仮想通貨の借金は自己破産できない?仮想通貨を持っている場合の自己破産手続きも解説

ビットコインのような仮想通貨・暗号資産の取引などによって借金を作ってしまった方の中には、自力での返済が困難で自己破産できないかと考えている方もいるでしょう。
また、自己破産を考えている方の中には「現在持っている仮想通貨は差し押さえの対象になるのか」などと気になっている方もいるでしょう。
自己破産をおこなうには条件があり、特に仮想通貨の場合は注意すべきポイントがあります。
本記事では、仮想通貨による借金でも自己破産が認められるケースや、仮想通貨を持っている場合の自己破産手続きなどを解説します。
自己破産をご検討中の方へ | |
現在収入がない、返済できる見通しが立たない人は、できるだけ早い段階で自己破産に詳しい弁護士や司法書士といった借金問題の解決が得意な専門家に依頼することが解決への近道です。 弁護士・司法書士へ依頼することで、以下のようなメリットがあります。
自己破産は再スタートのきっかけです。ひとりで悩まず、まずは相談してみましょう。 |
仮想通貨で借金をした場合は自己破産できる?
ここでは、仮想通貨で借金を作ってしまった場合に自己破産できるのかどうかを解説します。
暗号資産の取引は免責不許可事由に該当するため認められない
自己破産に関しては、破産法にて免責不許可事由というものが定められています。
免責不許可事由とは「借金返済の免除を認めない事情」のことで、たとえば以下のようなものが該当します(破産法第252条1項)。
- 浪費・ギャンブル・射幸行為などで借金をした場合
- 特定の債権者にだけ返済した場合
- 財産隠しをおこなった場合
- 自己破産手続きに協力しなかった場合
- 自己破産の免責許可決定が確定してから7年経っていない場合
上記のうち、仮想通貨の取引は①に該当します。
たとえば「仮想通貨で作った借金は少額で、ほかの理由で支払い不能になった」というようなケースでは免責不許可事由には該当しない可能性がありますが、「仮想通貨で多額の借金を作って支払い不能の状態になった」というケースでは原則として自己破産はできません。
裁判所から裁量免責が認められた場合は自己破産できる
自己破産に関しては、破産法にて裁量免責というものも定められています。
裁量免責とは「免責不許可事由に該当する場合でも、裁判所がさまざまな事情を考慮したうえで借金返済の免除を認める制度」のことです(破産法第252条2項)。
仮想通貨で借金をして免責不許可事由に該当する場合でも、裁量免責という形で借金の返済を免除してもらえる可能性があります。
裁量免責について明確な基準は設けられていませんが、基本的には以下のような項目で判断されます。
- 借金の経緯に同情の余地があるか
- 本人が真摯に反省しているか
- 自己破産の手続きに協力的か
- 免責不許可事由に該当する行為は軽微か重大か
- 経済的に更生できるか など
仮想通貨を持っている場合の自己破産手続きはどうなる?
ここでは、自己破産手続きでの仮想通貨の扱いについて解説します。
仮想通貨は資産として裁判所に申告する必要がある
自己破産では仮想通貨は資産という扱いになるため、裁判所へ申告する必要があります。
なお、申告する際の金額は「破産手続開始決定が出された時点での時価」が基準となります。
仮想通貨を差し押さえるのは困難
現行の法律では、仮想通貨も差し押さえ対象となり得ます。
ただし、仮想通貨の秘密鍵を強制開示させる方法がまだ整っていない状態にあるため、債務者側が協力的でないかぎり仮想通貨を差し押さえるのは困難です。
仮想通貨の残高相当額が破産財団に入る
自己破産手続きでは、価値が20万円を超える財産については換価処分の対象となります。
保有している仮想通貨の時価が20万円を超えるケースでは、破産者の財産管理や処分をおこなう「破産管財人」によって売却されたのち、債権者に配当がおこなわれます。
なお、なかには破産管財人に対して「破産手続開始決定が出された時点での時価相当額」を支払って、仮想通貨を売却せずに手続きを進めることができる場合もあります。
仮想通貨が原因で自己破産できない場合の対処法
自己破産は債務整理手続きのひとつであり、借金問題の解決方法はほかにもあります。
仮想通貨が原因で自己破産ができない場合は、以下のような方法を検討しましょう。
任意整理をおこなう
任意整理とは、債権者である賃金業者などと直接交渉をおこない、将来利息のカットや返済スケジュールの変更などをしてもらって完済を目指す手続きのことです。
任意整理は裁判所を介さずにおこなうため、自己破産ほどの手間や費用はかかりません。
ただし、ほかの債務整理と比べると減額効果は小さく、ある程度の安定した収入がある方に向いている手続きです。
個人再生を申し立てる
個人再生とは、裁判所に再生計画案などを提出して、借金を最大10分の1まで減額してもらって完済を目指す手続きのことです。
個人再生では借金の原因などは問わないため、仮想通貨による借金でも手続きが可能で、基本的に家や車などの財産を処分する必要もありません。
できるだけ借金を減らしたい方に向いている手続きですが、裁判所とのやり取りが必要で手続きが複雑であるため、素人が自力でおこなうと失敗する可能性があります。
仮想通貨での自己破産を考えているなら弁護士に相談
仮想通貨による多額の借金が原因で自己破産をおこないたい場合、裁判所に裁量免責を認めてもらう必要があります。
しかし、法律知識などのない素人ではどのようにアピールすればよいかわからず、裁量免責を認めてもらえない可能性があります。
自己破産などの債務整理に強い弁護士なら、「裁量免責が得られる可能性はどれだけあるのか」「裁量免責を認めてもらうには何をすればよいのか」などのアドバイスが望めます。
弁護士なら、依頼者の代理人として手続きを代行してもらうこともでき、自己破産できない場合には任意整理や個人再生などを依頼することも可能です。
当サイト「ベンナビ債務整理」では、自己破産などの債務整理に強い全国の弁護士事務所を掲載しています。
「何度でも相談無料」などの弁護士事務所も多くあるので、まずは一度相談してみましょう。
まとめ
仮想通貨の取引などで借金を作った場合、免責不許可事由に該当するため原則として自己破産はできませんが、例外的に裁量免責を認めてもらえることもあります。
自己破産などの債務整理に強い弁護士なら、裁量免責を認めてもらうためのサポートをしてくれるほか、自己破産できない場合には任意整理や個人再生などを依頼することも可能です。
「ベンナビ債務整理」では、相談内容や地域を選択するだけで対応可能な弁護士事務所を一括検索でき、弁護士に相談するのが初めての方でもスムーズに相談先が見つかります。
まずは以下の各リンクから、お住まいの地域を選んでみましょう。
【最短30秒】ユーザーアンケートに回答する |
|

「給料の多くを返済に充てなければならず…生活が厳しい」豊富なノウハウを活かし、自己破産をはじめとした幅広い借金問題に対応◆ご依頼者様の味方としてじっくりとお話を伺い、柔軟にサポートいたします【初回相談0円/出張相談要相談】
事務所詳細を見る
【ご相談は何度でも無料】【分割払可】債務整理のデメリットが不安で、依頼を迷っていませんか?借金でお困りの方は早期にご相談ください!丁寧に説明した上で、依頼者様に最善の方法をご提案します。
事務所詳細を見る
【ご相談は何度でも無料】【分割払可】債務整理のデメリットが不安で、依頼を迷っていませんか?借金でお困りの方は早期にご相談ください!丁寧に説明した上で、依頼者様に最善の方法をご提案します。
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡

自己破産に関する新着コラム
-
自己破産によって差し押さえられない年金の種類と、差し押さえられるケースはどのようなものかについて解説していきます。基本的に自己破産によって年金が差し...
-
自己破産をすると、基本的に車は回収されます。しかし車の時価や財産状況などによっては、車を手元に残せる可能性もあります。自己破産をしても車は手元に残し...
-
自己破産は、借金問題を解決するための有力な選択肢です。自己破産による影響について正しい知識を備え、自己破産すべきかどうかを適切に判断しましょう。本記...
-
自己破産と任意整理は、いずれも借金などの負担を解消・軽減できる「債務整理」の代表的な手法です。本記事では、自己破産と任意整理の違いや、債務整理手続き...
-
不景気といわれている現代でも、住宅ローンを組まれる家庭は多くいらっしゃいます。住宅ローンは、何十年の長い期間で返済する高額なローンのため、少しでも返...
-
カード破産の無料相談先をご紹介します。また、カード破産以外の方法で借金問題を解決する方法や弁護士に依頼した場合の流れも併せて解説します。
-
仮想通貨による借金の場合、自己破産は原則として認められませんが、なかには例外的に自己破産が認められるケースもあります。本記事では、仮想通貨による借金...
-
自己破産後でも事業再建や企業のために融資は必要不可欠でしょう。では自己破産者に融資をしてくれる機関はあるのでしょうか?この記事では自己破産者にも融資...
-
自己破産を検討している場合、依頼できる専門家には司法書士と弁護士がいます。どちらも法律の専門家ですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。本記...
-
自己破産はできる条件があります。これに該当しない場合には自己破産が実現できず借金を免責することができません。この記事では、自己破産ができない4つのケ...
自己破産に関する人気コラム
-
自己破産を検討されている方にとっては、破産後の生活は気になるところでしょう。この記事では、自己破産後に受ける制限や、生活を良くするために考えておきた...
-
廃課金とは、廃人と課金を合わせたネットスラングで、一般的に収入に見合わない金額を課金する人を指します。本記事では廃課金の定義や課金してしまう人の特徴...
-
自己破産では裁判所に支払う費用のほか、弁護士に依頼する場合は弁護士費用もかかります。状況により費用は異なり、弁護士費用は後払い可能な場合もあります。...
-
自己破産は、全ての借金の支払い義務を逃れ、所持する高価な財産を処分する法的手続きであり、生活をゼロから再建するための最終手段です。本記事では自己破産...
-
ブラックリストに掲載される期間はどの程度なのでしょうか。 よく、「ブラックリストに載るとカードが作れない」などという話を聞きますが、そもそもブラック...
-
破産宣告(はさんせんこく)とは何かを解説!手続きの流れや条件、かかる費用に加えて、自己破産を最短で進める為の方法をご紹介していきます。自己破産にはデ...
-
結論からいいますと、借金がある状態でも生活保護を受けることができます。そこで、生活保護と借金の関係を深堀していきたいと思います。
-
自己破産をする上で、破産管財人(はさんかんざいにん)が何をするのか、どのような人なのかを知っておくことで、免責を受けられる可能性が高まります。この記...
-
奨学金を借りたはいいものの、就職後も返済が厳しく破産に追い込まれる件数は1万件にのぼっています。ただし、破産にはリスクがあり、あなたの借金が免除され...
-
自己破産はできる条件があります。これに該当しない場合には自己破産が実現できず借金を免責することができません。この記事では、自己破産ができない4つのケ...
自己破産の関連コラム
-
仮想通貨による借金の場合、自己破産は原則として認められませんが、なかには例外的に自己破産が認められるケースもあります。本記事では、仮想通貨による借金...
-
免責不許可事由があると、支払える費用がないと主張しても、同時廃止にならない可能性があります。同時廃止にならないということは、費用が何十万と必要になっ...
-
個人事業主の破産は基本的に同時廃止ではなく、管財事件になります。ただし、条件を満たしていれば、同時廃止で自己破産することも可能です。この記事では、同...
-
自己破産から復権(職業制限からの復職)するためには免責を受けることが一般的ですが、免責できなかった場合に復権する方法、復権を確認する方法を紹介します...
-
保証債務とは、債務者が債務の履行をしない場合、保証人が代わりに履行しなければならない債務のことです。砕いて説明すると、借金をしている本人が返済できな...
-
今回は実際に自己破産をした方からお話を伺い、記事にしました。借金がふくらんでしまった過程、自己破産までの流れなど他では聞けないとても「リアル」な話が...
-
自己破産と聞くとマイナスイメージを抱えてしまう人がほとんどですが、女性の場合、状況によっては他の債務整理よりおすすめということもあります。この記事で...
-
自己破産後に住宅ローンの審査に通過する方法と審査条件が厳しくない住宅ローンの特徴をご紹介します。また、持ち家のある状態で自己破産する方へ向けた対処方...
-
無職の人が債務整理をおこなう場合、任意整理ではなく自己破産などを選択するのが通常です。本記事では、無職の人が任意整理を原則的にできない理由と、例外的...
-
破産宣告(はさんせんこく)とは何かを解説!手続きの流れや条件、かかる費用に加えて、自己破産を最短で進める為の方法をご紹介していきます。自己破産にはデ...
-
自己破産によって差し押さえられない年金の種類と、差し押さえられるケースはどのようなものかについて解説していきます。基本的に自己破産によって年金が差し...
-
基本的に自己破産をしたからと言って就職に不利になるようなことはありません。この記事ではすでに務めている会社がある場合など、自己破産と仕事の関係性につ...
弁護士・司法書士があなたの借金返済をサポート
債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。
ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたをベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)の弁護士・司法書士がサポートいたします。

自己破産をもっと知りたいあなたに