個人再生の申立てで通帳提出は必須|開始決定後にも必要になる場合とは?
個人再生を申し立てる際、さまざまな書類が必要です。そのなかでも通帳の提出は必須です。しかし、提出することで何か不利な状況になってしまうのではないかと不安を感じている人も多々おります。
この記事では、
「どうして個人再生に通帳が必要なの?」
「いつまでの期間の通帳を提出するの?」
「隠すと一体どうなるの?」
などの疑問について解説します。
【関連記事】個人再生に失敗したらどうなる?|失敗パターンと成功のための対策
借金の解決策には、個人再生以外にも任意整理や自己破産があります。
これらの債務整理には、それぞれメリット・デメリットがあり、自身の状況にあった方法を選択することになります。
あなたの状況次第では、個人再生ができない、あるいはベストな選択肢ではない可能性もあるでしょう。
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個人再生で通帳を提出する4つの目的
個人再生で通帳の提出を求められるのにはいくつかの目的があります。ここでは、通帳を提出する目的についてご紹介します。
1:財産状況を詳しく把握するため
個人再生の申立てがあった場合、裁判所(あるいは個人再生委員)は債務者の借金や財産・家計の状況などについて詳しくチェックします。財産調査の結果は、提出された再生計画案(返済の計画)の認否を左右する重要なものです。
銀行口座は、お金のやり取りをするのに必要不可欠なものです。だからこそ、銀行口座を介して行った取引の全てが記録されている通帳を確認すれば、債務者の収入や支出、借金や財産の状況について、多くの部分を把握できます。そのため、個人再生手続において通帳が重視されるのです。
2:申告された借金の内容が正しいか確認するため
通帳を調べることで、申告のあった借金の内容が正しいかどうか判断できます。
債務者は、個人再生の申立にあたって、債権者一覧表を提出します。特に、複数の相手から借金をしている場合は、特定の相手にだけ返済するという事態を避けるために、借金を負っている相手が全員リストアップされているかが調査されるのです。
たとえば、貸金業者との取引履歴があれば、その貸金業者からの借金があることがすぐにわかります。
すべての債権者を正確に申告しているのか、借金の金額に間違いがないのかをチェックするツールの一つが通帳です。
3:財産の内容をチェックするため
債務者は個人再生の申立において財産目録を提出しますが、その内容が正確であるかを調査するのです。
特に、個人再生においては、所持している資産以上の金額を弁済しなければいけないため(清算価値保障原則)、債務者が自らの財産を少なく見せようとする可能性があります。財産を隠していないか、申告された財産の正確性を、通帳と照らし合わせることでチェックします。
4:家計を判断するため
個人再生の手続では、決定した返済計画に基づいて定期的に借金を返していくことになりますが、その計画が本当に実現可能なのか、通帳から債務者の収入や支出をチェックすることで総合的に判断します。
ギャンブルや浪費が原因で借金をした債務者の場合、生活態度を判断する材料として通帳を用いるのです。このように、個人再生の手続を開始するための判断材料、あるいは返済計画を吟味するための材料として、裁判所は通帳の提出を求めます。
通帳はいつからいつまで必要? 提出のタイミングは?
通帳は一般的に1~2年分必要
個人再生で提出する必要のある通帳の履歴については、おおよそ1~2年分の出入金が確認できれば大丈夫です。ただし、厳密に何年分が必要なのかは裁判所によって異なるため、依頼する弁護士や司法書士に相談する必要があります。
ネット銀行をご利用の場合
ネット銀行を利用している人は、通帳が手元にないということもあります。その場合は、WEB明細をダウンロードし、印刷して提出すれば問題ありません。WEB明細は、会員サイトにログインすれば確認できるはずです。
あくまで、銀行口座を介したお金の流れが確認できるものが求められているのであり、通帳がない場合は、それにあたるものを提出することになります。
通帳を提出するタイミング
基本的には、個人再生手続の申立てをするタイミングで提出することになります。申立にあたって必要とされる書類(申立書・陳述書・債権者一覧表など)に合わせて、通帳のコピーを裁判所に提出します。これらに基づいて、裁判所は個人再生手続の開始決定を判断します。
申立て後に提出が必要になることはある?
申立て後、個人再生手続の開始決定がなされれば、通帳の追加提出が必要になることは通常ありません。ただし、東京地方裁判所などの一部の裁判所では、計画通りの返済が可能かどうかを判断するため、返済予定額を積み立てるテスト(履行テスト)を実施しており、その過程で通帳の提出が求められることがあります。
この場合、履行テストに問題が生じたときに、それが不測の出費といった正当な理由によるものなのか、浪費などによる弁明できない失敗なのかを判断するために通帳が用いられます。
家族や配偶者の通帳
個人再生手続の申立には、お金の流れを確認するために持っているすべての通帳のコピーを提出する必要があります。では、家族や配偶者の通帳はどうなのでしょうか。
家族や配偶者の通帳は必要?
基本的に、家族や配偶者の通帳を提出する必要はありません。通帳の提出は、あくまで個人再生を行う本人の借金や財産の状況をチェックするためのものだからです。
家族や配偶者の通帳が必要なケース
個人再生手続では、個人再生を行う本人の借金や財産の状況が重要なのであり、直接的に家族や配偶者の通帳が必要とされることはありません。
しかし、本人の家計について判断するために、家族や配偶者の通帳の提出を裁判所が求めるケースもあります。たとえば、妻に借金があり夫の収入に依存して返済している場合、夫の収支状況でどのように家計をやり繰りしていたかも重要な考慮要素になります。
このように、家計を共にし、様々な財産を共有している配偶者・家族の通帳は、ときに本人の状況を判断するために必要とされるのです。
個人再生で通帳を隠すリスク
「浪費がバレてしまうので通帳を提出したくない…」「財産が少しあるので隠したい…」など、通帳を提出したくないと思う人は珍しくありません。
しかし、もし一部の通帳を意図的に提出しなかった場合、個人再生が開始されない、または開始が取り消される可能性があります。つまり、意図的に隠したことで個人再生が認可されなかったり、認可後であっても認可が取り消される可能性もあります。
もちろん、意図して隠したわけではなく、使っていなかった通帳を提出し忘れたという程度であれば問題にならないと思われますが、直近の出入金がある場合にはそちらも間違いなく提出しましょう。
隠し通せれば返済額を少なくできるというメリットがあるように思えるかもしれませんが、個人再生ではお金の動きをチェックする一連の作業が非常に重視されるため、隠し通すのは現実的な考えではないでしょう。
まとめ
個人再生手続では、債務者のお金の流れを正確にチェックするため、通帳のコピーを提出する必要があります。財産状況を正確に把握し、無理のない返済を行うために、できるだけ取りこぼしのないように出入金の内容や理由を整理しなければなりません。
預貯金が多い、近日中に振り込まれる、浪費が多いなど、通帳を提出したくない人は、まず弁護士や司法書士に相談しましょう。
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