同時廃止するには免責不許可事由がないことが重要!


自己破産をする際、免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)があると、支払える費用がないと主張しても、同時廃止にならない可能性があります。
同時廃止にならないということは、管財事件(※)となり同時廃止と比較して費用が何十万と必要になったり、数ヶ月分期間が長引いたりします。
また、免責不許可事由があると、免責許可(借金をゼロにする許可)が受けられず、自己破産したにもかかわらず、借金の返済義務が残るという最悪な状態になる可能性もあります。
この記事では、免責不許可事由と同時廃止の関係についてご紹介します。
同時廃止で自己破産したい方へ |
同時廃止は、収入以外にも免責不許可事由がないことを証明することが重要です。そのため、裁判所からの信用がある債務整理の得意な弁護士に相談することがベストです。その他にも、弁護士に相談すると、以下のようなメリットがあります。
借金原因は問われませんので、まずは、お気軽にご相談ください。 |
同時廃止と免責不許可事由|同時廃止になる条件とは
ここでは、同時廃止になる条件や免責不許可事由に該当する具体的な内容についてご紹介します。
同時廃止になる条件
同時廃止になる条件は、裁判所が「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるとき」と定められています(破産法第216条第1項)。
わかりやすく言えば、「破産者の資産が破産手続費用よりも少ない場合」に同時廃止となります。破産手続費用は、債権者への通知を行う際の印紙代や弁護士費用などを含み、20万円程度となります。よって、それ以上の資産があれば、管財事件となる可能性があるのです。
しかし、破産を申立てる時点で十分に資産の調査が行われなかった場合、裁判所の判断で、管財事件として、管財人の調査が行われることがあります。
また、債務者に免責不許可事由があることが見込まれる場合にも、破産申立人の債務の原因や経緯などの詳細を調査しなければ判断を下すことができません。
そのため、免責不許可事由があると疑われた場合には、裁判所の判断で破産管財人が選任され、同時廃止とならないことがあります。
免責不許可事由の具体的な内容とは
破産法252条1項各号には、多くの免責不許可事由が規定されています。その中で、問題となることが多いものをいくつかご紹介します。
借金原因がギャンブルや浪費
ここで意味するギャンブルは、競馬や競輪といった公営ギャンブルに限りません。パチンコや不動産投資、FX(外国為替証拠金取引)なども含まれます。
また、債権者から借りたお金を風俗や接待費、宴会などの飲食費に充てていたような場合でも、免責不許可事由となります。
債権者を平等に扱わない
破産手続は債権者平等という大原則に基づいて行われます。そのため、債権者の一部にだけ借金を返済すると、この原則に違反したこととなり、免責を裁判所に認めて貰えないことがありますので、注意が必要です。
管財事件で問題になる免責不許可事由
破産管財人に非協力的
免責手続きを主体的に進めるのは、裁判所から選任された破産管財人です。
この破産管財人に協力しない破産申立人の行為は、破産手続を妨害する行為に該当するため、免責が受けられない場合があります。
財産隠避
財産を隠すという行為は、破産管財人に対する非協力的な行為となり、免責を受けられない可能性があります。
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同時廃止決定後に免責不許可事由で決定が覆ることはあるの?
同時廃止が決まった後、免責不許可事由があるとして管財事件になることはあるのでしょうか。
原則として決定は覆らない
同時廃止の決定が出た後に、免責不許可事由によって決定が覆るということは基本的にはありません。
確かに、同時廃止決定に対して不服な場合、債権者は即時抗告という不服申立てを行うことができます。
もし、債権者がこの即時抗告を行い、裁判所が認めたならば、同時廃止決定が覆る場合もあります。しかし、現実にはそういったケースはあまり存在しません。
不安なら弁護士へ相談する
もし、免責が認められるかどうか不安な場合は、弁護士に相談すると良いでしょう。弁護士に相談することで免責許可決定を受けられる可能性が高まります。
弁護士は法律の専門家ですから、破産手続に精通しています。法律知識や弁護士としての経験を活かし、有利な方法で書類を作成してくれたり、裁判官と面接を行う際には、「どのように質問に受け答えすればよいのか」など、実践的なアドバイスをしてくれたりします。
法テラスの無料相談などを利用し、弁護士に相談してみるのもよいでしょう。
弁護士に相談する前にあなたの免責不許可事由をまとめておく
弁護士へ相談する前に一度、自分が抱えている債務(借金)を確認しておきましょう。
どこから、どれくらいのお金を借りているのか、借りている期間はどのくらいなのかなど、わかる範囲で一覧表などにまとめてみましょう。そして、借金をしてしまった原因は何なのかも見直しておくと、弁護士に相談する際に円滑に話を進めることができます。
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まとめ
少しでも免責不許可事由があるのではないかと疑われてしまうと、同時廃止が難しくなることがおわかりいただけたと思います。
裁判官に疑われないためには、弁護士から免責不許可事由はないことを証明してもらうことが最善です。
もし不許可事由に心当たりがある方は、まず弁護士に正直に相談しましょう。それにより、最適な解決方法を弁護士がご提案します。

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