破産手続きとは|自己破産の手順と知っておくべきリスク

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破産手続きとは|自己破産の手順と知っておくべきリスク
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2016.3.11

破産手続きとは|自己破産の手順と知っておくべきリスク

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破産手続き(はさんてつづき)とは、支払い不能に陥った債務者(借金をした本人)の財産の価値を見積もり、現金化して債権者(お金を貸した側)に債務の弁償または配当することで、破綻した生活を立て直すことを目的とした裁判手続きの事を言います。

一般的に破産手続きは個人や法人でも利用できますが、「債務者が支払不能であるか、債務者の負債が資産を超えている状態であること」という条件があります。この破産手続きが進むと、法人の場合は「倒産」、個人の場合は「自己破産」として呼ばれます。

今回は、実際に自己破産をする場合の破産手続きについてご紹介していきます。
 

破産手続きの流れ

では早速、破産手続きの流れについてご紹介しています。ご自身で手続きを行うことも可能ですが、もし弁護士事務所に依頼した場合、介入通知という通知が全債権者に送られ、破産手続きを行う旨が伝わりますので、その時点で業者からの支払い催促が止まるというメリットがあります。

詳しくは「自己破産の相談などを専門家に依頼するメリットとデメリット」をご覧ください。

1:必要書類の準備

裁判所によって若干の違いはありますが、おおよそ下記の書類をご用意いただければ問題無いかと思われます。

  • 破産手続開始及び免責申立書【用紙】【チェックシート
  • 陳述書【ダウンロード
  • 債権者一覧表【ダウンロード
  • 資産目録【ダウンロード
  • 家計の状況【ダウンロード
  • 住民票(本籍が省略されていないもの)
  • 戸籍謄本
  • 給与明細書の写し
  • 源泉徴収票の写し
  • 市民税・県民税課税証明書
  • 預金通帳の写し
  • 賃貸契約書の写し
  • 不動産登記簿謄本
  • 退職金を証明する書面
  • 車検証の写し
  • 自動車の査定書
  • 保険証券の写し
  • 保険解約返戻金証明書
  • 年金等の受給証明書の写し

これらの書類を持って裁判所にいきます。

破産申し立てに必要な費用

申立手数料は1,500円分の収入印紙や裁判所によっては郵便切手などの費用がかかりますのでご確認ください。

2:破産の審尋

無事に書類と申立書が提出できたら、約1ヶ月後に裁判所にて「審尋(しんじん)」が行なわれます。これは裁判官と面接で、どうして自己破産をしたいのかという質問などがされます。

ただ、あまり身構える必要はなく、誠実に対応していれば特に問題はないでしょう。

破産手続きを弁護士に依頼した場合、債務者に代わって弁護士が審尋を受けることができます。この場合債務者本人は裁判所に行かなくても良いのです。

準備しておくこと

裁判所に提出した申立書をもう一度見直して、少なくとも債権者の数と借金の総額ぐらいは覚えていきましょう。

裁判所に当日持って行くもの

  • 申立書のコピー
  • 印鑑
  • 筆記用具
  • 身分証明書

実際に聞かれること

  • 支払不能に陥った理由や状況
  • 債権者数や借金の総額
  • 債権者一覧以外から借入れをしてないか

などです。聞かれたこと以外に余計なことは言わないようしておくと良いでしょう。かかる時間は10〜15分程です。

3:破産手続き開始の決定(旧:破産宣告)

破産審尋がうまくいけば、破産審尋から約1種間以内に破産手続き開始の決定が出ます。この時、「全く財産がない場合」と「一定以上の財産がある場合」で今後の手続きが変わります。

同時廃止:全く財産がない場合

債務者にとくに大きな財産が無く、自己破産に至った事情にも別段問題のない場合は、破産手続き開始と同時に手続は終了します。あとはもう一度裁判所に足を運ぶだけで手続は終了になります。

管財手続き:一定以上の財産がある場合

一定以上の財産がある、破産に至った事情等に問題が多い方の場合は、破産管財人が選任され、追加の予納金(最低20万円)を裁判所に納める必要が出てきます。

ただ、管財手続きが必要になるのは主に法人の管財事件の場合や一定以上の財産を残して破産手続きをする場合ですので、個人で財産がない状態であればそこまで気にする必要はないでしょう。

一定以上の財産として扱われるもの
  • 99万円以上の現金
  • 銀行口座に残された20万円以上の貯金
  • 20万円以上の価値があるとみなされた自動車
  • 20万円以上の解約金がある生命保険
  • 20万円以上の価値があるとみなされた株券など
  • 破産者名義の土地や建物

退職金に裁判所が定めた利率を掛け20万円を超えた場合(利率は裁判所によって異なります)

参考:破産宣告を行う際の注意点と自己破産を行う手順

4:免責審尋

同時破産廃止決定から約2か月後に、いよいよ借金をなくすための「免責手続き」が開始されます。こちらの手続きを終えることで初めて借金の支払義務が停止すると覚えておいてください。免責審尋は、指定された日時に裁判所へ足を運び、裁判官との面接を行います。

すべてのケースではありませんが、当日、免責審尋を受ける人が集められ、15分程度裁判官から説明を受けます。これで、破産手続きとしてやることはすべて終了です。

管財手続きの場合

免責審尋の時点で、免責の不許可事由が見つかると管財人と面接を行わなければなりません。

債務者も必ず出席し、なるべく1回の面接え終えるように進めます。ただし、資産隠しなどの問題が見つかった場合は何度でも面接が行われます。

面接日から6ヶ月以内に債権者集会が行われます。債権者集会には金融業者は出席せず知人などの個人債権者が集まり問題なければ1回の集会で終了します。

5:免責許可決定

免責審尋から約1週間以内に裁判所から「免責許可決定」が出て、借金の返済を裁判所が免除されることになります。このタイミングで住所・氏名が官報(自己破産者の情報)に掲載されます。

6:免責許可決定の確定

免責許可決定から約1~2か月後、免責許可決定が法律上しっかりと確定した状態になります。免責許可決定が確定すれば、借金を返済する必要は完全になくなります。

破産手続き中に制限されていた警備員や保険外交員等など職にもつけるようになります。住宅ローンやクレジットカードの発行は5~10年が必要になりますが、それ以外は特に問題もなく過ごすことができるでしょう。

参考:自己破産後に免責になるための条件と知っておくべき対策

破産手続きが開始した時点で受ける制限

破産手続き開始と同時に以下の職業に一定期間就けなくなります。

  • 弁護士や司法書士といった○○士とされるもの
  • 警備員
  • 建築業
  • 生命保険募集人
  • 旅行業者
  • 賃金業者

他にも公務員の委員長(教育委員会や公正取引委員会)日本銀行や信用金庫の役人には就けません。

自己破産手続きを行う上で知っておくべき事

破産手続きは以上になりますが、自己破産を行う上でのデメリットや注意点などをご紹介しておきます。

自己破産のデメリット

最も大きなデメリットは、家族にも迷惑がかかるという点です。自己破産をすることで取り立てが家族へいく事はありませんが、もし家族が連帯保証人になっていた場合はたとえ自己破産をした後でも関係なく連帯保証人に取り立てがいきますので、家族に迷惑をかけることになります。つまり、自己破産をすることで債務者本人の支払い義務はなくなるものの、連帯保証人は完済するまで借金を支払い続けなければなりません。

  • クレジットカードが利用できなくなる
  • 一定期間就ける職業に制限がかかる
  • 財産が没収される
  • ブラックリストに載る
  • 官報に氏名・名前・破産手続きが載る

こういったデメリットを踏まえた上で選択して頂ければと思います。

【参考】

インターネット版:官報

自己破産のデメリットとメリット|破産すべき人そうでない人

ブラックリストに載る理由と消し方|ブラックリストの全知識

自己破産をすると年金は受け取れない?

自己破産をしても年金を打ち切られることはありません。国民年金や厚生年金等は、法律上差押禁止財産に指定されていますので、破産手続き開始の決定でも影響は受けません。

自己破産をしたら生活保護は受けられない?

たとえ自己破産をしてもその後生活を立て直すために生活保護を受けることも可能です。ただし受給するには、最低限の収入がないことや働けないことを証明する必要があります。

破産手続き申し立てても勤務先に判明する事はないのか?

低いケースかと思いますが、勤務先からの借入れがある場合は通知が行くことになります。しかし、会社に対して債務がない際は、裁判所から勤務先に通知が行く事はありません。

免責許可決定が確定すると本当にすべての借金がなくなるのか?

免責許可決定が確定しても、あらゆる債務の支払が免除されるわけではありません。

  • 税金や罰金
  • 過料
  • 不法行為による損害賠償請求権
  • 故意又は重大な過失により加えた損害賠償請求権
  • 夫婦間の婚姻費用分担請求権
  • 子に関する養育費請求権
  • 従業員等の給料請求権
  • 破産者が債権者一覧表に記載しなかった債権

上記のものは破産法上非免責債権とされ、自己破産をしても支払い義務がなくなるわけではありません。国民の義務である税金の支払いが困難である場合は自己破産の旨を役所に伝えましょう。

分割で支払う方法など無理のない範囲で税金を支払うための方法を教えてくれます。税金の滞納分はそのままにしておくことが1番望ましくないことですので必ず役所に行って相談するようにしてください。

自己破産とは|自己破産の方法と破産後の生活の完全ガイド

自己破産をしても一定の財産を持つことは認められる

事故破産をしても生活に必要な日用品や価値が20万円以内の車や生命保険は手元に残すことができます。

また、現金は99万円まで持つことができますが99万円を銀行口座にいれてしまうと、預貯金が20万円を超えた時点で一定の財産にならずに債権者の分配にまわされます。

つまり銀行口座には20万円以上のお金は残さずに残り99万円までは現金として持つようにしましょう。

破産手続き後に増えたお金について

一定の財産の上限額である99万円を持っている状態で破産手続きをし、その後99万円を超える現金を手にするとします。この場合は何の問題もなく所持できますのでご安心ください。

ただし退職金などのある程度まとまった金額が入った場合は管財手続きを行う必要もでてくるので、その場合はわかった時点で早めに弁護士へ相談しましょう。

まとめ

破産手続きの一連の流れをお伝えしましたがご理解いただけましたでしょうか。

手続きで最も難しいのは初めに紹介した書類作成の部分でしょう。もしこの時点で書類を揃えるのが難しいと感じたり、賃金業者からの取り立てや催促から逃れたい気持ちになりましたら弁護士などの専門家に依頼する事をおすすめします。

また弁護士費用が用意できない場合は、法テラスを利用することで一時的に弁護士費用の立替を行ってくれますのでそちらで相談するのも良いでしょう。

参考:法テラス

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債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。

ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたを債務整理ナビの弁護士・司法書士がサポートいたします。

編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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