夜逃げで借金は踏み倒せない?合法的に借金を免れる方法


夜逃げ(よにげ)とは、必要最低限の生活道具だけを持ってこっそり引っ越しを行うことをいいます。何から逃げるのか、その一番の理由は「借金の取り立て」です。
借金の返済が難しくなり、どうにもならなくなってしまった。そんな場合の最後の選択肢として夜逃げがあります。感染症の影響で職を失ってしまい、支払いが滞るようになったという方もいるかもしれませんね。夜逃げして債権者の追及から逃れ、再出発をしたい、と思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、夜逃げは自分で自分の首をしめるケースが非常に多いので、注意しなければなりません。
そもそも、夜逃げをすることで借金トラブルは解決するのかどうか?本記事で徹底解説していきます。
絶対にバレない夜逃げの方法はない
夜逃げは素人が個人でこっそり出来るものではありません。一昔前であれば、バッグ1つで家を飛び出せば成立していたかもしれませんが、インターネットの普及と共に情報共有する術が膨大に増えた現代では、どこかに逃げてもすぐに見つけられてしまうリスクがとても多いのです。
また、バレない完璧な夜逃げを行うとすればするほど、それに比例してデメリットと向き合わねばなりません。大半の人がこのデメリットを受け入れることが出来ずに、逃げ切ることが失敗に終わっています。
夜逃げがバレる理由
夜逃げがバレる理由として、以下も挙げられます。
- 夜逃げ屋(夜逃げのサポートを行う業者)と債権者がグルになっている場合がある
- 夜逃げ先で移した住民票を探しあてられる
- 家族や友人から情報漏えいする
- 連帯保証人から情報漏えいする
バレない方法どころか、バレる可能性の方が圧倒的に高いと言えます。さらには、これからは個人番号が管理運用されるマイナンバー制度(個人を番号で管理する制度)があり、日本の全国民に発行されます。
マイナンバーの存在で足取りがつかめてしまう
マイナンバーは近い将来、銀行口座・証券・病院・免許証など、身分証明書や資格証明書・病院の診察券や健康保険証など全てのカードを一つにまとめて管理できるカードとして国が運用を考えているとされています。
そうなると、特に夜逃げやあらゆる不正行為が難しくなっていくでしょう。
夜逃げの違法性
世間体や聞こえが悪いので、「やってはいけないこと」のように感じますが、借金問題は民事上のことなので、実は夜逃げそのものに違法性はなく、警察が介入することは原則ありません。 ただし、借金を未払いで夜逃げをしているのであれば、当然債権者は取り立てを続けます。最悪、民事訴訟を起こして強制執行となるケースもあるでしょう。
夜逃げを選択する理由
多くの人が、サラ金など借金の取立てや家賃の滞納が原因で今の住居に居られなくなったという理由で夜逃げを行っています。
借金の時効を狙う目的もある
銀行や消費者金融からの借金の時効は5年です。
この時効というのは借金を苦に夜逃げをする人のメリットであり、理由や目的にもなるのかもしれません。しかし、法的知識が豊富なプロの貸付業者相手に時効を成立させるのはかなり困難といえます。
夜逃げを行う人が注意できること
以下が夜逃げをしている人が居場所を特定されないように注意できることを紹介します。
住民票を動かさない
債権者はもちろん、どんなに近しい友人でも自分の引越し先がバレるリスクを避けましょう。一つの方法として、住民票を移さずに居住地を転々とする方法もあるかもしれません。
夜逃げしてしまいました。
当たり前ですが、住民票移せません。
借金も銀行2社に各50万くらい。
自分で携帯も持てません。
身分証、銀行のカードも持ってません。
まもなく5年ほど経ち、疲れました。どこに相談するべきでしょうか。
引用元:Yahoo知恵袋
普通に生活を送りたいです。
誰にも明かさない
どれほど親しい人であっても、夜逃げのことを漏らせば人から人へ漏れてしまう可能性があります。職場関係の人、学校関係の人、近所の人や町内会にももちろん話しません。
子供にも話さない
一緒に子どもを連れていくのであれば、その子どもにも詳しい話はしません。子どもが身近な人に相談を行うなどして漏れてしまう可能性が高いからです。
たくさんの荷物を持たない
夜逃げは短時間で素早く済ませないといけませんので、必要最低限の貴重品を持ったら、それ以外は基本的には置いていきます。夜逃げ先から夜逃げするケースもなきにしもあらずですから、基本的に荷物はコンパクトにしましょう。
極力ゴミを出さない
不要なものは夜逃げ前に処分しておきたいと考えるのが心理ですが、大型の家具や布団などをゴミに出すと、不審に思われてしまう可能性があります。極力ゴミは出さずに夜逃げ実行前まで全く変わらない生活を送るとよいかもしれません。
夜逃げのデメリット
前述した注意点も含めて夜逃げのデメリットは数々ありますが、一言でいうとこれまでの生活をすべて失うことになるでしょう。
再出発ができるほど甘くはない
引っ越しによって環境が変わるのは当然ですが、人とのこれまでの縁も切れるも同然です。
再出発をするというと聞こえはいいですが、これまで築き上げてきたものをすべて捨てなければならないのです。 お金のためにお金よりも大切なものを失ってしまうこともあるでしょう。
夜逃げをしても借金の時効が成立しない可能性がある
民法では、個人間の貸し借りやクレジットやカードローン等の時効は5年だと定めています。
民法に規定があるように、例え夜逃げをして完璧に姿をくらますことに成功したとしても、債権者が裁判所経由で返済の請求をした場合は時効がさらに10年延長されます。
つまり時効を成立させるには基本的に15年以上と考えるべきですし、公示送達があるため、執念深い債権者ですと永遠に時効は完成しません。
15年以上、身分証なしで生活することは困難を極めます。
様々な権利を失う
住民登録が出来ないことで、国民健康保険、国民年金、選挙権、児童手当の受給など様々な面で支障をきたし職業探しも困難になります。
また、これから子供が産まれる人にとっては、出生届を提出することができないため、産まれた子供は戸籍に載らない未就籍児となるため、自分だけでなく子供にも悪影響を与えます。
生活保護も受けることも、銀行口座を作ることも出来ません。
メンタルがもたない
家族や周囲の人に迷惑をかけながら逃げ回る後ろめたさや罪悪感、いつか突き止められるのではないかという恐怖感、病気をしても病院にかかれないという健康面の心配…夜逃げをすると、様々なメンタルストレスを抱えることになります。
すっきりとした気持ちでリスタート、とはいかないでしょう。
夜逃げが激減した3つのワケ
時代が進むと共に、夜逃げをする人はどんどん少なくなってきました。これまでたくさんの注意点やデメリットを挙げてきましたが、それを苦に感じるのは勿論、以下のような理由もあります。
インターネットの普及により、相談する機会も増加した
以前は返済に困れば弁護士などの専門家に相談するしか方法が無い、もくしはそういった場合に「弁護士に相談するべき」ということさえ分からなかったかもしれません。
しかし今では自分で検索して自分で解決できるまでにインターネットが普及しました。債務整理などの法的な対処方法も学ぶことができます。
貸金業法の改善により、取り立てが減少した
以前は正規の貸金業者でも大手の消費者金融でも厳しい取り立て行為がありましたが、現在ではヤミ金でない限り、延滞などの場合の催促の方法まで細かく規定されているので、返済に苦しんでいるときでも比較的冷静に対処することが可能になりました。
尚、取り立てを行っているのが闇金業者であれば、違法な金利で発生した借金に関しては、払う義務はありません。
債務整理しやすい環境が整ってきた
債務整理の方法自体が以前に比べて債務者にとって利用しやすくなり、夜逃げ以外の選択肢が選びやすい時代になりました。様々な債務整理の方法に関しては、こちらの記事「債務整理って何?種類とメリット・デメリットを徹底解説【弁護士監修】」を参考にして下さい。
夜逃げを行うなら自己破産をすべき
夜逃げをしてもデメリットばかりでメリットが薄いことはこれまでの記述からお分かりいただけたでしょう。今の時代、夜逃げという選択をせずとも生き抜ける債務整理の方法があります。
とりわけ、自己破産は“借金を返済できる見込みが全くない人向け”債務整理の方法と言えるでしょう。
自己破産
裁判所に破産申立書を提出し、免責許可をもらうことで借金を免除し破綻した生活を立て直すことを目的とした制度を自己破産といいます。
つまり、作ってしまった借金をチャラにすることが出来るということです。下記条件を満たせば、誰でも手続きすることが可能です。
- 収入から生活費をひいたお金を3~5年払い続けても返済できない
しかし自己破産後は、破産という“金融事故情報”が信用情報機関に登録され、キャッシングやローンの契約時には都度照合がなされる為、いわゆる「ブラックリスト」に載った状態となります。自己破産による制約は以下となります。
- 7年間はキャッシングやローンを利用することが出来ない
- 公職や、一定の資格を要する仕事に一定期間就けない
- 自動車や住宅ローンの手続きが出来ない
このように自己破産にもデメリットはありますが、夜逃げほどではありません。自己破産の詳細は以下の記事を参考にしてみて下さい。
まとめ
借りたものは返す。これは鉄則ですが、どうしてもそれが困難な時、逃げるという選択肢だけはとらないで下さい。夜逃げは人を裏切る行為であり、自分自身、また家族を苦しめる行為でもあります。
仕事を続けることが難しい環境であったり、返済できるだけの収入が見込めなかったりしたら、まずは弁護士などの専門家に相談してみましょう。

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