可処分所得とは?個人再生時に必要な経費の計算方法
可処分所得(かしょぶんしょとく)とは、その名のとおり処分可能な所得を意味します。つまり、収入から税金などを差し引いて残った自由に使えるお金のこと。
自由に使えるといっても、そこから生活費が引かれるため、使ったり貯めたりできる金額はさらに低くなります。可処分所得は個人再生の際にも算出が必要です。
ここでは、個人再生における可処分所得の計算方法について詳しくご紹介します。
可処分所得を計算する必要性
可処分所得は、個人再生の際に算出が必要になります。また、家計管理に役立てることもできます。可処分所得が具体的にどのようなものを指すのか、どのような場面で扱うのか詳しくご紹介します。
ここでは、なぜ可処分所得を計算する必要があるのか、どのようなことに役立つのかをご紹介します。
個人再生の際に必要
可処分所得の計算は、個人再生のうち給与所得者等再生の際に必要です。ただし、この場合は単なる手取りではなく、そこからさらに最低生活費を差し引いて計算します。
この計算が必要となるのは、給与所得者等再生では弁済合計額が2年分の可処分所得以上である必要があるためです。
家計管理に役立つ
可処分所得から貯蓄したい金額を差し引くことで、毎月自由に使えるお金を割り出すことができます。具体的に、いくら生活費に回すことができるのかを確認できれば、住居費や食費、雑費などの予算を決めやすくなるでしょう。
可処分所得の計算方法
個人再生における可処分所得の計算には、源泉徴収票や課税証明書が必要となります。
給与所得者と自営業者で考え方が違う
給与所得者の場合
給与所得者の場合の計算方法は、【収入−社会保険料−住民税−所得税−最低生活費】です。かなり複雑な計算となるため、細かい金額については弁護士に相談後に算出してもらった方がよいでしょう。
自営業者の場合
自営業者は給与所得者等再生ではなく、小規模個人再生が適用されますので、自営業者の場合は可処分所得の計算は必要ありません。
まずは手取り額を計算
可処分所得の計算では、まず手取り額を算出する必要があります。手取り額の計算は、源泉徴収票に記載された、給与額面額、住民税額、所得税額、社会保険料等で簡単に算出できます。
なお、住民税、所得税は課税所得から計算可能であり、社会保険料は毎月支払う保険料から算出できますが、計算は複雑です。源泉徴収票の記載に疑問がある場合は、税理士などに相談しましょう。
最低生活費を計算
1年分の最低生活費は、個人別生活費や世帯別生活費、住居費などを合算した金額です。それぞれの算出方法をご紹介します。
個人別生活費
個人別生活費は、債務者とその被扶養者全員に定められている金額です。住んでいる地域や年齢によって決まります。東京23区は、金額が最も高い第1区に該当しています。
ちなみに、千葉の松戸市は第2区、柏市は第3区というように、同じ県でも区によって異なるので注意しましょう。年齢による金額については、育ち盛りの10代と、生活にお金が多くかかる70歳以降が高くなっています。
世帯別生活費
債務者が住んでいる地域と、被扶養者の人数から算出されます。個人別生活費と同じく、東京23区が第1区となっています。第1区に3人で住んでいる場合には、64万7,000円、これが第3区になると58万8,000円と大幅に下がります。
冬季特別生活費
特別寒い地域に住んでいる場合は、冬のガス代や電気代などが多くかかります。そのため、場合によっては生活が圧迫されることもありますよね。このような状況を加味して、冬季特別生活費の項目が定められています。
北海道と秋田県、青森県は第1級地、東京は最下級の第6級となっています。
住居費
住居費は、居住している建物がある地域の区分と、債務者および被扶養者の人数で決まります。3人家族で東京23区に住んでいる場合、83万5,000円となります。ただし、住居費が0円になるケースと、実際に支払っている家賃や住宅ローンを住居費とするケースがあります。
住居費が0円になるケースは、親族が所有している物件に無料で住んでいるような場合です。具体的には、住んでいる物件の所有者ではなく、家賃を支払っていない場合に住居費が0円となります。
また、家賃や住宅ローンの金額を住居費とするケースは、賃貸物件に住んでおり、1年分の家賃が政令で定められている住居費よりも安くなっている場合や、1年分の住宅ローンの支払い額が住居費よりも安い場合などです。
勤労必要経費
現在、勤労による収入を得ている場合には、住んでいる地域の区分と収入額に応じて勤労必要経費(スーツやスキル向上のための教材など、労働に関連する出費)を算出します。年収250万円以上の場合、第1区の東京23区は55万5,000円、第2区も55万5,000円となります。
可処分所得は弁護士に相談してから計算してもよい
可処分所得の計算の中でも、最低生活費の計算はとても難しく、間違える可能性もあります。等級や年齢などから1つずつ金額を調べるのはとても時間がかかるでしょう。
大体の可処分所得を計算して、確定額については弁護士に相談した際に計算しても問題ありません。また、日本弁護士連合会では、可処分所得を簡単に計算できるエクセルファイルを配布しています。専門知識がなくても、間違えることなく可処分所得を計算できるでしょう。
個人再生のデメリットはあるか?どう手続きを進めるのか?確認しよう
まずは、お近くの弁護士・司法書士事務所に次の4点を無料相談して、個人再生すべきか確認しましょう。
・具体的にどんなデメリットがあるか?
・どうやって手続きを進めるのか?
・費用はいくらぐらいかかるのか?
・そもそも個人再生できるか?あなたに合っているか?
当サイト債務整理ナビでは、個人再生や借金問題の解決が得意なお近くの事務所を簡単に探すことができます。借金問題が得意な事務所のみを掲載しているので、どの事務所に相談してもOKです。
まずは、以下からお住まいの都道府県を選んで、無料相談しましょう。今すぐにお話できない方はメールがおすすめです。
もちろんあなたの都合やプライバシーを配慮しますので、安心して相談してください。
まとめ
可処分所得の計算は、給与所得者等再生を受ける際に必須となります。間違える可能性があるため、計算には日本弁護士連合会が配布している可処分所得計算シートを使いましょう。
個人再生は生活を立て直すチャンスとなる債務整理の1つです。弁護士に相談して、国が認めた借金減額制度を有効活用しましょう。
【最短30秒】ユーザーアンケートに回答する |
|
【全国65拠点以上】【法律相談実績90万人以上】【周りに知られずに相談OK】はじめの一歩は弁護士への無料相談!あなたの街のアディーレに、何でもお気軽にご相談ください
事務所詳細を見る【全国65拠点以上】【法律相談実績90万人以上】【周りに知られずに相談OK】はじめの一歩は弁護士への無料相談!あなたの街のアディーレに、何でもお気軽にご相談ください
事務所詳細を見る【全国65拠点以上】【法律相談実績90万人以上】【周りに知られずに相談OK】はじめの一歩は弁護士への無料相談!あなたの街のアディーレに、何でもお気軽にご相談ください
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡
いつ起きるかわからない法的トラブル。弁護士費用の準備はできていますか?
答えがNoの方、ベンナビ弁護士保険が役立ちます。
弁護士への依頼費用は数十万~数百万円かかりますが、ベンナビ弁護士保険(月2,950円)に加入しておくことで、弁護士費用の補償が受けられます。
- 保険料は1日あたり約96円
- 通算支払限度額1,000万円
- 追加保険料0円で家族も補償
補償対象となる家族が5人の場合、1人あたりの保険料は月590円(2,950円÷5人)。労働問題、ネット誹謗中傷、近隣トラブルなど様々な法的トラブルに対応しています。
補償内容、付帯サービスをまとめた資料の請求はWEBから。
弁護士保険で法律トラブルに備える
個人再生に関する新着コラム
-
個人再生後は、基本的に住宅ローンをはじめとするローン商品は利用できません。しかし、5〜10年程度経過すれば、信用情報機関のブラックリストから削除され...
-
不景気といわれている現代でも、住宅ローンを組まれる家庭は多くいらっしゃいます。住宅ローンは、何十年の長い期間で返済する高額なローンのため、少しでも返...
-
借金の返済が重荷になった時の法的債務整理の一つに個人再生があります。実は個人再生後でもスマホや携帯を今まで通り利用する方法がありますのでそれについて...
-
この記事では、個人再生に失敗するケース、個人再生に失敗したらどうなるのか、成功するための方法、また失敗したときにどういった方法で借金を減額すればよい...
-
小規模個人再生とはどのような債務整理なのか、特徴や条件、再生計画案が認可される要件などを給与所得者等再生と比較しつつご紹介します。
-
返済に困って個人再生をしたいのに、費用が高すぎて申立てができないという悩みを抱える方はたくさんいます。この記事では、弁護士費用に不安を感じる方のため...
-
個人再生を含む債務整理は、家族に内緒で申し立てることができます。しかし、状況によっては大きな財産(車など)を処分する必要もでてきますので、内緒で行う...
-
任意整理後、あなたの代わりに弁護士・司法書士事務所が代わりに返済を行う返済代行という方法があります。返済代行にはメリットもあればデメリットもあること...
-
今回は個人再生をした後に自己破産を行った方に話を聞きました。個人再生をしてから自己破産に至るまでの経緯や、奥さんにばれずに自己破産をした方法など貴重...
-
個人再生を行うと金融事故情報として公的な書類である官報に掲載されます。これを俗に「ブラックリストに載る」と言われていますが、具体的にどのくらいの期間...
個人再生に関する人気コラム
-
個人再生後は、数年間クレジットカードを発行できなくなります。ただ、カードの種類によっては発行できますし、一定の期間後は、再び発行することができます。...
-
この記事では、個人再生に失敗するケース、個人再生に失敗したらどうなるのか、成功するための方法、また失敗したときにどういった方法で借金を減額すればよい...
-
個人再生を行うと金融事故情報として公的な書類である官報に掲載されます。これを俗に「ブラックリストに載る」と言われていますが、具体的にどのくらいの期間...
-
個人再生は裁判所を介して借金の返済計画手続きを申立てることで借金を大幅に減額することができますが、一方で、車を手放すことになるとも言われています。本...
-
これから個人再生を申し立てる方に向けて、必要な提出書類から書類の準備・作成方法についてまとめました。この記事を見ていただくことで、個人再生申立てに必...
-
時効の援用をすることで、時効が成立し借金の返済義務が消滅します。ただ誰でも利用できるわけではありません。この記事では、時効を狙っている人や時効間近の...
-
個人再生で失敗するリスクを減らすために、やってはいけないことや失敗例、個人再生など債務整理の得意な弁護士の選び方を解説します。
-
個人再生では家計簿を提出します。この記事では、家計簿を提出する理由、いつからいつまで書くのか、家計簿の作成方法・注意点、裁判所のチェックポイント、家...
-
個人再生をするためには、2つの条件を満たす必要があります。この記事では、個人再生できる条件や、収入状況別(バイトや年金など)に個人再生を利用できるか...
-
返済に困って個人再生をしたいのに、費用が高すぎて申立てができないという悩みを抱える方はたくさんいます。この記事では、弁護士費用に不安を感じる方のため...
個人再生の関連コラム
-
不景気といわれている現代でも、住宅ローンを組まれる家庭は多くいらっしゃいます。住宅ローンは、何十年の長い期間で返済する高額なローンのため、少しでも返...
-
任意整理後、あなたの代わりに弁護士・司法書士事務所が代わりに返済を行う返済代行という方法があります。返済代行にはメリットもあればデメリットもあること...
-
個人再生をする際、ローンが残っている車は借金の担保として引き上げられてしまうことがほとんどです。この記事では、引き上げの時期や拒否する方法などを解説...
-
返済に困って個人再生をしたいのに、費用が高すぎて申立てができないという悩みを抱える方はたくさんいます。この記事では、弁護士費用に不安を感じる方のため...
-
個人再生をしても、基本的に会社にバレることはありません。しかし、本記事で紹介する4つのパターンに該当する場合、バレてしまう可能性があります。本記事で...
-
個人再生は、家を残すだけでなく競売を中止できる可能性のある債務整理です。現状、住宅ローンを滞納している人は早めの対応で家を守ることができます。この記...
-
この記事では、個人再生に失敗するケース、個人再生に失敗したらどうなるのか、成功するための方法、また失敗したときにどういった方法で借金を減額すればよい...
-
個人再生は自己破産と違い、生命保険を解約しなければならないということはありません。ただし、解約返戻金がある生命保険は個人再生の最低弁済額(最低限返済...
-
脱サラ失敗で借金を抱えた際、自己破産以外の方法があることをご存知ですか?脱サラ予定の方必見!これから脱サラする方、既に脱サラに失敗してしまった方へ、...
-
個人再生の申立は、ほとんどの場合認可されますが、稀に不認可になる可能性もあります。この記事では、個人再生が失敗するケース、個人再生の申立を成功させる...
-
可処分所得とは、収入から税金などを差し引いて残った自由に使えるお金のこと。自由に使えるといっても、そこから生活費が引かれるため、使ったり貯めたりでき...
-
個人再生では、再生計画案通り返済ができるかどうか履行テスト(履行可能性テスト)を行うケースがあります。これを失敗すると、再生計画案の認可に大きく影響...
弁護士・司法書士があなたの借金返済をサポート
債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。
ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたをベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)の弁護士・司法書士がサポートいたします。
個人再生をもっと知りたいあなたに