個人再生の住宅資金特別条項とは?ローンのある家を残す方法




個人再生ならその希望叶えられます!!
住宅ローンが残っている人にとって、債務整理するにあたり一番気になるのは家のことかと思います。ですが、ご安心ください。
個人再生では、家を手放さず借金問題を解決できるように『住宅資金特別条項(じゅうたくしきんとくべつじょうこう)』という住宅に関する特則が設けられています。
この特則を利用することで、家を手放さずに済むだけでなく、住宅ローン返済への負担も軽減できます。
また、競売手続きが開始された後にも利用できるため、家を取り返すことが可能です。
この記事では、住宅ローンが残っている人に知っておいてほしい個人再生における『住宅資金特別条項』についてわかりやすく解説します。
- 個人再生ってどんな債務整理?
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※再生計画案(さいせいけいかくあん)とは、減額された借金の返済計画をまとめたものです。
個人再生における住宅資金特別条項とは
住宅資金特別条項がある事により、個人再生をする際に住宅ローンを債務整理の対象から外すことができます。
住宅ローンを減額することはできませんが、他の借金を減額できるため、返済への負担が軽減されます。
また、住宅資金特別条項を利用することで『住宅を手放さずに債務整理できる』こと以外にも4つのメリットが得られます。
住宅資金特別条項を利用する4つのメリット
住宅資金特別条項の利用で以下のようなメリットを得ることができます。
- 住宅ローンの返済期間を最大で10年延長できる!
- 競売手続き開始後も利用できる!
- 住宅ローンの延滞分も再生計画に含められる!
- 住宅ローンの返済の負担を軽減できる!
では、それぞれ詳しくご紹介します。
1:住宅ローンの返済期間を最大で10年延長できる!
住宅資金特別条項では、個人再生する際に決めた最終弁済期(最後に支払うべき年)から最大10年であれば支払い期間を延長できます。
ただし、70歳までに完済することが条件となるので、例えば最終弁済期に65歳の場合、最大でも5年しか延長できません。
2:競売手続きを中止できる!
住宅ローンを長期的に滞納してしまい、強制的に競売にかけられてしまった後でも住宅資金特別条項により、裁判所を通して競売手続きを中止してもらうことが可能です。
再生計画案が認可されれば、強制競売で住宅を取り戻すことができます。
ただ、競売手続きには約10~30万円程度費用がかかっており、債権者(保証会社など)はその費用をすでに支払っているため、裁判所が再生計画案の可否に関する意見を債権者に求めた際、こちらにとって不利な意見を述べられる可能性があります。
これを回避するには、競売手続きにかかった費用を全額負担することが必要になってくるでしょう。
3:住宅ローンの延滞分は他の借金と一緒にして分割返済できる!
滞納してしまった住宅ローンは、減額されませんが他の借金とまとめ、分割返済することができます。
まとめることにより返済先も減り、払い間違えやその他の手間を減らすことが可能です。
4:同意があれば、支払いに関する取り決めを変更できる!
返済期間を延長しても、住宅ローンの返済が難しい場合、債権者の同意があれば、ここまで紹介した1~3以外にも支払いに関する取り決めを変更することができます。
例えば、延長期間が最大10年のところを15年まで延長させたり、利息の一部や遅延損害金を免除してもらったりすることも可能です。
住宅資金特別条項を利用する5つの条件
住宅資金特別条項ですが、だれでも利用できるわけではありません。これから紹介する5つの条件を満たしている場合のみ利用できます。
1:申し立てるときに所有権が申立人にある住居目的の住宅である
個人再生を申し立てるときに、住宅の所有権を申立人が持っていることが条件です。
相続した住宅であっても、申し立ての時点でご自身に所有権があれば利用できます。夫婦で所有権を共有している場合、申立人の抵当権が設定してあれば利用可能です。
また、住宅資金特別条項が利用できるのは住居目的の住宅のみとなります。事務所目的で使用している住宅などには利用できませんのでご注意ください。
2:住宅購入・建築に必要な住宅ローンである
住宅資金特別条項の対象になるのは、住宅購入・建築のために借入れたローンのみとなります。
住宅ローンの借り換えに関しては、借り換え後も住宅ローンとして扱われるため、対象に含まれます。
家具や家電を購入する際に組んだローン(諸費用ローン)に関しては、住宅資金特別条項の対象にならない可能性があるのでご注意ください。
ただし、不動産の仲介手数料や登記にかかる税金などの初期費用に関しては、住宅購入・建築に必要と判断される可能性が高いでしょう。
3:住宅に保証会社などの抵当権が設定されている
抵当権が設定されていないということは、住宅が担保になっていない(無担保)ケースを指します。そのような場合には、住宅資金特別条項を利用することができません。
4:住宅が住宅ローン以外の借金の担保になっていない
住宅が住宅ローン以外の借金の担保になっていないことも重要です。担保になっていると、住宅資金特別条項が認可されても最終的に住宅を手放すことになりかねません。
また、税金などの滞納により既に住宅が差し押さえられている場合、原則として住宅資金特別条項を利用できません。ただ、支払いに関してすでに合意を得ているのであれば、利用できます。
5:代位弁済の開始から半年以内である
住宅ローンを滞納すると債務者はローンの分割支払いをする権利(期限の利益の損失)を失います。
この段階で、住宅ローンの保証会社は住宅ローン残高をすべて立替え、ローンの債権が銀行から保証会社へ移るのが通常です。
この立て替えを代位弁済(だいいべんさい)といい、代位弁済から半年過ぎてしまうと住宅資金特別条項を受けることができません。
住宅ローンの残高が少ない人が個人再生する注意点
住宅資金特別条項は、住宅ローンの残高の額によって得られるメリットが少ない場合があります。
個人再生は、手持ちの資産がある場合、その資産価値に応じて借金を減額できる割合が少なくなります。
それは個人再生の借金減額により、債権者が受ける不利益(貸したお金が少なくなって返ってくる)を少しでも無くそうとするためです。
もし、住宅ローンの残高より住宅の時価評価額が上回っている場合、住宅は資産価値のある資産だと判断されます。
そのため、住宅の資産価値に応じて、減額される借金の額が少なくなり、個人再生のメリットを最大限受けられないかもしません。
まとめ
この住宅資金特別条項は、住宅ローン自体減額するものではありませんので、住宅ローンの連帯保証人に対する心配はありません。
ただ、夫婦共同で所有権を持っている場合、相手にしっかり説明した上で債務整理を行ってください。
住宅ローンを滞納してしまっている方はできるだけ早く債務整理の得意な専門家へご相談しましょう。
売却手続き後でも中止することはできますが、買い手がついてしまった家を取り戻すことは原則的に不可能です。
借金問題は、放置しておけばするほど利子により増えていきます。早い対応が求められます。
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