殺は裁判できちんと主張する

裁判になったときに、業者から取引の分断と時効を主張されるおそれがある場合には、「充当が認められないときには相殺を主張する」とあらかじめ言っておく必要がありますので、心に留めておくと良いでしょう。

 

 

まとめ

時効を過ぎてしまった過払い金でも、裁判で相殺を主張するなど活用法がないわけではありません。過払い金の返還請求をお考えの場合は、是非とも過去の全ての取引を対象に、請求を考えてみてください。

 

本記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

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