生活保護は借金があっても受給可能|受給者が守るべき注意点


結論からいいますと、借金がある状態でも生活保護を受けることができます。
どんな理由であれ生活が困窮していることに違いはありませんので、最低限の生活を送るためにも生活保護制度を利用しても良いでしょう。
しかし、生活保護を受けるからには新たに借金することは絶対禁止といっても過言ではありません。
そこで、
- 生活保護費を借金返済にあてていいのか?
- ばれなければ借り入れしてもいいって聞いたことがあるけど…
- どんな人が生活保護を受けられるのか?
- 生活保護を受ける前にしっておくべきことはあるか?
などの疑問を解決しながら生活保護と借金の関係を深堀していきたいと思います。
借金問題の根本的な解決のためには、自己破産が有効です。
自己破産により免責を受けられれば、自分の抱えている債務がゼロになります。
多額の借金問題でお困りの方は、弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士に依頼するメリットは、下記の通りです。
- 受任通知により取り立てが停止する
- 自分にあった解決方法を提案してくれる
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日弁連がおこなった調査では、調査対象の自己破産の内、約9割に弁護士が関与していました。(2020年破産事件及び個人再生事件記録調査【データ編①破産事件】)
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借金があっても生活保護の条件に該当すれば受給できる!
受給の条件は、収入(収入にかわる資産)がないことです。また助けてくれる身内がいないことや、様々な手当て(児童扶養手当・高齢福祉手当・身体障害者福祉手当など)・減免制度を利用しても一定の生活を送ることが困難とみなされた場合は生活保護を受けることができます。
生活保護を受給するための要件
生活保護をもらうためには次の要件が必要であるとされています。
資産の活用
預貯金はもちろん土地・家屋などがあるような場合には売却等をして生活費を捻出することを一次的に検討しなければなりません。
能力の活用
働くことができる能力のある人は、その能力を活用して生活を立て直すことを一次的に検討しなければなりません。
社会保障制度の活用
年金、手当、給付金など行政が行う社会保障制度を活用することで生活を立て直すことを一次的に検討しなければなりません。
扶養が受けられないこと
民法の定める扶養義務者(親、子、兄弟等)からの扶養により生活を立て直すことを一次的に検討しなければなりません。
借金があること・自己破産や債務整理については生活保護の要件とは直接関係がない
生活保護を受けられるかどうかと、借金があること、や法的・任意的な債務整理をした・する予定であることなどは直接関係がありません。
生活保護を受給するための手続き
生活保護を受給するためにはどのような手続きによって行われるのか、おおまかな流れを確認しましょう。
事前に役所に相談をする
生活保護については、市区町村に相談窓口がありますので、生活保護を受給することを企図する場合は、まずは窓口での相談から開始してください。
突然窓口に訪れても担当者が不在である場合もありますので、事前に連絡をして相談に向かうことを推奨します。
具体的な申請の方法や申請後の手続の流れについて親切に説明してくれると思われます。
生活保護の申請
実際に生活保護を受ける場合には、社会福祉事務所の窓口に所定の申請を行ってください。わからないことがあれば相談窓口の担当者に相談しながら進めましょう。
生活保護支給の決定
生活保護の支給がされるか否かは、申請をしてから原則は14日以内、調査に時間がかかる場合でも30日以内に回答があります。審査期間中、世帯での収入や資産等や就労状況について調査が行われることもあります。
生活保護を申請するときに調査されること
生活保護を受けるために調査されることは以下の通りです。これらの調査によって、収入または収入にかわるものがないことで生活が困難であることが認められた場合は生活保護を受けることができます。
- 生活状況等を把握するための実地調査(家庭訪問等)
- 預貯金、保険、不動産等の資産調査
- 扶養義務者による扶養(仕送り等の援助)の可否の調査
- 年金等の社会保障給付、就労収入等の調査
- 就労の可能性の調査
引用:生活保護制度|厚生労働省
借金を抱えた人が生活保護を受ける際の注意点
ケースワーカーの指導が入る
借金がある場合でも生活保護は受けられますが、ケースワーカーから自己破産をすすめられる可能性があります。ケースワーカーとは、生活保護を受ける際に相談にのってくれる指導員のことをいいます。
また、ケースワーカーから言われたことは必ず守るようにと生活保護法で定められていますので、もし自己破産をすすめられた場合は生活保護ではなく自己破産をすることになるかもしれません。
六十二条 被保護者は、保護の実施機関が、第三十条第一項ただし書の規定により、被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、若しくは私人の家庭に養護を委託して保護を行うことを決定したとき、又は第二十七条の規定により、被保護者に対し、必要な指導又は指示をしたときは、これに従わなければならない。
引用:生活保護法
自己破産については【自己破産とは|自己破産の方法と破産後の生活の完全ガイド】をご覧ください。
生活保護費を借金返済にあてることは許されるか
生活保護費で借金をしてはいけません。返済しても問題ない旨が書かれたサイトを目にすることがありますが、大いに問題があります。
常識で考えて国民の税金からまかなわれている生活保護費を個人の借金返済に使うことは常識を反する行為です。また、厚生労働省にもこのような記載があります。
住宅ローンがあるために保護を受給できないことはありません。ただし、保護費から住宅 ローンを返済することは、最低限度の生活を保障する生活保護制度の趣旨からは、原則として 認められません。
よって住宅ローンに限らず返済にあてることは許されません。言わなくても銀行口座に返済の記録が残ればすぐにわかることです。生活保護を打ち切られる可能性もありますので生活費後費を借金返済にあてることは絶対にやめましょう。
生活保護受給中の借金や新規借り入れは避ける
生活保護を受けている間に新たな借金をすることは絶対にやめましょう。借金をしてはいけないという法律はないですが、こちらも大変非常識な行いです。
生活保護は生活が困窮している方を守るものですが、同時に受給者は生活を立て直すことも考えなければなりません。新たな借金のせいで余計に生活が困窮することが考えられますので、新規借り入れは絶対におすすめできません。
ばれなきゃ大丈夫という情報を信じないで!
稀に、福祉事務所にばれなければ借金ができるという情報を目にすることがありますが、このような間違った情報を信じてはいけません。
受給中になんらかの収入があった場合はその旨を申告する義務があり、借金も収入とみなされるのでもちろん申告対象です。
福祉事務所では受給者の銀行口座の内容を把握しています。申告もせずに借金をしていたことがわかった時点で、生活保護の打ち切りも検討されるでしょう。借金をしても生活難に陥るだけですので目先のことだけを考えて借金をすることは絶対にやめましょう。
隠れて借金することは常識はずれの行為だと認識する
法律で禁止されていないから借金をしても構わないと考える方もいるでしょう。しかしよく考えてみてください。借金を繰り返すことは何の解決策にもならないのです。もし借金をしなければならない事情があるならば一度ケースワーカーに相談してください。
債務整理を行いながら生活保護の申請をする
生活保護の受給と債務整理は直接関係のあるものではありません。
しかし、生活保護費を債権者に対する弁済金に回すことは、生活保護制度の趣旨に沿わないものとして許容されないとされています。この点は留意しましょう。
弁護士費用を懸念して、相談できない人もいるかと思います。まず、自身で自己破産を行う前に弁護士費用や安く抑える方法をご確認ください。
生活保護を受けている人が借金を返すには?
最後に生活保護受給者が借金を返すために知っておくべき3つの知識をお伝えします。
生活保護費を借金返済にあてるのはおすすめしない
まずは繰り返しお伝えしているように、生活保護費を返済にあてるのはやめましょう。ただし少額の借金やあと数回で返済が完了する場合は、自己破産が認められないこともあるため生活保護費から借金を返すことが認められるケースもあるようです。
いずれにせよ状況によって変化していきますのでどうしても借金返済にあてるのであれば必ずケースワーカーに相談しましょう。
自己破産で借金を0にする
自己破産は、借金返済が不可能になった場合の最終手段といえるものです。裁判所での手続きが必要になるため実際に裁判所に出頭しなければなりません。自己破産ですべての借金を0にすることはできますが自己破産により失うものもありますのでよく調べた上で決断する必要があります。
法テラスの民事扶助制度
自己破産手続を弁護士に依頼した場合は、当然、弁護士費用が発生します。
もっとも、依頼先の弁護士の承認の下で法テラスの民事扶助を利用すれば、法テラスが所定の弁護士費用を立て替えて支払います。そのため、同制度を利用した場合、法テラスに対して立替金の返済をしていくことになります。
なお、生活保護を受給している場合は一定の優遇措置があります。詳しくは法テラスにご確認ください。


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生活を立て直すために考え方を変える
生活保護の受給を考えているということは、生活が困窮状態にあるということでしょう。生活保護は、このような困窮状態から救済し、最低限度の生活を実現するための制度です。では実際に生活保護を受給することとなった場合はどのようなことに気をつければ良いでしょうか。
心身を整える
仮に肉体的・精神的傷病が原因で生活保護を受けることとなった場合は、まずは、傷病を回復させて就労能力を取り戻すことを優先的に考えるべきでしょう。そのため、生活保護を受給しつつ必要な治療を継続し、心身ともに健康を保つことを心がけるべきでしょう。
仕事につくための準備
就労能力を回復しつつある場合は就労のための準備活動を開始することも積極的に検討するべきでしょう。
例えば、ハローワークに定期的に相談したり、ハローワークの職業訓練を受けたりということが考えられます。このあたりは、生活保護ケースワーカーにも相談しながら進めると良いでしょう。
まとめ
借金があっても生活保護が受けられることと、生活保護費を借金返済にあててはいけないことを中心にお伝えしました。多額の借金がある場合は生活保護ではなく任意整理や自己破産を検討したほうが生活を立て直せるかもしれません。
生活保護を受けるべきか、それ以外の方法をとるべきかの判断が難しい場合は、一度福祉事務所に相談してみると良いでしょう。経済的に苦しい状況かとは思いますが、あなたが生活をたてなおす為の参考にしていただければ幸いです。


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