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過払い金請求に必要な取引明細書の請求・発行方法
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2018.10.11

過払い金請求に必要な取引明細書の請求・発行方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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「過払い金請求」が得意な弁護士に相談して悩みを解決
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取引明細書(取引履歴)とは、貸金業者が保存している業務帳簿に基づいて作成する、貸金業者と借り主との間で行われた貸付・弁済その他の金銭の授受の経過・債務内容が記載された記録のことをいいます。

貸金業者は、貸金業法上、債務者ごとに貸付の契約について、契約年月日・貸付金額・受領金額その他省令で定める事項を記載した業務帳簿を作成し、保存する義務があり、借り主にはその業務帳簿の開示請求権が認められています。
 

こうして作成される取引明細書は、過払い金額を計算する際に必要になります。

 

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取引明細書を取り寄せる方法と手順

まずは取引明細書を取り寄せる具体的な方法と手順を見ていきましょう。

 

貸金業者へ電話やメールで問い合わせる

自分で取引明細書を取り寄せて計算したい場合は、貸金業者へ電話して、取引明細書が欲しいと伝えるだけでもらうことができます。

問い合わせ先は、ホームページやカード裏面に記載されている連絡先、契約した支店などどこでも問題ありません。問い合わせれば担当部署に案内してもらえます。その後は、各社ごとに必要な書類などの案内をしてくれるので、それに従って請求を進めればOKです。

 

開示請求の方法は業者ごとに異なる

開示の手続きは貸金業者ごとに異なります。電話だけで郵送してくれたり、支店窓口へ行けばすぐに交付してくれたりする業者もいれば、所定の開示請求書への記載を求める業者もいます。

 

相続人が請求する場合|除籍謄本と戸籍謄本が必要

取引履歴の開示請求は、本人が亡くなっている場合には相続人が行うこともできます。ただし、この場合には、本人が亡くなったことがわかる除籍謄本と、自分が相続人であることがわかる戸籍謄本が必要になります。

 

専門家に依頼した場合のメリット

弁護士に依頼すれば、弁護士から業者側に取引履歴の開示を求めてもらうことができます。業者に取引利敵を開示してもらうまでには手間のかかる手続きが多いです。弁護士に任せれば、この手間を省くことができます。
 

また、本人が開示請求した場合と弁護士が開示請求した場合では、開示される履歴の体裁が異なる場合があり、本人取り寄せの履歴では計算が正確にできないことがあります。このような点からも、弁護士や司法書士に取引履歴の開示を依頼することはメリットがあるといえます。

 

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過払い金の取引明細書の取り寄せにかかる期間

取引履歴が開示されるまでの期間も、貸金業者によって異なります。その場ですぐに開示してくれる貸金業者もあれば、1週間から10日ほどかかったり、長ければ1ヶ月以上かかったりする貸金業者もあります。
 

後述しますが、開示請求しただけでは消滅時効は中断しないため、完済から10年近く経過している場合には、残されたタイムリミットから逆算して、早急に取引明細書を取り寄せ、返還請求に着手する必要があります。

 

取引明細書の請求時に気をつけること

過払い金を完済してからの方がよい

現時点で過払い状態かどうかを知るために、完済前に自分で明細書を取り寄せる方がいますが、ハッキリとした理由もなくとりあえず取引明細書を取り寄せてみる、といったことはおすすめしません
 

なぜなら、明細書や明細書と同封の書類に既に過払い状態であることが記載されていた場合や、担当者から過払い状態である旨の連絡を受けた場合など、履歴の開示を受けた後に契約上の残高を完済してから過払い金返還請求をすると、貸金業者側から「履歴開示のときに過払い状態であることを知らせたので、その後の支払い額は、過払い状態であることを知りながら支払われたものであるから、返還義務はない」という抗弁を受ける可能性があるためです。法律上は、債務がないことを知りながら弁済すると、その返還を求めることができないとされています(民法705条)。
 

以上のように、未完済取引の場合に取引明細書を請求することは、すぐに過払い金返還請求をするつもりがないのであれば、かえって完済後の過払い金返還請求に不要な争点・リスクを生じさせるだけになってしまいます。

 

取引明細書の保存履歴は必ず確認

貸金業者は、借り主から取引履歴の開示請求を受けた場合、これに応じる義務があります。そして、取引履歴は、貸金業法第19条で、最終返済日から10年間の保存が義務づけられています。そのため、10年以上前の履歴は破棄されている可能性もあります。
 

また、中には一部の履歴しか開示してこない業者もいます。このような場合に法的手段が取れるよう、履歴の内容には注意する必要があります。

 

開示請求は消滅時効の中断になる?

過払い金は、取引終了から10年経過すると消滅時効が成立します。消滅時効の成立を阻止するためには、時効が成立する前に時効中断の措置を取る必要があります。ここで注意したいのは、取引履歴の開示請求をしただけでは時効は中断しないということです。
 

すぐに過払い金返還請求に着手していれば、時効を中断できたところ、取引履歴開示請求を先にしてしまったため、履歴を取り寄せている間に、過払い金の全部または一部に消滅時効が成立してしまった、という相談事例は多々あります。

取引履歴の開示請求を考えている方は、消滅時効までの残りの期間を把握して、履歴取り寄せ中に過払い金の全部または一部に消滅時効が成立するリスクを考慮しておく必要があります。

 

取引理由を聞かれた場合

取引履歴の開示請求時に、利用目的を聞かれることがありますが、単に「取引内容を知りたいから」とだけ回答すれば問題ありません。もちろん、「過払い金請求のために必要だから」と本当のことを言っても、理由の如何にかかわらず、貸金業者には開示の義務があるため、開示を受けることができます。

 

もし相手が開示請求に応じない場合

2005年に成立した『個人情報保護法』では、『個人情報取扱事業者は、本人から、当該本人が識別される保有個人データの開示を求められたときは、本人に対し、政令で定める方法により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければならない』と定められました。

さらに、最高裁裁判所(平成17年7月19日判決)は、『貸金業者は債務者の取引履歴開示請求に応じる義務があり、拒否すれば不法行為となり損害賠償の対象になる』という旨の判決を下しました。
 

つまり、貸金業者には、借り主から取引履歴の閲覧・謄写を請求された場合、それに応じる義務があるのです。

 

金融庁への行政処分の申立てをする

上記のような義務に反して、貸金業者が取引履歴の開示を正当な理由なく拒否することは、違法行為にあたり、当然、行政処分の対象となります。そのため、取引履歴の開示を請求し、それを拒否されたときは、まず監督官庁に行政処分をしてもらうよう上申します。

 

取引履歴の一部しか開示されなかった場合

貸金業者に取引履歴の開示を請求しても、一部しか開示されない場合があります。このような場合は、相手が開示請求にまったく応じないときと同様、まずは監督官庁に行政指導をしてもらうように上申します。貸金業者も、監督官庁からの指導があれば、取引履歴を開示するケースが多いでしょう。
 

しかし、中には、行政指導があっても開示をしない業者もいます。そのような場合には、訴訟を提起するしかありません。

 

推定計算

訴訟を提起する際、取引履歴を自分で再現する必要があります。これを推定計算と言います。推定計算をする場合、手元に貸金業者との契約書や領収書がすべて残っていれば、それに基づいて計算をすればいいのですが、そのような書類が残っていることは非常にまれです。そこで、ほとんどの場合、債務者の記憶に基づいて計算をすることになります。
 

記憶に基づいて推定計算をする場合、どの程度正確でなければならないかという問題がありますが、実際にはそれほど正確である必要はありません。なぜなら、計算が相手方業者にとって都合の悪い結果になっていた場合、相手方から適宜指摘が入るからです。

そのため、推定計算をする場合は、実際の過払い金額よりも少なくなるような計算をする必要はありません。

 

専門家に相談

相手方が取引履歴の全部開示に応じない場合は、法律のプロである弁護士に相談するのが効果的です。弁護士であれば、監督官庁への上申から、訴訟の提起、推定計算まで、すべての手続きを迅速かつ丁寧に行うことができるからです。
 

上記すべての手続きを個人で行うことも可能です。しかし、訴訟を個人で提起し、戦っていくのは実質的には非常に難しいといえます。また、推定計算によって過払い金を算出するためには、過払い金返還請求に関するそれなりの知識と経験が必要になります。
 

したがって、貸金業者との交渉がうまくいかず、訴訟にまで発展する可能性がある場合には、弁護士に相談することをおすすめします
 

弁護士費用は事務所によって差異はありますが、相談料・着手金が無料の事務所も多く、成功報酬は返還された金額の10~20%が相場となっています。

 

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まとめ

取引履歴の開示請求は、過払い金返還請求の出発点であり、開示請求は借り主に与えられている権利です。注意すべき点を把握し、過払い金返還のために一歩を踏み出しましょう。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は債務整理ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※債務整理ナビに掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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