任意整理が住宅ローンにあたえる影響|対処法や信用情報についても解説
任意整理(にんいせいり)とは債務整理の一種で、債権者と交渉して借金を減らしたり分割払いにしたりする手続きです。任意整理後には、あらゆるローンを組むことが難しくなります。ローンといえば、気になるのが住宅ローンではないでしょうか。
この記事では、任意整理の影響を住宅ローンに絞って詳しく解説していきます。
任意整理は、いま手元にお金がなくても行えます |
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任意整理後すぐは住宅ローンを組めない
任意整理をすると、金融事故として信用情報機関に登録されます。いわゆるブラックリスト入りですね。信用情報は、住宅ローンだけではなく、カーローンやクレジットカードの審査などにも利用されるもので、金融事故の履歴があると審査に通らなくなります。
住宅ローンは他のローンと比べて高額で、長期にわたって返済を続けることになるため、これまでに金融事故を起こしていると基本的に審査には通りません。
住宅ローンを組む方法
任意整理をすると、絶対に住宅ローンを組めないのかというとそうではありません。次のような方法であれば、任意整理後に住宅ローンを組める可能性があります。
配偶者や子供の名義で組む
任意整理によって事故情報が登録されるのは、債務者本人のみです。配偶者や子供については登録されません。そのため、任意整理をしても、家族の名義で住宅ローンを組むことができるのです。
ただし、家族が連帯保証人となっていた場合には、その家族も信用情報に履歴が残るため、名義は利用できません。また、子供が未成年である場合は原則として子供の名義でローンを組むことはできません。
収入合算やペアローンを利用する
任意整理をした債務者は、支払い能力が著しく低いと判断されます。まずは、収入面での審査に通過するために、収入合算やペアローンを利用しましょう。
収入合算
配偶者や子供などの収入を合算し、連帯債務者や連帯保証人として申し込むことで、審査に通る可能性があります。任意整理をした債務者1人が多額のローンを返済するとなれば、債権者としても大きなリスクを伴います。
しかし、信用情報に問題がない複数人にリスクを分散できれば、債権者は「貸し付けの余地がある」と考えるのです。
ペアローン
1つの物件に複数のローンを組むことをペアローンといいます。例えば、3,000万円の物件に対して、債務者が300万円、配偶者が2,700万円のローンを申し込みます。債務者の信用が低くても、300万円であれば審査に通る可能性があるのです。
これは、配偶者の信用情報と支払い能力に大きく依存するため、実際にペアローンを実行できる状況ではないことの方が多いかもしれません。
支払い能力がなければ審査には通らない
住宅ローンを支払えるだけの能力がなければ審査には通りません。
住宅ローンは、年収の約7~10倍まで借入れ可能とされています。どこの住宅ローンを利用するかによって異なるので注意しましょう。
配偶者の名義で住宅ローンを組みたいが、自分よりも年収が低いという場合は、それだけ少ない借入れで購入できる住宅を選ぶことになります。
任意整理をすることで、今後の利息をカットし、業者からの催促に怯えることのない返済を実現できます。
また、債務整理の中でも1番規制が少ないため、任意整理後の生活に大きな影響を与えることはありません。
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返済中の住宅ローンへの影響は?
任意整理をすると、自己破産と同じく住宅を失うというイメージがあるかもしれませんが、これは住宅を任意整理した場合です。任意整理は対象を自由に選べるため、クレジットカードやキャッシングなどのみ任意整理をすれば、住宅を差し押さえられることはないので安心してください。
また、住宅ローンの返済中であっても、任意整理の対象でない限り影響が及ぶことはありません。
住宅ローンやカーローン、教育ローン、クレジットカードの分割払い、リボ払いなどの支払いに追われている場合は、住宅ローンやカーローン以外を任意整理することで、残ったローンをスムーズに返済できるようになります。
また、住宅ローンと同じ銀行のカードローンを任意整理した場合、住宅ローンに影響が及ばないか不安な方もいるでしょう。基本的に、任意整理したからといって、一括返済を求められたり、住宅を差し押さえられたりすることはありません。
住宅ローンはいつから組めるようになる?
信用情報から任意整理した履歴が削除されれば、住宅ローンを組めるようになります。
少なくとも、任意整理による和解書の締結から5年間は住宅ローンを組むことができません。
また、信用情報から任意整理の履歴が削除されたからといって、必ず審査に通るとは限らないので注意しましょう。年収や勤続年数など他にもさまざまな審査項目が設けられており、銀行独自の基準を満たさなければ、住宅ローンは利用できません。
任意整理後に返済を滞納すると、再び信用情報に登録されてしまいます。そうなると、そこからまた一定期間はローンを組めなくなるため注意が必要です。
今後一切の融資を受けられない場合がある
カードローンやクレジットカードなどの債務整理をした場合、発行元の銀行からは今後一切の融資を受けられなくなる可能性があります。
これは、信用情報から名前が削除されたとしても、任意整理をした債務者をリストアップして保管していることがあるためです。リストに保管期限が定められているかどうかは確認できないので、任意整理後に住宅ローンを組みたい場合は、任意整理をしていない銀行に申し込みましょう。
利息が高い住宅ローンは審査に通る可能性がある
高金利で、なおかつ短期間の返済が求められる住宅ローンであれば、任意整理後も審査に通る可能性があります。ただし、審査を少し緩くしている程度であるため、過度な期待は禁物です。また、高金利ということは、それだけ利子が高くなり、月々の返済による負担が大きいということです。
住宅ローンをどうしても組みたいからといって無理に契約すると、再び債務整理を選択することになるかもしれません。そのときの状況を踏まえて、申し込むかどうかよく考えましょう。
信用情報が削除されたか確認しよう
任意整理から5年が経過したからといって、すぐに住宅ローンを申し込むことは避けた方がよいでしょう。信用情報から削除されておらず、審査に通らない可能性があります。まずは、信用情報から任意整理の履歴が削除されたか確認しましょう。
信用機関に情報開示を請求することで、自分の情報を確認できます。信用情報機関によって開示請求の方法や費用が異なります。
KSC(全国銀行個人信用情報センター)は、登録情報開示申込書と本人確認書類を郵送することで情報を開示できます。手数料は1,000円です。
CIC(Credit Information Center)は、郵送と窓口の他、パソコン・スマートフォンからも開示請求できます。手数料は、窓口の場合が500円、郵送、パソコン・スマートフォンからが1,000円です。
JICC(日本信用情報機構)は、郵送、窓口、パソコン・スマートフォンから請求でき、手数料はすべて1,000円となっています。
任意整理をすることで、今後の利息をカットし、業者からの催促に怯えることのない返済を実現できます。
また、債務整理の中でも1番規制が少ないため、任意整理後の生活に大きな影響を与えることはありません。
どのくらい楽になるのか、まず弁護士への無料相談でお尋ねください。
まとめ
任意整理後は、信用情報に任意整理の情報が登録されるため、住宅ローンを組むことができません。信用情報から履歴が削除されるまで5年はかかると考えておきましょう。
家族名義での申し込みやペアローンの利用など、任意整理後に住宅ローンを組む方法はありますが、それが必ずしもよい選択だとは限りません。任意整理から5年は待ち、信用情報から履歴が消えていることを確認した上で住宅ローンを申し込むことをおすすめします。
【この記事を読んだ人にオススメの記事】▶自己破産後5~10年は住宅ローン審査が通らない|審査通過のための準備とは
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