破産管財人の役割や権限について知っておくべき4つの事

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破産管財人の役割や権限について知っておくべき4つの事
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2018.5.27
自己破産 弁護士監修記事

破産管財人の役割や権限について知っておくべき4つの事

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破産管財人(はさんかんざいにん)とは、破産手続きにおいて破産財団に属する財産を管理・処分・換価してそのお金を破産債権者に配当したり、届出のあった債権について必要があれば異議を述べるなどの事務を行う者のことをいいます(破産法2条12項)。

 

破産手続きが開始されると、破産者は自分の財産を管理処分する権限を失います。このとき、破産者が不動産や預貯金等の一定のめぼしい財産を所有している場合、それらの財産を精算・換金するとともに、債権者に対して公平な分配をする人が破産管財人です。

 

今回は、破産管財人がどのように選ばれるのか、またどのような権限を持ってどのような仕事をするのかをご紹介いたします。
 

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破産管財人の仕事

破産管財人の一番分かりやすい仕事は、破産者に代わってその財産を管理し、処分・換価した後債権者への公正・公平な配当を迅速に実現することです。

破産法2条12項は、破産管財人を「破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう」としていますが、具体的にはどのような仕事をするのでしょうか。

ここでは、破産管財人の仕事についてご説明いたします。

1.破産管財人が必要になるケース

まず、破産管財人が必要になるのは、破産手続において「管財事件」に該当する場合です。

①:個人の場合

個人の場合は、分かりやすく言えば自己破産の際に20万円以上の換価できる財産がある場合です。(もちろんこれだけで管財事件になるわけではありません。)

弁護士に自己破産手続きを依頼して、その上で管財事件となった場合には「少額管財事件」として処理されますが、この場合も破産管財人は必要です。

②:法人の場合

法人の場合は、破産をすると法人・会社が消滅することになるので、財産や資産をすべて処分しておく必要があります。また、債権者・取引先・従業員など多くの利害関係人が存在するため、これらの利害関係人の利益を調整して適切な配当等の措置を取る必要があります。

したがって、原則として管財事件になり、破産管財人が選任されることになります。

 

2.役割と権限

破産管財人は、裁判所の代理人的な立場にあると考えるのが良いと思います。破産者の味方として破産者の経済的更生を図るという立場であり(破産法1条)、債権者の味方として破産者の財産を調査・管理・換価処分して各債権者に弁済または配当するという立場です。

そして、あくまで裁判所によって選任される公正中立な立場となっています。このように、破産管財人は中立的な立ち位置で手続きを進める人になります。

破産管財人は、破産財団の管理・処分が主な仕事になります。

破産財団とは、破産者の財産のうち処分可能な価値のある財産のことを言い、資産価値が20万円を超える預貯金や車、99万円以上の現金などがこれにあたり、自己破産の際の「破産財団」として処分対象になります。

破産法によれば、管財人に許された権限には以下のようなものがあります。

  1. 1.不動産や船舶の任意売却(78条2項1号)
  2. 2.鉱業権や漁業権、特許権、意匠権や商標権、著作権又は著作隣接権の任意売却(78条2項2号)
  3. 3.破産財団の事業譲渡や商品の一括売却(78条2項3号・4号)
  4. 4.債権や有価証券の譲渡・動産の売却(78条2項8号)
  5. 5.破産者に宛てた郵便物または信書便物の閲覧(81条・82条|嘱託回送)
  6. 6.破産財団に属する帳簿や書類、物件の検査(83条)
    ※()内は破産法の根拠条文


これらは基本的にすべて裁判所の許可や指示が必要になりますが、許可があれば管財人はこのような権限を有することになります。意外かもしれませんが、著作権や特許権なども破産財団となり、破産管財人による任意売却の対象となります。

また、過払い金返還請求の権利も、法律上は債権であり立派な資産なので、破産財団に属し、管財人によって処分・回収される対象になります。このため、一部の債務について過払い金などが発生している場合は、裁判所の命令によって過払い金請求を破産管財人代わりに行うことがあります。

 

 

破産管財人の選任

破産管財人は、破産者の財産の管理・処分を行う人なので、どんな人が選ばれるのか不安に思うかもしれません。しかし、破産管財人を選ぶのは裁判所です。破産者の身内や友人知人が選ばれることはなく、破産法の専門的な法的知識や実務経験のある人が選任されるので、安心してください。

ここでは、破産管財人の選任についてご説明いたします。

1.どんな人がなれるのか

破産管財人には破産法の知識を持ち、実務経験があるかたがなれます。したがって、原則として弁護士になるでしょう。法律上、「破産管財人は弁護士に限る」といった規定はありませんが、実務の上では弁護士以外が選任される例はありません。

破産管財人を選任するのは、裁判所です。破産手続開始決定と同時に管財人が選任されることになります。

ただし、実際には破産手続開始決定前に、すでに裁判所から選任予定の弁護士に管財人就任の打診がなされて内定しています。

破産管財人に選任される弁護士は、破産手続きを申し立てた弁護士の管轄地域内に所在する法律事務所に所属している弁護士であるのが通常です。例えば、東京地方裁判所の破産事件であれば、東京都23区内に所在する法律事務所の所属弁護士が選任されますし、東京地方裁判所立川支部の破産事件であれば、東京都多摩地区に所在する法律事務所の所属弁護士が選任されるのが一般的です(ただし、23区内事務所の所属弁護士が選任される場合もあります)。

2.破産管財人の監督・コントロール

①:裁判所

  • ・破産管財人は裁判所の監督に服することになります。(破産法75条1項)
  • ・破産管財人の解任権も裁判所にあります。(同法同条2項)

②:債権者委員会

  • ・債権者委員会は、破産債権者で構成されたものです。(破産法144条)
  • ・債権者委員会は裁判所に意見の陳述を行うことができます。(144条3項・145条2項)
  • ・また、管財人は債権者委員会に対して報告義務を負います。(146条)

③:債権者

債権者は破産管財人の計算報告書に異議を述べることができます。(破産法88条4項・89条3項)

この計算報告書は、遂行された管財業務全般について行われ、管財業務の経過や収支などが記載されるものです。また、裁判所に対して破産管財人の解任を申し立てる権利もあります。(75条2項)

④:破産者本人

  • ・破産者本人も、管財人の計算報告書に異議を述べることができます。(破産法88条4項・89条3項)
  • ・債権者同様、裁判所に対して解任申立権を持っています。(75条2項)


このように、破産管財人を監督する立場には裁判所のほか、債権者や破産者も含まれています。決して管財人が好き勝手に職務を遂行するわけではないので、あまり不安に思うことはありません。

 

 

破産管財人がついたら起こること

破産管財人の職務が終了するのは、調査や必要なだけの集会を経て債権者に対する公平な配当が終わった時点です。管財人次第な部分もありますが、長いと1年以上かかってしまう場合もあります。

破産手続きが終了するまでは、引っ越しや長期間の旅行に行くにも裁判所の許可が必要になります。管財人に対して極力誠実な態度を取ることが大切です。ここでは、管財人がついたら起こることと、破産者自身が管財人にどのような協力をしなければならないのかについてご説明いたします。

 

1.協力義務

破産管財人は弁護士ですが、破産者の味方ではありません。むしろ、破産者の財産をできるだけ高値で換価し債権者に配当をするのが仕事なので、どちらかと言えば債権の味方ですね。

2.説明義務と物件検査

破産管財人が選任されると、まずは破産者本人の財政調査が行われます。破産者が本当に申立書以外の財産を持っていないのか、隠し財産がないのかといった調査を、管財人が職権によって様々な方法で行います。

①:説明義務

このような調査の際に、破産者本人は管財人に対して協力義務があります。つまり、破産者は管財人に対して必要な説明をする義務を負うことになるのです。管財人が調査の上、必要であると判断した事柄についてはすべて説明をしなければなりません。

この説明を拒んだ場合や嘘をついた場合は、3年以上の懲役、もしくは300万円以下の罰金という罰則が規定されているので、注意が必要です。

②:物件調査

破産者は管財人の行う物件調査についても拒むことはできません。管財人が必要であると判断すれば、所有している不動産の査定額照会をされることもあります。

物件調査についても、拒んだ場合には説明義務違反と同じ罰則規定があります。

 

3.郵便物のチェック(嘱託回送)

管財人が必要であると判断した場合、郵便局や宅急便といった信書送達事業者に対して、破産者宛の郵送物をすべて管財人に配達させることができます。郵送物の中身は一時的にすべてチェックされることになり、ここから他に財産がないかどうかを点検します。

 

 

破産管財人への報酬

破産管財人への報酬は、破産者が負担することになります。といっても、裁判所に支払った予納金がこの報酬となるので、改めて追加で支払うということはありませんので安心してください。予納金の形ではなく、依頼している弁護士から直接破産管財人に報酬が支払われる場合もあります(引継予納金と言います)。

基本的には破産手続が開始される前に支払うお金になっていますので、手続きが開始されてから改めてお金が必要になることはないでしょう。

 

1.個人の場合

少額管財の場合は20万円程度です。

一般的な管財事件の場合には50万円以上となります。

負債総額 予納金
~5000万円未満 50万円
5000万円~1億円未満 80万円
1億円~5億円未満 150万円
5億円~10億円未満 250万円

(※東京地裁の例)

 

2.法人の場合

法人の一般的な管財事件の場合は、70万円以上となります。

負債総額 予納金
~5000万円未満 70万円
5000万円~1億円未満 100万円
1億円~5億円未満 200万円
5億円~10億円未満 300万円

(※東京地裁の例)

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

破産管財人について調べると、難しい法律用語で解説されている場合が多いかと思います。破産手続というのは法律を勉強している人にとっても複雑な分野になっているので、少しでも本記事がお役に立てれば幸いです。

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Thum_umezawa
プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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