個人再生認可決定後の流れ|通帳は提出?借金やギャンブルは可能?


個人再生は再生計画を認可してもらう必要がありますが、認可決定後に「確定」することで終了し、弁済が開始されます。個人再生認可決定後の流れや弁済を滞納してしまった場合の対応などを知っておけば、再生計画認可決定後にトラブルが発生しても、慌てず対応できるでしょう。
この記事では、個人再生の再生計画案認可決定後の流れや対応などについて詳しく解説します。
【関連記事】個人再生に失敗したらどうなる?|失敗パターンと成功のための対策
再生計画認可決定後の流れ
再生計画が認可されても個人再生はまだ終了ではありません。ここでは、再生計画認可決定後の流れについてご紹介します。
再生計画認可決定「確定」で手続きが終了する
再生計画は認可決定後に「確定」することで、再生手続きは終了します。手続き終了後は、債務者は再生計画案に沿った弁済を開始します。なお、再生計画が不認可となる事由としては、以下があります。
- 再生手続・再生計画の重大な法律違反
- 再生計画の遂行の見込みの欠如
- 再生計画決議の不正な方法による成立
- 再生計画の再生債権者一般の利益との不適合
再生計画認可決定確定までの期間
法律上の再生計画認可決定確定日は、再生計画を官報公告した日から起算して2週間とされています。
再生計画認可決定後に通帳の提出を求められることもある
再生計画認可決定後に通帳の提出を求められることは、基本的にはありません。
もっとも、再生計画認可の決定後に、新たな不審点が生じたという様な場合には、再生計画認可の決定後であっても、通帳の提出を求められることはあり得ます。
再生計画認可決定が確定した後に行っても問題ない行為
認可決定後に以下のような行為を理由に、認可決定が覆ることは基本的にありません。
FXなどのギャンブル
再生債権者の申立による再生計画の取消の制度がありますが、主な取消事由は、再生債務者等が再生計画の履行を怠ったことです。そのため、再生計画の履行をしている限り、FXなどのギャンブルを行ったからと直ちに再生計画が取消されることはありません。
お金の借り入れ
個人再生後は、ブラックリストに登録されるため新規借り入れは難しいですが、万が一借り入れができた場合でも、再生計画の履行をしている限り再生計画が取消されることは、基本的にありません。
ただし、個人再生後はこれ以上借金をしないよう、努力することが重要です。
再生計画認可決定の確定後に支払いを滞納しない
再生計画の認可決定の確定後に、支払いを滞納することには、再生計画の取り消し決定がされるなどのリスクがあります。
再生計画案に沿った弁済を滞納するリスク
再生計画認可の決定が確定した後に、支払いを滞納すると再生債務者等が再生計画の履行を怠ったことに当たってしまい、再生債権者の申立により、裁判所から再生計画の取消を決定されてしまう恐れがあります。
再生計画の取り消しが決定されてしまうと、減額がなかったことにされてしまう上に、残りの借金を一括請求されてしまう可能性があります。せっかく時間と費用をかけて個人再生しても、すべてがなかったことになってしまうのです。また破産事由がある場合、自己破産手続きに移行することもあります。
うっかり滞納してしまった場合
再生計画認可の決定後にうっかり滞納してしまった、というケースも発生するかもしれません。そのような場合、すぐに担当の弁護士や司法書士に相談し、忘れた旨を伝え支払う意思がある事を伝えましょう。
債権者は、少しでも多くお金を回収したいので、1回の滞納で直ちに個人再生の取消しを申し立てられることは考えにくいといえます。取消を申し立てても、相手が自己破産することになり余計にお金を回収しにくくなるからです。
再生計画認可決定の確定後に支払いが厳しくなってしまった人へ
再生計画決定の確定後に支払いが厳しくなってしまった場合にも、そのための救済措置はあります。
再生計画案は見直せる
再生計画認可決定後に、やむを得ない事由で再生計画に定める事項を変更する必要が生じた場合に、再生計画の変更の制度が用意されています。これにより、履行が困難となった計画を現実に合わせて修正することが可能です。
ただし、計画が安易に変更されてしまうのは妥当ではないことから、再生計画の変更には厳格な要件が定められています。まず、変更の必要について「やむを得ない事由」が必要であり、どうしても計画の履行ができず、破産等に追い込まれるような事由が必要です。
さらに、変更が債権者に不利な影響を及ぼすと認められる場合には(支払うお金がより少なくなる等)、当初の計画の可決、認可と同様の手続きが必要とされ、債権者の多数決および、不認可事由がないことが要件となります。
自己破産を検討する
再生計画認可の決定後に、計画の履行ができず、再生計画取消の決定がされた場合など、再生手続の終結以外の理由で、中途で挫折する形で再生手続きが終了した場合には、原則として、職権で牽連破産の手続きが開始することになります。
また、再生計画取消の決定がされなくても、どうしても返済できない場合は、自身から自己破産を申し立てることが可能です。
個人再生のデメリットはあるか?どう手続きを進めるのか?確認しよう
まずは、お近くの弁護士・司法書士事務所に次の4点を無料相談して、個人再生すべきか確認しましょう。
・具体的にどんなデメリットがあるか?
・どうやって手続きを進めるのか?
・費用はいくらぐらいかかるのか?
・そもそも個人再生できるか?あなたに合っているか?
当サイト債務整理ナビでは、個人再生や借金問題の解決が得意なお近くの事務所を簡単に探すことができます。借金問題が得意な事務所のみを掲載しているので、どの事務所に相談してもOKです。
まずは、以下からお住まいの都道府県を選んで、無料相談しましょう。今すぐにお話できない方はメールがおすすめです。
もちろんあなたの都合やプライバシーを配慮しますので、安心して相談してください。
まとめ
最後に、要点をまとめると以下の通りになります。
- 再生手続は、監督委員の選任などがない限り、再生計画認可の確定により終結する
- 再生計画認可の決定後は、再生計画を履行することになり、再生計画を履行しないと、再生計画の取消がされるおそれがある
- 再生計画の変更が認められているが、要件は厳格である
- 再生計画を履行しない場合、牽連破産の手続きが開始する可能性がある
【最短30秒】ユーザーアンケートに回答する |
|

「給料の多くを返済に充てなければならず…生活が厳しい」豊富なノウハウを活かし、自己破産をはじめとした幅広い借金問題に対応◆ご依頼者様の味方としてじっくりとお話を伺い、柔軟にサポートいたします【初回相談0円/出張相談要相談】
事務所詳細を見る
【ご相談は何度でも無料】【分割払可】債務整理のデメリットが不安で、依頼を迷っていませんか?借金でお困りの方は早期にご相談ください!丁寧に説明した上で、依頼者様に最善の方法をご提案します。
事務所詳細を見る
【ご相談は何度でも無料】【分割払可】債務整理のデメリットが不安で、依頼を迷っていませんか?借金でお困りの方は早期にご相談ください!丁寧に説明した上で、依頼者様に最善の方法をご提案します。
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡

個人再生に関する新着コラム
-
個人再生後は、基本的に住宅ローンをはじめとするローン商品は利用できません。しかし、5〜10年程度経過すれば、信用情報機関のブラックリストから削除され...
-
不景気といわれている現代でも、住宅ローンを組まれる家庭は多くいらっしゃいます。住宅ローンは、何十年の長い期間で返済する高額なローンのため、少しでも返...
-
借金の返済が重荷になった時の法的債務整理の一つに個人再生があります。実は個人再生後でもスマホや携帯を今まで通り利用する方法がありますのでそれについて...
-
個人再生が失敗するケースは全体の3%程度と少ないですが、万が一に備えて不備なく手続きを済ませるポイントを押さえておきましょう。本記事では、個人再生が...
-
小規模個人再生とはどのような債務整理なのか、特徴や条件、再生計画案が認可される要件などを給与所得者等再生と比較しつつご紹介します。
-
返済に困って個人再生をしたいのに、費用が高すぎて申立てができないという悩みを抱える方はたくさんいます。本記事では、弁護士費用に不安を感じる方のために...
-
個人再生を含む債務整理は、家族に内緒で申し立てることができます。しかし、状況によっては大きな財産(車など)を処分する必要もでてきますので、内緒で行う...
-
任意整理後、あなたの代わりに弁護士・司法書士事務所が代わりに返済を行う返済代行という方法があります。返済代行にはメリットもあればデメリットもあること...
-
今回は個人再生をした後に自己破産を行った方に話を聞きました。個人再生をしてから自己破産に至るまでの経緯や、奥さんにばれずに自己破産をした方法など貴重...
-
個人再生を行うと金融事故情報として公的な書類である官報に掲載されます。これを俗に「ブラックリストに載る」と言われていますが、具体的にどのくらいの期間...
個人再生に関する人気コラム
-
個人再生後は、数年間クレジットカードを発行できなくなります。ただ、カードの種類によっては発行できますし、一定の期間後は、再び発行することができます。...
-
個人再生が失敗するケースは全体の3%程度と少ないですが、万が一に備えて不備なく手続きを済ませるポイントを押さえておきましょう。本記事では、個人再生が...
-
個人再生を行うと金融事故情報として公的な書類である官報に掲載されます。これを俗に「ブラックリストに載る」と言われていますが、具体的にどのくらいの期間...
-
個人再生は裁判所を介して借金の返済計画手続きを申立てることで借金を大幅に減額することができますが、一方で、車を手放すことになるとも言われています。本...
-
これから個人再生を申し立てる方に向けて、必要な提出書類から書類の準備・作成方法についてまとめました。この記事を見ていただくことで、個人再生申立てに必...
-
時効の援用をすることで、時効が成立し借金の返済義務が消滅します。ただ誰でも利用できるわけではありません。この記事では、時効を狙っている人や時効間近の...
-
個人再生で失敗するリスクを減らすために、やってはいけないことや失敗例、個人再生など債務整理の得意な弁護士の選び方を解説します。
-
個人再生では家計簿を提出します。この記事では、家計簿を提出する理由、いつからいつまで書くのか、家計簿の作成方法・注意点、裁判所のチェックポイント、家...
-
個人再生をするためには、2つの条件を満たす必要があります。この記事では、個人再生できる条件や、収入状況別(バイトや年金など)に個人再生を利用できるか...
-
返済に困って個人再生をしたいのに、費用が高すぎて申立てができないという悩みを抱える方はたくさんいます。本記事では、弁護士費用に不安を感じる方のために...
個人再生の関連コラム
-
個人再生を含む債務整理は、家族に内緒で申し立てることができます。しかし、状況によっては大きな財産(車など)を処分する必要もでてきますので、内緒で行う...
-
ギャンブルや浪費でできた借金も個人再生で減額できます。しかし、裁判所や債権者への心証がよくないため、慎重に再生計画案を作成しなければなりません。本記...
-
この記事では、個人再生の無料相談窓口、個人再生の特徴・メリット・デメリット、住宅ローン特則、個人再生ができる条件、個人再生を依頼する際の費用、自己破...
-
奨学金も個人再生の対象ですが、状況によっては、あなたが個人再生をすることで周囲に大きな影響を与えてしまうこともあります。この記事では、影響や逆に個人...
-
これから個人再生を申し立てる方に向けて、必要な提出書類から書類の準備・作成方法についてまとめました。この記事を見ていただくことで、個人再生申立てに必...
-
個人再生と自己破産には、減額できる借金や手続き後に受ける制限などに大きな違いがあります。この記事では、最低返済額、利用条件、手続き後の制限、没収され...
-
不景気といわれている現代でも、住宅ローンを組まれる家庭は多くいらっしゃいます。住宅ローンは、何十年の長い期間で返済する高額なローンのため、少しでも返...
-
返済に困って個人再生をしたいのに、費用が高すぎて申立てができないという悩みを抱える方はたくさんいます。本記事では、弁護士費用に不安を感じる方のために...
-
個人再生を検討しているけど、その後のローンについて気になる方は多いのではないでしょうか。実際5~10年は新規で組めなくなります。また10年経過しても...
-
個人再生が失敗するケースは全体の3%程度と少ないですが、万が一に備えて不備なく手続きを済ませるポイントを押さえておきましょう。本記事では、個人再生が...
-
個人再生では家計簿を提出します。この記事では、家計簿を提出する理由、いつからいつまで書くのか、家計簿の作成方法・注意点、裁判所のチェックポイント、家...
-
個人再生は自己破産と違い、生命保険を解約しなければならないということはありません。ただし、解約返戻金がある生命保険は個人再生の最低弁済額(最低限返済...
弁護士・司法書士があなたの借金返済をサポート
債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。
ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたをベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)の弁護士・司法書士がサポートいたします。

個人再生をもっと知りたいあなたに