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090金融とは|取り立ての手口・借りてはいけない理由・借りた場合の対処法

齋藤健博 弁護士
監修記事
090金融とは|取り立ての手口・借りてはいけない理由・借りた場合の対処法
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090金融(ぜろきゅうぜろきんゆう)とは、固定電話・事務所を持たず携帯電話でのやり取りを行う金融会社のことで、違法性の高い貸し付けを行っている、いわば闇金(ヤミ金)業者のことです。

自販機や電柱などに「即日融資」「ブラックOK」と書かれたチラシを見かけたら、090金融の広告だと思って良いでしょう。

この記事では、090金融の実態と、すでにお金を借りてしまった場合の対処法などについて解説します。

怪しい金融機関から借り入れしようとしている段階の方は、その金融機関が違法かどうかを判断できるようになるでしょう。

すでに090金融から借りてしまった方は、闇金への対処法の解説や相談ができる弁護士を探せますので、解決の糸口にしてください。

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闇金から借りたお金に返済の必要はありません

闇金は違法な高金利を設定しているため、返済の義務はありません。しかし、毎日のように続く取り立てに不安も感じているでしょうから、闇金ときちんと手を切るには、弁護士や司法書士に依頼し、 「今後一切の支払いをしないこと」「請求をするなら裁判で争う」ことを通知してもらいましょう。

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この記事に記載の情報は2024年11月25日時点のものです

090金融とは?違法な闇金業者であることがほとんど

090金融とは、固定電話を持たず違法な貸し付けを行う金融業者のことで、その違法性は非常に高いとされています。

冒頭でもお伝えしたように、090金融の大半が闇金業者だと言っても過言ではありません。

090金融の由来

携帯電話・スマホの番号である『090』や『080』などから始まる番号が広告・チラシなどに記載されていることが多いことから、『090金融』と呼ばれるようになりました。

090金融

このように、街の電柱などに『即日融資可能』などの広告を張り出している金融機関の中で、090(080)の携帯電話への連絡先を記載している業者が090金融ということになります。

中には「090-××××‐××××」という表記だと固定電話ではないとすぐに勘付かれるために、「090×‐×××‐××××」というように表記をごまかしている場合もありますが、市外局番には3桁目に0があるものはありません。騙されないようにしてください。

090金融の違法性|貸金業者は登録した電話番号を記載しなくてはならない

日本では賃金業を営むにあたり、固定電話の番号を設置しなければ賃金業登録ができないことになっています。

貸金業者登録一覧|金融庁

上のリンクは、国に正式に登録している貸金業者267社の一覧(令和4年最新版)ですが、電話番号が090や080で始まる会社は1つもありませんね。

中には、「担当者が直接自分の営業用携帯電話を使って勧誘しているのでは?」そう思う人がいるかもしれません。

しかし、貸金業法では、登録した電話番号以外を広告などに使うことが禁止されています。

貸金業者は、前項に規定する広告をし、又は書面若しくはこれに代わる電磁的記録を送付して勧誘(広告に準ずるものとして内閣府令で定めるものに限る。)をするときは、電話番号その他の連絡先等であつて内閣府令で定めるものについては、これに貸金業者登録簿に登録された第四条第一項第七号に掲げる事項に係るもの以外のものを表示し、又は記録してはならない。

引用:貸金業法第15条2項|e-Gov

つまり、090金融は貸金業法を守っておらず、さらには貸金業登録もしていないような違法な業者であるといえます。違法な貸し付け以前に、賃金業法を守っていないのは問題です。

ポイント

登録した固定電話以外を記載しての広告・勧誘は違法!

090金融は摘発しづらい

このようにあからさまに違法とわかっている090金融ですが、所在がつかみづらく、摘発まで至らないという問題点があります。

その理由は、その携帯が横流し品であったり、架空名義であることが多いからです。

また、090金融の被害者から「090‐××××‐××××の番号が闇金融で使われている」と、警察や消費者センターに報告されても、顧客の守秘義務が弊害となり、捜査が進められないという現状もあります。

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090金融の手口

こちらでは具体的に090金融の手口について見ていきましょう。まだ090金融を利用していない方は、ぜひ踏みとどまってください。やっている行為は闇金業者と同じで、以下のような恐ろしい事態が待っています。

完済させずに違法な利息を貪り取る

返済日には請求してこず、わざと利息や遅延金を発生させ、利息だけを延々と払い続けさせるというのが090金融の手口の一つです。

利息も法外で、数ヶ月の返済ができないだけでどんどん利息が増えていくような仕組みになっています。

≪法律で決められた利息上限≫

借入額

金利上限

10万円以下

20%

10~100万円

18%

100万円以上

15%

厳しい取り立てを行う

090金融への返済を行わずにいると、厳しい取り立てが始まることがあります。居留守を使っても執拗に追いかけてきて、水道メーターが動いている・電気が付いているなどの生活を送っている様子が見られる限りは延々と取り立てられ、精神的に追い込まれます

貸金業法では取り立て方法についてのルールもありますが、そもそも090金融が正式な貸金業者でないため、お構いなしに違法な取り立てをしてくる可能性が考えられます。

執拗な電話がくる

時間は問わず、夜中でも催促の電話がかかってくることがあります。怯えながら生活を送っていかなくてはなりません。

家族・知人・職場へ脅迫がくる

090金融業者が身内を調べ上げ、身内にまで催促がされることとなります。本人だけではなく、家庭や職場まで影響が及び、真っ当な生活が送れなくなってしまいます。

情報が流出する

090金融を利用し、情報を渡してしまうことで、その情報が同じ闇金業者や詐欺グループなどに渡され、新たな被害を受けるきっかけにもなってしまいます。

カラ貸しの被害に遭う

090金融の中には、少しでも連絡を取ってしまうと契約が成立したことにされ、借り入れの振り込みはされず、一方的に返済や手数料の振り込みを請求されることもあります。これは、一種の詐欺行為です。

担保に取られる

090金融は高くても50万円未満の少額融資がほとんどですが、それに見合わないもの(土地の借用書や、車の名義、年金、生命保険など)が担保に取られることがあります。

返済が少しでも遅れると、担保にされた財産が奪われてしまいます。ひどい場合、生命保険に加入させ、返せないと自殺まで追い込む、いわば「死んで返させる」方法を取られる可能性もあります。

【結論】090金融には絶対関わらないこと

繰り返しになりますが、090金融は違法な闇金業者の可能性大です。

「これって090金融?」と怪しんでまだ関わっていない段階の方であれば、絶対に連絡しないでください

「ブラックでもOK」「即日融資」などの魅力的な言葉が気になるかもしれませんが、関わってしまったら上記のような末路をたどります。

後述にて、金融機関から借り入れできない場合の方法についても解説しますので、参考にしてください。

すでに090金融から借りてしまった方は、闇金対策に力を入れている弁護士や司法書士などの専門家に相談するようにしましょう。

違法業者であれば、返済せずに済む可能性がありますし、今後の請求や取り立てをストップさせるための手続きを取ってくれることが期待できます。

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090金融の広告を見かける主な場所

090金融の広告は以下のような場所で目にすることがあります。違法であるため、公の場で広告を打ち出すことはできません

街頭のチラシ

街頭の電柱・ガードレール・住宅の壁・電話ボックスなどの人目に付くところに、090金融の広告が張られているのを見かけます。

もちろんこれらはなんの許可も得ずに勝手に張り付けていることがほとんどです。

しかし、サラ金などどこからも借りれず「今月の支払いどうしよう…」とトボトボ帰っている途中に「ブラックでも借りられます!」などといった触れ込みがあると、つい電話で問い合わせしたくなるかもしれません。

ダイレクトメール

自己破産や個人再生をしてしまうと、「官報」という、国が発行している新聞のようなものにその情報が載ってしまいます。

通常の貸金業者であれば、官報などの事故情報を見て、貸し付けを行うかどうかを判断します。事故情報が確認できれば「この人に貸したら返ってこない恐れがある」と考え、断りを入れることでしょう。

しかし、この官報は誰でも観覧することができ、貸金業登録していない090金融業者でも簡単に入手できます。

正式な貸金業者にとってはただの判断材料でも、090金融業者にとっては、「良い見込み客のリスト」です。

この「良い見込み客のリスト」から、090金融業者はダイレクトメールを送ります。

内容は「他社で断られてもウチなら貸せます」「お困りでしたらご090‐××××‐××××に連絡を」などと、街頭に貼られているチラシと変わりません。

お金に困っていない方がこのメールを見た場合は「また迷惑メールか」と、相手にしないかもしれませんが、本当にお金を借りられなくて困っている方だと「連絡してみようか…」と、感じるかもしれません。

しかし、何度もお伝えしている通り、090金融からお金を借りてしまうと、違法な金利と厳しい取り立てに悩まされることとなります。

090金融でお金を借りてしまった方の対処法

もしかしたら、すでに090金融からお金を借りてしまっている方もいるかもしれません。こちらでは、090金融からお金を借りてしまった際の対処法を解説します。

一旦冷静になる

厳しい取り立てや催促が行われていると、精神的にも追い込まれ、冷静な判断ができないものです。

別の金融機関からお金を借りることや、夜逃げや自殺を考えている方もいるかもしれませんが、一度冷静になりましょう。

上記のように相手は違法な行為をしている業者です。然るべき方法を取れば、その違法行為をストップすることは容易です。

弁護士や司法書士に相談する

090金融からの請求を止めさせるには、法的に戦うほかありませんので、法の専門家である弁護士や司法書士に相談しましょう。

サポートを依頼する場合、費用はかかってしまいますが、それでも090金融の違法な取り立てや金利をストップさせるには、最適な手段です。

また、090金融被害者のために相談窓口を設けている機関も多くあります。一人で悩まずまずは相談から始めてください。

警察に相談する

取り立てが激しく、身の危険を感じている場合は警察への相談も有効です。

しかし、いくら090金融は違法性が高いとはいえ、具体的な証拠や実害がないとなかなか警察も動いてくれないものです。

脅迫めいた電話内容の録音や、違法金利が記載された書類などを証拠として押さえておいてください。

これらの証拠は、警察の他にも、弁護士や司法書士に相談する前にもあると強力です。

お金がない…根本的な問題を解決したいなら債務整理を

090金融で借り入れを検討されている方には、他での借金で首が回っていないことも考えられます。

そこで、根本的な借金問題を解決できる債務整理の方法をご紹介します。

債務整理には『任意整理』『個人再生』『自己破産』の3つの方法があり、それぞれ以下のような違いがあります。

債務整理_方法

ポイント

闇金問題の解決に力を入れている弁護士・司法書士であれば、同様に借金問題にも力を入れていることが多いです。

まずは闇金の取り立て等をストップしてもらい、その後残った借金の返済・減額について一緒に相談していくと良いでしょう。

金融機関から借り入れができない場合の対処法

過去に返済が滞るなどして、正式に登録を受けている貸金業者からの借り入れができなくなった人もいるのではないでしょうか。

以下では、金融機関から借り入れができない場合の対処法について解説します。

公的な借り入れ制度を利用する

あまり知られていない方法ですが、生活福祉資金貸付制度という公的な借入制度を利用する方法があります。

生活福祉資金貸付制度は、他から借り入れをすることができなくなった人に対して、国がその人の生活に必要な資金を融資する制度です。

原則、保証人は必要ですが、保証人なしでも融資してくれます。金利も保証人がいれば無利子、保証人なしでも年1.5%という信じられない低利で借入することができます。

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あくまでもこれを推奨するわけではないことを先に記述しておきますが、借り入れ審査の柔軟度は、「消費者金融系>流通系>信販系>銀行系・独立系」の順番となっています。

審査が厳しい金融機関から断られても、他の金融機関からは借りられるケースもあります。

中でもとりわけ審査に柔軟な消費者金融であれば、「現在18歳以上69歳以下の安定した収入と返済能力を有する人」ならば審査に通ることが出来るでしょう。

ただし、「高利息な借金をする」ことに変わりはなく、収入が見合わなければ多重債務、最悪の場合は債務整理といった流れにもなりかねませんので、くれぐれもご注意下さい。

親族、知人から借りる

借りた分を無利息で返済していく手段として、人に頼ることが一番身を圧迫しないで済む方法と言えるでしょう。

ただし、複数の人に頼ろうとするとすぐに返済能力の限界に達してしまいますので、最低限必要な分だけ、親族など一番身近な人から借りるようにしましょう。

また、返済できなくなった場合には、その人からの信頼を大きく損ない、人間関係も悪化させてしまいます。

本当に信頼関係が出来ている人を中心に、誠意をもって、きちんとした返済計画を立ててからお願いをしましょう。

まとめ

090金融は、090や080で始まる携帯電話番号を使って勧誘をする違法な貸金業者です。いくらお金が必要だからと言って、関わらないようにして下さい。悲惨な結末が待っています。最近は、090金融も、ファクタリングなどに形を変えていることがあるので、関わらないようにすべきです。

  • まだ関わっていない人→関わらない!
  • 借りてしまった人→弁護士・司法書士に相談する
  • お金が必要な人→公的制度を検討する
  • 借金が多い人→債務整理を検討する

ここまでお読みいただいた方は、上記のどれかの状況に当てはまるケースが多いでしょうが、まずはそれぞれお伝えした方法を取ってみてください。

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この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
多重債務、闇金、カード破産など、あらゆる借金問題を得意とし、多数の実績あり。個人再生・任意整理・自己破産など、ケースに応じた債務整理法を提案し、相談者と二人三脚で丁寧迅速な解決を目指している。
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編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。