2019.11.7

借金がある人の住宅ローン審査対処方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
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借金があると、住宅ローンが組めないことがあります。それは銀行が、住宅ローンの申込者を厳格に審査しているからです。借金は住宅ローンの審査に不利に働きます。

 

しかし、借金があると絶対に住宅ローンが組めないわけではありません。銀行としても、できれば住宅ローンを貸して売上げをあげたいので、安全であることがわかれば審査を通します。

 

この記事では、借金を持ちながら、住宅ローンを組む方法を紹介します。

 

借金があると住宅ローンの審査に通りにくい理由

借金があると住宅ローンの審査が通りにくいのは、銀行の内部ルールに従い信用力に問題があると評価されるからです。

 

借金によって住宅ローンの審査が通りにくくなる理由を紹介します。

金融機関が認める返済比率をクリアしていないから

銀行のルールのひとつは、返済比率です。返済比率とは、年収に占める「借金の年間返済額」の割合のことです。年収が低く年間返済額が高いと、返済比率が高くなります。

 

返済比率が高い人が、さらに住宅ローンで借金をすると、返済が滞る可能性が高まってしまうため、結果として住宅ローンの審査に通りにくくなります。

 

銀行の年収比率の目安は、年収400万円未満の場合は30%以下、年収400万円以上は35%以下です。

 

例えば、年収350万円の人なら、借金の年間返済額が105万円(返済比率30%)以下、年収700万円の人なら、年間返済額が245万円(返済比率35%)以下であれば、住宅ローンを借りられます。

 

借金内容が合理的でないから

銀行の住宅ローンの審査では、借金の内容についてもチェックします。借金内容は、借金の質と言い換えることもできます。借金には、ポジティブな借金がある一方で、ネガティブな借金もあります。銀行はネガティブな借金を警戒します。

 

例えば同じ300万円の借金でも、教育ローンであれば「問題なし」と判断され、消費者金融やクレジットカードのキャッシングであれば「問題あり」と判断されることがあります。

 

銀行はさらに、借金内容によって、住宅ローン申込者の質も推測します。住宅ローン申込者の質とは、お金の管理ができる人なのか、できない人なのか、ということに尽きます。

 

例えば、教育ローンは子供の教育のために借りるため、明確な目的がある借金です。また、子供が良い教育を受ければ、子供の将来の年収も高くなる可能性があるので、教育ローンの返済が滞るリスクはそれほど大きく見積もる必要はありません。

 

しかし、消費者金融やクレジットカードのキャッシングは、うっかりお金を使いすぎてしまって借りることが少なくありません。そうした借金が年収の3割強に達するようだと、お金の管理ができない人とみなされてしまうわけです。

 

ただし過去の借金は完済していれば問題ない

住宅ローンの審査では、すでに完済している過去の借金についてはほとんど影響しません。※支払延滞をしていて金融事故の記録がある場合等を除く

 

借金は「正直」に申告しましょう

銀行に住宅ローンの審査を依頼するとき、借金の申告をしなければなりません。借金の額が多い人は、つい「申告をしなければ、住宅ローンの審査が通るかもしれない」という誘惑に駆られてしまうかもしれません。

 

しかし嘘の申告はしないでください。

銀行には独自に借金を調査する手法があります。住宅ローンの申請者に不審な点があれば、銀行はその独自手法を使って申請者の借金の有無を調べます。

そこで申告してない借金が見つかれば、それが少額であっても、虚偽申告をしたことによって審査に落ちてしまいます。

 

また、虚偽申告により相手の判断を謝らせてローンを受けた場合、最悪、詐欺罪として立件される可能性すらあります。

借金があっても住宅ローン審査を通過する方法

借金がありながら住宅ローンを借りたい人は、準備をしておきましょう。

 

借金の返済比率をあらかじめ計算しておく

住宅ローンの検討を始めたら返済比率を計算してみてください。年間返済額を年収額で割って100をかければ、返済比率が出ます。

会社員であれば、会社から受け取る源泉徴収票に年収額が記載されています。そして借金の毎月の返済額に12カ月をかけて、年間返済額を算出します。

 

例えば、年収500万円、借金の毎月の返済額5万円の場合、返済比率は12%なので、大抵の銀行は住宅ローンの審査をパスさせるでしょう。

計算式は以下のとおりです。

 

・返済比率=[(5万円×12カ月)÷500万円]×100=12%

 

借金返済額をなるべく減らしておく

もし返済比率が3割を超えていると「危険水域」に入ることになるので、借金の返済額を減らしましょう。

借金の年間返済額は、繰上げ返済をすることで減らすことができます。繰上げ返済とは、自己資金を使って借金の一部または全額を、期日前に返済することをいいます。

 

繰り上げ返済には、毎月の返済額を減らす返済額軽減型と、毎月の返済額は変えずに返済期間を短縮させる返済期間短縮型があります。

住宅ローンの審査で問題になるのは年間返済額なので、返済額軽減型の繰り上げ返済を実施しましょう。

 

そして自己資金に余裕があれば、借金を完済することをおすすめします。借金を完済しておけば、住宅ローンという新たな借金をしても安心して返済することができます。

 

借金の合理的な説明をする

借金の合理的な説明を用意しておくことも大切です。銀行の住宅ローンの担当者は、住宅ローン申請者の人柄をみます。

 

借金が多い場合、借金の内容や目的を尋ねるでしょう。銀行員は、住宅ローン申請者の答えの内容や答え方から人柄を推測します。

教育ローンを多額に借りていれば、子供に高等教育を受けさせる意義を、銀行の担当者に伝えてはいかがでしょうか。

 

また自動車ローンの場合も、趣味の車を買っているわけではなく、10年以上乗ってきたファミリーカーが故障したため、再びファミリーカーを購入したと説明すれば、堅実さをアピールできます。

 

それでも住宅ローンが難しそうなら債務整理という方法がある

借金の額が大きく、借金の完済どころか一部返済すら難しい人が住宅ローンを利用したいと考えている場合、債務整理を検討するのも一案です。

 

「今の借金」を返済せず、「次の借金」である住宅ローンを借りることは多重債務になり、よい状態ではありません。多重債務を回避するには、「今の借金」問題を解消して、「次の借金」を検討する必要があります。

 

借金問題の解決が大切

債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」といった種類があります。

 

このうち任意整理は、借り主(借金をしている人)と貸し主(お金を貸す人)が協議をして借金額を減らす方法です。任意整理は裁判所の裁定を必要としないため、「誰にも知られずに」処理することができます。

 

任意整理が成立すると、将来の利息をカットできるでしょう。また、一括返済を条件に元金を減らせることもあります。

 

ただし貸し主が納得しないと任意整理は成立しません。そのため、任意整理したあとの返済条件を必ず実行できるような誠実な借り主でないと認められないでしょう。

 

借金問題の解決は無料相談できる弁護士や司法書士といった専門家がおすすめ

借金問題の解決のポイントは次の2つです。

・1人で解決しようとしないこと

・プロのアドバイスを受けること

 

借金問題の多くは、1人で決断したことに端を発しています。これ以上「傷口」を広げないために、プロのアドバイスを受けましょう。

 

プロの相談相手としておすすめなのが、借金問題を得意とする弁護士や司法書士といった専門家です。

借金問題を多く扱っている弁護士や司法書士の多くは、無料相談を受け付けています。借金問題を抱えている人は、それを有効活用しましょう。

 

また弁護士なら、過払い金をみつけてもらえるかもしれません。過払い金が多額であれば、費用をかけずに借金を解消できるかもしれません。

住宅ローンを利用中の人が債務整理を検討すべき理由

ここまで、借金を抱えている人が住宅ローンを借りる方法を解説してきましたが、ここからは、住宅ローンを利用している人が新規の借金をして、その新規の借金の返済に困った場合の解決方法を考えていきます。

 

最も単純ながら回避したい方法は、住宅ローンで購入した住宅を売却し、その売却益で住宅ローンと新規の借金を返済する方法でしょう。

住宅ローンと新規の借金の2つの借金は解消できますが、マイホームを失うのは大きな痛手になります。

ここでは「それ以外の方法」を考えてみます。

 

個人再生なら住宅を残しながら借金問題を解決できる可能性がある

債務整理のうち個人再生なら、住宅ローンが残っている住宅を保有しながら、借金問題を解決できるかもしれません。

 

個人再生は、返済総額を減額して、原則3年間で返済する再生計画(返済計画)を、裁判所に提出し、裁判所がこれを許可すれば、再生計画に従って債務が圧縮される法的手続です。

 

個人再生には住宅資金特別条項(別名、住宅ローン特則)が利用できる場合があり、この場合は住宅ローンのみ整理対象から除外することでローン対象物件を維持することができます。

 

実際に当該制度を利用する場合は、専門家のアドバイスを受けてください。

 

任意整理でも住宅を手放さずに借金を整理できる可能性がある

債務整理のうち任意整理は、債権者との協議・交渉で債務を減額する行為であり、法的手続ではありません。そのため、当該協議・交渉の内容によっては住宅を持ち続けることができます。

 

しかし、住宅ローンの債権者である銀行は、基本的には任意整理に応じて債務の減額を認めることはありません。他方、消費者金融は、任意整理の交渉にある程度応じてくれるところが多いと思われます。

 

なお、任意整理が奏功しても、減額はせいぜい将来利息のカット程度であり、債務元本の減額に応じる金融機関はほとんどありませんので、その点留意しましょう。

 

自己破産の場合、住宅を手放さなければならない

自己破産は、非免責債権以外の債務を面積する制度ですので、住宅ローンも新規の借金もなくなります。

 

しかし、債務者の資産は債権者への弁済に充てるために換価処分されますので、持ち家の所有権を失うことになります。

借金がある人の住宅ローン審査方法まとめ

借金を抱えた状態で住宅ローンを借りるときも、住宅ローンの返済中に新たに借金をして返済に困ったときも、弁護士や司法書士といった専門家の知恵と支援が役に立ちます。

 

それは、借金に困った人向けの解決法が、いくつか用意されているからです。専門家は解決方法について熟知しています。さらに、あなたにどの解決方法が適しているかの判断もできます。

 

まずは弁護士事務所の無料相談を使って、借金で悩む生活から抜け出す一歩を踏み出しましょう。

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。

ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたを債務整理ナビの弁護士・司法書士がサポートいたします。

編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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