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自己破産後に住宅ローン審査に通過する方法と手順のまとめ
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2018.3.9

自己破産後に住宅ローン審査に通過する方法と手順のまとめ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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自己破産後に住宅ローンを組むためにはどうすればいいのでしょうか? 住宅ローンを申請すると、金融機関側は貸し倒れを防ぐために、申請者の返済能力を審査します。

 

審査を通過するためには、金融機関から信頼を得ることが大切ですが、自己破産をすると金融機関から「信用できない。」と判断されてしまいます。

 

こちらのコラムでは、自己破産後に住宅ローンの審査に通過する方法をご紹介します。

※住宅ローンがある状態で、これから自己破産を検討する方は、「住宅ローンがある状態で自己破産したらどうなるの?」まで読み飛ばしてください。

 

 

自己破産後に住宅ローンを組むためには?

まず、破産者が住宅ローンを組む方法をご紹介します。

 

免責から10年を待つ

自己破産をすると、信用情報機関へ個人情報と紐づけて事故情報が記録されます(通称ブラックリスト)。金融機関は事故情報を確認できますが、事故情報は一定期間を過ぎると削除されます。

そのため、住宅ローンの申請は、事故情報が削除されるまで待つのが賢明です。

 

情報機関によって事故情報の掲載期間は異なりますが、各情報機関における自己破産後の事故情報の掲載期間について、以下の表でまとめました。

 

《自己破産後の事故情報の掲載期間》

  • CIC: 免責から5年
  • JICC(日本信用情報機構):免責から5年
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター): 免責から10年後

 

参考:「ブラックリストの掲載期間とブラックリスト情報の確認方法

※免責:ここでは裁判所による借金の支払義務が免除される許可をいう

 

 

住宅ローンは、銀行で組む方が一般的でしょう。上記のKSCは、銀行などの金融機関が多く登録する情報機関ですので、住宅ローンの申請は免責から10年待ちましょう。

 

信用情報機関にて事故情報を確認する

続いて情報機関へ事故情報の有無を確認しましょう。

 

《事故情報の開示手続き》

 

自己破産により裁判所から免責が確定すると、信用情報機関では破産の事故情報が記録されると同時に、延滞の事故情報・借入の記録が削除されますが、賃金業者が貸し倒れ処理をしなかったために、延滞の事故情報が残る(成約残し)こともあります。

 

もし、成約残しがある場合は、貸し倒れ処理を忘れた賃金業者へ、免責許可通知書を元に、消費賃借契約の終了を主張しましょう。

 

応じて貰えない場合は、情報機関や司法書士、弁護士などの専門家への相談をおすすめします。

 

クレジットカードで実績(クレヒス)を作る

住宅ローンの審査が通りやすくなるために、クレジットヒストリー(通称:クレヒス(※))を作りましょう。住宅ローンの審査では、金融機関へ返済能力の有無について厳しくチェックされるため、クレヒスの内容によって審査での印象が良くなるからです。

 

反対に、クレジットカードすら持っていない場合、経済力がないためカード会社からの信頼を得られないと判断される可能性があります。

 

参考:「自己破産後に新たにクレジットカードを取得したい人が知るべき知識

 

※クレヒス
クレジットカードの利用実績。延滞なく定期的に利用することが実績に繋がる。

 

頭金を多めに用意する

頭金は多めに用意しましょう。頭金の額が高いほど金融機関から、経済力・管理能力があると判断されるため、結果的に、金融機関からの信頼が得やすくなるからです。

 

そのため、事故情報が消えるまでの間に、頭金に充てるお金を貯金することをおすすめします。

 

自社ブラックリストに該当しない金融機関を選ぶ

事故情報が信用情報機関から削除されても、金融機関が独自に保管する事故情報(自社ブラックリスト)が削除されるわけではありません。

 

特に、自己破産時に破産者へお金を貸していた賃金業者は、一度自己破産による貸し倒れに遭っているため、信用情報機関から事故情報が消えても、自社内で事故情報を保管しているでしょう。

 

そのため、新たに住宅ローンの申請をする場合は、自己破産時にお金を借りていた金融機関とその同系列の金融機関は避けましょう。

 

複数の金融機関へ連続で申し込まない

複数の金融機関へ、連続して住宅ローンを申請することはおすすめしません。審査の可否は信用情報機関に残るため、審査落ちの記録により他の金融機関の審査に落ちる可能性が高まるからです。

 

審査条件が厳しくない住宅ローンの特徴

続いて、審査条件が緩い住宅ローンの特徴についてご紹介します。

 

《審査条件が厳しくない住宅ローンの特徴》

  • 金利が高い
  • 申込者が少ない
  • 不動産会社が推奨する

 

金利が高い

金利が高くなると、利息と共に返済額が高額になります。貸し倒れによる未回収のリスクが緩和されるため、金利が高い金融機関ほど住宅ローンの審査が厳しくありません。

 

申込者が少ない

住宅ローンの申請者が少ない金融機関は、新規顧客を囲うために審査条件が厳しくない傾向にあります。

設立年数が短い金融機関や地方銀行は、利用者数が少ない傾向にあるため、審査が厳しくないかもしれません。

 

不動産会社が推奨する

不動産会社は、審査に通過しやすい金融機関を勧めてくるでしょう。住宅ローンの審査に通過してもらうことは、不動産会社の利益に繋がるからです。

 

現状を伝えした上で、どこの金融機関が最適なのか不動産会社へ相談してみましょう。

 

自己破産後でも審査が通過しやすい住宅ローン3選

続いて自己破産後でも審査に通過しやすい住宅ローンをご紹介します。

 

《審査が緩い住宅ローン3選》

  • フラット35
  • ノンバンク提供の住宅ローン
  • プロパーローン

 

フラット35

フラット35とは、住宅金融支援機構(※)と民間の金融機関が共同で提供する住宅ローンです。

 

フラット35では、融資分の債権を住宅金融支援機構(※)が買い取ってくれます。貸し倒れのリスクを住宅金融支援機構(※)が担ってくれるので、民間の金融機関にとって融資のハードルが下がり、ローンの審査が緩い傾向にあります。

 

引用:フラット35ホームページ フラット35のしくみ

 

※住宅金融支援機構

民間の金融機関が住宅ローンを提供する上で、資金調達をサポートする財務省管轄の独立行政法人機関。

 

ノンバンク提供の住宅ローン

ノンバンクとは、信販会社や消費者金融など預金業務を行わず貸付業務のみを行う金融機関です。ノンバンクが提供する住宅ローンは、銀行と比べて金利が高い代わりに、審査が厳しくありません。

参考:「ノンバンクとは|銀行との違いとノンバンク利用の注意点

 

プロパーローン

住宅ローンを申請すると、仮審査と本審査の計2回の審査が行われます。

 

窓口である銀行が仮審査を行い、保証会社が本審査を行うことが一般的ですが、プロパーローン(※)では保証会社による審査がありません

 

金融機関と保証会社の2つの機関から別々の審査を受ける一般のローンと比べて、審査する機関が金融機関だけのプロパーローンの審査は厳しくありません。

 

※プロパーローン

事前審査(仮審査)がなく本審査のみの住宅ローン。通常の住宅ローンと比べて金利が高い上に、連帯保証人が必要なケースが多くなっています。

 

 

審査に落ちたら親族へ住宅ローンの申請を依頼する

住宅ローンの審査に落ちた方は、住宅ローン落ちの記録が信用情報機関に掲載されるので、しばらくは住宅ローンの審査は控えるべきです。

 

もし審査に落ちたけど住宅ローンを組みたい場合は、パートナーや親族へ、代わりに住宅ローンを申請してもらうことをおすすめします。自身の事故情報が、親族の審査に影響を与えないからです。

 

住宅ローンがある状態で自己破産したらどうなるの?

現在、借金で苦しんでいる方へ向けて、住宅ローンが残っている状態で自己破産した場合に、破産者が受ける影響についてご説明します。

 

住宅ローンの支払い義務は免除される

まず、自己破産は、裁判所を介して借金を免除することを目的とした手続きです。

 

参考:「自己破産とは|自己破産の方法と破産後の生活の完全ガイド

 

裁判所から免責が下りれば、住宅ローンを含めた借金が全額免除されます。

 

家は没収される

しかし、自己破産を申し立てると、換価財産(20万円超の価値がある財産)はすべて換価対象となるため、破産者は所有不動産の所有権を失います。

 

《自己破産により差し押さえされない財産について》

  • 給料の内の1/4
  • 99万円以下の現金
  • 換金価値の低い家具や洋服

などの財産は、破産者の最低限度の生活を保護するために、換価対象から外れます。

【関連記事】

 

保証人と連帯債務者へ返済残高の一括請求をされる

免責が決定すると支払い義務が免除されます。しかし、保証人や連帯債務者の債務は免責の対象とはなりませんので、当然支払い義務は残ります。

 

金融機関は、保証人と連帯債務者へ返済残高を一括請求するので、自己破産する場合は、保証人や連帯債務者へ事前に、自己破産する旨を伝えましょう

 

 

持ち家のある方が自己破産前に行うべきこと

最後に、持ち家のある方が自己破産をする前に行うべきことをご紹介します。

 

借入先の金融機関へ相談する

返済が厳しいと思った時点で、各借入先の金融機関へ相談しましょう。金融機関によっては、債務者により負担の少ない返済方法を提示して貰えるかもしれないからです。

 

他の債務整理も検討する

もし、相談しても返済が厳しい場合は、任意整理個人再生など自己破産以外で借金の負担を減らせる方法を検討しましょう。 持ち家を残したまま、今まで通り住宅ローンの返済を行えるため、保証人や連帯債務者へ迷惑をかけずに済むからです。

 

両者の手続きの特徴について以下の表で簡単にまとめました。

 

《任意整理》

■概要

債権者との交渉により返済の負担を減らすことを目的とした手続き

 

■借金へ与える効果

  • 将来利息の免除
  • 遅延損害金の免除
  • 過払い金発生による借金の減額

 

■対象者

将来利息の免除だけで完済できる方

 

■特徴

交渉先の債権者を選択できる(=住宅ローンを対象から外すことができる)

 

■関連記事

【弁護士監修】任意整理とは?デメリットとメリットをわかりやすく解説

 

《個人再生》

■概要

裁判所を介して借金を減額することで、再生者の生活の立て直しを目的とした制度

 

■借金へ与える効果

借金の額に応じて減額される額が大きくなる(最大で9割の借金が減額可能)

 

■対象者

  • 利息免除だけで借金が完済できない方
  • 住宅を残したまま借金減額したい方

 

■特徴

自己破産同様、すべての借金が手続きの対象となるのが、住宅ローン特則を介して住宅ローンを対象から外すことが可能。

 

■関連記事

個人再生で借金を大幅に減らす手順と失敗しない為の注意点

 

 

申立前に任意売却する

持ち家がある状態で、自己破産をする場合は、持ち家を事前に任売売却することをおすすめします。

 

売却価格が住宅ローンを上回っていた場合、差額分のお金を裁判所費用(約1万5,000円~50万円)や、弁護士費用(約20万円~40万円)に回すことができるからです。

参考:「自己破産の依頼相場と弁護士費用が払えない際の3つの対処法

 

また、持ち家がある方が自己破産をすると、裁判所を介して持ち家を処分(売却や債権者への配当など)しなければなりません。事前に家を売却すれば、処分の手間が省けるので、手続きに要する時間が短縮される上に、裁判所費用が安くなることがあります。

 

※破産者の状況によって申立費用や手続きに要する期間は異なります。詳しくは「自己破産にかかる期間と手続きを短縮するための2つの方法」を参考にしてください。

 

まとめ

この記事では、自己破産後に住宅ローンを組む方法や、住宅ローンがある状態で自己破産をする上で、事前に検討すべきことについてまとめました。

 

これから自己破産をする方、すでに自己破産を終えた方に参考にしていただけたら幸いです。

 

【法律監修】プラム綜合法律事務所 梅澤康二弁護士

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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