公開日:2019.12.2 

自己破産がシングルマザーの生活へ与える影響と借金問題の解決方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
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シングルマザーの中には、経済的に余裕がなく生活費を借金していたら、返済できない金額になってしまったというケースも珍しくありません。

返済能力がなかったり、マイホームを持っていなかったりする人は自己破産することで、借金問題から解放されます。

ただし、自己破産にはさまざまなデメリットがあります。

また、「自己破産しかない…」と思っている人でも専門家に相談すれば他の負担の少ない解決方法があることもあります。

この記事では、自己破産すべきかどうかの判断基準や知っておいて欲しい影響、他の債務整理方法などをご紹介します。

債務整理に不安を感じている方へ

費用以外にも債務整理にさまざま不安を感じているかと思います。

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シングルマザーの方へ

「借金が返済できない」「こんな借金生活を終わらせたい」と思った人は、できるだけ早い段階で弁護士司法書士といった借金問題の解決が得意な専門家に依頼することが解決への近道です

専門家への依頼では、以下のようなことが望めます。

  1. 最短即日で催促を止めてくれる
  2. 自己破産を含め、あなたに最適な債務整理を提案してくれる
  3. 借金がいくら減額できそうか、過払い金がないか計算してくれる
  4. 返済計画を一緒に考えてくれる
  5. 債務整理の手続きを行ってくれる

借金原因は問いません。まずは専門家に相談し、「解決方法」を知ることが重要です。子供につらい思いをさせないためにもお気軽にご相談ください。

シングルマザーは自己破産をするべきなのか?

自己破産は、裁判所を介して借金を全額免除し、破産者の生活を立て直すことを目的とした手続きです。シングルマザーに限らず、借金の額や収入状況によっては自己破産が借金問題の適切な解決方法になりますので、まずはどういった方が自己破産に向いているのかを解説します。

自己破産に向いているケース

自己破産をするかどうかの目安としては、利息がない状態で現在の借金を3年以内で完済できない場合は自己破産を検討するべきです。

《自己破産が適している方の特徴》

  • 利息免除しても3年以内に借金を完済できる余裕がない
  • 生活保護を受けている
  • 求職中で働いていない

《例》月収16万円、借金400万円

400万円÷36ヶ月(3年)=約11万円を毎月返済することは現実的ではない

自己破産に向いていないケース

反対に、『利息がない状態で現在の借金を3年以内に完済できる方』は、自己破産に適していません。また、自己破産は、持ち家が没収される、保証人へ借金の取立がくるなどのデメリットがあるので、『持ち家を手放したくない』『保証人へ迷惑をかけたくない』場合は別の方法で借金問題を解決することをおすすめします。

《自己破産が適さないケース》

  • 利息免除して3年以内に完済できる収入がある
  • 持ち家を手放したくない
  • 保証人への迷惑は避けたい

《例》月収24万円、借金100万円

100万円÷36ヶ月(3年)=約2万7,000円が毎月の返済額であれば現実的である

※自己破産以外の借金の解決方法については「シングルマザーが自己破産以外で借金問題を解決する方法」にて後述します。

自己破産をしたシングルマザーの私生活への影響

自己破産を検討するシングルマザーの多くは、破産後の生活を心配すると思いますが、自己破産が私生活にどのような影響を与えるのかを紹介します。

子供への影響:奨学金の保証人になれない

自己破産により子供の進学が不利に働くことはありませんが、自己破産から10年間は奨学金の保証人になれません。そのため、自己破産から10年の間に奨学金を借りる場面に遭遇したら、別の親族を保証人に立てる必要があります。

参考:「個人信用情報機関への個人情報の登録について - JASSO

携帯電話への影響:分割購入が難しくなる

自己破産の申立て時に通信料を滞納している場合は、自己破産の際に通信契約が解除される可能性があります(そのため、携帯電話の利用ができなくなります)。また、破産後の5~10年間は、分割支払いで携帯電話を新規購入することが難しくなります

破産後に、携帯電話を所有したい方は、一括での購入や格安SIMなどを検討しましょう。

【関連記事】:「自己破産で携帯は没収されるのか?破産後の携帯電話の取得方法

職場への影響:職場の人に知られる可能性がある

自己破産をした事実が、職場の人や知り合いなどに知られることを心配される方もいるでしょう。自己破産をすると、官報(行政が発行する新聞のような文書)へ破産の事実が掲載されますが、一般の方が閲覧する機会はほとんどないため、周囲に知れ渡る可能性は低くなります。

ただ、破産手続きの中で退職金見込額証明書を提出することになった場合、職場の人が不審に思うことはあるでしょう。

住む家への影響:持ち家は換価処分される

自己破産をすると持ち家など20万円超の価値のある所有財産はすべて換価処分されます

そのため、名義人の破産者の家に住んでいる場合は、賃貸物件を探すなど自己破産後の住まいを確保しなければなりません。ただ、名義人が破産者ではない場合や、賃貸にお住まいの方が自己破産をする場合は、破産後も元の家に住み続けることができるかもしれません。

【関連記事】「自己破産者が必ず知っておくべき自己破産後の全知識

シングルマザーの方が心配する自己破産のデメリット5つ

続いて自己破産をするデメリットを紹介します。

手続きに費用がかかる

自己破産をするためには、収入印紙代や予納郵券代、予納金などの裁判所費用に加え、弁護士に依頼する場合は弁護士費用が発生します。

《裁判所費用の相場》

◆収入印紙代:1,500円

◆予納郵券代:約5,000円~2万円

◆予納金

  • 同時廃止事件(財産がない場合):約2万~3万円
  • 管財事件(財産がある場合):約50万円~

※裁判所によっては弁護士に依頼することで、管財事件の予納金が20万円~まで減額されます。

《弁護士費用の相場》

約20万~50万円

関連記事:「自己破産の依頼相場と弁護士費用が払えない際の3つの対処法

すでに借金で苦しい方にとって手続きの費用を捻出する余裕はないと思います。費用に困っている方への対処方法について「手続きに不安があるけど弁護士費用が用意できない方へ向けて」にて後述しますのでそちらをご覧ください。

20万円を超える財産は換価処分される

自己破産をすると、住宅、車など20万円超の価値のある所有財産はすべて換価処分されます。住宅を残したまま借金を整理したい場合は、自己破産ではなく個人再生をおすすめします。

詳しくは「個人再生」にて後述。

信用情報機関(ブラックリスト)へ事故情報が掲載される

自己破産をすると、信用情報機関(※)へ事故情報が個人情報と紐づけて5~10年の間、登録されます。事故情報の掲載期間中は、クレジットカードやキャッシングの利用が難しくなります。日常的にクレジットカードで決算する方も少なくないでしょう。

カード払いでショッピングする機会の多い方は、デビットカードを利用することをおすすめします。デビットカードとは、対象の預金口座の残高分に限り、カード払いができるカードのことで、クレジットカードの代用として使えます。

関連記事:「ブラックリストの掲載期間とブラックリスト情報の確認方法

※信用情報機関とは

クレジットカードやキャッシング、銀行などの各利用者の信用情報(年齢、勤務先、住所、借入・返済状況、契約状況など)を収集、保管、提示する情報機関

借金の保証人に迷惑がかかる

自己破産では破産者の借金は免除されますが、保証人の義務は免除されません。そのため、自己破産で借金が免除されると、当然保証人が代わりに返済するよう求められます

手続き完了まで就けない職業がある

自己破産は、手続きが完了するまでの間は、以下の職業に就くことはできません。

  • 警備員
  • 生命保険外交員
  • 弁護士、司法書士、税理士、公認会計士などの士業
  • 宅地建物取引主任者
  • 古物商、質屋 など

そのため、上記の仕事に就いている方は、次項で紹介する方法で借金を整理することをおすすめします。

債務整理に不安を感じている方へ

費用以外にも債務整理にさまざま不安を感じているかと思います。

なかなか踏み出しにくいでしょう。そんな人はまず、女性によくある質問を確認しましょう。

女性によくある質問を

確認する≫

シングルマザーが自己破産以外で借金問題を解決する3つの方法

自己破産で借金を減らす方法について解説してきました。自己破産にはデメリットも多いことがお分かりいただけたかと思いますし、気軽に手続きしてしまうことをおすすめはできません。下記に自己破産以外で借金を減らす方法を3つご紹介します。

この3つの方法と自己破産手続きを比較してみて、それでも自己破産を選択するのかどうか、今一度考えてみましょう。

公的支援制度を利用する【借金が少額の場合】

なるべく自力で返済したい方は、児童扶養手当や母子父子寡婦福祉資金貸付金などの公的支援制度の利用を検討しましょう。

児童扶養手当

児童扶養手当は、18歳以下(高校卒業まで)の一人親を対象に手当が支給される制度です。手当の額は子供の数や所得の額に応じて変動します(【例】子供一人の場合:9,990円~4万2,330円)が、手続き方法や対象条件など詳しく知りたい方はお近くの自治体へ相談しましょう。

参考:「厚生労働省 児童扶養手当について

母子父子寡婦福祉資金貸付金

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、一人親が経済的に自立するための貸付制度です。子供の進学、引越し、仕事に必要な技能を取得する際などに、年利1%(保証人がいる場合は無利息)で利用できます。詳しくはお近くの自治体にてご確認ください。

参考:「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度 | 内閣府男女共同参画局

任意整理【利息カットすれば借金の完済ができる場合】

自力で返済するのは難しいけど、利息が免除されれば3年以内で完済できる方(《例》月収24万円、借金100万円)は、任意整理により借金を整理することをおすすめします。

任意整理とは、弁護士や司法書士が代理で賃金業者と交渉することで、利息や遅延損害金を免除など返済の負担を減らすことを目的とした手続きです。

手続きが簡易的である、保証人へ迷惑をかけずに借金を整理できる、財産を処分せずに済むなどのメリットがあります。

▶「任意整理を得意とする弁護士・司法書士事務所を探す

関連記事: 【弁護士監修】任意整理とは?デメリットとメリットをわかりやすく解説

個人再生【利息カットしても借金が完済できない場合】

利息の免除がされても3年以内で完済できない、持ち家は残したいなどの事情がある場合は個人再生をおすすめします。個人再生とは、裁判所を介して最大9割の借金を減額できる手続きです。減額後の借金は、3年以内で完済しなければなりませんが、住宅ローンの有無にかかわらず持ち家を残したまま借金を減額できます

▶「個人再生を得意とする弁護士・司法書士事務所を探す

関連記事:「個人再生をする人が住宅ローンを残すための知識のまとめ

つらい借金生活でお困りの方へ

借金問題を解決させる方法は、自己破産だけではありません。

専門家への無料相談では、あなたに最適な解決方法をご提案できますので、お気軽にご利用ください。

手続きに不安があるけど弁護士費用が用意できない方へ向けて

自己破産は、弁護士に依頼すると、『手続きを代わりに行ってもらえる』、『裁判所から借金を免除してもらえる可能性が高くなる』などのメリットがあります。手続きへの不安を払拭するためにも、弁護士への依頼を検討する方は少なくないと思います。

一般的に、借金問題を抱えるシングルマザーの多くは、弁護士費用を支払う余裕がないでしょう。しかし、弁護士のサポート抜きに手続きをすることは負担が大きいと思われます。そこで、経済的に余裕のない方へ向けて、手続きをスムーズに行うために必要なことや、弁護士費用を工面する方法を紹介します。

公的機関や法律事務所の無料相談を活用する

もし、自身の力だけで手続きを行いたい方は、法律事務所や公的機関の無料相談を活用しましょう。複数の相談窓口を利用することで、手続きに関する情報を入手することができます。

法律事務所

法律事務所によっては、相談内容や相談できる時間は限られていますが、弁護士や司法書士と言った専門家に無料相談できます。

▶「相談料無料の弁護士・司法書士事務所を探す

地方自治体

自治体によっては弁護士へ無料相談が実施されています。利用時間が短い上に、借金問題が得意な弁護士に相談できるとは限りません。

法テラス

裁判所の申立方法について相談できる上に、相談主の状況に適した相談窓口を紹介してもらえます。

関連記事:「借金問題の無料相談可能な相談窓口一覧と解決までの流れ

分割後払いに応じる法律事務所へ依頼する

借金で苦しむシングルマザーの中には、賃金業者の取立から早く解放されたい方もいると思いますが、弁護士へ依頼すると、案件を受任したタイミングで賃金業者からの取立がストップします。

弁護士費用を支払う余裕はないけど、借金の取立てから解放されたい方は、弁護士費用を分割後払いで応じてくれる法律事務所もあるので、そのような法律事務所への相談を検討しましょう。

▶「分割払い・後払いの弁護士・司法書士を探す

民事法律扶助制度(弁護士費用の立て替え制度)を利用する

ご利用の地域にて、分割後払いに応じる法律事務所がない場合は、法テラスにて民事法律扶助制度を利用することをおすすめします。法テラスではこの制度を介して弁護士費用を立て替えてくれます。

制度を利用するためには、所得条件をクリアしなければなりませんが、制度の内容は「民事法律扶助業務 法テラス|法律を知る 相談窓口を知る 道しるべ」を参考にしてください。

まとめ

本記事では、シングルマザーを対象に自己破産など借金問題を解決する方法について紹介しました。

収入、借金の状況によって適した解決方法は異なりますが、『借金で苦しんでいるが、どうやって解決すればいいかわからない』などの悩みを抱える方は、法律事務所への相談をおすすめします。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。