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生活保護受給中でも自己破産はできる!手続きの流れを徹底解説

生活保護受給中でも自己破産はできる!手続きの流れを徹底解説

「このままでは生活が成り立たない…」と悩んでいる方にとって、自己破産は有効な解決策の一つです。

しかし、「生活保護を受けていると自己破産はできるの?」と不安を感じている方も多いでしょう。

本記事では、生活保護受給中の方が自己破産を検討する際に知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。

自己破産の条件や手続きの流れ、注意点まで詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

借金問題を解決し、安心して生活を続けるための第一歩を踏み出しましょう。

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生活保護を受け取っていても自己破産はできる!

結論からお伝えすると、生活保護の受給中でも自己破産は可能です。

自己破産は、裁判所を通してほぼ全ての借金の返済義務を帳消しにする手続きであり、以下の2つの要件を満たしていれば誰でも利用できます。

  1. 借金が継続的に支払い不能である
  2. 免責不許可事由にあたる事情がない

自己破産の利用要件に生活保護を受給していないというものはありません。

むしろ、生活保護を受給しなければならないほど収入や財産が無い方であれば、支払い不能という条件を十分に満たすはずです。

しかし、ギャンブルや投資が原因で借金を返せなくなったり、すでに返済不能状態であるにもかかわらず、新たに借入をしていたりといった場合、自己破産手続きができないケースもあります。

生活保護を受けているかどうかにかかわらず、借金を返済できなくなった理由によっては、自己破産が認められないケースがあることを知っておきましょう。

ただし、裁判所の担当者からの質問に正直に答えて真摯に反省をしている姿勢を示せば、免責を受けられる可能性も十分にあります。

生活保護受給者が自己破産をする際の流れ|簡単3ステップ

生活保護受給者は、適切な手続きを踏めば弁護士費用をかけずに自己破産が可能です。

生活保護受給者が自己破産をする際は、以下のステップにしたがって手続きを進めましょう。

  1. 法テラスで弁護士と相談する
  2. 弁護士費用立替制度に申し込む
  3. 弁護士に自己破産の手続きを任せる

それぞれの手順について、詳しく解説します。

1.法テラスで弁護士と相談する

自己破産を考えている生活保護受給者の方は、まず法テラス(日本司法支援センター)を利用して弁護士に相談するのがおすすめです。

法テラスとは、経済的に余裕がない人が法的な支援を受けられるように設けられた公的機関であり、収入が一定以下であるなどの条件を満たせば無料で相談を受けられます。

生活保護を受給している方は収入要件を満たしているため、法テラスを通じて弁護士と面談し、自己破産の手続きが可能かどうかを相談しましょう。

相談する際は、事前にインターネットから予約し、電話や面談にて借金の総額や債権者の数、生活状況などを伝え、自己破産が最適な解決策かどうかを判断してもらえます。

借金の状況などによっては、自己破産ではなくその他の対処をとったほうがいい可能性もあるため、必ず一度は相談するとよいでしょう。

法テラスと契約している弁護士と相談することも可能

確実かつ迅速に自己破産を進めるためには、自分で弁護士を探して、法テラスを利用する方法がおすすめです。

最初から法テラスに相談して手続きを進めると、費用を抑えて弁護士などの専門家に相談できますが、担当弁護士を自分で選ぶことができません。

弁護士の対応業務は、借金問題だけでなく相続・離婚・交通事故など多岐にわたり、それぞれの弁護士によって得意とする対応分野が異なります。

そのため、法テラスを通じて弁護士に相談すると、自己破産をはじめとした債務整理の実績が少ない弁護士にあたり、手続きがスムーズに進められないというリスクがあるのです。

一方で、自分で弁護士を探せば、口コミや実績などを参考に、自己破産などの借金問題解決を得意とする弁護士をパートナーに選べます。

ただし、自分で弁護士を選ぶ際は、法テラスと契約している弁護士事務所に依頼する必要があるため、ホームページなどから法テラスとの契約の有無を確認しておきましょう。

2.弁護士費用立替制度に申し込む

生活保護受給者が自己破産をする場合、弁護士費用の支払いが難しいことが多いため、法テラスの弁護士費用立替制度(民事法律扶助)を利用するのが一般的です。

この制度を利用すると、自己破産の手続きを進めるための弁護士費用を法テラスが一時的に立て替えてくれます。

また、通常法テラスの立替制度を利用した場合、毎月5000円ほどの分割払いで返済していく必要がありますが、生活保護受給者の場合は特例として返済が免除される可能性があります。

そのため、生活保護受給者は、法テラスを利用すれば弁護士費用の負担を気にせず自己破産手続きを進めることができるのです。

なお、弁護士費用立替制度を利用するためには、以下のような書類を準備する必要があります。

弁護士費用立替制度を利用する際の主な必要書類
  • 援助申込書・法律相談書
  • 生活保護受給証明書
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 通帳の写しなど銀行口座の履歴がわかるもの
  • 債権者一覧表
  • 家計収支表 など

実際に必要となる書類は個々のケースによって異なるので、相談の際に担当の弁護士に確認しましょう。

3.弁護士に自己破産の手続きを任せる

弁護士費用立替制度の利用申請をしたら、弁護士に自己破産の手続きを依頼します。

弁護士に依頼すると自己破産の手続きは、以下のように進んでいきます。

手順

概要

受任通知の送付

弁護士が債権者に対して「受任通知」を送ることで、債権者からの督促がストップします。これにより、債務者は借金の取り立てから解放され、落ち着いて手続きを進められます。

必要書類の準備

生活保護受給証明書、借入状況がわかる書類、収入や支出を示す資料など、自己破産に必要な書類を弁護士の指示にしたがって準備します。

自己破産の申し立て

弁護士が裁判所に自己破産の申立書を提出し、手続きを開始します。

裁判所の審査

裁判所は、債務の状況や生活状況を審査し、自己破産の可否を判断します。特に問題がなければ免責許可決定が下され、借金が免除されます。

自己破産の手続きは複雑ですが、弁護士がほぼ全て代行してくれるので心配する必要はありません。

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生活保護受給者が自己破産をするときの2つのポイント

ここでは、生活保護受給者が自己破産をするときのポイントを2つ紹介します。

1.できる限り早く相談する

生活保護を受給しながら借金問題を抱えている場合、できる限り早く弁護士や法テラスに相談して自己破産に踏み切るべきです。

生活保護の受給費は、あくまで最低限の生活を保障するために国から支給されるものであり、生活費以外の用途に使うことは禁止されています。

そのため、生活保護費を借金返済に充てていることが発覚した場合、生活保護が打ち切られるリスクがあるのです。

また、借金の返済が滞ると、債権者からの督促が続き、最悪の場合は給与や口座の差し押さえに発展する可能性があります。

生活保護受給者は収入が限られているため、差し押さえがおこなわれると生活がさらに困難になるでしょう。

生活保護受給者の場合は、法テラスの弁護士費用立替制度を利用すれば、弁護士費用をかけずに自己破産を進められますが、法テラスの事前審査には1ヵ月〜2ヵ月程度の期間を要します。

余裕を持って相談を始めることで、差し押さえのリスクを回避しつつスムーズに手続きを進められるでしょう。

早めの行動が、精神的な負担を軽減し、生活の立て直しにもつながるはずです。

2.ケースワーカーにも相談する

生活保護受給者が自己破産をする際は、担当のケースワーカーにも相談しておくことも大切です。

自己破産によって生活保護の支給が打ち切られることはありませんが、申請や手続きに関する情報をケースワーカーと共有することで、自己破産をスムーズに進められるはずです。

また、自己破産の手続きでは、生活保護費を受給している証明書が必要になることがあります。

ケースワーカーに相談しておけば、必要書類の準備が円滑に進むでしょう。

なお、自己破産の手続き中は生活保護の範囲内で家計管理を見直す必要があるため、ケースワーカーの助言を受けることで、より安定した生活設計を立てられます。

自己破産と生活保護の手続きはどちらを先におこなうべき?

自己破産と生活保護は、どちらを先にしたほうがいいという明確な基準はありません。

ただし、生活保護費から借金の返済はできないという決まりから、役所に相談すると先に自己破産をして借金を整理してから生活保護の申請をするように促されるケースも多いです。

とはいえ、自己破産と生活保護のどちらを先に進めるかによって、それぞれ異なるメリットがあるため注意しましょう。

自己破産を先におこなう場合

自己破産を先におこなうことで、借金の返済義務がなくなり、生活保護の申請がスムーズに進む場合があります。

そのほか、自己破産を先におこなうメリットは、以下のとおりです。

メリット

詳細

借金を完全に整理できる

生活保護の申請前に自己破産を完了させることで、借金の返済義務がなくなり、生活再建に集中できる。

生活保護の受給がスムーズになる

生活保護受給中に自己破産をすると、収入状況を厳しく管理されるため、申立てに影響が出る可能性がある。先に自己破産を済ませることで、自由に手続きが進められる。

不要な財産を整理できる

自己破産をすると、一定額以上の預貯金や不動産などの高額な資産が処分されるため、生活保護申請時の資産要件を満たしやすくなる。

債権者からの取り立てを早く止められる

弁護士に依頼すれば、受任通知の効果によって督促が即座に停止し、精神的な負担が軽減される。

自己破産を先におこなう場合、借金を整理してから生活保護を申請する形になるため、手続きがスムーズに進む可能性が高まります。

法テラスの弁護士費用立替制度も、これから生活保護を受給しようと検討している方であれば問題なく利用できるケースが多いので、自己破産をしてから生活保護を受給するという流れが一般的でしょう。

生活保護の申請を先におこなう場合

生活保護の申請を先におこなうと、最低限の生活費を確保しながら自己破産の手続きを進められます。

とくに、無職で収入が無く生活が厳しい場合は、生活保護を先に申請するのが現実的です。

そのほか、生活保護を先に申請するメリットには以下のようなものがあります。

メリット

詳細

最低限の生活費を確保できる

生活保護を受給することで、家賃や食費などの生活費が支給され、自己破産手続き中も安心して生活できる。

弁護士費用の免除を受けやすい

生活保護受給者は、法テラスの弁護士費用立替制度を利用する際、費用の返済を免除される可能性が高くなる。

安定した環境で手続きを進められる

生活保護を受給していれば、家賃滞納や電気・ガス・水道の停止の心配がなく、落ち着いて自己破産の準備ができる。

とくに、自己破産による免責確定までは半年程度かかるケースが多い一方で、生活保護は最短14日で受給できます。

借金の返済ができず、目先の生活費を確保するのも困難という状況であれば、生活保護を先に申請するべきでしょう。

さいごに|生活保護受給中に自己破産をするなら法テラスに相談しよう

本記事では、生活保護受給者が自己破産をする場合の手続きや注意点について詳しく解説しました。

生活保護をすでに受給中の方や、これから受給を検討している方でも、自己破産による借金の免責は可能です。

ただし、借金や収入の状況によってどちらを先におこなうべきかは異なるので、借金問題に詳しい弁護士のアドバイスを受けることをおすすめします。

また、法テラスの弁護士費用立替制度を利用する際は、法テラスと契約している弁護士に依頼したうえで法テラスに案件を持ち込んでもらう持ち込み方式を利用しましょう。

ベンナビ債務整理では、債務整理の実績が豊富で、かつ法テラスの利用ができる弁護士を多数紹介しています。

どの弁護士を頼ったらいいかわからない方は、ぜひご利用ください。

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この記事の監修者
弁護士法人春田法律事務所
春田 藤麿 (第一東京弁護士会)
「お客様の期待を上回る結果を目指す」「生涯にわたり、お客様のパートナーとなる」ことを理念とし、2016年に設立。現在は全国にオフィスを構え、個人・法人を問わず、ニーズに合わせたサポートを提供。
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編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。