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自己破産の職業制限とは?対象職種・制限期間・就活への影響を解説

自己破産の職業制限とは?対象職種・制限期間・就活への影響を解説

自己破産を検討している方の中には、「全ての仕事に就けなくなる」と思っている方も少ないのではないでしょうか。

しかし実際には、制限がかかるのは士業・警備員・金融機関の役員など、特定の職種に限られます

制限期間は免責確定までの数ヵ月程度で、その後は自動的に解除されます。

本記事では、制限される職業の具体例・バレるリスクの実態・破産後の就活で注意すべき点を、法的根拠を交えて解説します。

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目次

自己破産が就職・転職に与える影響

自己破産が就職・転職活動に与える影響は、一般的に思われているほど大きくありません。

ただし、一部の職業では影響があるため、正確な知識を持っておくことが重要です。

ここでは、自己破産の就職・転職に与える影響や、影響を受ける職業について解説します。

原則として自己破産で採用が不利になることはない

原則として、自己破産が原因で採用が不利になるということはありません

採用選考において、企業が応募者の破産歴を調べる手段は限られており、企業が個人の信用情報にアクセスするには、本人の同意が必要です。

採用目的での信用情報照会は、プライバシーの観点から認められていません。

また厚生労働省も、採用選考において本人の適性・能力と無関係な事項を調査することを不適切としています。

自己破産歴があると申告する義務もないため、自己破産が原因で内定が取り消されるケースは極めてまれです。

ただし、金融機関や警備会社など一部の業種では事情が異なります。

詳細は次に解説します。

一部の職業で就職ができなくなる

自己破産は手続き中の一定期間に限り、弁護士・税理士などの士業や警備員、貸金業者などの特定の職種への就職が制限されます。

制限がかかるのは、破産手続開始の決定が出た時点から、借金の支払いが免除される免責確定までの期間です。

自己破産は同時廃止事件と管財事件の2種類に分けられ、手続きによっても期間が異なります。

同時廃止事件
財産が少なく、債務の状況が比較的シンプルな場合の手続きです。
2ヵ月から3ヵ月程度で職業制限が解除されることが多いとされています。
管財事件
破産管財人が選任され、財産の処分などがおこなわれる場合の手続きであり、処理が長引きやすい傾向です。
処理が滞りなく進めば4ヵ月程度、破産管財人の業務が難航していれば1年以上かかる場合もあります。

期間の目安は、3~6ヵ月程度で、免責が許可されれば、上記職業の制限は全て解除されます。

一般企業への就職には、手続き完了後も影響はないのでご安心ください。

自己破産を理由とした解雇は法律で禁止されている

すでに働いている職場から、破産を理由に解雇されることは原則として認められません

労働契約法第16条では、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当でない解雇は無効とされています。

直接的な解雇は違法ですが、会社側が遠回しに退職を促すケースはあり得ます

退職勧奨はあくまで会社からのお願いなので、法的な強制力はありません。

退職の意思がない場合ははっきりと断る姿勢をもつことが重要です。

もし、不当な配置転換や嫌がらせなどの行為を受けたときは、いつ・誰から・どのような扱いを受けたのかを記録に残しておきましょう。

自己破産はどこに記録されるのか

自己破産が記録される場所は、官報と金融機関が使う信用情報機関の2箇所です。

また、破産手続開始決定が出ると本籍地の市区町村へ通知されますが、破産者名簿に掲載がされるのは、例外的に免責許可決定がされなかった場合のみです。

以下では、詳細を表でまとめました。

記録先(媒体) 掲載される主な内容 記録が残る期間の目安
官報(国の広報誌) 氏名・住所・事件番号など(手続開始時・免責確定時の2回) 永続的
信用情報機関(JICC・CIC) 債務整理の事実(事故情報) 免責確定から5~7年程度
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 破産・免責の記録 免責確定から7~10年程度
市区町村の破産者名簿 免責が得られなかった場合などの欠格事由 免責確定まで(確定後は削除)

信用情報機関への登録が続く期間は、新たなクレジットカードの作成やローンの借り入れができなくなります

現在利用中のカードも更新時のタイミングで利用停止になることについても注意してください。

自己破産の履歴が登録されないもの

自己破産を検討する際、「戸籍に傷がつくのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。

しかし、自己破産の事実が戸籍や住民票、マイナンバーカードに記載されることはありません

戸籍や住民票などの公的書類は、身分関係や居住地を証明するためのものです。

個人の借金や破産といった経済的な履歴が記録される仕組みではないため、安心してください。

役所で書類を取得した際に、第三者に破産を知られたり、子供の進学や就職に影響が出たりする心配もありません

自己破産したことが就職先にバレるリスクと主な経路

自己破産の事実が就職先に発覚するルートは限られています。

ただし「絶対にバレない」と言い切れるわけでもなく、業種によってはリスクの高低に差があるので注意が必要です。

リスクを正確に把握すれば、必要以上に不安を抱えずに就職活動を進められるでしょう。

就職先に自己申告する必要はない

基本的に面接や入社時に自己破産の事実を申告する法的な義務は無いため、自己破産がバレてしまうリスクは低いです。

借金問題はプライバシーに関わるものなので、選考の場で直接質問された場合でも回答を強制されるものではないからです。

ただし、弁護士や警備員などの法律で資格制限が設けられている職種に就職する場合は、自己破産したことが就職先にバレるリスクがあります

法律で資格制限が設けられている職種は、登録や就任時に破産者でないことの証明書(身分証明書など)の提出が求められます。

免責許可が確定して復権するまでは、これらの職種への就職や登録が物理的に不可能です。

就職先に就職制限がなければ、黙っている限りバレる心配はほぼないでしょう。

官報(国の機関紙)からバレる可能性は極めて低い

自己破産の情報は官報に2回掲載されますが、採用担当者が官報を日常的にチェックしているケースはほぼありません。

官報とは、法律の公布や行政上の重要事項を周知するために国が発行する広報誌です。

紙媒体に加えてインターネット上でも公開されているので、氏名での検索が可能です。

ただし、手間がかかる割に、採用判断の根拠として使えない全応募者を対象に官報検索を実施している一般企業は、現実にはほとんどないでしょう。

転職エージェントや人材紹介会社も、官報情報を採用企業へ提供することはありません。

過去の掲載分まで遡って調査するケースは、特定の金融機関や士業事務所などごく限られた業種に限られます。

金融機関などの特定業種では調査されるケースがある

銀行や証券、保険など、高い誠実性が求められる職種への応募では注意が必要です。

金融機関の一部は、官報情報を独自にデータベース化して管理しています。

採用選考において、このデータベースを照合する場合があります

また、グループ会社内での情報共有にも注意が必要です。

たとえばカード会社と銀行が同じ金融グループに属している場合、カード会社での破産情報が銀行の採用担当者に伝わるリスクがあります。

業種・業界 バレるリスク 主な要因・経路
信用情報機関 極めて高い 自社のデータベースから判明
金融機関 高い 官報の情報を確認している部署
税金を取り扱う公務員 高い 国税庁や税務署など
不動産業者 中程度 破産者などの不動産の競売・売却部門

上記のような業種を目指す場合は、免責確定後(復権後)に応募するタイミングを検討するのがおすすめです。

弁護士と相談しながら求職のスケジュールを立てると、リスクヘッジしやすくなるでしょう。

自己破産で制限される5つの職業

破産手続き中に就けなくなる職種は、法律で明確に定められています。

主に対象となるのは、他人の財産を預かったり高い職業倫理が求められたりする特定の職種に限られます

具体的に解説します。

①士業

弁護士や税理士、公認会計士などの資格登録が必要な士業は、破産手続中に一切の業務ができなくなります。

各士業の根拠法では、「破産手続開始の決定を受けた者」を欠格事由として明記しているため、該当期間中は登録が抹消または停止されます。

たとえば、弁護士の自己破産における欠格事由を記した根拠法は、下記のとおりです。

第七条 次に掲げる者は、第四条、第五条及び前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有しない。

四 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

引用元:弁護士法|e-GOV法令検索

なお、免責確定後は資格が復活し、手続き中に資格試験を受験すること自体は可能です。

合格後、復権のタイミングに合わせて登録をおこなえれば業務を再開できます。

②警備員

警備業法により、破産手続開始の決定を受けた者は、復権するまで警備員として働けません(警備業法第14条)。

警備会社に雇用されている場合は、破産開始決定の時点で業務から外れる必要があります。

ただし、同じ会社内で警備業務以外の事務職などに配置転換できる場合は、雇用が継続される可能性があるでしょう。

士業と同様に、警備員の制限が解除されるのは免責確定後のため、それまでの期間は、別の職種での収入を確保する準備が必要になります。

③貸金業者

破産手続開始の決定を受けると、クレジットカード会社や消費者金融などの貸金業の登録は自動的に失効します(貸金業法第10条)。

裁判所が選任した破産管財人から、金融庁長官または都道府県知事へ届け出るのが義務付けられているためです。

失効すると、貸金業の営業はその時点からできなくなるので注意が必要です。

免責確定後に改めて登録申請はできますが、審査で破産歴が考慮されるおそれがあります。

④公的機関の役員・委員

日本銀行・商工会議所などの役員、公正取引委員会・教育委員会などの委員長・委員は、破産手続開始の決定により欠格事由に該当します。

該当すると、自動的に罷免または失職となります。

具体的には、次のとおりです。

対象機関 役職
日本銀行 役員(総裁・副総裁・審議委員など)
商工会議所 役員
公正取引委員会 委員長・委員
教育委員会 委員長・委員
その他公的委員会 各根拠法による

公的機関の役員・委員といった社会的地位が高いポジションは、高い公共性と職業倫理が求められます。

経済的な信頼性が損なわれた状態での在任は認められませんが、復権後は再任が可能です。

⑤金融機関の取締役・監査役

銀行や保険会社、信用協同組合などの取締役・監査役は、破産手続開始の決定を受けた時点で退任となります。

主な対象機関は、次のとおりです。

  • 銀行・信託銀行
  • 保険会社
  • 信用協同組合・信用金庫
  • 商工中央金庫・農林中央金庫・労働金庫
  • 共済事業をおこなう生協・漁協・農協

多額の預かり金を扱う機関の役員として、財政的に困窮した状態での在任は認められないという趣旨です。

なお、一般の従業員(会社員)としての雇用には影響しません。

役員・監査役などの役職に限った制限です。

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自己破産による職業制限の期間(開始から解除まで)

職業制限は一生続くものではありません。

制限がかかる期間は、破産手続開始の決定から復権までの間に限られます。

実務上の目安は、以下のとおりです。

  • 同時廃止事件:3~6ヵ月程度
  • 管財事件:6ヵ月~1年程度

復権のパターンは、5種類あります。

復権のパターン 発生するタイミング(条件)
① 免責許可の確定 裁判所から「借金ゼロ」の許可が下り、確定した時
② 10年の経過 免責が下りなくても、有罪判決がなく10年経った時
③ 個人再生への転換 自己破産から個人再生へ切り替え、認可された時
④ 同意による廃止 債権者全員の同意を得て、手続きを終了させた時
⑤ 完済による申し立て 借金を全額返済するなど、返済義務を果たした時

多くの場合、手続き開始から数ヵ月以内に免責が確定し、制限も解除されます。

制限は一時的なもので「自己破産したら一生働けない職業が出てくる」という認識は誤りです。

自己破産した方が制限対象の職業に就いている場合の対応

破産手続きを始めた時点で制限対象の職業に就いている場合は、雇用形態によって取るべき行動が変わります。

具体的な対処法をみていきましょう。

資格職(士業など)の場合

弁護士や税理士、司法書士などの資格登録が必要な職種は、自己破産した段階で所属する登録機関へ届け出る必要があります。

届出を受けた機関は、登録の抹消または停止などの措置を取ります。

黙って業務を続けることは、無資格営業にあたる場合があり、資格・登録の強制的な取り消しや刑事罰・懲戒処分などのリスクを招くので注意が必要です。

手続きの流れや届出のタイミングは、所属機関や弁護士に事前に確認しておくことをおすすめします。

会社員・労働者の場合

勤務先での担当業務が制限職種に専任しているかどうかで、解雇を受けるかどうかが変わります。

以下では、どのような対処がされるのかを状況別にまとめました。

状況 解雇の可能性
制限職種の専任で配置転換の余地がない 解雇が認められる可能性がある
別部署への配置転換が可能 解雇は認められにくい
制限職種以外の業務を担当している 雇用への影響はほぼない

配置転換の可否は、会社の規模や業務内容によって異なります。

解雇が検討されるような状況になった場合は、弁護士に相談して適切な対応を取ることが重要です。

業務委託・フリーランスの場合

業務委託やフリーランス契約の場合は、そもそも配置転換という選択肢がありません。

制限職種の業務を受託していた場合、破産手続き開始の時点で契約解除となる可能性が高いです。

契約書の内容によっては、破産を理由とした解除条項が設けられているケースもあります。

手続きを始める前に、現在の契約内容を確認しておくことをおすすめします。

自己破産後も就職の影響を受けずに借金問題を解決する2つの方法

借金問題を解決したいものの、職業制限は避けたい場合は自己破産以外の債務整理手続きを検討する必要があるでしょう。

自己破産が必要かどうかの判断も含め、専門家に相談しながら検討するのがおすすめです。

①任意整理

任意整理とは、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、返済条件を見直す手続きです。

主な効果は、将来発生する利息と遅延損害金のカットです。

毎月の返済額を減らし、3年~5年での完済を目指す返済計画を組み直します。

項目 詳細 特徴
職業制限 なし 資格制限がないため、仕事への影響を最小限に抑えられる
財産処分 なし 住宅や車などの資産を手元に残したまま手続きが可能
裁判所の関与 不要 官報に掲載されず、同居家族にも知られにくい
手続き期間 数ヵ月程度 ほかの法的整理と比較して、非常にスピーディーに完了する
主な効果 将来利息・遅延損害金のカット 毎月の返済額を減らし、完済の目途を立てやすくする
向いていないケース 元本の減額が必要な場合 借金総額が大きく、利息カットだけでは完済が難しい場合

任意整理では、元本そのものの大幅な減額は原則としておこなわれません。

借金の総額が年収に対して大きい場合や安定した収入が確保できない場合は、個人再生や「自己破産を検討するのが適切です。

②個人再生

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額する手続きです。

最大で元本を10分の1まで圧縮できます。

自己破産と異なり、職業制限がなく、手続き中も現在の仕事を続けられます

住宅ローンが残っている場合は住宅ローン特則を使えば、自宅を手放さずに手続きを進めることも可能です。

項目 詳細 特徴
職業制限 なし 警備員や士業など、資格制限のある職種の方でも利用可能
財産処分 原則なし 車のローンなどの担保権が付いているものを除き、財産を残せる
自宅の維持 特則を使えば可能 住宅ローン以外の借金を減額し、自宅を手放さずに済む
減額幅 最大で元本の10分の1 借金総額や保有資産(清算価値)に応じて減額幅が決まる
利用条件 安定した収入があること 将来にわたり継続的、または反復して収入を得る見込みが必要
最低返済額 100万円以上 借金総額が500万円以下の場合は、最低100万円の返済が必要

個人再生は、収入が安定していることが利用条件となります。

無職・無収入の状態では申請が認められないため、現在の就業状況を確認したうえで検討してください。

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借金問題を抱えながら求職活動を続けることは、精神的な負担が大きく、判断も鈍りやすくなります。

自己破産・任意整理・個人再生のどれが自分に合っているかは、借金の総額や収入、職業、資産状況によって異なります。

専門家に相談すれば、最短で現状を打開できる手段が明確になるでしょう。

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自己破産の就職・職業制限に関するよくある質問

最後に、手続きを検討している方から寄せられる疑問のうち特に多いものをまとめました。

Q1.なぜ自己破産で職業制限が設けられているの?

各種士業や公的機関といったお金や財産を預かる仕事では、「この人は信頼できるか」が重要なため、職業制限があります

借金で経済的に困窮した状態では、横領や不正のリスクが高まるという立法趣旨があります。

制限は罰ではなく、あくまで業務の適正を確保するための一時的な措置です。

免責が確定して復権すれば、経済的な信頼性が回復したとみなされ、制限は自動的に解除されます。

Q2.破産手続き中でも資格試験は受験できる?

破産手続きと試験の合否は無関係なので、受験自体は問題なくできます

ただし、注意が必要なのは弁護士や税理士、司法書士などに合格した後に登録する段階です。

これらの職業は、試験に合格しただけでは働けません

各士業団体に会員として登録して、はじめて仕事ができる仕組みになっています。

免責確定のタイミングを見越して試験スケジュールを組めば、復権後すぐに登録へ進めるでしょう。

Q3.制限職種への就活を「破産手続き中」と隠して進めてもよい?

法的な告知義務はありませんが、入社時までに復権が間に合わない場合は注意が必要です。

なぜなら、内定が出ても就任時点で資格制限中だと登録ができず、欠格事由に該当する恐れがあるからです。

入社後に発覚した場合は、懲戒処分の対象になるおそれもあります

弁護士と相談しながら、免責確定のタイミングに合わせて入社時期を調整するのがおすすめです。

焦って進めるより、数ヵ月待って確実に復権してから入社する方がリスクヘッジにつながるでしょう。

Q4.自己破産は家族の就職や資格取得に影響する?

自己破産はあくまで申請した本人に対してのみ影響が生じる手続きなので、家族の就職・資格取得などへの影響はゼロです。

家族の戸籍や住民票に破産の事実が記録されることはありません。

子どもの就職活動における身辺調査で、親の破産歴が発覚することも基本的にはあり得ません

家族が警備員・士業・金融機関の役員などの職種に就く場合も影響はないので、ご安心ください。

Q5.会社に自己破産をした事実がバレる心配はある?

特別な事情がない限り、自分から話さなければバレることはほぼありません

ただし、以下のケースでは発覚する可能性があるので注意が必要です。

ケース 理由・背景
勤務先から借り入れがある 勤務先も債権者の一人となるため、裁判所から破産手続開始の通知が届く
給与の差し押さえが先行している すでに給与の一部が差し押さえられている場合、会社を通じて情報が伝わる
退職金見込額の証明書を依頼する 資産価値を確認するために会社発行の証明書を求められ、用途を問われる場合がある

退職金見込額証明書が必要になるケースでは、依頼の理由を住宅ローンの審査のためなどと伝える工夫でバレを回避できることもあります。

弁護士に相談してから動くと安心です。

バレることを恐れて手続きを先送りすると、その間も利息と遅延損害金が膨らみ続けます。

早期に動く方が、総合的な損失を抑えられるでしょう。

Q6.履歴書の賞罰欄に自己破産を書く必要はある?

履歴書の賞罰欄に、自己破産したことを書く必要はありません。

賞罰欄が指すのは、刑事上の有罪判決(拘禁刑・罰金刑など)と公的な表彰です。自己破産は民事上の法的手続きであり、刑罰ではないため記載する必要はありません。

賞罰欄には、「特になし」と記入するのが正しい対応です。

空白にするよりも、「特になし」と明記した方が、意図的に隠しているという印象を与えません。

手続き中に空白期間(無職期間)が生じる場合は、家族の介護や体調管理、スキルアップのための勉強期間など、前向きな理由付けを準備しておくと説明がしやすくなるでしょう。

Q7.自己破産は「したもん勝ち」って本当?

借金がゼロになるという面だけを切り取れば、そう見えるかもしれません。

ただし実際には、相応のデメリットも伴うのが事実です。

たとえば、信用情報機関に登録された後、5年~10年の間はクレジットカードの作成や新たなローンが組めません

また、本記事で解説している職業制限も発生します。

「したもん勝ち」という認識で安易に進めるのではなく、再出発のための法的手段として正しく理解したうえで選択することが重要です。

任意整理や個人再生で解決できる場合もあるため、まず専門家に相談して自分に合った手続きを選んでください

Q8.自己破産の手続きにはどれくらいかかる?

申立てから免責決定(復権)までの期間は、手続きの種類によって異なります

具体的には、次のとおりです。

手続きの種類 期間の目安 主な工程・特徴
同時廃止事件 (財産がほぼない場合) 約3ヵ月~6ヵ月 ・破産手続開始と同時に手続が終了する
・免責許可決定までの期間が比較的短い
・管財人が選任されないため費用が抑えられる
管財事件 (一定の財産がある場合) 約6ヵ月~1年 ・破産管財人が選任され財産の調査や換価を進める
・債権者集会が開かれ、回数に応じて期間が延びる
※法人の破産や免責不許可事由がある場合も該当

この期間中は職業制限が続きます

制限対象の職種に就いている方は、あらかじめ勤務先や登録機関への対応スケジュールを立てておく必要があるでしょう。

手続き開始のタイミングと免責確定の見通しは、弁護士に確認しながら生活設計を立てることをおすすめします。

Q9.自己破産ができない人の代表例を知りたい

誰でも必ず自己破産できるわけではありません。

以下のような事情がある場合、手続きが認められない可能性があるでしょう。

免責不許可事由の例 具体的な内容
ギャンブル・浪費 パチンコや競馬、過度なショッピング、投資の失敗が借金の主因である場合
財産隠し 差し押さえを免れるために財産を隠したり名義を変更したりした場合
虚偽の債権者名簿 特定の債権者をわざと除外して申告もしくは虚偽の情報を提出した場合
詐術による信用取引 返済能力がないのを隠し、相手を欺き新たに借り入れやカード利用をした場合
偏頗(へんぱ)弁済 特定の親族や知人を優先して返済するなどして、債権者間の公平を破った場合

ただし、免責不許可事由があっても裁判所の裁量で免責が認められる裁量免責という制度もあります。

該当する事情があっても諦める前に、専門家に相談して見通しを確認してください。

Q10.自己破産したら家族と離婚したほうがいい?

自己破産したとしても、離婚する必要はありません

法律上は自己破産そのものが離婚の理由になるわけではなく、配偶者や家族の財産に直接影響しないからです。

むしろ手続き直前に離婚して財産分与をおこなうと、財産隠しを疑われるリスクがあります。

裁判所や管財人から「破産を見越した意図的な財産移転」と判断される可能性があり、免責に悪影響を及ぼします。

家族を守ることを理由に離婚を検討しているなら、まず弁護士に相談してください。

離婚しなくても家族の財産を守れる方法が、ほとんどのケースで存在します。

まとめ|自己破産の相談は弁護士へ

自己破産が就職に与える影響は、一般的に思われているほど大きくありません。

手続き中に制限される職種は士業・警備員・金融機関の役員など特定の職種に限られ、免責が確定すれば制限は全て解除されます。

本記事におけるポイントは、次のとおりです。

  • 一般企業では調査手段がなく、実質的な影響はほぼない
  • 制限期間は、破産手続開始から免責確定まで(目安3ヵ月~6ヵ月)
  • 破産のみを理由とした解雇は、労働契約法上無効
  • 任意整理・個人再生は職業制限なしで借金を整理できる
  • 特別な事情がなければ、自分から話さない限りバレる心配はない

借金問題は放置するほど選択肢が狭まります。

手続きへの不安や就職への影響が気になる方は、まず専門家に相談して現状を整理することが先決です。

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この記事の監修者
東京ミレニアム法律事務所
市原 章久 (東京弁護士会)
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本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。