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個人再生に失敗したらどうなる?失敗パターンと成功のための対策

弁護士法人やがしら 船橋リバティ法律事務所
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個人再生(こじんさいせい)とは、住宅ローンを支払いながら、それ以外の借金を大きく圧縮できる借金問題の解決方法です。

特に住宅ローンで自宅を購入した方などにとっては、自宅の売却が必要となる自己破産と比べると「住宅を持ったままほかの借金を圧縮できる」という点で使いやすい制度といえますが、なかには失敗してしまう場合もあります。

個人再生が失敗してしまわないか不安な方や、すでに失敗してしまった方などにとって、以下の点は気になるでしょう。

  • 個人再生は何が原因で失敗するのか
  • 個人再生を成功させるコツはあるのか
  • 個人再生を万が一失敗してしまった場合はどのように対処すればよいか

個人再生に失敗してしまうことは非常に少ないため、本記事で説明する内容を理解したうえで手続きをおこなえば、問題なく済ませることが可能です。

また、仮にあなたが個人再生に失敗しても、失敗した原因を分析して再申請したり、ほかの債務整理の手段をとったりすることで借金問題を解決することも可能です。

本記事では、個人再生に関する悩みを持つ方に向けて、個人再生に失敗するパターンや失敗した場合の対処方法、成功するためのポイントなどについて詳しく解説します。

個人再生をしようとしている方へ

借金問題の解決策としては、個人再生以外にも任意整理や自己破産などがあります。

これらの債務整理にはそれぞれメリット・デメリットがあり、自身の状況に合った方法を選択する必要があります。

あなたの状況次第では個人再生ができない、あるいはベストな選択肢ではない可能性もあるでしょう。

個人再生を検討中の方は、弁護士に依頼するのがおすすめです。

弁護士に依頼するメリットは以下のとおりです。

  • 自分に合った解決策を提示してもらえる
  • 面倒な手続きを全て任せられる
  • 受任通知の送付によって催促・取り立てが停止する など

自力で個人再生をおこなう場合、失敗して準備にかかったお金や時間を無駄にしてしまうおそれがあります。

初回相談無料の弁護士事務所も多数掲載しているので、借金問題で悩んでいる方は、まずは以下よりご相談ください。

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個人再生が失敗する確率は全体の約3%

司法統計によれば、個人再生を申し立てた人のうち、約93%が無事終結していることがわかります

総数

成功

失敗

その他

1万2,864件

約93%

約3%

約3%

失敗した理由はさまざまですが、数字上では約3%と低いものとなっており、適切な準備をおこなえば成功する可能性は高いといえるでしょう。

個人再生が失敗する4つのケース

個人再生は、個人事業主や小規模な事業を経営している人、サラリーマンなどの一定の収入がある人を対象にした手続きです。

ここでは、個人再生が失敗する4つのケースについて解説します。

1.個人再生の申立てが棄却される

個人再生をおこなうためには、一定の条件を満たしている必要があります。

以下のような条件に満たない場合には、申立てが棄却・却下される可能性があるため注意が必要です。

  • 借金の総額が5,000万円以下であること(住宅ローンは除く)
  • 今後も継続的な収入が見込めること
  • 給料などの収入が安定していること

2.個人再生手続きが途中で打ち切りになる

個人再生については、申立てをしたからといって安心できません

手続きの途中で打ち切り、つまり廃止になることも十分に考えられます。

具体的には、以下のようなものが代表例です。

  • 個人再生の費用や書類を期限までに用意できていない
  • 再生計画案を期限までに提出できない

個人再生の費用や書類を期限までに用意できていない

個人再生をするには、予納金などの手続き費用や必要書類の提出が必須です。

支払いや提出が1日でも遅れると、手続きを打ち切られてしまいます

不安な方は弁護士にサポートを依頼するとよいでしょう。

再生計画案を期限までに提出できない

個人再生の手続きでは、再生計画案を裁判所に提出し、認可されたら借金が減額されます。

再生計画案とは、個人再生によって減額された借金について、どの債権者に対してどれくらいの金額を返済するのか定めたものです。

再生計画案にも提出期限が明確に定められているため、期日までに提出できるようにしましょう

3.個人再生の再生計画案が許可されない

再生計画案が債権者の書面決議で可決されても、裁判所の判断によって許可されないこともあります

具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

  • 再生計画案の認可に見込みがないのが明らかである
  • 再生計画案の返済額が法律で定められた弁済額を下回っていた
  • 申立の目的が不当・不誠実である

再生計画案の認可に見込みがないのが明らかである

個人再生の再生計画案は実行可能な内容でなければなりません

もし、明らかに認可できないと思われるような内容の場合、個人再生は失敗してしまいます。

また、返済額のミスや不明瞭な点があると、棄却されてしまう可能性が高くなります。

再生計画案を個人で作成するのは難易度が高いため、専門の弁護士に依頼するのがおすすめです。

再生計画案の返済額が法律で定められた弁済額を下回っていた

個人再生では、最低弁済額が決められています。

具体的には次の3つの減額基準の中で、最も高い金額を最低限支払わなければなりません

  1. 最低弁済額の法定基準
  2. 清算価値保障基準
  3. 可処分所得基準(給与所得者等再生の場合)

返済額が減額基準よりも低い場合、再生計画案は裁判所に認可されません

申立の目的が不当・不誠実である

個人再生は、法的手続きに従っておこなわれるため、申立ての目的が正当でなければなりません

申立ての目的が不当・不誠実となるケースとしては、以下が挙げられます。

  • もっぱら担保権の抹消を目的とする場合
  • 否認権行使を目的とする場合 など

4.再生計画が不履行になる

再生計画が認可されると、それに従って原則3年かけて返済をしなければなりません

もし計画に沿って返済ができない場合には、個人再生は失敗となってしまいます。

なお、「勤務先が倒産した」などの事情があって返済が難しくなった場合には、裁判所に再生計画の変更を求めることが可能です。

また、一定額を返済していたにもかかわらず、病気などのやむを得ない事情で返済が難しくなった場合には「ハードシップ免責」(民事再生法第235条)が利用可能です。

ハードシップ免責が認められると残りの返済は免除されますが、利用するには次の条件を満たしていなければなりません。

  • すでに4分の3以上を返済していること
  • 再生債務者に責任を問えない事情により再生計画の遂行が極めて困難となったこと

個人再生に失敗すると借金はどうなる?

個人再生に失敗してしまうと、借金は一切減額されないことになります

さらに、個人再生の手続きによって生じた、差し押さえなどの中止といった法的な効力もなくなってしまいます。

つまり、個人再生を申し立てる前と何も変わらない状況になるのです。

さらに言えば、個人再生に必要な弁護士費用や裁判所費用を支払うことで、借金が増えてしまうこともあります

なお、小規模個人再生で失敗したという場合、給与所得者等再生を選択するという方法もなくはありません。

もっとも、給与所得者等再生は小規模個人再生よりも減額幅が小さくなることが多いため、再生債権者からの同意が得られなかった場合を除いては選ぶメリットがあまりありません。

後述するように、どうしても借金問題を解決したい場合には、個人再生以外の自己破産なども検討する必要があるといえるでしょう。

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個人再生が失敗した場合の対処法

個人再生に失敗した場合には、次の2つの対処法があります。

  1. 個人再生手続きを再申請する
  2. 自己破産を検討する

それぞれの内容を確認してみましょう。

1.個人再生手続きを再申請する

「収入が増えて計画どおりに借金返済できるようになった」など、前回の個人再生手続きが失敗した原因を克服することができれば、再申請をすることで個人再生がおこなえる可能性があります。

もともと個人で申請していた方が弁護士に依頼することで、適切に手続きが済んで認可されるケースもあります。

何が原因で失敗してしまったのか、その問題点を把握したうえで解決しましょう

書類の不備で失敗した場合

個人再生の申立て時には、必要な書類が揃っているのか、書類に不備がないのかが非常に重要です。

特に必要書類の数が多いため、提出を忘れてしまうことも多くあります。

また、書類の数に加えて記載内容も複雑であるため、書類内容に不備があるケースも珍しくありません。

再度個人再生を申し立てる際には、慎重に準備を進めていきましょう

問題行為を起こしてしまい失敗した場合

問題行為を起こしてしまった場合は、考えを改めて再度個人再生を申し立てるか、自己破産をするのか検討しましょう。

過去に個人再生の申立てをしていても、再び個人再生の申立てをおこなうことは可能です。

自己破産であれば現在抱えている全ての借金を帳消しにすることができ、どちらを選ぶべきなのかは弁護士へ相談するのがおすすめです。

ただし、問題行為を起こしたときに相談していた弁護士がいる場合、一度問題行為を起こして失敗していることから、受任を拒否される可能性が高いため注意しましょう。

債権者の同意が得られなかった場合

再生計画案の決議で債権者の同意が得られずに否決となった場合は、再生計画案の見直しをおこないましょう

無理な返済計画を立てている可能性があるため、今後の収入と現在の借金額を天秤にかけ、無理のない範囲で計画を立て直しましょう。

もし自分では判断が難しいという方は、弁護士に相談するのもおすすめです。

2.自己破産を検討する

個人再生をおこなうのが難しい場合、ほかの債務整理を検討する必要がありますが、このようなケースでは自己破産をおこなうのが一般的です。

個人再生とは異なりマイホームなどの財産なども原則として処分することになりますが、一方でほとんどの債務が免責されるため、自己破産後に借金を返済する必要がなくなります

自己破産に抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、破産法上認められた生活再建のための手段ですので、必要があれば躊躇せずに選択してください。

個人再生を成功させる4つのポイント

個人再生を成功させるには、どのようにすればよいのでしょうか。

成功の可能性を高めるためにも、次の4つのポイントを押さえておきましょう

1.個人再生が自分に合った債務整理方法か確認する

まずは、個人再生という債務整理が現在の借金を整理するうえで本当に合っているのかを考えてみましょう。

多くのケースでは自己破産と迷うと思いますが、借金があまりにも多くて収入が少ない方が無理に個人再生してしまうと、最終的に返済できずに自己破産もおこなうことになります

家を残したい気持ちもわかりますが、まずは冷静に考えてみましょう

2.個人再生の実績がある弁護士・司法書士に依頼する

個人再生は裁判所を通じておこなう複雑な方法であり、素人が自力でおこなうよりも弁護士に依頼したほうがスムーズな進行や成功率の向上が見込めます

弁護士はあなたの経済状況を理解してくれるため、弁護士費用の分割払いなどにも柔軟に対応してくれるはずです。

まずは無料相談をおこなっている弁護士に相談してみましょう。

3.個人再生を反対する業者が債権者にいるか確認する

個人再生では、債権者による再生計画案の決議がおこなわれるため、反対する債権者がいないか確認しておく必要があります

特に保証会社が債務者に代わって返済をおこなう「代位弁済」には注意が必要です。

さまざまな会社から借金をしている場合、代位弁済によって一つの保証会社に借金が集中してしまうことがあります。

その場合には、保証会社は「より多くの弁済を得たい」という理由から否決する場合があります。

4.弁護士・司法書士の指示に従う

弁護士や司法書士に依頼すれば必ず個人再生が成功するかといえば、必ずしもそうとは言い切れません

弁護士や司法書士のアドバイスや判断に従わないような場合、個人再生が失敗に終わってしまうことも考えられます。

弁護士や司法書士から指示があった場合には、どのような内容であったとしても従うようにしてください。

少しでも不安や疑問がある場合には、しっかりと弁護士・司法書士に質問しましょう

弁護士による個人再生の成功事例

ここでは、当サイト「ベンナビ債務整理」に掲載している解決事例の中から、個人再生に関するものを3つ紹介します。

250万円の借金を100万円に減額できたケース

依頼者はギャンブルにハマって浪費してしまい、6社から計250万円の借金を作って毎月5万9,000円の返済に追われていたという事例です。

依頼者には小さな子どもがおり、借金返済のために新たな借金をして膨れ上がっているという状態で家計が回っておらず、生活に困窮して弁護士に依頼しました。

依頼者は細かな作業や書類収集などが苦手な方でしたが、弁護士が代わりに書類手続きや返済スケジュールの設定などをおこなったことで滞りなく進行し、最終的には借金総額を100万円、毎月の返済額を2万8,000円にまで減額できました

700万円の借金を180万円に減額できたケース

依頼者は家族に内緒で株取引をおこなっており、12社から計700万円の借金を作って毎月18万円の返済に追われていたという事例です。

依頼者には妻と子どもがいて住宅ローンもあったため自己破産は難しく、個人再生という手続きがあることを知って弁護士に依頼しました。

弁護士は、依頼者の経済状況などを踏まえて個人再生が可能と判断し、手続きをおこなったところ、最終的には借金総額を180万円、毎月の返済額を3万円にまで減額できました

1,400万円の借金を300万円に減額できたケース

依頼者は、子どもの学費や生活費などを支払うために借金をして賄っており、10社から計1,400万円の借金を作って毎月15万円の返済に追われていたという事例です。

依頼者は仕事をしていたものの収入が減少状態にあり、今後の生活に不安を感じて弁護士に依頼しました。

弁護士は、依頼者の「家族には内緒で済ませたい」という希望も踏まえて個人再生の手続きをおこない、最終的には借金総額を300万円、毎月の返済額を5万円にまで減額できました

個人再生の失敗に関するよくある質問

ここでは、個人再生の失敗に関するよくある質問について解説します。

個人再生の失敗率は?

裁判所の統計によると、個人再生の失敗率は全体の約3%です(第109表 再生既済事件数―事件の種類及び終局区分別―全地方裁判所|司法統計)。

個人再生に失敗したらどうなる?

個人再生に失敗した場合、借金は一切減額されず、差し押さえの中止などの法的な効力もなくなり、申し立てる前と同じ状況になります

また、個人再生のために弁護士費用や裁判所費用を支払ったことで、さらに借金が増えてしまうこともあります

個人再生でやってはいけないことは?

以下のような行為をおこなった場合、個人再生ができなくなるおそれがあるため避けましょう

  • 自分の財産情報などについて虚偽の報告をする
  • 特定の債権者を優先して返済する
  • 必要書類の提出期限を守らない
  • 新たな借り入れをする など

まとめ

個人再生を成功させるためにも、しっかりと知識を身に付けましょう

まずは基本要件をきちんと理解して無理のない返済計画を立てて、計画に従って返済をしていけば、失敗せずに個人再生をおこなっていけるはずです。

ただし、手続きには専門的な内容が含まれるため、弁護士の協力のもとで手続きを進めることが大切です。

個人再生を検討している方は、必ず弁護士に依頼するようにしてください。

当サイト「ベンナビ債務整理」では、個人再生などの債務整理に注力している弁護士をお住まいの地域から一括検索できます。

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この記事の監修者
弁護士 福田 圭志
弁護士法人やがしら 船橋リバティ法律事務所 (千葉県弁護士会)
船橋で長年弁護士業をしている地元密着の弁護士。借金問題、離婚問題、相続問題、企業法務に注力。依頼者の納得のいくゴールを目指し、依頼者と二人三脚で事件に挑む。司法書士、税理士等の他士業との連携も武器。
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本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。