債権者とは?有する5つの効力・権利と債務者との関係を解説
債権者(さいけんしゃ)とは、債務者(さいむしゃ)に対して一定の給付を請求できる権限を持つ人物のことです。簡単に言うと、お金やモノを貸している状態の人を指します。
感染症の影響で仕事が減り「お金を借りた」「ローンを組んだ」という方もいるかもしれません。
借金やローンの内容では必ず、債権者と債務者という言葉が出てきます。聞きなれない言葉であるため、いまいち理解できていない方もいるかもしれません。
今回は、債権者についてわかりやすく解説します。
なお、債務者の解説は以下の記事をご覧ください。
債権者とは

あなたが業者に金銭を借りている場合、金貸し業者はあなたにとっての債権者であり、支払い義務のあるあなたは、金貸し業者にとっての債務者になります。
よく、ローン返済やお金の貸し借りの場で使われる言葉ですが、友人間の貸し借りなどにも該当します。
債権者は大きく分けて2種類
債権者には大きく分けて「一般債権者」と「担保債権者」の2つがあります。
一般債権者
一般債権者は担保が含まれていない債権を持っている人のことを指します。
担保債権者
一方で担保を持っている債権者を担保債権者といいます。
では債権における担保とはどういうものなのでしょうか。
担保とは
公的に担保とは、債務者が債務不履行(借金の返済を怠る)した場合に備えて、債務者から事前にそれに代わる物で補ってもらう処置を意味する言葉です。
住宅ローンにおいて、担保というワードがよく用いられますが、住宅ローンの契約を結ぶ際、住宅ローンの返済が難しくなった場合、住宅の所有権を銀行(債権者)へ譲渡する内容の契約を交わします。
債務者は、返済が行われていれば住宅を手放す必要はありませんが、返済不能になった場合、債権者(銀行)に所有権が移るので、住宅は競売により換金され、住宅ローンの返済に充てられます。
債権者が避けるべきは借金が回収できない事態
いわば担保とは、債務者が借金を返せない場合に備えた保険といえるでしょう。この時、債権者にとって一番恐ろしい事態は、債務者から貸したお金が回収できないことです。
もし債務者が自己破産などの債務整理を行った場合、債務者は、各債権者へ換金した財産を、配当いう形で分配しますが、債権者は債権額(借金)よりもはるかに安い金額でしかお金を回収することができないでしょう。
しかしながら、債務者の財産を担保にかけている場合、その財産に関する換金後のお金を優先的に分配して貰えます。
債権の種類
債権者が請求するものによって債権者の種類も変わります。
特定物債権
特定物債権とは、特定の”物”を請求することです。お客が品物を請求することで、物の所有者が債務者から債権者へと移ります。主に売買契約によって成立します。
この”特定”とは、指定された物のことで、例えば、立派で丈夫そうな馬を見て「この馬買います」と契約したのに、「この馬」ではなく、貧相で毛並みも悪い馬が売られたら苦情になりますよね。指定された固有の物に対して特定物債権は使います。
種類債権
種類債権とは、目的物の種類と数量を指定した債権のことです。特的物債権との違いが、「農業用の馬を一頭下さい」と、契約をしたら、貧相で毛並みの悪い馬が売られても農業用として問題なく働いてくれる馬だった場合苦情は言えないのです。これが種類債権です。
金銭債権
金銭債権とは、金銭の請求を行う債権のことです。雇用関係においても給料を支払ってもらうことから、労働者が会社に対し金銭債権の債権者となります。
利息債権
利息債権とは、貸借した金銭などの対価として利息を請求できる権利です。 銀行や消費者金融からお金を借りたら、本来借りたお金と+αで利息がかかります。 したがって、厳密にいうと本来借りた金額は金銭債権になり、利息分は利息債権となっているのです。
選択債権
選択債権とは、複数種類の物や金銭などから選択して請求できる債権のことで、原則的に選択権は債務者にあります。
債権者はどこまでできるのか|債権者の権利
たびたび、「債権者は一定の給付を請求することができる権限を持つ」と、お伝えしましたが、その権限はどこまであるのでしょうか。 請求して素直に債務者が応じれば問題ありませんが、「お金が足りない」「用意できていない」といった理由で請求に応じないことも考えられます。そこで、債権者は以下の権限を持つことができます。
給付保持力
給付保持力とは、債務の履行によって、給付を保持しても不当とみなされない効力です。 簡単に言えば、裁判などの方法を取って所有を移しても問題ないという権利です。
訴求力
訴求力とは、訴訟手続きによって、裁判所に債権の存在を訴えることができる効力です。 つまり、債務者が請求に応じなければ、訴訟を起こしても十分に認められるということです。
執行力
執行力とは、裁判の判決によってその内容を執行できる効力です。
貫徹力
貫徹力とは、債権の内容を強制的に実現することができる効力です。
掴取力(かくしゅりょく)
掴取力とは、債権の内容を実行するにあたって、財産の差し押さえができるという効力です。
このように、債権者には債務者に対し、一定の給付を請求するための効力が様々あります。しっかり契約を結んだにも関わらず、債務者が請求に応じない場合、訴訟も起こせますし、起こせばほとんどの確率で債権者が勝ちます。
さらには、差し押さえなどの方法も認められていますので、債務者はそう簡単に給付義務を逃れられないと考えてください。
また、最初から返すつもりがなかったり、物品を受け渡すつもりがないのに契約を結んでいた場合、詐欺罪として刑事罰の対象にもなりえます。それほど債務者の給付義務は重要な内容です。
債権者は変更になる場合もある
また、債権者は、債権者の死亡(相続)、契約などにより債権者が変更されることがあります。 代表的なものが「債権譲渡」で、債務者の支払い等が滞っている場合、もともとの債権者Aは、債権者Bに債権を譲り渡すこともあります。
この債権者Bは、債権回収会社になることが多く、債務者がそのままにしておくと過剰な取り立てや請求がされることもあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
まとめ
債権者は主に貸借の場で使われることですが、一般的な購買行動などにも当てはまります。さらには、債権者の権限は非常に強力です。 債権者は給付を請求するために様々な方法がとれますし、債務者はしっかりと給付義務を果たすべきでしょう。 簡単に言えば、「借りたら返す」「対価を貰ったらその分を支払う」ということです。
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