自己破産の裁量免責とは?反省文の書き方など認めてもらう方法を解説
「裁量免責」という言葉をご存知でしょうか。
破産手続では、本人の浪費による借金などは免責できないのが原則です。
しかし、そのような借金も裁量免責という形で認めてもらえることもあります。
本記事では、以下について説明しています。
- 裁量免責の効果
- 裁量免責で自己破産を認めてもらう方法
- 裁量免責をしてもらうときの反省文の書き方
- 裁量免責をしてもらえなかったときの「即時抗告」という手段
さまざまな理由で自己破産を諦めている方は、ぜひ一度目を通してみてください。
自己破産の手続きでは、本人の浪費やギャンブルによる借金では免責できないのが原則です。
しかしそんな借金でも、裁量免責という形で認めてもらえる事もあるのです。
裁量免責をうけるには、、裁判所に「自己破産後は真面目に生活を再建していく」ということをアピールする必要があります。
従って自己破産をご検討中の方は、弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士に依頼をすれば、あなたが免責を受けるために、最大限尽力してくれることでしょう。
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裁量免責(さいりょうめんせき)とは?
裁量免責とは、申立人が「免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)」を犯していても、さまざまな事情を考慮し、裁判所が借金の全額免除(免責)を認めてくれることをいいます。
免責不許可事由は、後述する6つのケースです。
免責不許可事由とは
破産法252条では、免責不許可事由は以下のように定められています。
- 本人の浪費により借金を作った場合(例:ギャンブル、ショッピング、風俗通いなど)
- 財産を隠す・壊す・渡すなどした場合
- 破産申立前の1年間に、住所、氏名、年齢、年収などの経済的な信用に関わる情報に嘘(詐術)の情報を伝えて、借り入れなどをおこなった場合
- ローンやクレジットで商品を買い、その商品を安い値段でお金に換えた場合
- 破産申立日から数えて7年以内に免責を受けたことがある場合
- 裁判所や破産管財人の調査に協力しなかった場合
裁量免責で自己破産を認めてもらうための3つのアピールポイント
裁量免責をしてもらうには、裁判所に「自己破産後は真面目に生活を再建していく」ということをアピールする必要があります。
以下の3つは特にアピールポイントになりやすい点です。
裁量免責をしてもらいたい方は、以下の点に気を付けて申し立てをおこないましょう。
- 破産手続きに非協力的でないか
- 免責不許可事由の程度
- 経済的に更生できるかどうか
以下で詳しく解説します。
1.破産手続きに非協力的でないか
破産手続きに非協力的であると裁量免責が認められない可能性があります。
具体的には、「破産管財人」の面接や債権者集会(※)に出席したかどうかなどです。
真摯な姿勢で手続きに臨んでいれば問題ありません。
- 債権者集会
- 破産者が、債権者に破産手続きに関する情報を提示したり、債権者の意見を聴収したりするための集会で、裁判官、破産管財人、弁護士、債権者、破産者が出席し、裁判所でおこなわれる。
2.免責不許可事由の程度
免責不許可事由の程度が重大であると裁量免責が認められないことがあります。
たとえば、ギャンブルで借金を作ってしまったならば、どれくらいの頻度、金額でギャンブルをしていたのか、そのような浪費行為がいつまで続いているのかなどがチェックされます。
また、財産を隠した場合は、いつ、どれくらいの財産を、どのように隠したのかが確認対象となります。
もし、免責不許可事由を犯した程度が酷い場合は、そのほかのアピールポイントで印象を挽回できるようにしましょう。
また、後述する反省文を丁寧に書くことで、裁量免責をしてもらえる確率が上がります。
3.経済的に更生できるかどうか
自己破産は、借金を消滅させることで経済的な更生を促すのが目的の制度です。
よって、申立人が経済的に更生する意欲があることがわかれば、裁量免責をしてもらえる確率が上がります。
更生できると判断されるためには、破産手続き中は浪費を控えたり、収入を得たりすることが重要になってくるでしょう。
自己破産では、家計簿を提出することもあるので、破産手続き中のお金の管理には注意することをおすすめします。
免責不許可事由がある人は裁判所に反省文を求められることもある
個人再生手続きにおいて、免責不許可事由がある人は、その事由の存在にもかかわらず、免責を認めるべき特別な事情があることを示す必要があります。
この際、裁判所から反省文の提出を求められることがあります。
反省文では、過去の行為への反省、将来の生活改善への決意、債務の返済に対する誠実な姿勢などを表明します。
これは、債務者の更生意欲と将来の生活態度の改善を裁判所が評価するための重要な材料となります。
反省文の内容と誠実さが、免責許可の判断に影響を与える可能性があるため、債務者は真摯に取り組む必要があります。
免責不許可事由における反省文の書き方の流れ
以下では反省文の書き方の流れを紹介するので、参考にしてみてください。
- 借金を作った理由を書く
- 自己破産をおこなう理由を書く
- 生活状況を書く
- 反省文と謝罪を書く
- 今後の展望を書く
この流れを参考に、反省文を手書きで原稿用紙1~2枚ほど書きましょう。
完成したら、一度自己破産が得意な弁護士や司法書士に見てもらってください。
1.借金を作った理由を書く
借金を作った理由は、免責不許可事由に関わってくるため、明記する必要があります。
もしギャンブルなどのご自身の過失により借金を作ってしまった場合は、債権者への謝罪と反省の言葉も述べ、同じような理由で再び借金を作らないことを誓う言葉を書いてください。
2.自己破産をおこなう理由を書く
自己破産をおこなう理由については、「借金を免責してもらうことで経済的に更生するため」とするのが望ましいです。
自己破産後に就労する意欲があることを述べるのも効果的でしょう。
3.生活状況を書く
現在の生活が苦しいことを述べ、自己破産後は生活を改善したいという旨を書きましょう。
4.反省と謝罪を書く
借金を返済できなくなったことに対する反省と謝罪の言葉を述べてください。
また、再び自己破産をしないことを誓うとよいでしょう。
5.今後の展望を書く
自己破産後は社会貢献をしたいことや、仕事に精進したいことなど、真面目で健全な姿勢をアピールできるような言葉を書くと効果的です。
裁量免責が認められない場合は『即時抗告』をおこなう
万が一、裁量免責が認められなかった場合は、免責不許可通知を受け取ってから1週間以内に、弁護士と一緒に「即時抗告(そくじこうこく)」という不服申し立てをおこないましょう。
即時抗告では、①不服する内容、②抗告の趣旨、③抗告理由の3つを記載した申立書を上級裁判所に提出するのが通常です。
再審査で1回目の判決が妥当でないと判断されると、免責の許可をしてもらえます。
個人再生を検討する
もし、再審査でも判決が覆らなかった場合は、「個人再生」など、別の方法で借金を減らすことも検討してみましょう。
個人再生とは、借金返済が困難になった個人債務者が、裁判所の協力を得て借金を大幅に減額し、3年から5年の分割返済で完済を目指す債務整理手続きです。
自己破産と異なり、住宅などの財産を処分する必要がなく、将来的にマイホームを手放したくない方にとって有効な選択肢となります。
裁判所が認可した再生計画に基づき、借金の5分の1程度に減額された債務を返済することで、残りの債務は免除されます。
ただし、免責不許可事由に該当する場合は、免責が認められない可能性があります。
個人再生のメリット・デメリットは以下のとおりです。
- メリット
-
- 住宅などの財産を失わずに借金を減らせる
- 自己破産よりも早く借金問題を解決できる
- 将来的にマイホームを手放したくない方にとって有効
- デメリット
-
- 裁判所の手続きが必要
- 弁護士費用がかかる
- 免責不許可事由に該当する場合は、免責が認められない可能性がある
個人再生を検討している場合は、弁護士に相談し、自己破産との違いや、自身の状況に合致した方法について詳しく検討することが重要です。
まとめ|弁護士への相談で裁量免責が受けやすくなる!
自己破産の免責不許可事由には裁量免責という救済措置が用意されています。
通常は免責不許可事由に形式的には該当しても、裁量免責が認められるケースが多いです。
自己破産をおこなう場合は、弁護士に依頼するのが一般的です。
弁護士に裁量免責を受けられるように図ってもらうのがよいでしょう。
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