住宅ローンを払えない人に訪れる今後と今からできる対処法


突然の解雇・病気・事故などで住宅ローンが払えない状況になる方も少なくありません。せっかく手に入れたマイホームも住宅ローンが払えないことで手放さなくてはならないと不安な方も多いでしょう。
中には「住宅ローンを払うために貸金業者から借り入れを行って…」と考える人もいますが、ちょっと待ってください。解決策は、ひとつだけではありません。くれぐれも、極論を選ぶようなことはせず、自分自身に合った方法を選択することと、正しい手順を踏むことが重要です。


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住宅ローンが払えない人は今後どうなっていくのか?
払えないことを想定して住宅ローンを組む人はいないと思いますが、予期せぬ病気やボーナスカットなどの思わぬ出来事によって、支払いが困難になる人は多くいます。
それでは、長らく住宅ローンを払えないままでいると、一体どうなってしまうのでしょうか?以下で見ていきましょう。
催促の書面や電話がくる
支払わなければいけないものを支払わずにいたら、当然、催促の連絡を受けます。支払いの遅延が連続して2度にもなれば「延滞」となり、返済額が増加してしまうこともあり得ます。
返済の見込みなしと判断された時には、ローン保証会社が代わって銀行へ一括返済することになり、こうなってしまうと次に延滞してしまった時には差し押さえの措置がとられることになります。勿論、連帯保証人がいればその保証人のもとに取り立てが向かうことになり、自分以外の人を巻き込んでしまう結果となります。
家を売却しないといけなくなる
住宅のローンが払えないのですから、家を売ることでお金を作り、ローンを支払うしかありません。どのような売却手段を取るかによって金額も変わってきますが、それで住宅ローンを完済することができる人は稀で、残債が残る人のほうが大半です。
新たな借金が増える可能性がある
家を売却したとしてもローンが消えず、別に借りた賃貸マンションなどの賃貸料を支払いながら、生活を送っていく可能性も出てきます。残債が数百万円ならばまだ返済は難しくありませんが、数千万単位でローンが残ってしまうと、家を売却したとしても返済そのものが不可能、結果自己破産という手段をとってしまう人も少なくありません。
住宅ローンが払えない場合の対策
住宅ローンが払えないことにおいて、どうにか対策したいところですが、その具体的な行動は、「払えない可能性が出てくる」のか「払えていない」のかで異なります。そして、時間は待ってはくれませんから、なるべく早めに以下の対策と向き合うことが重要です。
生活費の見直し
やみくもに行動する前に、「どうしてこうなったのか」を整理する意味でも、また、これからの道筋を立てる意味でも、自身の生活費の見直しは必要不可欠でしょう。しなくてもいい出費を発見して削ることができれば、様々な制度に頼らずして住宅ローンの支払いが可能になるかもしれません。
具体的な対策案として、生命保険や自動車保険を解約することで保険料を下げたり、通信費や交際費を見直したりするだけでも、生活を圧迫していた部分がかなり緩和されるはずです。
金融機関に相談
生活を見直してみても住宅ローンが払えないようでしたら、金融期間へ行き、住宅ローンの返済計画の見直しを行いましょう。返済額や返済期間をはじめ、ボーナス返済の減額など、払っていくための相談・交渉をすることも大事です。場合によっては金融機関から、代替え案をもらえることもあります。
売却を検討する(自宅に住み続けることも可能)
もしも数ヶ月もローンが支払えない状況が続いているのであれば、自宅を売却することも検討してください。任意売却と言う方法が代表的ですが、その場合はいずれ自宅から引っ越すことになってしまいます。
親族や友人に一旦購入してもらってから、賃貸として住み続けるといった、限られた方法ですが現在の住まいに住み続けることも可能です。
それでも住宅ローンが払えないと家が競売にかけられる
それでも住宅ローンが払えない状態が続くと、ついには強制的に金融機関から自宅が競売にかけられます。競売では、想像以上に低い値段で家が買われ、結果的に住宅ローンだけが残ってしまう可能性も高まります。
競売、任意売却については次の「住宅ローンの支払いから逃れる3つの手続き」で詳しく記載していきます。
住宅ローンが払えないときの法的手続き
日々の出費を見直したり、金融機関に相談してみてもどうしても払えないようでしたら、住宅ローンを法的に減らしていく方法に入っていきます。中には住宅を手放さずにできる方法もありますが、住宅を手放すことも頭に入れておいてください。
任意売却を行う【住宅を手放す】
任意売却とは、住宅ローンのような不動産を担保に融資を受けたケースにおいて、融資を受けた方と行った金融機関との合意に基づき、融資の返済が困難になった不動産を売却し返済する手続きのことで、メリットは下記の通りです。
- 競売よりも市場価格に近い金額で売却ができ、債務をより多く減らすことができる
- 残った債務の返済について柔軟な対応が期待できる
- 任意売却は一般の売買と同じ売却方法なので、競売とは異なり、住宅を売却する理由(借金の返済ができないこと)が周囲に知られる恐れがない
- 引っ越し費用や当面の生活資金などを融資してもらえる可能性がある
- 売却を依頼するときに発生する仲介手数料を用意する必要がないので、負担がほとんどない
任意売却は、第三者から見れば通常の売却と同じなので、周囲には「引っ越すため、売ることにした」と説明すれば事足ります。
競売を行う【住宅を手放す】
諦めずにじっくり話し合うことで有利な条件で売却することができる任意売却とは異なり、競売になってしまうということは、無条件に家を取られるということです。住居人の思いとは裏腹に、知らないところであっという間に事が進み、購入者が決まればただちに退去しなければなりません。
購入者の落札価格よりも残債ローンが多ければ、当然その分借金は残ってしまいますし、家の写真や間取り、住所までもが情報公開されることになり、物理的に精神的にかなりのダメ―ジを受けることになるでしょう。例えば小さなお子さんがいる家庭では、それが原因で学校に行きづらくなる、といったデメリットもあります。
住宅ローンの支払いは幾らか軽減させることは出来ますが、精神的なリスクが大きい手続きであると言えます。あまりにも長時間ローンの支払いを滞納していると、売却手段を選択する余地なく、競売にかけられることになります。
個人再生や任意整理を行う【住宅を残す】
直接的に住宅ローンを減らす方法ではありませんが、住宅ローンを払うために消費者金融などから借り入れをしていたり、別の借金が住宅ローンを払えない原因のようでしたら、その借金を減らすことで、減らした分を住宅ローンの返済に当てることもできます。
個人再生
個人再生とは、個人債務者の返済負担の圧縮と経済的な再生を支援するための制度で、住宅ローンはそのまま手を付けず、それ以外の債務を最大9割カットすることが可能です。詳しくは「個人再生とは|手続きの流れ・費用・メリットを解説」の記事に詳細が記載してありますので、併せてお読み下さい。
任意整理
任意整理は、基本的に業者への返済自体は継続していきますが、利息や遅延損害金といったものがカットされ、借り入れた元金、もしくはそれに近い金額での返済になるため、手続きしたのとしないのでは、天と地ほど返済の負担が異なります。裁判所を介する必要がないため手続き自体もスピーディーで、解決までの時間が短いのも特徴のひとつです。
詳しくは「任意整理後に住宅ローンは利用可能?審査で通る5つのポイントを解説!」の記事に詳細が記載してありますので、併せてお読み下さい。


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住宅ローンを払えない時にやってはいけないこと
お金がない、というピンチに陥ると人は冷静さを欠いて、ついつい安易な方向へと逃げてしまったり、正常な必要ができなくなったりしがちです。でも、目先のことだけ考えて判断して結果的に苦しい目にあうのは自分自身です。
ここでは、住宅ローンが払えない時にやってはいけないことを記述しますので、現在住宅ローンの支払いが困難である人は、以下をしっかりお読み下さい。
無計画にお金を借りる
このように、どうしても現在の状況では住宅ローンが払えない場合、住宅を手放す方法がほとんどになってしまいます。しかし、それでも住宅を残したいと思い、住宅ローンを払うために他から借金をする人もいます。
「絶対に借りるな」と言うわけではありませんが、無計画にお金を借りてしまうと結果的に発生する金利や借金が癖になり、結果的に自身の首を絞めてしまいます。お金を借りる前にはかなり慎重に計画を立てた上でお金を借りてください。
闇金や街金から借り入れを行う
金利の高い闇金や街金に手を出してしまうことは避けましょう。その場しのぎのつもりでも、さらに借り入れが増えるわけですから、結果的に負担が増すことは間違いありません。
中には、脅しのような行動に出る悪徳な業者もいます。住宅ローンを払うためとは言え、甘い言葉に踊らされないように強い忍耐力を持つことが大切です。
任意売却の前に自己破産をする
任意売却の前に自己破産手続きをしてしまうことはやめましょう。任意売却は、住宅ローンが払えない場合にとるべき有効手段です。
一方、任意売却の前に自己破産手続きをしてしまうと、地方裁判所が破産管財人を選任し、管財人により資産の売却等がされますので、任意売却よりも多くの資産を失う可能性があります。
また、申し立てから免責(責任を問われずに済むようになること)が確定するまで3~4ヶ月程度かかります。任意売却を行い、それでもまだ借入金の返済が完了できず、返済の目処も立たないという場合になってはじめて、自己破産を視野に入れて考えるべきです。
尚、自己破産を行うと、一定の職業につけなくなったり、いわゆるブラックリストと呼ばれる信用情報期間に破産の情報の登録がされたり、様々なデメリットがあります。自己破産のデメリットに関しての詳細は、こちら「自己破産で借金をゼロにする方法|破産後の生活ガイド」を参考にして下さい。
まとめ
住宅ローンが払えないと、状況にもよりますが、今後自宅を手放さざるを得ない状況になる可能性も高まります。
たとえ自宅を手放したとしても、以降不幸になるということではありませんし、むしろ決断をしたことで幸福に転じた人はたくさんいます。まずは冷静に、現在自分が置かれている状況を把握して、正しい知識を得た上で選択することが大切です。


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