キャッシングとは|キャッシングで失敗しないための全知識
キャッシングとは、ATMや現金自動貸出機を介してお金を借りることができるクレジットカードに付与されたサービスです。
申込みの手続きが簡単(対象のクレジットカードを持参の場合、手続きが不要)なうえに、ATMがあればコンビニでいつでも引き落としができるため、キャッシングは急な出費にも対応できます。
しかし、使いすぎると後の返済が大変になるので、計画的に利用しなければなりません。
この記事では、キャッシングの特徴や、利用するうえでの注意点、借金が返せないときの対処方法をご紹介します。
キャッシングとは|返済方法やカードローンとの違い
返済方法やショッピング機能、カードローンとの違いなど、キャッシングの特徴について説明します。
カードキャッシングの返済方法
キャッシングの返済方法は「一括払い」、「リボ払い」の2つに分類できます。
一括払い
一括払いとは、カード会社の締切日までの借入金額と利息の合計額が、翌月口座から引き落とされる支払い方法です。
《例》
締切日が毎月10日、引き落とし日が毎月2日のキャッシングを利用していたため、2月11日~3月10日までのキャッシングの利用分が4月2日に引き落とされる。
※カード会社により、振替日は異なります。
リボ払い
リボ払いは、借入残高に応じて、毎月一定額が口座から引き落とされる返済方法です。
【例】
借入残高 |
月々の返済額 |
1円~10万円 |
3,000円 |
10万1円~20万円 |
6,000円 |
20万1円~30万円 |
8,000円 |
30万1円~50万円 |
1万5,000円 |
リボ払いは、一括返済と比べて返済の負担が重くない反面、支払期間が長くなるため一括返済と比べて利息が高くなります。
キャッシング機能とショッピング機能との違い
一般的に、クレジットカードには、キャッシング機能とショッピング機能がついています。
ショッピング機能とは、カードを提示することで、利用限度額(ショッピング枠)内でショッピングができる機能です。
一方、キャッシング機能とは、利用限度額(キャッシング枠)内で現金を引き落とす(借り入れ)ことができる機能です。
利用限度額
キャッシング機能とショッピング機能の利用限度額は、一般的に別々に設定されているよりも、ショッピング枠の中にキャッシング枠が含まれています。
つまりはキャッシング利用額とショッピング利用額の総額が、ショッピング枠に収まっていないといけません。
《例》
- ショッピング枠:40万円
- キャッシング枠:10万円
- ショッピング利用額:34万円
たとえば上記の場合、40万円-34万円=6万円となり、6万円以上のキャッシングは利用できないことになります。
その他の違い
《キャッシングとショッピングのその他の違い》
項目 |
キャッシング |
ショッピング |
買い物機能の有無 |
なし |
あり |
金利 |
高い |
低い |
返済方法 |
口座引き落とし、ATM返済など さまざまな返済方法を選ぶことができる |
口座引き落としのみ |
返済時の柔軟さ |
あり くり上げ返済可能 |
なし 分割払いを選択した場合、自動的に決まる金額を毎月口座引き落としで返済 |
利用できる年齢 |
18歳以上(※) |
基本的に18歳以上 |
学生・主婦 |
一定の収入があれば利用できる |
ほとんどのクレジットカードは18歳以上利用可能 |
年会費 |
なし |
カード会社やカードの種類によってあり |
付帯サービス |
金利が30日間0円などのサービスがある |
盗難保険、会議旅行保険、ロードサービスなどの会員限定サービスがある |
ポイント |
返済で提携ポイントが貯まるサービスがある |
決済でポイントが貯まり、貯めたポイントを商品券に交換することができる |
(※)2022年4月の成年年齢引き下げに関する法改正に伴い、キャッシングの利用年齢は18歳以上となりました。ただし、金融庁と日本貸金業協会は各金融機関に対し、若年層に貸付をおこなう際には収入の状況を示す書類を確認することを求めています。
【参考】成年年齢引下げを踏まえた対応について(要請)|金融庁
また、金融機関によっては、利用年齢を引き続き「20歳以上」としているところもあります。
カードローンとの違い
カードローンとは、銀行やノンバンクが発行する専用のカードを介して指定の金融機関へ口座振替することで、お金を借りられるサービスです。
カードローンは、キャッシングと同じ意味合いで使用されることがありますが、厳密には運用機関や返済方法が異なります。
こちらの記事ではお墓購入の際に利用できるローンの種類を紹介し
|
キャッシング |
カードローン |
借入限度額 |
数万円~数十万円 |
数十万円~数百万円 ※収入に応じて変動する |
返済方法 |
翌月一括払い 残高スライドリボルビング払い |
分割払い/月 残高スライドリボルビング払い |
金利 |
高め |
やや低い |
運用機関 |
カード会社 |
銀行・メガバンク |
- 分割払い
- 分割払いとは、毎月の返済額が固定された返済方式
- 残高スライドリボルビング払い
- 残高スライドリボルビング払いとは、借入残高に応じて毎月の返済額が決定する返済方式
キャッシングの利用方法
キャッシングはATMの画面上でおこないます。
利用の手順については以下のとおりです。
1.取扱可能なカードのブランドを確認する ※例:JCBの利用者はJCBのブランド、VISAの利用者はVISAのブランドが表示されているか確認する |
2.『お引き出し』を選択する |
3.差し込み口へカードを入れる |
4.暗証番号を入力する |
5.『お借り入れ』を選択する |
6.返済方法(「1回払い」または「リボ払い」)を選択する |
7.借入金額を入力する ※『借入金額』は1万円単位で入力 |
8. 挿入したカード、利用明細、現金を受け取る |
キャッシング利用で失敗しないための注意点
キャッシングは利便性の高さから、返済できない額の借金をしてしまう利用者も少なくありません。
そのため、キャッシングを検討するうえで、最低限心得ておくべき知識をまとめました。
なるべく金利の安いカードを利用する
借入する際は、利息を安く抑えるために、なるべく金利の低いキャッシングまたはカードローンを利用しましょう。
一般的に、カードローンはキャッシングより金利が低いため、キャッシング用のカードしか所有していない人は、カードローンを発行することをおすすめします。
また、カードを発行する際は、年会費や手数料が安く、金利の低いカードを選ぶようにしましょう。
できるだけ少額で借りる
借入額が高くなると、利息が高くなるうえに返済の目途を立てづらくなります。
返済の負担を軽くするためにも、借入額はできるだけ少額に抑えましょう。
完済までのスケジュールを決める
借入をする際には、いつまでに完済するのかを定めるべきです。
無計画にお金を借りると、完済の目途を立てることが難しくなります。
月額どれくらい返済すればどれくらいの期間で完済できるのかを確認したうえで、借入するようにしましょう。
短期間で完済する
返済期間が長くなると利息が高くなる上に、返済回数が多くなる分、返済に伴う手数料も高くなります。
手数料や利息を安く抑えるためにも、なるべく短期間で完済するようにしましょう。
余裕があるときはくり上げ返済する
お金に余裕のある月は、指定の返済額より多く返済(くり上げ返済)しましょう。
くり上げ返済を行えば、その分は元金にあてられるので、返済期間が短縮され、完済が早まり、結果的に利息を節約できます。
家族や行政機関から借りることができるのかを確認する
ご自身で計画を立てて、借りたお金を返済することが難しい方は、親族からお金を借りることができるか確認しましょう。
親族からの借入であれば、おそらく利息は取られないので、キャッシングを利用するより返済の負担は少なくなるでしょう。
また、親族からの借入が難しい場合は、自治体を介して「生活福祉資金貸付制度」を利用することをおすすめします。
低所得者を対象とした制度ですが、年利1.5%で借入することができます。
詳しくは「生活福祉資金貸付制度 |厚生労働省」を参考にしてください。
節約の習慣をつける
キャッシングは利用しないに越したことはありません。
キャッシングの利用を避けるためにも、節約する習慣をつけましょう。
節約のポイントとしては、下記のものが挙げられます。
- コンビニを利用しない
- 携帯電話の利用プランを安いプランへ変更する
- 優先順位の低い支出から節約する
キャッシングの返済に困った場合の対処方法
返済が難しくなるほどの借入をしてしまった場合の対処方法をご紹介します。
金融機関へ相談する
返済が難しいと感じたら、借入先の金融機関へ相談しましょう。
借入状況や金融機関の対応によりますが、返済の負担を軽くするための提案をしてもらえるかもしれません。
債務整理する
どうしても返済が難しい場合は、債務整理を検討しましょう。
債務整理とは、借金や利息を減額または免除することで返済の負担を軽くするための手段であり、以下の3つの手続きに分類できます。
- 任意整理:金融機関と交渉し、返済の負担を減らす。利息がなければ3年以内で完済できる方に最適。
- 個人再生:裁判所から認められれば借金が減額(最大90%)され、3年以内で元金を完済することが難しく、持ち家を残したい方に最適。
- 自己破産:裁判所から認められれば借金が全額免除される手続き。任意整理、個人再生で完済が難しい方に最適。
どの方法で借金を整理すべきなのかは、借金や収入の状況によるので断言できませんが、ご自身の状況に合った借金の解決方法が知りたい方は、「債務整理とは?債務整理の種類と違い、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説」を参考にしてください。
さいごに
キャッシングはお金に困ったときに便利なサービスです。
ですが、頼りすぎると後が苦しくなるので、利用には気をつけましょう。
キャッシングの利用を検討している人や、借金に困っている方に、本記事を参考にしていただけたら幸いです。
借金をしていてプレッシャーに感じるのは支払い期日ですよね。
もし滞納してしまったら督促状が家に届いて家族にバレる、電話が会社までくるのではないか。
そんな辛い思いをしていませんか?
でもご安心ください。
督促から解放される方法、債務整理ならいますぐ請求をストップし、借金を減額することができます。
【最短30秒】ユーザーアンケートに回答する |
|
【秘密厳守の法律相談/初回相談無料】【分割払いOK】【借金総額200万円以上の方へ】毎月返済がつらい方、自己破産を迷っている方、ご相談下さい。1万件以上の破産・再生事件を担当した弁護士が味方になります。
事務所詳細を見る【自己破産/法人破産】【相談実績約10,000件】【秘密厳守の法律相談/初回相談無料】【借金総額200万円以上の方】返済義務を無くしたい・自己破産を迷っている方、ご相談下さい。経験豊富な弁護士がお力となります
事務所詳細を見る【借金のご相談は何度でも無料!】【法人破産にも対応】経営が苦しいと感じる経営者の方はご相談を。返済に追われ、生活ができない/督促が来てしまったなど、個人の方からのご相談も歓迎◎【依頼後は最短即日で督促が止まります!】
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡
いつ起きるかわからない法的トラブル。弁護士費用の準備はできていますか?
答えがNoの方、ベンナビ弁護士保険が役立ちます。
弁護士への依頼費用は数十万~数百万円かかりますが、ベンナビ弁護士保険(月2,950円)に加入しておくことで、弁護士費用の補償が受けられます。
- 保険料は1日あたり約96円
- 通算支払限度額1,000万円
- 追加保険料0円で家族も補償
補償対象となる家族が5人の場合、1人あたりの保険料は月590円(2,950円÷5人)。労働問題、ネット誹謗中傷、近隣トラブルなど様々な法的トラブルに対応しています。
補償内容、付帯サービスをまとめた資料の請求はWEBから。
弁護士保険で法律トラブルに備える
その他に関する新着コラム
-
ホストクラブのツケや売掛金とは一体どのようなもので、ツケをおこなったらどのようなリスクがあるのかを正確に把握せずに使っている方も多いのではないでしょ...
-
この記事では、個人再生に失敗するケース、個人再生に失敗したらどうなるのか、成功するための方法、また失敗したときにどういった方法で借金を減額すればよい...
-
多重債務者とは、2件以上の貸金業者から借り入れがある人のことをいいます。この記事では、多重債務者の特徴と現状をお伝えした上で、多重債務者になりやすい...
-
債権者とは、特定の人に対し、一定のお金を請求する権利を持つ人です。要するに、金貸し業者や慰謝料を受け取る人などが該当します。この記事では、債権者が有...
-
債務超過とは負債が資金を超え、資金を全て売却しても返済しきれない状況を指します。即倒産ではありませんが、倒産のリスクが非常に高いといえるでしょう。こ...
-
民事再生法とは、会社が抱える借金を減らし、会社の経営を立て直すための法的手続きです。また。破産と違い、民事再生法なら事業を継続することができます。会...
-
督促状が届いても自動車税の滞納を続けていると、突然給与や預貯金を差し押さえられるリスクがあります。
-
債務者(さいむしゃ)とは、特定の債権者(さいけんしゃ)に対してお金を借りている、あるいは一定の給付義務を持つ人のことで、ローンの未払いや奨学金の滞納...
-
新型コロナウイルスの影響を受け、収入が減ってしまった方は必見!相談先やもらえる給付金をまとめました。国民年金の減免から住宅ローンの延長まで幅広く取り...
-
借金地獄に陥る原因は人それぞれです。そのため、脱出方法も個々で最適な方法が変わります。この記事では、あなたの原因に合わせて最適な脱出方法をご紹介しま...
その他に関する人気コラム
-
ブラックリストとは、クレジットカードやカードローンの返済遅延・滞納や債務整理などにより、信用情報機関に事故情報が記録されることを指します。本記事では...
-
専門家の助力があったとしても、今すぐブラックリストを削除することは難しいです。信用情報を回復させる方法、ブラックリストが消えるまでの期間、これ以上悪...
-
スマホを購入する際に、分割払いに利用する方も多いのではないでしょうか。しかし場合によってはその審査に落ちてしまうことがあるのです。ここの記事では、ど...
-
債務者(さいむしゃ)とは、特定の債権者(さいけんしゃ)に対してお金を借りている、あるいは一定の給付義務を持つ人のことで、ローンの未払いや奨学金の滞納...
-
催告書(さいこくしょ)とは、滞納しているお金等を請求する際に送られてくる書類のことをいいます。この記事では、①催告書の意味②督促状との違い③すぐに払...
-
廃課金とは、廃人と課金を合わせたネットスラングで、一般的に収入に見合わない金額を課金する人を指します。本記事では廃課金の定義や課金してしまう人の特徴...
-
債務不履行とは、故意又は過失によって自分の債務を履行しないことを言い、履行遅滞、履行不能、不完全履行の3種類があります。債務不履行とならないように、...
-
国民健康保険は国民皆保険と呼ばれるように、「20歳以上の社会保険未加入者は国民健康保険へ加入する義務」があるため、もし滞納をしている場合は必ず滞納分...
-
買い物依存症とは、借金をしてまでも買い物を続けてしまう症状のことを言います。この記事では買い物依存症の特徴や対処法、すでに借金を作ってしまった人の解...
-
債権者とは、特定の人に対し、一定のお金を請求する権利を持つ人です。要するに、金貸し業者や慰謝料を受け取る人などが該当します。この記事では、債権者が有...
その他の関連コラム
-
ギャンブル依存症とは、パチンコや賭博に対する依存症のことで、ギャンブルを渇望する衝動を制御することができない精神疾患の1種で、ギャンブルが原因で借金...
-
個人再生で偏頗弁済をおこなうと、最悪の場合、再生計画案が認可されず失敗に終わる可能性があります。本記事では、個人再生を成功させるために、注意すべき偏...
-
督促状が届いても自動車税の滞納を続けていると、突然給与や預貯金を差し押さえられるリスクがあります。
-
ノンバンクとは、法律で定められた銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫などの金融機関以外で、貸金業務を営む金融会社の総称のことです。要約すると、融資のみ...
-
ブラックリストとは、クレジットカードやカードローンの返済遅延・滞納や債務整理などにより、信用情報機関に事故情報が記録されることを指します。本記事では...
-
民事再生法とは、会社が抱える借金を減らし、会社の経営を立て直すための法的手続きです。また。破産と違い、民事再生法なら事業を継続することができます。会...
-
個人再生は裁判所を介して借金の返済計画手続きを申立てることで借金を大幅に減額することができますが、一方で、車を手放すことになるとも言われています。本...
-
ギャンブルが原因で借金を作ってしまう人も少なくありません。「ちょっとだけ」「すぐ返せる」という気持ちはとても危険です。この記事では、ギャンブルで借金...
-
ブラックリストに掲載される期間はどの程度なのでしょうか。 よく、「ブラックリストに載るとカードが作れない」などという話を聞きますが、そもそもブラック...
-
期限の権利とは、業者が契約時に決めた返済期間前に返金請求しないようにするための権利です。この権利を失うと一括請求や家の売却などのリスクを負うことにな...
-
突然の解雇・病気・事故などで住宅ローンが払えない状況になる方も少なくありません。せっかく手に入れたマイホームも住宅ローンが払えないことで手放さなくて...
-
会社の破産手続について解説します。破産に関する基礎知識や、経営者の責任についても紹介します。
弁護士・司法書士があなたの借金返済をサポート
債務整理では、債権者と交渉する任意整理や法的に借金を減額する、個人再生や自己破産などがあります。また、過去の過払い金がある方は、過払い請求を行うことも可能です。
ただ、どれもある程度の法的な知識や交渉力が必要になってきます。債務整理をしたくてもなかなか踏み切れないあなたをベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)の弁護士・司法書士がサポートいたします。