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任意売却の仕組みとは?競売との違いや業者を選ぶ7つのポイントを解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
任意売却の仕組みとは?競売との違いや業者を選ぶ7つのポイントを解説

新型コロナウイルスによる減収や借金により、住宅ローンの返済に関する相談は以前と比較して増加しています。

住宅ローン 相談件数(参考:住宅金融支援機構)

住宅ローンの返済に困っている人のなかには、任意売却を検討している人もいるでしょう。任意売却の正しい知識を持つことで、少しでも高い値段で家が売れる可能性があります。

この記事では、任意売却の仕組みや基本的な知識、不動産業者の選び方について解説します。

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この記事に記載の情報は2023年11月22日時点のものです

任意売却の仕組み

任意売却の基本的な知識や仕組みを紹介します。

任意売却とは

住宅ローンの滞納や借金ができず家が差押えられてしまうと、債務者は分割払いする権利を失ってしまい、一括返済を求められます。

しかし、すでに滞納している状況では一括返済が現実的ではありません。そのため、住宅ローンを組んでいる金融機関の許可を得て家を売り、売却金で返済していきます。

ポイント
なぜ金融機関の許可が必要なの?
金融機関の許可が必要なのは、家に「抵当権」がついているからです。抵当権とは、住宅ローンを契約する際に返済できなかったときの担保として、金融機関が不動産に付ける権利をさします。
本来であれば、抵当権があるため、不動産の権利が金融機関にうつりますが、自分のものとして売却するために、権利がうつらないよう抵当権を削除してもらう必要があります。

任意売却とは別に強制売却もありますが、これは債務者(ローンを支払っている人)の同意なく家を強制的に売ってしまう方法です。

強制売却になると、債務者は家がなくなるだけではなく、任意売却より安い値段でしか売却できなかったり、住宅ローンに裁判所へ納める競売費用が加算されるなど、債務者への負担が大きく、債権者(住宅ローンを貸している側)にとっても最終手段となります。

任意売却の仕組み

任意売却では下のような図が成り立ちます。

任意売却任意売却を行う場合、まず不動産などの仲介業者へ相談し不動産がどのくらいで売れそうかなどを相談します。

任意売却では債権者の許可が必要ですが、先に債権者へ相談してしまうと、家がいくらで売れるのかなどを説明できず、状況によっては任意売却を断られてしまう可能性があります。

不動産会社を通して任意売却をすることで、家の査定や債権者との交渉代理で行ってくれたり、サポートしてもらうことができます。

任意売却が必要になるケースとは

任意売却とは借金の滞納により、抵当にかけられていた住宅が競売にかけられる可能性のある場合に、少しでも高値で売却するための方法です。

競売は、自分の意思とは関係のない手続きにより行われ、自動で売却が完了しますが、任意売却は自分の意思で売却の手続きを完了させなければなりません。

住宅ローンが支払えない状況にある(これからなる)場合

マイホーム(不動産)などを購入する場合、ほぼ全ての方が住宅ローンを利用し、金融機関に長期間に渡り返済していく方法を取ります。しかし、マイホームを購入したものの、病気やリストラ・収入減、相続といった様々な事情で住宅ローンが払えない状況になっている方には有効な手段です。

売却時の住宅ローンの残債一括返済が求められている場合

住宅ローンを組んで不動産を購入する際、金融機関は購入した不動産に「抵当権」を設定し、購入者がもしも住宅ローンの返済が不可能になった場合の保険をかけています。簡単に言うと、返せないお金の代わりに土地や建物を借金のカタに担保としておくことで、債務が弁済されない時に、その土地や建物の売却益からローン残額を回収する手段とお考えください。

抵当権が設定されている場合、ローン残高より高値で不動産が売却出来れば何の問題もないのですが、ローン残高が売却価格を下回る場合、残りの残債を一括返済する必要があります。このとき、任意売却は債権者との合意を得ることで、ローンを残したままでも抵当権を解除することが可能になります。

つまり、債権者が抵当権を実行する前に手を打つことができるのです。

参照:「住宅ローンの滞納によるリスクと回避するための解決策のまとめ

任意売却によって残債以上の利益が望める場合

任意売却によって手元に残る利益が残債以上のものが望める場合は、任意売却を選択した方が良いでしょう。しかし現実的に、任意売却によって残債以上の利益が出る可能性は高くはないため、残債を減らすために任意売却で得たお金を充てることになるでしょう。

その他に任意売却が役に立つケース

  • ボーナス支払いが出来ない
  • 住宅ローンの支払交渉に応じてもらえない
  • 銀行から督促状や催告書が届いている
  • 固定資産税等が支払えず所有不動産が差押えられている
  • 離婚するので住宅を売却したい
  • 離婚後の住宅ローンが払えない
  • 住宅ローン滞納で連帯保証人に迷惑をかけたくない
  • 資産価値が500万円に対して住宅ローンの残金は1500万円あるような場合

特に最後の項目のような場合、競売では市場より非常に安い価格でしか売却できないため、家を失った後でさえ多額の借金が残ることになります。さらに、引渡時期は落札者の都合が優先されるため、子供がいる場合は学校の都合など関係なしに退去が強制されてしまいます。

経済面だけでなく、精神面でも非常に負担が重い「競売」を避ける手段として、任意売却は非常に有効な手段といえます。

任意売却を行うメリット・デメリット

住宅ローンの返済が難しい場合に便利な任意売却ですが、具体的にどういったメリットやデメリットがあるのか解説します。

メリット|競売との8つの違い

任意売却は「競売」での売却を回避する有効策として注目される手段ですが、以下のような点において、競売にはないメリットがあります。

①市場価格に近い高額な売却ができる可能性が高い

転売目的の入札が多くなる競売では、市場価格よりも低い金額で落札される傾向があります。もし、多額の残債が残っている場合は多額の借金が残る可能性があるといえるでしょう。その点、任意売却は市場価格や相場に近い売買が出来る可能性が高くなるというメリットがあります。

②残債の負担がかなり軽減される

競売後にも多額な残債の強行返済を迫られ、給料さえ差押えられる可能性もありますが、任意売却では債権者との調整で、無理のない少額返済が可能になります。

③引越し時期や条件等に融通が利くようになる

競売で不動産が落札された後に、不動産業者から強制的な立退きを迫られるケースが多々あります。もし従わない場合は不法占拠者と見なされ法的措置に出る事も場合によってはあります。任意売却を利用した場合、債権者への引越し時期や条件面での要望を伝え、猶予をもらうこともできます。

④引っ越し代金も確保できる

任意売却の場合も競売と同じく家を明け渡さなければなりません。ただ、任意売却では引越し費用の捻出が認められる可能性があり、債務者にとっては新生活がスムーズにスタート出来るというメリットもあります。

ただ、あくまでも債権者の善意によるものであるため、全ての債権者が引越し代を善意で捻出してくれる訳では無いことは心得ておきましょう。また相場としては10万〜30万円の間で落ち着くことが多いでしょう。この数字は、引越し費用を控除経費と認めた場合の基準額だとお考えください。

⑤プライバシーが守れる

競売に掛けられると、落札目当ての不動産業者が自宅周辺を調査するなどして近所に知られる怖れがありますが、任意売却ではプライバシーも侵害されず、慣れ親しんだ地域に住み続けることが可能です。

⑥精神的なダメージが少なくなる

裁判所が介入する競売の場合、債務者の意向は反映されず、精神的なダメージも大きくなりますが、裁判所の介入がない任意売却は債務者の意思で退去が出来るので、心労も少なく安心できます。

⑦任意売却には費用が一切掛からない

競売が決まると落札までの遅延損害金が14.6%/年かかり続けるため、逆に債務残高が増加する可能性もあります。任意売却の場合、債務者が費用を負担する必要は一切ありません。全ての手続きにまつわる諸費用は、物件の売却費用から配分されます。

⑧金融機関にとってもありがたい制度

競売よりも、任意売却のほうが有利な条件で不動産売却ができるため、債権者(金融機関)にとっても任意売却のほうがより多く債務回収ができる利点があります。住宅ローンの支払いが滞ると、任意売却を勧められることが多いのはそれが理由です。また、債務者は残債の縮小や債務の再構築を行いやすくなるケースもあります。

デメリット|手間や債権者との衝突

任意売却にもデメリットはありますので、メリットとともに理解しておくことも大事です。

1:手続きや交渉の負担が大きい

競売の場合は債務者が何もしなくても話は進んでいく一方で、任意売却の場合は債権者との交渉や買取希望者との面談、各種手続きなどの手間がかかります。これら全部を債務者1人で行うことはほぼ不可能ですので、信頼できる任意売却専門業者の力を借りるのが良い選択でしょう。

2:債権者が同意してくれない場合も多い

銀行や信用金庫などによっては任意売却を認めない場合もあります。さらに、本来なら任意売却を認めてくれるはずの金融機関でも、融資を受けている方の態度が悪いと任意売却の申し出を拒絶される可能性もあります。もし滞納している場合は、より誠実で誠意ある対応をしておくべきです。

3:保証人の同意が得られない

住宅ローンの滞納物件に関して連帯保証人が付いている場合、任意売却しても債務が残るケースでは、債権者が連帯保証人の同意を求めることが多いです。もし同意が得られない場合は競売の選択肢しかありません。また、保証人が行方不明で見つからない、連絡が取れない場合も同様です。

4:売却価格の折り合いがつかない

任意売却は競売より高額で売ることが可能ですが、もちろん債権者の同意があってこそ売却できます。売買価格と債権者の希望金額に大きな差がある場合、債権者は任意売却を許可しない可能性も大いにあります。

5:業者の不手際で損をするリスクもある

任意売却の経験が浅い業者を選んでしまった場合、「希望価格で売却できない」「時間切れで競売になる」などの事態も起こります。

任意売却を行う条件と流れ

どのタイミングで任意売却を検討すればよいのか解説します。

1:滞納の解消が見込めないこと

住宅ローンを滞納し、その滞納を解消できる見込みがないと債務者自身が判断したときが任意売却を検討するタイミングと言えるでしょう。任意売却の手続きには3〜6ケ月ほどかかりますので、のんびりしていると競売されてしまいます。

2:代位弁済の開始

住宅ローンの滞納が3~5か月続くと,分割して支払う権利(これを「期限の利益」と言います。)を喪失します。そして期限の利益を喪失した段階で、住宅ローンを組む際に保証人となった保証会社が債務者に代わって銀行に対して住宅ローンの残高分の全額を返済します(これを「代位弁済」と言います。)。

この代位弁済した金額に対して、保証会社は債務者へ全額一括返済を請求する権利が生じますが、この金額には返済を怠った際に発生した遅延損害金も含まれています。つまりは住宅ローンに対する債権者が、銀行から保証会社へ移行したと認識してください。

※遅延損害金:滞納日数と借入残高に応じて発生する損害金。最大で年利14.6%が課される。

参照:「代位弁済とは|ローン返済が困難な人が知っておくべき全情報

3:任意売却の手続き

このタイミングまで何もしないで放置しておくと、債権者が裁判所に競売の申立てをしますので、裁判所から「競売開始決定通知」が届き、現状調査のために執行官や不動産鑑定士による自宅調査が行われます。

その後、裁判所内に情報が掲示され、入札日程や売却基準価格が記された期間入札決定通知が届きます。期間入札が開始されると、不動産業者や投資家等の目に留まり、競売が行われます。

このような事態にならないよう、滞納の解消が困難と判断した時点で任意売却の手続を進める必要があるのです。

任意売却の相談先|専門家を比較

そもそも任意売却を誰に依頼すればいいのかという問題があると思いますが、基本的には「不動産会社」「弁護士」「任意売却専門業者」の3種類があります。

一般的な不動産会社の場合

一般的な不動産会社が対応してくれるのは、一刻も早く住宅を売却したい場合や、引っ越し代金がほしい場合に有効です。主に売却が専門になりますので、高額な売却を行いたい場合でも有効ですが、同じ場所に住み続けたいといった場合や自己破産も含めた総合的な検討をしたい場合には適さないと思った方が良いでしょう。

不動産会社に頼んだ場合のメリットとデメリット

  • メリット:販売力がある
  • デメリット:自己破産や個人再生も検討する必要がある場合には対応できない

 不動産会社は住宅の売買が専門の営業マンだと思いましょう。ですので、物件の販売力はあるものの、法的な専門知識は乏しいため、債権者対応などが十分にできない可能性があります。

弁護士の場合

任意売却という不動産の売却がメインになりますので、高額な売却を行えるかというと不安が残るのがデメリットです。住み続けたいという希望も叶うかどうかは判断が微妙なところですが、自己破産も含めた総合的な相談であれば力になってくれます。

弁護士に頼んだ場合のメリットとデメリット

  • メリット:法律のプロなので専門知識はある
  • デメリット:不動産売買のプロではないので、結局、不動産会社の仲介が必要になる

 弁護士は法律の専門家ですが、住宅ローンの売却に特化しているわけではないため、不動産販売の専門知識と経験はないと思って良いです。したがいまして、不動産会社の仲介が必要になるでしょう。

交渉ごとは得意なものの、売却が絡むと不動産会社の仲介が必要になるため、結果的に費用が高額になる可能性もあります。したがいまして、任意売却だけを目的とするのであればあまりおすすめはできません。

任意売却後に自己破産をするのであれば弁護士はおすすめ

自己破産で住宅ローンが帳消しになるなら任意売却は不要ではないかと思われるかもしれませんが、自己破産するのであれば任意売却に意味が無いとはいえません。自己破産前に任意売却で不動産を処分しておけば、自己破産をする時に掛かる費用を格段に抑えることが出来る場合があります。

任意売却の前に自己破産すると、管財手続きが必要となり、少なくとも20万円以上の予納金が掛かってしまいます。もし自己破産を行う場合は、手続きなどがかなり面倒になりますので、弁護士への依頼が必要になってきます。詳しくは下記の記事を参考にしてください。

参照:「自己破産とは|自己破産の方法と破産後の生活の完全ガイド

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任意売却専門業者の場合

交渉、任意売却の知識など、最もノウハウが多いのは専門会社です。もし任意売却一択で進めたい場合は、任意売却専門業者に依頼するのがベストな選択かと思います。

任意売却専門業者に頼んだ場合のメリットとデメリット

  • メリット:知識や経験が豊富で最適なサポートが期待できる
  • デメリット:若干の費用がかかる

抵当権の抹消のために、経験やコネなどあらゆる方法を駆使してくれます。一点気になることがあるとすれば、安心できる任意売却業者を選ばないと損をする可能性もあるということです。

安心できる任意売却業者を選ぶポイント

最後に、任意売却を依頼する専門業者を選ぶポイントをご紹介します。任意売却を依頼する業者によって技量が変わるため、安心できる業者を選ぶ際の参考にしてください。

任意売却の実績が豊富であること

任意売却は業者と金融機関との話し合いで大きく結果が変わります。少しでも良い条件で話をまとめたいのであれば、豊富な経験と実績をもつ業者の交渉力が必要不可欠です。

【業者の実績目安】

  • 過去の取引実績が100件以上あること
  • 設立年数が最低でも3年以上あること

出来ないことは出来ないと言ってくれる

「交渉では絶対に負けない」「引越し代は確実に出す」と言い切る業者は要注意です。仲介手数料を削ってでも、対応してくれるのであれば話は別ですが、相談段階で言い切ってしまうのは信用に欠けると思って良いでしょう。

手数料に不透明な点がないこと

任意売却費用は、仲介手数料(成約価格の3%+6万円+消費税)と法律で決まっています。すべて自宅の売却金から賄われるものなので、依頼者の持ち出しによる、実質的な負担はありません。

業者によっては知識不足につけ込み、法外な手数料を請求する悪徳業者もいるようですので、根拠のないお金の話には注意しましょう。

アフターフォローの体制が整えられていること

任意売却が成立しても手元には住宅ローンの残債務が残る場合が多いです。その支払いのために生活が圧迫されてしまうようでは任意売却を行った意味がありません。

売買だけ熱心に行い、後は知らん顔というケースはよくある話ですので、売却後の残債務返済交渉やアフターフォロー体制を整えている会社なのか確認しておきましょう。

引越し代を出してくれる

任意売却業者よっては引越し代の捻出をしてくれないケースもあります。その万が一の事態に陥っても、何らかの手段やスキルを持った業者を選ぶようにしましょう。

保証人に迷惑のかからない対応を行ってくれる

任意売却をした場合、保証人に何らかの迷惑を及ぼす場合があります。専門家選びは、連帯保証人に極力迷惑が及ばない方法をアドバイスしてくれる業者を選びましょう。 任意売却業者は数多く有りますが、これが出来る業者はそう多くは存在しません。

専門家と連帯したサポートが受けられる業者もある

中には弁護士・司法書士・不動産コンサルタントの連帯によるサポートが受けられる相談機関もあります。【任意売却119番】は、初期費用は一切かからず、任意売却成立後に任意売却で得られたお金の中から報酬を払うシステムになっていますので、手持ちのお金がない場合でも安心して相談することができます。

代位弁済後に自宅を残す方法

任意売却を検討されている方は、すでに住宅ローンを滞納しているため任意売却を検討することを強いられていると思いますが、できれば住宅をそのまま残したいと思う方も多いと思われます。そこで、代位弁済後にも関わらず、自宅を残す方法についてまとめました。

リースバック

住宅を残す方法の一つにリースバックという方法がありますが、これは利害関係が一致した第三者へ住宅を買い取ってもらい大家になってもらうことで、賃貸形式で元の住宅に住み続ける方法です。買取主には、親戚や不動産投資家であるケースが多いですが、一般的に親戚に売却した方が高く買い取ってもらえる上に、家賃も安く設定してもらえる傾向にあります。

できれば、利害関係がなくてもいい親戚のような近しい人へ売却したいところですが、不動産投資家へ買い取ってもらう場合、売却価格と賃料のバランスに気を付けなければなりません。

売却価格と賃料のバランス

一般的には、売却価格と賃料は比例しますが、これは高値で買い取ってもらった場合、逆に賃料が高くなるということです。また売却後は住宅ローンの残高の返済が残っているため、買主へ支払う賃料と住宅ローンの残高の返済を合わせた額を、毎月、支払う義務が発生します。そのため、ご自分の所得水準を元にリースバックを検討するべきでしょう。
  

住宅ローンの巻き戻し

自宅をそのまま残す方法として、住宅ローンの巻き戻しという方法がありますが、これは代位弁済よりも前の状態に戻すための裁判所の手続きです。

代位弁済より前の状態ということは、今まで住宅ローンを銀行に分割支払で返済する状態に戻るということであり、住宅が競売にかけられていても競売を中止にすることができます。また、もし既に保証会社へ、返済を開始している場合でも、返済した分は保証会社から、銀行へ支払われます。

利用条件:個人再生の申立

住宅ローンの巻き戻しは、民事再生法における住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の中の制度の一環であり、住宅ローン特則は個人再生のために設けられた制度であるため、住宅ローンの巻き戻しを利用するためには個人再生の申立をしなければなりません。

※個人再生:申立人の借金を減免し、返済計画を作成するための裁判所の手続き

また、住宅ローンの巻き戻しを利用するにあたり、住宅ローン特則で定められた条件を満たす必要があります。以下、住宅ローンの巻き戻しの主な利用条件です。

  • 代位弁済から6ヶ月以内の申立てであること
  • 債務者が居住する建物の床面積について、2分の1以上が「居住用」であること
  • 生活の本拠である住宅であること(単身赴任等は可)
  • 住宅購入、リフォームのための資金についての貸し付けであること
  • 住宅ローンが分割払いであること
  • 住宅に住宅ローン以外の抵当権が付されていないこと
  • 抵当権が住宅に付されていること

参照:「個人再生をする人が住宅ローンを残すための知識のまとめ

個人再生は、手続きが複雑であり、裁判所から認可を得るために弁護士など専門家へ依頼することが一般的です。個人再生について詳しくは以下の記事も参考にしてください。

【参照】
個人再生で借金を大幅に減らす手順と失敗しないための注意点
個人再生に必要な費用とできるだけ費用を抑える3つの方法

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まとめ|任意売却を行う際の注意点

任意売却は住宅ローンに悩む方にとってはかなり有効な手段ですので、債務に悩まれている方は是非検討して頂ければと思いますが、注意点もあります。

  • ノンバンクからの借金(極めて低額の場合は別です。)

住宅ローンという金利の低い借金を、金利がはるかに上回るノンバンクから借入れて返済に充てるなどは自殺行為のためです。どうか今回の内容が、間違いのない選択をするための参考になれば幸いです。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。