借金を残して自殺したらどうなる?相続人や保証人が負う影響と、具体的な解決策
「もう自分が消えれば、この借金問題も終わる」と考えてしまうほど、追い詰められている方は多いです。
しかし、借金を残して自殺しても、借金そのものはなくなりません。
それどころか、法定相続人には財産と一緒に借金も引き継がれ、保証人がいれば返済義務もそのまま残ります。
自分が死ぬことで借金苦から家族を守るという結果とは、正反対のことが起きてしまう可能性があるのです。
この記事では、借金を残して亡くなったあとはどうなるのか、相続や保証人にどのような影響があるのか、そして死ぬ以外に借金問題を解決する方法について解説します。
借金で苦しんでいる方は、参考にしてみてください。
借金を残して本人が自殺したらどうなる?
借金を苦に自ら命を絶ったとしても、借金そのものがなくなるわけではありません。
ここでは、借金を残して本人が自殺した場合において、自殺後の借金がどう扱われるのか確認しておきましょう。
原則として法定相続人に借金(負債)が引き継がれる
故人の借金は、マイナスの財産として法定相続人に引き継がれます。
民法では、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も全て引き継ぐ包括承継が原則とされているためです。
法定相続人には順位があり、配偶者は常に相続人となります。
次いで子ども、親、兄弟姉妹の順に、相続の権利と義務が移っていく仕組みです。
厄介なのは、相続放棄などの手続きを一切とらなかった場合です。
一定期間が過ぎると、財産も借金も全て受け入れたとみなされ、法定相続人が自動的に返済義務を負うことになりかねません。
保証人や連帯保証人の返済義務はそのまま残る
主債務者が死亡しても、保証人や連帯保証人の返済義務は一切免除されません。
連帯保証人の返済義務は、主債務者の死亡や相続人の相続放棄とは関係なく存続する仕組みです。
契約内容によっては、主債務者の死亡をきっかけに、債権者が連帯保証人へ残債務の一括返済を請求してくる場合もあります。
保証人が家族だった場合、大切な人を失った悲しみと同時に、重い経済的負担を背負うことになります。
精神的にも金銭的にも、二重の苦しみを強いられる結果になりかねません。
団体信用生命保険(団信)があれば住宅ローンは完済される
住宅ローン契約時に団体信用生命保険(団信)に加入していれば、ローン残高は保険金によって完済されます。
団信に加入していると、契約者が死亡した際に生命保険金が金融機関に支払われ、住宅ローンの返済に充てられます。
遺族が住宅ローンを引き継ぐ必要はありません。
ただし注意したいのが、自殺の場合の免責事由です。
契約から一定期間、多くの場合1年程度は自殺免責期間とされ、保険金が支払われない場合があります。
うつ病などの精神疾患による自死は、免責の対象外と判断されるケースも少なくありません。
団信の適用可否は、契約している金融機関に速やかに確認しましょう。
故人が誰かの保証人になっていた場合も相続対象となる
故人が他人の借金の保証人・連帯保証人になっていた場合、その地位も相続人に引き継がれます。
保証債務も相続財産の一部として扱われるのが実情です。
ただし、賃貸契約の保証人のように継続的な取引を保証していた場合は、故人の死亡時点までの債務に限られ、死亡後に発生した分は相続されません。
また、就職時の身元保証は、故人の死亡によって契約自体が終了するため、相続の対象外となります。
遺品整理の際は、故人が保証人になっていないか、契約書や郵便物をしっかり確認しておきましょう。
亡くなった人の借金に対して遺族が取るべき選択肢
借金を残して家族が亡くなった場合でも、遺族には取れる選択肢があります。
大きく分けると、借金を引き継いで返済する方法と、返済義務そのものを完全に免れる方法の2つがあります。
ここでは、遺族が取るべき具体的な選択肢を見ていきましょう。
選択肢1. 借金を引き継いで返済する
故人の借金を引き継いで返済するという選択肢です。
引き継ぎ方には、財産を全てそのまま受け取る単純承認と、プラスの財産の範囲内で返済する限定承認の2種類があります。
故人の財産が借金より明らかに多いのか、それとも財産と借金のどちらが多いか判断がつかないのかによって、選ぶべき方法は変わります。
それぞれの違いを把握して、どちらの引き継ぎ方を選択するのか判断してみてください。
単純承認|全ての遺産と借金をそのまま引き継ぐ
単純承認とは、故人のプラスの財産もマイナスの借金も、全て無条件に引き継ぐ手続きです。
単純承認をおこなうにあたって、特別な申請は必要ありません。
相続開始から3ヵ月以内に何も手続きをしなければ、自動的に単純承認が成立します。
預貯金や不動産などのプラス財産が、借金よりも明らかに多い場合に向いている選択肢です。
一方で、借金の総額を正確に把握しないまま単純承認を成立させるのは注意が必要です。
あとから多額の借金が発覚しても、原則として撤回はできません。
財産を投じてでも故人の借金を返済しきる覚悟が求められます。
限定承認|プラスの遺産の範囲内で借金を支払う
限定承認は、引き継いだプラスの財産の限度内でのみ、故人の借金を返済する手続きです。
借金の総額がはっきりせず、もしかしたらプラスの財産が残るかもしれないケースにおいて有効な方法です。
ただし、限定承認をおこなうには相続人全員の合意が必要であり、相続開始から3ヵ月以内に家庭裁判所へ共同で申し立てなければなりません。
財産目録の作成や官報公告など、手続きの負担が重いため、実際に選ばれるケースはほかのケースよりも少ないです。
選択肢2. 返済義務を完全に免れる
借金の返済義務そのものを、完全に免れる方法もあります。
代表的なのが全ての遺産を手放す代わりに借金からも解放される相続放棄と、一定期間返済がない古い借金を対象にした時効の援用の2種類です。
相続放棄や時効の援用を選択すれば、状況によっては借金問題から解放される可能性があります。
どのようなケースで使えるのか確認してみてください。
相続放棄|全ての財産と借金の相続を一切拒否する
相続放棄とは、故人の財産と借金の相続権を一切拒否し、最初から相続人ではなかったことにする手続きです。
家庭裁判所に申立てをおこなうことで、借金の返済義務から完全に解放されるのが最大のメリットといえます。
ただし、不動産や預貯金といったプラスの財産も、一切受け取れなくなる点には注意が必要です。
また、故人の遺品についても価値のある品を勝手に持ち帰ったり売ったりすると、財産を処分したとみなされ、相続放棄ができなくなる場合があります。
多重債務で財産よりも借金の方が明らかに多い場合、相続放棄は相続人の生活を守るための確実な手段です。
手続きには期限があるため、早めの検討をおすすめします。
時効の援用|すでに時効が成立している借金に対応する
最後の返済から一定期間が経過している借金は、「時効の援用」を通知すれば返済義務が消滅する場合があります。
時効までの期間は、借入先や時期によって異なります。
| 借入先 | 借入時期 | 時効期間 |
|---|---|---|
| 事業者(消費者金融や銀行など) | 時期の定めなし | 5年 |
| 個人(友人・家族など) | 2020年3月31日以前 | 10年 |
| 2020年4月1日以降 | 5年 |
ただし、「古い借金だから、もう時効のはず」と自己判断するのは危険です。
時効の成立時期は借金の発生時期や返済期間によって変わります。
また、一部でも返済すればその時点で計算がリセットされ、期間が過ぎているだけでは返済義務も自動的には消えません。
債権者に対して「時効を援用します」という意思を、内容証明郵便などで正式に伝える必要があります。
正確に時効が成立しているかどうかは、契約書や返済履歴をもとに、弁護士に確認してもらうのが確実です。
借金を相続放棄する際に知っておくべき6つの注意点
相続放棄は、借金の返済義務から解放される有効な手段です。
ただし、手続きには期限やルールがあり、知らずに進めると「放棄できたはずなのに、できなかった」という事態にもなりかねません。
ここでは、相続放棄を検討する際に押さえておきたい注意点を紹介します。
1. 相続開始を知った日から3ヵ月以内に相続放棄手続をおこなう
相続放棄は、自分が相続人になったと知った日から3ヵ月以内におこなう必要があります。
多くの場合は、故人の死亡を知った日が起算点です。
借金を相続するかどうかを検討する熟慮期間は、非常に厳格です。
熟慮期間を過ぎると、自動的に単純承認が成立し、借金も含めて全て引き継ぐことになってしまいます。
財産調査に時間がかかりそうな場合は、期限が来る前に家庭裁判所へ熟慮期間の伸長を申し立てられます。
ただし、伸長には理由の説明が必要で、必ず認められるとは限りません。
戸籍謄本などの必要書類の収集にも、想像以上に時間がかかるケースは少なくないため、まだ大丈夫と先延ばしにせず、早めに動き出すようにしましょう。
2. プラスの財産も引き継げなくなる
相続放棄をすると、マイナスの借金だけでなく、不動産や預貯金を含む全ての財産を失います。
相続放棄は、故人の財産全体をまとめて手放す手続きであり、一部だけを選んで放棄することはできないためです。
「実家だけは残して、借金だけを放棄したい」という希望は、叶いません。
実家に住み続けたいなど、特定の財産だけは残したいという強い希望がある場合は、限定承認など、ほかの選択肢も検討する必要があります。
全ての資産を手放してもよいか、慎重に判断しましょう。
3. 遺産を一部でも処分・返済すると放棄できなくなる
故人の財産を処分したり、借金の一部でも返済したりすると、単純承認をしたものとみなされ、相続放棄ができなくなります。
預金の引き出しや、形見分けの範囲を超えた財産の処分などが該当します。
債権者から厳しい督促があっても、相続放棄が完了するまでは1円も支払わないよう注意してください。
電話口での「少しずつでも払います」という口約束も、返済の意思表示とみなされるリスクがあります。
葬儀費用の支払いや日常的な身の回り品の整理は問題ありませんが、故人名義の預金の引き出しや、価値のある遺品の売却は要注意です。
判断に迷う場合は、実行前に弁護士へ確認しておきましょう。
4. 次の優先順位の親族に相続権が自動で移る
自分が相続放棄をすると、借金の相続権は次の順位の親族へ自動的に移ります。
たとえば子どもが全員放棄した場合、次は故人の親、その次は兄弟姉妹へと、借金がたらい回しになる仕組みです。
自分さえ放棄すれば終わりではない点に注意が必要です。
なお、放棄した人の子ども(孫など)に相続権が移ることはありません。
死亡の場合と違い、放棄には代わりに引き継ぐという仕組みがないためです。
事前に借金があるため相続放棄をする旨を親族へ伝えておかないと、突然督促が届いた親族との間でトラブルに発展しかねません。
親族全員に連絡を取り、順番に、またはタイミングを合わせて手続きを進めるのがおすすめです。
5. 遺産分割の話し合いだけでは借金の返済義務を免れない
親族間の話し合いで長男が借金を継ぐと決めている場合でも、その合意を債権者に対して主張できません。
借金のような金銭債務は、遺産分割の対象にならず、相続開始と同時に法定相続分に応じて自動的に分けられる決まりです。
債権者は、各相続人に対して個別に返済を請求する権利を持っています。
「うちは長男が払うことになっているので」は、債権者に対しては通用しません。
あくまで相続人同士の内輪の約束にすぎないためです。
借金の返済義務を確実に免れたい場合は、話し合いではなく、家庭裁判所での正式な相続放棄の手続きが必要です。
6. 保証人・連帯保証人の返済義務はなくならない
相続放棄の手続きを終えても、故人の借金の連帯保証人になっている場合、その返済義務は消えません。
相続放棄で捨てられるのは、あくまで相続人としての地位です。
保証人としての契約は、相続とは別の個人の契約として独立しているため放棄できません。
保証人としての債務からも逃れたい場合は、相続放棄とは別に、自身の自己破産などの債務整理を検討する必要があります。
相続放棄をしたから、安心と思い込んでしまい、あとから督促状が届いてパニックになるケースも少なくありません。
自分が保証人になっていないか、早い段階で確認しておきましょう。
故人の借金を引き継いだ場合の対処法3選
故人の借金を引き継ぐ場合でも、プラスの財産を活用した完済や法的な債務整理、過払い金の請求など、状況に応じた解決策を選べるのが実情です。
ここでは、代表的な3つの対処法を紹介します。
プラスの遺産を活用して完済を目指す
相続したプラスの財産を返済原資に充てて、自力で借金を完済する方法です。
不動産などの資産を売却して現金化し、債権者へ一括返済するのが一般的です。
ただし、不動産の売却には数ヵ月単位の時間がかかることも多く、資金化のタイミングは事前に見込んでおく必要があります。
返済を先延ばしにすると、遅延損害金が膨らみ負担が重くなってしまうため、できるだけ早く完済を終えるのがおすすめです。
家族が複数いる場合は、誰がどのように返済を主導するか、事前に役割分担を話し合っておくとスムーズです。
債務整理をおこなう
自力での返済が難しい場合は、引き継いだ負債について債務整理を検討しましょう。
債務整理には、主に次の3つの手続きがあります。
- 任意整理…利息をカットして分割返済する
- 個人再生…借金を大幅に減額したうえで返済する
- 自己破産…借金の全額免除を目指す
故人の借金であっても、相続した時点で相続人自身の借金として扱われるため、通常の借金と同じように債務整理の対象になります。
債務整理を選ぶことで、家族全員の生活が破綻する事態を防ぎ、新たな一歩を踏み出せるのが大きなメリットです。
どの方法が向いているかは借金の総額や収入状況によって変わるため、弁護士などの専門家に相談して見極めるのがおすすめです。
過払い金を請求する
故人の借金の取引履歴を調べると、利息制限法を超えた金利分の過払い金が見つかる場合があります。
過払い金を取り戻す権利も相続の対象となり、遺族が金融機関に返還を請求できる仕組みです。
過払い金が発生しやすいのは、主に2010年6月以前の借入です。
ただし、過払い金の請求権には10年の時効があり、最終取引日から10年が過ぎていると、すでに時効が成立しているケースも少なくありません。
心当たりがある場合は、時効の可能性も踏まえたうえで、早めに金融機関へ取引履歴を取り寄せて調査を選択してみてください。
借金苦で自殺を考える人が今すぐ取れる解決策
借金の返済に追われて視野が狭くなっていても、死ぬ以外の解決策は残されています。
債務整理を使えば、借金の負担を大きく減らしたり、なくしたりすることが可能です。
債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産という3つの方法があります。
ここでは、それぞれの仕組みを詳しく解説します。
任意整理|将来の金利をカットして分割返済する
任意整理は、弁護士が債権者と直接交渉し、今後の利息をカットしたうえで、元本のみを3〜5年かけて分割返済する方法です。
裁判所を通さない手続きのため、親や職場、配偶者に借金や手続きの存在を知られるリスクが低いです。
利息の負担がなくなることで、毎月の返済額を半分以下に圧縮できるケースも珍しくありません。
車のローンなど特定の借入だけを対象から外すこともでき、日常生活への影響を最小限に抑えながら進められます。
一方で、任意整理をおこなうと、一定期間は新たな借り入れやクレジットカードの利用が難しくなる点は理解しておきましょう。
個人再生|住宅を残して借金を大幅に減額する
個人再生は、裁判所の認可を得て借金を大幅に減額し、3年ほどかけて無理のない範囲で分割返済する手続きです。
減額幅は借金の総額によって変わりますが、目安として5分の1~10分の1程度になるケースが多く見られます。
また、住宅資金特別条項という制度を使えば、住宅ローンが残っていても、大切なマイホームを手放さずに手続きを進められます。
自己破産のように、生命保険の外交員や警備員といった特定の職業に一時的に就けなくなる資格制限もありません。
パート・アルバイトでもよいので、ある程度安定した収入があることが条件になりますが、借金の元本自体を大きく圧縮できる強力な手続きです。
自己破産|全ての借金返済義務を免除してもらう
自己破産は、裁判所の決定によって、全ての借金の返済義務を免除してもらう制度です。
収入が途絶えてしまい、どれだけ努力しても返済しきれない状況にある人が、生活を立て直すために自己破産の制度が設けられています。
お金が一切なくなるというイメージを持たれがちですが、実際は日常生活に必要な最低限の現金や生活家財を手元に残せます。
戸籍や住民票に自己破産の記録が残ることもありません。
また、手続き中は、警備員や保険外交員など一部の職業には一時的に就けなくなりますが、永続的な制限ではないため、手続きが終われば元に戻ります。
闇金が原因で自殺したい人へ|弁護士介入で解決できます!
闇金と知らずに借りてしまい、激しい取り立てや嫌がらせに追い詰められている方も諦める必要はありません。
闇金問題は、弁護士が介入することで解決できる可能性が高いです。
闇金の実態を知っておくことで、正しい対策が見えてきます。
ここでは、闇金について詳しく解説します。
闇金とはどのような存在か
闇金とは、法律の規制を守らずにお金を貸し付ける違法業者のことです。
他人にお金を貸して利息を得る商売には、貸金業法に基づく登録義務があります。
あわせて、利息制限法・出資法により、金利にも上限が定められており、年15〜20%程度が金利の上限です。
一方、闇金は貸金業の登録も金利規制も守らずに営業しています。
金利の上限という発想自体が存在しないため、貸し手が自由に利率を決められるのが実態です。
たとえば、闇金が用いる「トイチ」と呼ばれる貸付方式は、10日で10%もの利息がつく仕組みです。
年利に換算すると365%という異常な高金利になります。
闇金は何をしてきて何をしてこないか
闇金がどのようなことをしてくるのか、正しく知っておくことが対策の第一歩です。
闇金は、返済しない相手に対して電話での嫌がらせをしてくる傾向が多いです。
本人だけでなく、家族や勤務先にまで執拗に連絡してくるケースも少なくありません。
また、SNS上に個人情報や写真を晒すといった手口も増えています。
一方で、警察沙汰になることは避ける傾向にあり、暴力を振るったり、自宅や会社に直接押しかけてきたりする行為は考えにくいです。
弁護士の介入で借金問題が解決する理由
闇金業者は、自分たちが違法な存在であることを自覚しており、罰則を恐れています。
高金利での貸付や無登録営業に対する罰則を特に警戒しているため、弁護士とはできるだけ関わりたくないと考えているのが実情です。
弁護士が介入すると、即日で違法な取り立てが止まるケースも珍しくありません。
警察は民事不介入の原則から、借金トラブルを個人間の話し合いとして扱いがちで、望んだ対応をしてもらえるとは限りません。
弁護士が介入し、出資法違反などの刑事事件として整理すると、警察も動きやすくなります。
違法金利で貸し付けをおこなう闇金へ返済する必要はない
闇金からの借金は、法律上、返済する義務がありません。
最高裁の判例でも、著しい高金利で貸し付ける悪質な闇金からの借入は、民法上の不法原因給付にあたるとされています。
利息はもちろん、借り入れた元本の返済義務すらありません。
借りたお金なのだから返さなければと思い込んでいる方もいるかもしれませんが、その必要はないと考えて大丈夫です。
まずは弁護士に相談し、激しい取り立てを止めてもらうところから始めましょう。
借金の悩みを弁護士に相談するメリット3つ
相続や借金の問題は、自分だけで抱え込むと判断を誤りやすい分野です。
ここでは、弁護士に相談すると得られるメリットを3つ解説します。
詳しく見ていきましょう。
手続きを正確かつ期限内に進められる
相続放棄や限定承認は、弁護士に依頼することで、正確かつ期限内に進められます。
裁判所へ提出する書類に不備があってはならず、正確な手続きが求められるうえ、3ヵ月以内という厳格な期限もあるためです。
借金のある相続は、法定相続人の順位が複数世代・複数人にまたがりやすく、誰がどの戸籍謄本や除籍謄本を取得すべきか迷うケースが多くなりがちです。
弁護士には、戸籍を職権で取得できる制度があり、迅速に必要書類をそろえられます。
相続人全員の足並みをそろえる必要がある限定承認のような手続きも、弁護士がリードしながら円滑に進めてくれるため、期限内に確実に完了させることが可能です。
素人では難しい法的判断を任せられる
過払い金の有無や消滅時効の成立といった、専門知識がなければ見極めが難しい判断を弁護士に任せられます。
たとえば、まだ借金が残っているかを確認しようと債権者に直接連絡してしまうと、債務の承認とみなされ、成立していたはずの時効が消えてしまう危険が高いです。
弁護士を間に挟むことで、こうした落とし穴を避けられます。
また、故人の取引履歴を開示できれば、正確な金利計算(引き直し計算)の実施が可能です。
過払い金を1円単位で算出できます。
借金の時効が、実は成立していたというケースも珍しくありません。
弁護士に相談することで、思わぬ形で負担が軽くなる可能性があります。
解決策の提案を受けられる
弁護士は、それぞれの家庭の財産状況を総合的に踏まえたうえで、生活を圧迫しない最適な解決策を提案してくれます。
借金はとにかく放棄すればいいという単純な話ではありません。
家を守るために限定承認を選んだり、過払い金で相殺したりする対応が欠かせません。
弁護士に依頼すれば、状況に応じた組み合わせを提示してもらえるのが強みです。
相続放棄をすると次の順位の親族に相続権が移る点についても、事前にどう周囲へ伝え、どう配慮すべきかをアドバイスしてもらえます。
3ヵ月という短い期限内に、今後の対応を検討しなければならないケースが多く、悩む時間が伸びるほど選択肢は狭まります。
早い段階で弁護士に相談することが、家族全員が納得できる解決につながります。
借金や自殺の悩みを今すぐ解決できる相談先11選
借金の悩みは、専門家に相談することで解決の糸口が見えてきます。
弁護士や司法書士だけでなく、公的機関や業界団体など、頼れる相談先は数多くあるのが実情です。
ここでは、借金問題に強い代表的な相談先を紹介します。
1.法律事務所|借金問題を得意とする弁護士に相談できる
借金問題を根本的に解決したいなら、弁護士の法律事務所へ相談するのが近道です。
弁護士に依頼すれば、債権者との交渉や裁判所への手続きを全て任せられます。
依頼後、弁護士が債権者に受任通知を送った時点で、債権者は本人へ直接の取り立てができなくなります。
自分一人で抱えていた督促の電話も止まり、精神的な負担が大きく軽減されるでしょう。
法律事務所は、初回相談を無料でおこなっているケースも少なくありません。
まずは近くの弁護士に、今の状況を話してみることから始めてみてください。
ベンナビ債務整理の活用がおすすめ
借金問題を得意とする弁護士を探したい方におすすめなのが、ベンナビ債務整理です。
ベンナビ債務整理は任意整理や自己破産などの債務整理を得意とする、全国の弁護士・司法書士を多数掲載しているポータルサイトです。
相談したい内容や、相談したいエリアを選択するだけで、自分に合った弁護士を探せる絞り込み検索にも対応しています。
解決実績や料金、得意分野、対応エリアなどを気軽に比較できるのが特徴です。
初回相談無料の事務所も多く掲載されているため、初めて弁護士を探す方にも向いています。
2. 法テラス|経済的に困難な状況でも無料相談ができる
法テラス(日本司法支援センター)は、法的トラブルに対応する公的機関です。
収入や資産が一定の基準以下であれば、専門の相談員や弁護士から、同じ案件について3回まで無料でアドバイスを受けられます。
| 人数(※1) | 手取り月収の基準(※2) | 家賃または住宅ローンを負担している場合に加算できる限度額(※3) |
|---|---|---|
| 一人 | 182,000円以下 (200,200円以下) |
41,000円以下 (53,000円以下) |
| 二人 | 251,000円以下 (276,100円以下) |
53,000円以下 (68,000円以下) |
| 三人 | 272,000円以下 (299,200円以下) |
66,000円以下 (85,000円以下) |
| 四人 | 299,000円以下 (328,900円以下) |
71,000円以下 (92,000円以下) |
※1:申請者と、家計に貢献している同居人の合計人数
※2:東京や大阪などの生活保護一級地に居住している場合は()内の金額が適用
※3:東京都23区内に居住している場合は()内の金額が適用
| 人数(※1) | 資産合計額の基準(※2) |
|---|---|
| 一人 | 180万円以下 |
| 二人 | 250万円以下 |
| 三人 | 270万円以下 |
| 四人 | 300万円以下 |
※1:申請者と、家計に貢献している同居人の合計人数
※2:医療費や教育費などの出費が確定している場合は相当分が控除される(無料法律相談の場合は3ヵ月以内の出費のみ対象)
経済的に厳しい状況にあっても、質の高い法律サービスを受けられる点が法テラスに相談するメリットといえます。
必要に応じて弁護士の紹介や、弁護士費用の立て替え制度を利用可能です。
弁護士費用が払えないから相談できないと諦める前に、一度問い合わせてみてください。
3. 日本弁護士連合会|借金問題を得意とする弁護士が相談に乗る
日本弁護士連合会(日弁連)は、全国の弁護士・弁護士会で構成される組織です。
「ひまわりお悩み110番」などの窓口に問い合わせれば、お住まいの地域の弁護士会が運営する法律相談センターを案内してもらえ、借金問題を得意とする弁護士から適切なアドバイスを受けられます。
各地の弁護士会でも、無料または低料金の相談サービスが利用可能です。
日弁連が運営する窓口への相談は、信頼性の高い弁護士によるサポートを受けられるのが強みだといえます。
どの弁護士に相談すればよいかわからない場合の入り口として、活用しやすい窓口です。
4. 日本司法書士会連合会|債務整理に精通した司法書士がサポート
日本司法書士会連合会は、全国の司法書士を統括する組織です。
借金問題について相談すると、裁判所への提出書類の作成や債務整理の手続きに精通した司法書士から、アドバイスを受けられます。
弁護士よりも相談料が低額な場合が多いのがメリットです。
ただし、司法書士が代理人として交渉できるのは、1社あたりの借入額が140万円以下のケースのみ。
1社あたり140万円を超える借金や、自己破産・個人再生の手続きでは、書類作成の支援に留まります。
借金の総額によっては弁護士への相談が必要となる点に注意が必要です。
5. 日本貸金業協会|貸金業者とのトラブル解決のサポートが受けられる
日本貸金業協会は、貸金業法に基づく自主規制機関です。
貸金業者と利用者の間の紛争を、中立・公正な立場で解決する「貸金業相談・紛争解決センター」を運営しています。
相談は無料で、専門知識を持つスタッフから、借金整理や返済計画についてのアドバイスを受けられます。
取引先が正規の登録業者かどうかを確認したい場合や、返済に行き詰まって多重債務に陥っている場合など、状況に応じた助言をもらえるのが特徴です。
必要に応じて、家計の立て直しに向けたカウンセリングや、ほかの相談機関の紹介を受けられます。
「まずは今の状況を誰かに話してみたい」という段階でも、気軽に利用できる窓口です。
6. 日本クレジットカウンセリング協会|返済計画の作成をサポートしてもらえる
日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)は、多重債務者の救済を目的とした公益財団法人です。
相談すると、弁護士や消費生活アドバイザーの資格を持つカウンセラーから、債務整理や返済計画についてのアドバイスを受けられます。
相談・カウンセリングは全て無料です。
「何から手をつければいいかわからない」という段階でも相談しやすい窓口ですが、対応の中心は任意整理による解決となります。
個人再生や自己破産が適したケースでは、別途弁護士などの法律事務所への相談もあわせて検討しましょう。
7. 全国銀行協会|銀行に関連する借金問題に対して適切な対応が可能
全国銀行協会(全銀協)は、銀行法に基づく指定紛争解決機関として、銀行との取引に関する相談を受け付けている団体です。
カウンセリングサービスを利用すると、専門のカウンセラーから、返済計画についてのアドバイスを受けられます。
銀行の住宅ローンやカードローンなど、銀行に関連する借金で返済が困難になっている場合に、適切な対応を期待できるのが強みです。
公平かつ中立的な立場からサポートしてもらえるため、安心して相談できます。
相談は無料です。
8. #いのちSOS|電話やチャット、メールでも相談可能
#いのちSOSは、NPO法人自殺対策支援センターライフリンクが運営する、無料の相談窓口です。
電話(0120-061-338)はほぼ24時間対応で、ほかにもチャットやメールでも相談を受け付けています。
「死にたい」「消えたい」「生きることに疲れた」といった気持ちを、専門の相談員が受け止めてくれます。
借金の悩みに限らず、幅広い理由による相談が可能です。
状況を一緒に整理しながら、必要な支援策を考えてもらうことが可能です。
電話をかけるのがつらい場合は、チャットやメールから始めてみるとよいでしょう。
9. よりそいホットライン|DVや生活困窮など幅広い問題に対応する
よりそいホットライン(0120-279-338)は、一般社団法人社会的包摂サポートセンターが運営する、24時間対応・無料の相談窓口です。
生活の困りごとやDV、性暴力、自殺を考えるほどの深刻な悩みまで、幅広い相談に対応しています。
借金の悩みが、家庭内のトラブルや心身の不調と絡み合っているような、複雑な状況でも相談しやすいのが特徴です。
また、10時〜22時の時間帯であれば、外国語での相談にも対応しています。
電話での通話が難しい場合は、ファクスを利用した相談も可能です。
専門の相談員が気持ちに寄り添いながら、一緒に解決策を探してくれます。
「どこに相談すればいいかわからない」という段階でも、まず頼ってみてください。
10. いのちの電話|訓練を受けたボランティアが対話する
いのちの電話は、一般社団法人日本いのちの電話連盟が運営する相談窓口です。
自殺を考えるほどの深刻な悩みを抱える方に対して、訓練を受けたボランティアが電話でサポートしてくれます。
電話番号は、目的に応じて2種類から選べます。
| 電話番号 | 対応時間 | 通話料 |
|---|---|---|
| フリーダイヤル(0120-783-556) | ・ 毎日16:00〜21:00 ・ 毎月10日は朝8:00〜翌日朝8:00の24時間 |
無料 |
| ナビダイヤル(0570-783-556) | 毎日10:00〜22:00(年中無休) | 有料(携帯電話の無料通話サービスの対象外) |
一部通話料が発生しますが、相談そのものに料金はかかりません。
話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなることがあります。
11. こころの健康相談統一ダイヤル|地域の精神保健福祉センターと連携する
こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)は、全国共通の電話番号で、お住まいの地域の公的な相談機関につながる窓口です。
都道府県や政令指定都市が実施する「こころの健康電話相談」に対応しており、地域の精神保健福祉センターと連携しています。
対応の曜日や時間は地域によって異なりますが、夜間や24時間対応をおこなっている地域もあります。
自殺対策強化月間などは電話が混み合うことがあるため、つながりにくい場合は時間を変えて再度かけてみてください。
なお、IP電話からは接続できない場合があるため、つながらないときは固定電話や携帯電話からかけ直すのがおすすめです。
借金がある人が家族のために生前にできる備え
自分が亡くなったあとに、借金のことで家族に迷惑をかけたくないと感じている方もいるかもしれません。
生きているうちに備えておけば、将来的に家族の負担を大きく減らせます。
借金がある人が、生前に家族に向けてできる備えについて解説します。
相続人や保証人に借金(負債)の存在を伝えておく
借金の正確な金額や借り入れ先を、家族にあらかじめ伝えておきましょう。
事前に伝えておけば、万が一のときに家族が相続放棄などの判断を迅速に下せるようになります。
借金の存在を伝えないまま亡くなると、遺族は借金があることに気づかないまま日々を過ごしてしまいます。
結果として、相続放棄ができる3ヵ月という期限を知らないうちに過ぎるリスクが高いです。
連帯保証人になっている親族がいる場合は、今後発生しうる請求について、早めに情報を共有しておくことが重要です。
話しにくい内容ではありますが、借入先や残高、契約書の保管場所を、エンディングノートや紙にメモとして残しておくだけでも、家族の助けになります。
財産や負債を整理して遺言書を作成しておく
遺言書に財産と負債の状況をまとめて書き残しておくと、遺族の財産調査にかかる負担を大きく減らせます。
遺言書自体に借金を消す効力はなく、「誰が借金を継ぐか」という記載も債権者には対抗できません。
それでも、資産の分け方や希望を家族に確実に伝えられる手段としての価値は大きいものです。
遺言書は、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類が一般的です。
加えて、財産目録を添えておくと、遺品整理や家庭裁判所での手続きがスムーズに進みます。
自筆証書遺言は法務局で保管してもらう制度もあり、紛失や偽造の心配を減らせます。
借金で悩んでいる方は「ベンナビ債務整理」で弁護士に相談
借金の返済に追われて、誰にも相談できずに苦しんでいる方におすすめなのが「ベンナビ債務整理」です。
ベンナビ債務整理は、任意整理・個人再生・自己破産といった債務整理を得意とする全国の弁護士・司法書士を掲載しているポータルサイトです。
絞り込み検索にも対応しており、済んでいる地域や、相談したい内容を入力するだけで、自分に合った弁護士を見つけられます。
また、弁護士の比較がサイト内で完結するため、複数の事務所を自分で調べて比較する手間を省けます。
解決実績や対応分野、料金体系を一覧で確認しながら、自分に合った専門家を選ぶことが可能です。
初回相談無料の事務所も多く掲載されているため、費用が心配な方も気軽に相談してみてください。
亡くなった人の借金に関するよくある質問
借金を残して本人が亡くなった場合の扱いや、遺族が取るべき対応について解説してきました。
最後に、読者からよく寄せられる疑問について解説します。
判断に迷いやすいポイントばかりなので、ぜひ参考にしてください。
Q1. 全ての相続人が相続放棄をしたら借金はどうなる?
法定相続人が全員相続放棄をした場合、借金がさらに遠い親戚へ引き継がれることはありません。
相続人がいなくなった時点で、債権者は故人の借金を回収できなくなります。
実務上は、故人にプラスの財産(不動産や預貯金など)が残っている場合、債権者が家庭裁判所に申立てをおこないます。
その後、選ばれた相続財産清算人が、故人の財産を売却して債権者への支払いに充てる、という流れが一般的です。
親族としては、相続放棄すれば、あとは誰にも迷惑がかからないと考えて問題ありません。
ただし、故人と同居していた家にそのまま住んでいるなど、実際に財産を管理している人は例外です。
次の管理者に引き渡すまで、一定の保存義務を負う点に注意しましょう。
Q2. 相続放棄の期限が過ぎたあとに借金の存在が発覚したら?
借金は存在しないと信じるだけの相当な理由があった場合は、期限を過ぎたあとでも、借金の存在を知った日から3ヵ月以内であれば相続放棄が認められる可能性があります。
最高裁判所の判例で、「相続財産を調べるのが難しい事情があり、財産は何もないと信じてしまうのも無理はない」と認められた場合、期限のスタート地点を後ろにずらせるという考え方が示されているためです。
「故人が生活保護を受けていて財産があるとは思わなかった」「時間と費用をかけて調査したが見つからなかった」といった具体的な事情が、相当な理由として認められやすいとされています。
単に「借金があるとは知らなかった」というだけでは、認められにくいです。
この例外の申請は難易度が非常に高いため、自分で判断せず、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
Q3. 亡くなった人の借金状況を確認する方法は?
故人の借金の有無は、遺品の捜索と、信用情報機関への開示請求によって確認できます。
日本には、消費者金融系のJICC、クレジット・信販系のCIC、銀行系の全国銀行個人信用情報センターという3つの信用情報機関があります。
相続人が戸籍書類などを添えて申請すれば、故人の借入状況を開示してもらえる仕組みです。
管轄が異なるため、正確に把握するには3機関全てへの請求が推奨されています。
ただし、個人間での借金や闇金、知人の保証人になっていたケースなどは、信用情報機関には載りません。
自宅に届いた郵便物や契約書が残っていないか、あわせて確認しておくことが大切です。
まとめ|借金問題は自死ではなく生前の債務整理で必ず解決できる
借金を残して自殺しても、その借金が消えることはありません。
法定相続人には財産と一緒に借金も引き継がれ、保証人がいればその返済義務もそのまま残ります。
一方で、遺族には相続放棄や限定承認という選択肢があり、正しい手続きを踏めば、借金の負担を回避・軽減することが可能です。
借金問題は「死ぬこと」以外の方法でも解決できます。
任意整理・個人再生・自己破産といった債務整理を利用すれば、自殺という選択をしなくても、今抱えている借金の負担を大きく減らしたり、なくしたりできます。
一人で抱え込まず、まずは専門家に今の状況を話してみてください。
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これからの生活を立て直す一歩として、弁護士や司法書士への相談を検討してみてください。
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