公開日:2019.11.18  更新日:2020.12.16

期限の利益とは? 喪失する理由と対処法を解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
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期限の利益とは、取り決めた期限が来る前に、業者から返済を請求されない権利です。

期限の利益がないと、住宅購入のために3,000万円を借りた翌月、急に3,000万円を一括請求されるような事態も発生するかもしれません。

ただ、滞納などの契約違反が続くと「期限の利益の喪失」といって、期限の利益を失うことがあります。その場合は、期限の利益喪失通知書が届きます。

この記事では期限の利益が喪失する理由、喪失した後のリスクや対処法について解説します。

期限の利益喪失通知書が届き

不安な方へ

期限の利益喪失通知書が届いても、すぐに差押え一括請求されるわけではありません。

期間内でどうにかなることもありますが、支払うお金が手元にない場合、借金問題の解決が得意な専門家に相談することをおすすめします。

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期限の利益があることで分割払いができる代わりに利息がつく

期限の利益があることで、分割払いすることができます。例えば、債権者の状況が変わり、

業者

状況が変わった、来月までに貸していた300万円全部返してくれ

と請求されても

ちょっと待って下さい!

返済期間を2年って決めましたよね? 来月分しか返せません

というように、断る権利があります。

期限の利益によって返済期間が長くなると、債務者(借金を返済する義務のある方)の音信不通、死亡、失業、景気の悪化など様々なリスクが伴います。

利息は、年に何%ともらうことで、そのリスクを埋め合わせていくのです。

期限の利益を喪失するケース

期限の利益は、状況によって失うこともあります。

期限の利益の喪失は、民法第137条に明記

まず、期限の利益の喪失に関しては、民法第137条に明記してあり、以下のとおりです。

(期限の利益の喪失)

第百三十七条 次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。

一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。

二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。

三 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。

引用:民法第137条

このことによると、債務者が自己破産手続きを開始したり、担保が無断で売られたり、差し出されないような場合、期限の利益を喪失してしまいます。

当事者間で期限の利益の喪失について条項を決める

しかし、上記の内容だけでは債権者が不利になることもあります。そこで、契約時に債務者と債権者の当事者同士で追加の条項を決めることがあります。

例えば「1度でも分割支払が滞ったら、残りの金額を一括請求する」といった内容です。

こちらに関しては当事者間で決めるので(厳密には債権者が契約書に条件を提示し、債権者がサインする)、内容にはバラつきがあります。

3回の滞納で期限の利益の喪失になるか、1回の滞納で期限の利益の喪失になるかは一概に言えず、各契約書を確認する必要があります。

債務者が自己破産手続きを始めたとき

民法第137条にもあるように、債務者が破産手続き開始を決定した場合、それを債権者が知ると期限の利益を喪失させ一括請求することもできます。

債務者が契約違反した時

契約時に当事者同士で取り決めをするとお伝えしましたが、その契約に違反した場合、期限の利益を喪失する可能性もあります。

例えば、担保を勝手に売却したり、契約書に記入した内容に嘘があったような場合です。

住宅ローンの場合、一般的に6回の滞納で期限の利益の喪失になる

大きな金額の借入となると、住宅ローンが考えられますが、住宅ローンの場合、一般的に6回の滞納が続くと期限の利益の喪失になることが多いです。

1~5回の滞納で督促書や催告書などが送られ、それでも返済がされない場合、いよいよ期限の利益喪失通知書が届き、期限の利益を喪失してしまいます。

期限の利益の喪失した後のリスク

実際に家に「期限の利益喪失通知書」が届いたときに期限の利益という言葉を初めて知った方も多いでしょう。

これは、『期限の利益』という権利が失われたという通達ですが、それには大きな2つのリスクがあります。

期限の利益を喪失すると一括請求されることもある

上記のように期限の利益とは、ローン契約などを安心して行える権利ですが、もしも期限の利益を喪失すると、その権利を失うことになります。つまり、それまでの滞納分と今後支払っていく予定だった未払い金を一括請求されてくる可能性も出てきます。

住宅ローンの場合、住宅を手放す可能性も出てくる

期限の利益喪失の対象が住宅ローンだった場合、数千万円規模の高額な未払い金を容赦なく請求される可能性もあります。そのような高額な金銭を直ちに用意できる人は少ないでしょう。

もしも、そうなってしまったのであれば、自宅を売却することで未払い金の埋め合わせをするしかありません。競売や任意売却です。

住宅を手放すとなると、精神的負担も大きいでしょう。そうなってしまう前に対処が必要です。そのような方は下記まで読み進めていってください。

【関連記事】任意売却の流れを徹底解説|住宅ローンの支払に困ったら

期限の利益喪失通知書が届いた場合の2つの対処法

期限の利益喪失通知書が届いても、即刻この権利を失うわけではありません。ここでは、2つの対処法を解説します。

期限内に指定の金額を支払う

期限の利益喪失通知書は「指定した期限までに滞納分を支払わなければ、期限の利益の喪失になりますよ」という、通達です。

ですので、指定の日にちまでに記載されてある金額を支払えば、期限の利益の喪失を回避することが出来ます。絶対に無視してはいけません

債権者に相談

どうしても指定された期限内に請求額が支払えないようでしたら、債権者に正直にその旨を伝えましょう

ただ、業者が全く応じてくれないことも考えられます。できれば、借金問題解決の専門家に相談し、専門家から交渉してもらうようにしましょう。

【関連記事】債務整理でおすすめの無料相談窓口|専門家を選ぶ6つのポイント

期限の利益を喪失後にできること

期限の利益を喪失すると、以下の方法を取るしかありません。

競売・任意売却

住宅ローンなどの高額な財産に対して期限の利益を喪失してしまうと、高額な債務を一括請求されてしまう可能性が考えられます。

そうなると、競売か任意売却で住宅を売却して資金を作ることで返済に充てることになります。

競売だと予想以上に低い金額で売却されてしまい、資金が足りないということも考えられますので、任意売却を検討してください。

【関連記事】任意売却の仕組みと失敗しない業者を選ぶポイント

債務整理をする

債務整理とは、借金(債務)の減額や返済猶予、過払い利息の返還などの手続きの総称です。具体的には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの方法があります。

任意整理とは、債権者との交渉により毎月の返済額や返済方法を調整し、無理のなく完済する手続きです。基本的に元本が減額されませんが、手続き開始後は利息がカットされるため、これ以上借金が増えることがありません。

個人再生とは、裁判所に認められることで借金を最大90%まで減額し、残った借金を3~5年で返済する裁判所を介した手続きです。減額を認めてもらうには、完済までの返済金額や方法をまとめた再生計画案を認可してもらう必要があります。

自己破産とは、破産申立書を裁判所に提出し、免責許可をもらうことで借金を免除(ゼロ)するための手続きです。裁判所が申し立てた人の収入や借金の額、借金理由を考慮し、本人と面談した上で借金をゼロにするか判断します。

まとめ

期限の利益によって、債務者は安心してローンを組むことが出来ます。しかし、返済が滞ると期限の利益の喪失になり、一括請求、持ち家の売却などの最悪のシナリオになってしまうケースが有ります。

借金に困ったら、まずは弁護士や司法書士などの債務整理の専門家に相談することをおすすめします。専門家が適した解決方法を提示してくれるでしょう

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。