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任意整理でブラックリスト入り?登録期間やブラックにならないケースを解説

代表弁護士 野条 健人
監修記事
任意整理でブラックリスト入り?登録期間やブラックにならないケースを解説
  • 「任意整理したいけどブラックリストに載るのが不安」
  • 「ブラックリストに載るとどんなデメリットがあるのだろう・・・」

任意整理は、借金返済の負担を軽減するための有効な手段といえます。

しかし、「任意整理するとブラックリストに載ってしまう」という情報を見聞きし、一歩踏み出せずにいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、任意整理によってブラックリストに載った場合の影響などについて解説します。

ブラックリストを回避できるケースや、ブラックリストに載っているかを確認するなどもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

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任意整理でブラックリストに載る期間はいつからいつまで?

任意整理をすると、ブラックリストに載ります。

その期間は、借金を完済してから5年程度です。

例えば、任意整理をして3年間で借金を完済したとすると、さらにそこから5年間は事故情報が登録されたままであるため、ブラックリストに載っている状態は8年ということになります。

なお、実際はブラックリストという一覧表があるわけではありません。

ブラックリストは、信用情報機関に事故情報が登録されている状態を指しています

日本の信用情報機関は主に次の3つです。

信用情報機関

加盟企業・団体

株式会社日本信用情報機構(CIC)

消費者金融・クレジットカード会社・携帯電話会社 など

株式会社シー・アイ・シー(JICC)

消費者金融・クレジットカード会社・銀行 など

全国銀行個人信用情報センター(KSC)

銀行・ろうきん・信用金庫・JA など

それぞれの信用情報機関が、クレジットやローンに関する客観的な取引事実を保管し、加盟団体に共有しています。

任意整理をしてもブラックリストに載らない2つのケースとは?

任意整理をすれば、基本的にはブラックリスト状態になります

しかし、例外もあります。

任意整理をしてもブラックリストに載らない2つのケースを紹介します。

利息の引き直し計算によって借金を完済できるケース

利息の引き直し計算によって借金を完済できる場合は、任意整理をしてもブラックリスト状態にはなりません。

利息の引き直し計算とは、払い過ぎた利息を計算することです。

かつて、利息制限法と出資法の上限金利に差があり、「グレーゾーン金利」と呼ばれていました。

グレーゾーン金利での貸付は違法でありながら刑罰に処されないため、消費者金融などが悪用していたのです。

しかし、利息制限法の上限金利を超えて生じた利息は本来支払う必要がないので、過払い分として返還を求めることができます。

過払い金は借金の返済に充てることも認められており、完済できた場合はブラックリストにも載らずに済みます

ただし、貸金業者が任意整理をする旨の通知を受け取った時点で事故情報を登録していれば、削除を求めなければならないケースもあるため注意が必要です。

借金を完済済の借入先に対し過払い金請求をするケース

すでに借金を返し終えている借入先に、過払い金を請求する場合もブラックリスト状態にはなりません

厳密にいうと、完済済の借入先に対して過払い金請求をすることは任意整理でもないため、貸金業者が信用情報機関に事故情報を登録することもないでしょう。

なお、過払い金は完済してから10年または過払い金を請求できることを知ってから5年が経過すると、時効が完成してしまいます。

返還請求手続きができなくなるおそれがあるため、過払い金が発生している可能性がある場合は早めに対応しましょう

任意整理をしなくても借金滞納が続けばブラックリストに載る

任意整理をおこなうとブラックリスト状態になってしまうと考え、なかなか踏み切れない方もいるかもしれません。

しかし、借金の滞納が続けば、いずれにしても事故情報が登録されてしまいます

一般的に2ヵ月以上滞納した場合には、ブラックリスト状態になると考えてよいでしょう。

また、保証会社が代わりに支払ってくれていた場合や、滞納が続いてクレジットカードが強制解約された場合などもブラックリストに載ってしまいます。

そのため、任意整理に踏み出すかどうかは、弁護士とも相談したうえで、できるだけ早く判断することが大切です。

任意整理でブラックリストに載った場合のデメリット

任意整理でブラックリスト状態になると、さまざまなデメリットがあります。

そのため、デメリットを踏まえてでも任意整理をしたほうがよい状況かどうかを弁護士に確認してもらうことが大切です。

ここでは、任意整理でブラックリストに載った場合の主なデメリットを確認しておきましょう。

ローン・キャッシングなどの新たな借入れが難しくなる

ブラックリスト状態では、新たな借入れをするのは難しいでしょう

基本的に、貸金業者は審査段階で申込者の信用情報を照会します。

事故情報が登録されていると、返済能力を疑われ、審査に通ることはなかなかありません

キャッシングはもちろん、住宅ローン・自動車ローン・教育ローン・学資ローン・カードローンなどは利用できなくなると考えておきましょう。

分割払いが認められなくなる

ブラックリスト状態だと、分割払いが認められなくなる可能性が高くなります

分割払いは、購入者が将来にわたって支払いを続けることを前提とした契約です。

過去に金融事故を起こし、ブラックリストに載っている状態だと、支払いが滞るリスクが高いと判断され、分割払い契約を断られてしまいます。

例えば、スマートフォンを購入する場合でも、基本的には一括で支払うことになるでしょう

クレジットカードの作成・利用ができなくなる

信用情報機関に事故情報が登録されている場合、基本的にクレジットカードは作成できません

クレジットカードを新規で申し込む場合、信用情報を照会する会社がほとんどだからです。

ブラックリスト状態であることが発覚すると、返済能力がないと考えられ審査に通りにくくなります。

任意整理の対象から外したクレジットカードも、更新のタイミングなどに信用情報を確認され、利用できなくなる可能性があります

また、クレジットカードが強制解約になった場合は、紐づいているETCカードも利用できなくなるので注意が必要です。

保証会社を介した賃貸契約が断られやすくなる

任意整理でブラックリストに載ると、保証会社を介した賃貸契約が難しくなります

信販系の保証会社は、入居希望者の信用情報を照会できる立場にあるためです。

どうしても引っ越す必要がある場合には、信用情報機関に加盟していない独立系の保証会社を利用したり、連帯保証人を立てたりといった対策が必要になります

保証人になれなくなる

信用情報機関に事故情報が登録されている間は、基本的に保証人になることができません

保証人には、お金を実際に借りている人が返済できなくなったときに、代わって返済する義務があります。

その点、ブラックリストに載っていると、保証人としての役割を果たせない可能性が高いと判断されてしまうのです。

賃貸契約や奨学金の保証人にもなれないので、家族がいる場合には大きなデメリットになるでしょう

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任意整理後にブラックリストに載っているかを確認する方法

任意整理をしたあとに、ブラックリストに載っているかどうかを確認したい場合は、信用情報機関に対して情報開示請求をおこなう必要があります

信用情報機関

請求方法

手数料

開示までの期間

株式会社日本信用情報機構(CIC)

インターネット

500円

即日

郵送

1,500円

10日程度

株式会社シー・アイ・シー(JICC)

インターネット

1,000円

1営業日~3営業日程度

郵送

1,300円

5営業日~7営業日程度

全国銀行個人信用情報センター(KSC)

インターネット

1,000円

3営業日~5営業日程度

郵送

1,679円~1,800円

7日~10日程度

信用情報の開示手順は以下の記事に詳しくまとめているので、あわせてチェックしてみてください。

任意整理によって社内のブラックリストに載ることもある

任意整理をおこなうと、たとえ返済が完了しても同じ貸金業者からお金をまた借りることはできないと考えておいたほうがよいでしょう。

なぜなら、社内のブラックリストに載るケースが多いからです。

信用情報とは異なり、社内のブラックリストに登録された情報は、いつ削除されるかわかりません。

場合によっては、半永久的に借入を拒まれる可能性も十分あります

ただし、全ての会社がブラックリストを作っているわけではなく、ブラックリストがほかの会社に共有されることも基本的にはありません。

任意整理のブラックリストに関してよくある質問

ここからは、任意整理のブラックリストについてよくある質問に答えていきます。

任意整理を途中でキャンセルしても信用情報には傷がつく?

任意整理を途中でキャンセルしても、信用情報機関に事故情報が登録されたままになります

借入先が弁護士からの受任通知を受け取った段階で、信用情報機関に事故情報が登録されるのが通常です。

そのため、そのまま任意整理を進めた場合と同様に、完済して5年程度が経過するまで事故情報は削除されません

任意整理でブラックリストに載ると家族や職場にバレる?

任意整理でブラックリスト状態になっていても、基本的には家族や職場にバレることはないでしょう

任意整理よりも大きく借金を減額できる個人再生や、借金が免除される自己破産を選択すれば、国が発刊している広報誌である官報に氏名や住所が掲載されます。

しかし、任意整理であれば官報に掲載されません

そのため、公に誰もが見られる場所には情報が載らず、バレる可能性は低いでしょう。

また、債務整理したことは、住民票・戸籍・パスポートなどにも掲載されないので安心してください。

弁護士に依頼する場合も、家族にバレたくないことを伝えておけば、電話や郵送の方法に配慮してくれるはずです。

ブラックリストの登録を早く消す方法はある?

ブラックリストの登録を早く消す方法はありません

基本的には信用情報機関が定めている期間を経過するまで、事故情報は残ったままです。

ただし、間違った情報が登録されている場合や借金返済の時効が完成した場合は事故情報を削除・訂正できる可能性があります

事故情報の削除や訂正をしたいときは、借入先に対して申し入れましょう。

さいごに|任意整理後のブラックリストが気になるなら、まず弁護士に相談を

任意整理をすると、基本的には一定期間ブラックリスト状態になります

だからといって滞納を放置すれば、いずれにしてもブラックリスト化しまうため、先延ばしにするのは賢明とはいえません。

正しい判断をするためには、弁護士に相談し状況に応じた専門的なアドバイスをもらいましょう。

任意整理を得意とする弁護士に相談するなら「ベンナビ債務整理」の利用がおすすめです。

初回相談を無料で受け付けている法律事務所も多く登録されているので、一人で抱え込まず、まずは弁護士に相談してみましょう。

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この記事の監修者
かがりび綜合法律事務所
代表弁護士 野条 健人 (大阪弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。