任意整理後に一括返済するメリット・デメリットとは?


任意整理後は和解案に従い、毎月決められた額を返済していくのが通常ですが、経済的な余裕ができたなどの理由で、残りの借金を一括返済することも可能です。ただし、いくつか注意点もあるので覚えておきましょう
この記事では、
- 一括返済のメリット・デメリット
- 一括返済をするときの注意点
- 任意整理を弁護士・司法書士に依頼するメリット・費用
などについて説明しているので、任意整理後の一括返済を考えている方は、一度目を通しておくとよいかもしれません。
【関連記事】任意整理とは?
任意整理を検討されているあなたへ | |
任意整理について詳しく知りたい、真剣に検討している人は弁護士・司法書士事務所に直接相談することをおすすめします。 弁護士・司法書士事務所に直接相談・依頼することで以下のような事が望めます。
借金原因は問われませんので、まずは、お気軽にご相談ください。 |
任意整理後に一括返済するメリット
ここでは、任意整理後に一括返済するメリットについてご紹介します。
信用情報の回復が早まる可能性がある
任意整理をおこなうと、信用情報機関に事故情報(いわゆる「ブラックリスト」)が登録されます。
この情報は、借金を完済してから約5年間登録され、その間は新たな借り入れやクレジットカードの作成が困難になります。
一括返済によって完済時期が早まれば、その分、信用情報から事故情報が削除されるタイミングも早まる可能性があります。
将来的に住宅ローンや自動車ローンなどを検討している方にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。
精神的な負担から解放される
長期間にわたる借金の返済は、「毎月きちんと返済できるだろうか」というプレッシャーや、将来への不安など、精神的に大きな負担となります。
一括返済によって借金が完済となれば、このような精神的な重圧から解放され、心理的に楽になります。
また、これまで返済に充てていたお金を、貯蓄や自己投資、あるいは生活の質の向上のために使えるようになり、家計に大きな余裕が生まれます。
生活の再建に向けて、前向きな一歩を踏み出すための大きなきっかけとなるでしょう。
任意整理後に一括返済するデメリット
ここからは、任意整理後に一括返済するデメリットについてご紹介します。
返済が負担になる可能性がある
一括返済のために貯蓄の大部分を使い果たしてしまうと、以下のような事態に陥る危険性があります。
-
急な出費に対応できない: 病気やケガによる医療費、冠婚葬祭、家電の故障といった予期せぬ出費が発生した際に、対応できるお金がなくなってしまいます。
-
生活苦に陥る: 手元資金がない不安から精神的に追い詰められたり、日々の生活が苦しくなったりする可能性があります。
-
新たな借金につながる: 結果的に生活費などが足りなくなり、別の金融機関や、場合によっては違法な業者からお金を借りてしまうという本末転倒な状況になりかねません。
生活を再建するためには、最低でも生活費の3ヶ月〜半年分程度の「生活防衛資金」を確保しておくことが非常に重要です。
総返済額が減らないことも多い
任意整理の和解契約では、すでに将来発生するはずだった利息(将来利息)はカットされているため、分割で返済しても一括で返済しても、支払う元金の総額は変わらないというケースがほとんどです。
「一括で払うのだから、大幅に減額してもらえるだろう」と過度に期待していると、思ったほどのメリットが得られず、単に手元の資金を失うだけという結果になる可能性もあります。
任意整理後に一括返済する際の注意点
一括返済をするために新たな借金をしない
任意整理で返済中の方が、その完済のために別の場所からお金を借りる行為は、借金問題を解決するどころか、より深刻な状況に陥る危険性をはらんでいます。
任意整理のメリットは、将来発生するはずだった利息(将来利息)をカットしてもらい、返済の負担を軽減することにあります。
それにもかかわらず、一括返済のために新たに利息が付く借金をしてしまっては、せっかくカットしてもらった利息が別の形で復活する、あるいはそれ以上に膨らんでしまい、本末転倒になってしまいます。
また、事故情報が登録されている状態でお金を借りられる相手は非常に限られ、闇金などの危険な業者に手を出してしまうリスクが高まります。
一括返済は、あくまでご自身の貯蓄や賞与などでおこなうことが原則です。
生活防衛資金は必ず確保する
一括返済を焦るあまり、手元の預貯金のほとんどを使い果たしてしまうのは危険です。
病気、ケガ、失業、冠婚葬祭など、人生には予期せぬ出費がつきものです。
こうした事態に備え、最低でも生活費の3ヶ月分、できれば半年分は「生活防衛資金」として必ず手元に残してください。
返済後の生活が不安定になっては意味がありません。無理のない資金計画を立てることが重要です。
債権者平等の原則を守る必要がある
複数の債権者がいる場合、特定の債権者だけに優先して一括返済する行為は「偏頗弁済」と見なされるリスクがあります。
これは、将来的に返済が難しくなり自己破産や個人再生へ移行する必要が出た際に問題となる可能性があります。
そのため、 一括返済をするのであれば、基本的には任意整理の対象となっているすべての債権者に対して、同時に行うのが望ましいです。
特定の1社だけに返済したい場合は、その行為に問題がないか、必ず専門家に確認してください。
任意整理を弁護士・司法書士に依頼するメリット
これから任意整理を始める方は、弁護士・司法書士に依頼して任意整理をおこなうことをおすすめします。
弁護士費用はかかってしまいますが、以下のようなメリットを受けることができるので、前向きに検討してみてください。
ただし、司法書士は、借金が1社あたり140万円を超える案件には対応できないので注意してください。
取り立てが止まる
弁護士や司法書士に任意整理を依頼する最大のメリットの一つは、貸金業者からの直接の取り立てが最短即日でストップすることです。
専門家は依頼を受けると、直ちに「受任通知」という書面を各貸金業者へ送付します。
貸金業法では、この通知を受け取った業者は、正当な理由なく債務者本人へ電話や郵便などで直接連絡・取り立てをすることが法的に禁止されています。
これにより、これまで精神的に大きな負担となっていた督促の電話や郵便物から解放され、心の平穏を取り戻すことができます。
厳しい取り立てに追われる日々から抜け出し、落ち着いた環境で手続きを進められる点はメリットと言えるでしょう。
任意整理の手続きを一任できる
任意整理には、正確な借金額の調査、法律に基づいた利息の再計算、将来利息カットの交渉、そして法的に有効な和解契約書の作成など、専門的な知識を要する複雑な手続きが多く含まれます。
これらをすべて個人で行うのは非常に困難であり、多大な時間と労力がかかります。
専門家に依頼すれば、これらの煩雑で専門的な手続きをすべて代行してもらえます。
依頼者は、専門家からの進捗報告を受けながら、普段通り仕事や家庭生活に集中することができます。
交渉のプロである専門家が間に入ることで、個人で対応するよりもスムーズかつ有利な条件で和解できる可能性も高まります。
精神的・時間的な負担を大幅に軽減できる点は、大きなメリットです。
任意整理をおこなっていることが知られにくい
専門家に依頼すると、すべての連絡窓口は専門家の事務所になります。
貸金業者から自宅や職場に電話がかかってくることはなくなり、専門家からの連絡も携帯電話や個人メール、事務所名のない封筒での郵送など、依頼者の希望に沿ったプライバシー配慮がなされます。
このように、専門家のサポートにより、家族や会社など周囲の人に知られることなく借金問題を解決しやすい点は、多くの方にとって大きな安心材料となります。
無理のない返済計画を立ててくれる
自分で返済計画を立てると、焦りや希望的観測から、現実の家計状況に見合わない無理な計画を立ててしまいがちです。
その結果、返済が途中で苦しくなり、計画が破綻してしまうケースも少なくありません。
弁護士や司法書士は、まず依頼者の収入や支出、家族構成などを丁寧にヒアリングし、家計状況を客観的に分析します。
その上で、日々の生活を維持しながら、かつ継続的に支払っていける現実的な「返済可能額」を算出します。
そして、この無理のない金額を基に、貸金業者と通常3年〜5年での分割返済となるよう交渉し、和解を取りまとめます。
生活再建という最終目標を見据え、現実的な返済計画を専門家の視点で設計してくれることは、借金問題を解決する上で重要なメリットです。
無料相談を行っている弁護士・司法書士も多いため、一度相談してアドバイスをもらってみましょう。
【任意整理を依頼するメリットについて詳しく知りたい方はこちら】
任意整理を弁護士・司法書士に依頼する際の費用
任意整理の弁護士費用は、債権者数や借金の総額によっても変わってきますが、費用相場としては以下の通りです。
【任意整理の弁護士費用】
着手金(債権者の数×1~2万円)+減額報酬金(減額できた借金の10%)
また、事務所によっては分割払いに対応していたり着手金・相談料が無料になっていたりしますので、すぐに依頼費を用意できなくても心配する必要はありません。
まずは無料相談を活用して、専門家に状況を説明することをおすすめします。
まとめ|任意整理の一括返済については弁護士に相談を
任意整理後に一括返済するのは可能ですが、経済的に過度な負担とならないかは注意しましょう。
これから任意整理をする方は、弁護士や司法書士に依頼して、効率的な返済計画を立てることをおすすめします。
大切なのは、任意整理をすることではなく、借金を減らすことだということを忘れないようにしましょう。

闇金問題の相談窓口【初回相談無料/分割払い・後払い対応】闇金問題に豊富な経験あり・月間400件以上の解決実績のある司法書士が違法な取り立てからお客様を解放します/任意整理・時効援用にも対応可<即日対応・24時間体制>
事務所詳細を見る
【自宅・資産を守りながら借金を解決】個人再生で新たなスタートを切るお手伝いをします!借金減額・月々の支払いの軽減で負担の少ない返済を/オンライン相談・分割払い可◎/まずは無料相談から!任意整理・自己破産・法人破産にも対応
事務所詳細を見る
【全国65拠点以上】【法律相談実績90万人以上】【周りに知られずに相談OK】はじめの一歩は弁護士への無料相談!あなたの街のアディーレに、何でもお気軽にご相談ください
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡

任意整理に関する新着コラム
-
自己破産を弁護士に依頼した後、任意整理に変更することは可能です。ただし、早めに行動しないと手遅れになることも。本記事では、自己破産から任意整理に変更...
-
債務整理と任意整理は、似た言葉ですが厳密には異なるものを指します。債務整理は借金問題を解決する手段の総称であり、その中の一つとして任意整理が含まれま...
-
任意整理は債権者と交渉して借金の返済負担軽減を目指す手続きです。本記事では、任意整理を弁護士に依頼したあとの手続きの流れ8ステップと、任意整理をスム...
-
本記事では、300万円の借金を任意整理した場合に月々の返済額がどうなるか具体的なシミュレーションを紹介します。任意整理するべき・しないべきケースにつ...
-
任意整理は借金返済の負担を抑えるための有効な手段です。しかし、ほとんどのケースでブラックリストに載ってしまうためさまざまな不利益が生じることも想定し...
-
本記事では、法テラスを利用した任意整理にかかる費用の目安や利用条件、手続きの流れについて、初めての方にもわかりやすく解説します。「費用が不安で手続き...
-
本記事では、任意整理の弁護士費用が気になる方に向けて、任意整理にかかる弁護士費用の内訳と相場、弁護士費用のシミュレーション、弁護士費用が相場よりも高...
-
本記事では、任意整理後のスマホの利用に関するポイントをわかりやすく解説します。任意整理後にスマホを新規購入する方法についても紹介するので、ぜひ参考に...
-
クレジットカードは便利な支払い手段ですが、使い過ぎると借金が膨らんでしまう可能性があります。 その際、任意整理を実施すれば借金を減額できます。 ...
-
任意整理は、裁判所を介さずに、直接お金を借りている金融機関と交渉をおこなうことで借金の減額を目指す手続きです。本記事では、任意整理をおこなうことで起...
任意整理に関する人気コラム
-
「過払い金がまだ戻ってくるのか知りたい」方に向けて、過払い金の時効の調べ方や過払い金の時効についてよくある誤解、時効が不成立となる3つのパターンを解...
-
任意整理とは、債務者が債権者と交渉をして借金の返済金額とその返済方法を決め直すことですが、この任意整理中には「クレジットカードが持てない」「キャッシ...
-
任意整理を検討している人の多くは、弁護士費用が気になるかと思います。この記事では、弁護士費用の相場とともに、費用を抑える方法や支払いに不安がある人で...
-
時効の援用をすることで、時効が成立し借金の返済義務が消滅します。ただ誰でも利用できるわけではありません。この記事では、時効を狙っている人や時効間近の...
-
任意整理を行って借金の整理を行った人が、新たにクレジットカードを発行することは可能なのでしょうか。債務整理後にクレジットカードを作りたいと思っている...
-
自己破産すると携帯電話はどのなるのでしょうか?自己破産が携帯電話の使用者へ与える影響、破産者の携帯電話の取得方法とシチュエーション別にご紹介します。
-
任意整理(にんいせいり)とは、裁判所を介さず、弁護士や司法書士の専門家が債権者との交渉により、返済可能になるような金額や返済期間を決めることです。
-
脱サラ失敗で借金を抱えた際、自己破産以外の方法があることをご存知ですか?脱サラ予定の方必見!これから脱サラする方、既に脱サラに失敗してしまった方へ、...
-
不景気な昨今、少しでも将来の蓄えを増やすために株式投資を始める人が増えてきています。しかしながら、株式投資による成功する人は一握りであり、失敗により...
-
任意整理後は、口座の引き落としがされなくなったり取り立てが止まったりするなど、さまざまな変化があります。本記事では、任意整理後の生活について知ってお...
任意整理の関連コラム
-
任意整理では、任意の交渉になるため法的拘束力がないことから、交渉に応じてもらえず失敗する可能性もゼロではありません。この記事では、実際の失敗例を参考...
-
個人再生をする際、ローンが残っている車は借金の担保として引き上げられてしまうことがほとんどです。この記事では、引き上げの時期や拒否する方法などを解説...
-
本記事では、法テラスを利用した任意整理にかかる費用の目安や利用条件、手続きの流れについて、初めての方にもわかりやすく解説します。「費用が不安で手続き...
-
任意整理をしても、基本的に賃貸契約することはできますが、できないケースもあります。この記事では、任意整理後に賃貸契約ができないケース、賃貸契約以外で...
-
任意整理後には、一括返済が可能です。この記事では、任意整理後に一括返済するメリット・デメリットをご紹介します。任意整理を弁護士に依頼するときのメリッ...
-
任意整理中にお金がなくなってしまい、「新しく借入れしたい」とお困りの方も多いと思います。しかし、新たな借入れにはさまざまなリスクがともなうので、でき...
-
債務整理のひとつである任意整理を弁護士に依頼する際は、信頼できる人を選びましょう。本記事では、安心して依頼できる弁護士の選び方・依頼するメリット・費...
-
任意整理を行って借金の整理を行った人が、新たにクレジットカードを発行することは可能なのでしょうか。債務整理後にクレジットカードを作りたいと思っている...
-
任意整理(にんいせいり)とは、裁判所を介さず、弁護士や司法書士の専門家が債権者との交渉により、返済可能になるような金額や返済期間を決めることです。
-
脱サラ失敗で借金を抱えた際、自己破産以外の方法があることをご存知ですか?脱サラ予定の方必見!これから脱サラする方、既に脱サラに失敗してしまった方へ、...
-
不景気といわれている現代でも、住宅ローンを組まれる家庭は多くいらっしゃいます。住宅ローンは、何十年の長い期間で返済する高額なローンのため、少しでも返...
-
任意整理は借金返済の負担を抑えるための有効な手段です。しかし、ほとんどのケースでブラックリストに載ってしまうためさまざまな不利益が生じることも想定し...
弁護士・司法書士があなたの借金返済をサポート
債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。
ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたをベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)の弁護士・司法書士がサポートいたします。

任意整理をもっと知りたいあなたに