自己破産をしたらどうなる?破産後の生活が不安な方への対処方法

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自己破産をしたらどうなる?破産後の生活が不安な方への対処方法
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2018.3.30

自己破産をしたらどうなる?破産後の生活が不安な方への対処方法

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自己破産するとどうなるのでしょうか。借金から解放されるために自己破産を検討する方は少なくありませんが、同時に破産後の生活を心配するあまり手続きに踏み出せない方もいるようです。

 

自己破産により私生活へどのような影響が及ぼすのかは、自己破産する前にきちんと検討しておきたいところですが、本記事では自己破産が私生活へ与える影響、自己破産に不安を感じる方へ向けた対処方法を紹介します。

 

 

 

自己破産するとどうなるの?

早速ですが、「自己破産するとどうなるのか」を紹介します。

 

借金が免除される

まず、自己破産をすると、裁判所から免責(※1)の許可を貰うことでほとんどの借金がゼロになります。しかし、税金や養育費は非免責債権(※2)に該当するため、自己破産後も支払い義務は免除されません。

 

《非免責債権》

  • 養育費
  • 損害賠償請求権
  • 滞納中の税金(年金、健康保険、住民税など)
  • 滞納中の罰金

参考:「免責」

 

1免責

自己破産手続で破産者の借金返済義務を免除することを意味する。

2非免責債権

免責の効果が及ばない債権(※3)

3債権

ある人へ対して特定行為を請求できる権利

《例》賃金業者は借入を行った者に対し借金返済を求める権利がある

 

家や車などの財産が換価処分される【生命保険はどうなるの?】

自己破産の手続きが開始すると、家や車など20万円超の換金価値がある財産は全て換価処分されます。そのため、債務者はこれら財産の管理・処分権を失います。

一方で①99万円以下の現金、②20万円以下の預金、②高価ではない生活必需品等は、申立人の最低限度の生活を保護するために換価処分の対象とはなりません。

 

また、生命保険に関しては、申立のタイミングで解約した際の返戻金が20万円以下であれば換価処分されませんが、20万円を超える場合は換価処分の対象となります。

 

信用情報機関へ事故情報が掲載される【クレジットカード・キャッシングへの制限】

自己破産をすると、信用情報機関(※)へ個人情報と紐づけて事故情報が掲載(ブラックリスト入)されるため、破産から5年~10年の間、クレジットカードの発行やキャッシングの利用が難しくなります。

関連記事:「ブラックリストの掲載期間とブラックリスト情報の確認方法

 

※信用情報機関とは

各種金融機関における借入やクレジットカードなどの利用者の信用情報(氏名、年齢、勤務先などの個人情報や、返済状況、契約内容など)の管理や開示する機関

 

保証人に取り立てがいく

自己破産では破産者の借金は免除されますが、保証人の義務は免除されません。そのため、自己破産で借金が免除されると、当然保証人は代わりに返済するよう求められます。

 

官報へ個人情報が登録される【周囲の人へ破産事実がバレるのか?】

自己破産をすると官報(※)へ氏名と破産の事実が掲載されます。周囲の人へ破産の事実が知られることを心配する方は少なくありませんが、一般の人が日頃、目にする機会はないため、周囲の方へ知られる可能性は低いと言われています。

 

もっとも、破産手続の中で退職金見込額証明書を提出することになった場合、職場の人が不審に思うリスクはゼロではありません。

 

※官報とは

法律や政令に関わる情報や、破産や相続に関する裁判の情報が記載された、行政が発行する機関紙

 

 

自己破産後の生活

続いて自己破産後の生活について紹介します。

 

住む家

自己破産をすると持ち家は換価処分の対象となりますので、持ち家に住んでいる方は、引越しの準備をしなければなりません。しかし、自己破産から5年~10年は信用情報機関にブラックリスト入りするため、住宅ローンを新たに組むことは難しく、不動産会社によっては提携先の保証会社が加入を認めません。

 

そのため、自己破産後の住居は、保証人が必要ないUR賃貸などの利用をおすすめします。また、賃貸物件にお住まいの方や、名義人が破産者ではない家に住んでいる場合は、自己破産後もそのまま元の家に住み続けることができるかもしれません。

 

子供の進路

自己破産によって子供の受験や就職が不利に扱われることはありませんが、破産から10年以内は、奨学金の保証人になることが難しいです。そのため、子供の進学時に奨学金を活用する場合は、破産者以外の親族へ保証人をお願いすることをおすすめします。

 

仕事

一般的に自己破産が原因で、退職を迫られる、査定に影響するなどの事態は起きませんが、自己破産の手続きが開始してから終わるまでの間、以下の職業へ就くことができなくなります。

 

  • 警備員
  • 生命保険外交員
  • 弁護士、司法書士、税理士、公認会計士など士業
  • 宅地建物取引主任者
  • 古物商、質屋 など

 

 

自己破産によくある誤解

自己破産が私生活に与える影響はゼロではありませんが、悪いイメージが先行しているために、多くの方が自己破産について誤解する内容も多々あります。

 

家族へ迷惑がかかる

自己破産をしたことにより、家族が財産を差押される、借金の取立に遭うなどの被害に遭うことはありません。しかし、先ほどお伝えした通り、家族が破産者の借金の保証人になっている場合は、自己破産することで返済の義務が発生します。また、家族が破産者の財産に依拠して生活している場合、これが換価処分の対象となることで生活に支障が生じるということは十分あり得るでしょう。

 

年金・生活保護が受給できなくなる

自己破産したことで年金や生活保護が受けられなくなることはありません。

【関連記事】

 

海外旅行へ行けなくなる

自己破産したことが出入国で不利で扱われることはないため、破産後も海外旅行へ行くことはできます。ただし、管財事件の場合には海外渡航について裁判所からの許可が必要です。

 

戸籍へ記録され選挙権がなくなる

自己破産の事実は、戸籍や住民票に記載されることはありません。

また、選挙権は18歳以上の日本国民の方に対して平等に与えらえる権利であるため、自己破産により選挙権が剥奪されることはありません。

 

 

自己破産が不安な方へ

最後に自己破産に対して不安を感じる方へ向けて対処方法を紹介します。

 

破産後も携帯電話を使用したい

携帯電話の端末料金は、分割で支払う方が多いと思いますが、自己破産の申立時に通信料を滞納している場合は、自己破産の際に通信契約が解除される可能性があります(そのため、携帯電話の利用ができなくなります。)。

 

また、破産後の5年~10年、分割支払いで携帯電話の新規購入は難しくなります。

 

もし、自己破産後に携帯電話を購入したい方は、一括で購入することになりますが、端末料金は安くありません。そのため、親族に代わりに携帯電話を契約してもらうか、プリペイド携帯の格安SIMまたは、中古で端末本体を購入することをおすすめします。

 

破産後もクレジットカードを持ちたい

自己破産すると5年~10年の間、クレジットカードの利用が難しくなりますが、カード決算する機会の多い方は、デビットカードの利用を検討しましょう。デビットカードは、対象の口座の預金残高の範囲内でカード決算できるカードであり、自己破産後も利用できます。

 

自己破産により持ち家を手放しくない

自己破産をすると破産者名義の家は換価処分されますが、借金を整理したいけど持ち家を手放したくない方は、個人再生(※)を検討しましょう。

この場合住宅ローンは免除されませんが、その他の債務は最大で9割減額できます。

 

関連記事:「個人再生をする人が住宅ローンを残すための知識のまとめ

 

※個人再生とは

裁判所を介して、借金の減額により申立人の生活を再生することを目的とした手続き。手続きが適用されると減額後の借金は、3年以内に完済しなければならない。

 

保証人へ迷惑をかけたくない

自己破産をすると、保証人に取立がいきます。保証人へ迷惑をかけたくない場合は、任意整理(※1)をおすすめします。

 

自己破産や個人再生は、全ての債権者(※2)の借金が手続きの対象に含まれますが、任意整理は対象の債権者を選択できるため、保証人付の借金だけ対象から外すことが可能です。

 

1任意整理

債権者と直接、交渉(弁護士や認定司法書士が代理で行うことが一般的)することで返済の負担を減らすための手続き。①将来利息の免除、②遅延損害金の免除、③過払い金(※3)の返還などが期待できる。

【関連記事】:【弁護士監修】任意整理とは?デメリットとメリットをわかりやすく解説

 

2債権者

ある者へ特定の行為を請求する権利がある者。

《例》賃金業者は借入を行った者に対し借金返済を求める権利がある

 

3過払い金

法定金利(15%~18%)を超える金利で返済した支払い過ぎた利息。主に2010年までに消費者金融にて借入、返済をしていた方が過払い金の発生している可能性が高い。

【関連記事】:過払い金の対象となる人に共通する9つの特徴

 

 

 

まとめ

本記事では「自己破産をするとどうなるのか?」について詳しくまとめましたが、自己破産による影響は、自己破産をする人の状況によって異なります。

 

また、どの方法で借金問題を解決するべきなのかも状況によって異なるので、「自身に適した手続きがわからない」方は一度、法律事務所へ相談されることをおすすめします。

 

 

【法律監修】プラム綜合法律事務所 梅澤康二弁護士

出典元一覧

 

 

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債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。

ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたを債務整理ナビの弁護士・司法書士がサポートいたします。

編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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