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催告書が届いたらどうするべき?無視するリスクや支払えない場合の対処法も解説

代表弁護士 野条 健人
監修記事
催告書が届いたらどうするべき?無視するリスクや支払えない場合の対処法も解説

借金についての催告書が届いたら、決して無視してはいけません。

催告書が届くということは、既に深刻な滞納状況にあるということですし、債権者が法的措置に踏み出す準備をスタートしたといえるからです。

催告書が届いたのに何の対応もしないままだと、近い将来民事訴訟を提起されたり、財産・給料などが差し押さえられたりするリスクが高まります。

そこで本記事では、催告書が届いたら早急にするべきことや催告書を無視したときに生じるリスク、催告書が届いた段階で弁護士へ相談・依頼するメリットなどについてわかりやすく解説します。

一刻も早く借金問題に対応するためにも、本記事を読んだらすぐに弁護士に相談するようにしてください。

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催告書が届いたらどうする?早急にやるべき3つのこと

まずは、催告書が届いたときに真っ先にするべきことを解説します。

【前提】そもそも催告書とは?|法的手段に訴える前の最後通告

催告書とは、金銭消費貸借契約の債権者から債務者に送付される書類のうち、借金の返済を求める旨を内容とする最後通告のことです。

たとえば、銀行や消費者金融、カードローンの返済が滞ると、延滞期間が数ヵ月になったタイミングで内容証明郵便の形式で送付されます。

催告書に記載されている事項は、以下のとおりです。

  • 債権者の住所・氏名
  • 債務者の住所・氏名
  • 催告書の作成年月日
  • 請求の根拠になる債権の内容(発生原因、請求金額、内訳、支払期日など)
  • 滞納の事実(支払期日、延滞日数、遅延損害金の金額など)
  • 催告書による請求の支払期日(7日以内、14日以内など)
  • 振込先
  • 期限までに支払いがなかったときに法的措置に踏み出す旨の警告文 など

なお、催告書と似た警告文書として督促状が挙げられます。

督促状は、催告書と同じく未払い状態の債務者に支払いを促す書面ですが、通常は催告書の前段階で送付されるものです。

つまり、催告書が届いたということは、その数週間前に督促状が手元に届いており、督促状で記載された支払期日までに滞納を解消していないことを意味します。

以上を踏まえると、催告書が届いた時点で、債権者が本格的に法的措置の準備をスタートしたと理解するべきでしょう。

催告書に記載された期日までに借金問題解決に向けて動き出さなければ、民事訴訟などへの対応を強いられるので、一刻も早く借金問題に強い弁護士まで相談してください。

1.架空請求の可能性を疑う

催告書が届いたときには、念のために架空請求や詐欺の可能性を疑ってください。

たとえば、借金について全く身に覚えのない人なら、催告書が詐欺であることにすぐに気付くでしょう。

一方で、過去に借金をした経験がある人や、どこから借り入れたかわからないほどの多重債務状態に陥っている人の場合には、架空請求に騙されてしまうリスクが生じます。

手元に催告書が届いたら、請求内容を確認したうえで、差出人名や振込先などをインターネット検索して詐欺かどうか確認してください。

詐欺かどうかの確証が得られないときには、警察や消費者庁に相談するのも選択肢のひとつです。

2.借金の時効成立に必要な期間が経過していないか確認する

催告書に法的根拠がある場合には、借金の返済義務が消滅時効にかかっているかを確認してください。

消滅時効が成立しているなら、催告書の求めに応じて借金を返済する義務はありません。

借金の返済義務は、債権者である消費者金融などが権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないときに消滅時効にかかります。

つまり、催告書に記載された借金について「最後に借金を返済した日から5年間」が経過していた場合には、消滅時効制度を使って借金返済義務から免れられるということです。

時効成立に必要な期間が経過していたら、「時効の援用」が必要

消滅時効の効果を主張するには、債務者側が債権者に対して消滅時効の援用をしなければいけません。

借金における時効の援用とは、簡単に言うと「借金の返済義務が時効になったので、もう返済はしません」と主張する手続きのことです。

消滅時効を援用する方法に決まりはありません。

電話やメールで債権者に時効を援用する旨を伝えてもよいですし、内容証明郵便を送付する方法によることも可能です。

時効の援用は弁護士に相談・依頼することが推奨される

消滅時効を援用するときには、弁護士に相談・依頼することを強くおすすめします。

その理由は以下のとおりです。

  • 催告書の記載内容や過去の取引履歴をチェックして消滅時効期間が経過しているかを正確に判定してくれるから
  • 言った言わないの水掛け論にならないために、内容証明郵便の方法で消滅時効を援用してくれるから
  • 「債務の承認」などのミスによって消滅時効が援用できなくなるリスクをゼロにできるから

債務者本人が直接債権者に連絡をすると、電話などでのやり取りの過程で債務の存在を認める発言などをしてしまいかねません。

消滅時効の完成を主張する余地がある場合、催告書が届いたからといっていきなり債権者に連絡をするのではなく、借金問題に強い弁護士に相談することを強くおすすめします。

3.指定された期限までに支払いを済ませる

催告書が届いたときに家計に余裕があるのなら、催告書において指定された期限までに請求額の支払いを済ませましょう。

なぜなら、自力で借金問題を解決できるのなら、労力と費用をかけてまで債務整理に踏み出す必要はないからです。

また、催告書に記載されている延滞分だけでも支払っておけば、一時的に滞納状態から脱却できるので、現段階で法的措置をとられるリスクも消滅します。

たとえば、預貯金から支払いができる状況なら、指定期日までに振込を済ませましょう。

手元に現金がなくても、自宅の不用品を売却するなどの金策で返済額を用意するのも選択肢のひとつです。

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催告書を無視して期限が過ぎたらどうなる?考えられる主なリスク

ここでは、手元に届いた催告書を無視したときに生じるリスクについて解説します。

借金の残債を一括請求される

催告書で請求されるのは、現段階で生じている滞納額です。

しかし、催告書が届いたにもかかわらず無視して滞納状態が継続すると、債務者が「期限の利益」を喪失して、借金の残債を一括請求されます。

期限の利益とは、「契約によって指定された支払日までは借金を返済しなくてよい」という法的利益・権利のことです。

カードローンやキャッシングなどの契約内容には期限の利益喪失条項が定められており、契約書所定の滞納期間が発生した時点で債務者は期限の利益を喪失すると規定されていることが多いです。

毎月の返済額さえ支払うことができない債務者にとって、残債の一括請求に応じるのは事実上不可能です。

もし借金を自力完済する選択肢を残しておきたいのなら、催告書が届いた時点で滞納分をしっかりと支払い、残債を一括請求されない状況にしておくべきでしょう。

裁判所から支払督促・訴状が届く

催告書が届いたのに無視を続けると、債権者が貸付金を回収するために法的措置に踏み出します。

債権者が裁判所に申し立てをすると、裁判所から支払督促や訴状などの書面が届きます。

さらに、裁判所の手続きが開始したのに無視を続けると、債権者の主張どおりの判決が確定します。

財産の差し押さえが実行される

民事裁判で債権者の勝訴判決が確定したにもかかわらず、判決の内容どおりに借金を返済しなければ、債権者が強制執行に踏み出します。

債権者が強制執行に踏み出すと、以下の財産などが差し押さえられることになるでしょう。

  • 給与債権
  • 預金債権
  • 土地
  • 建物
  • 自動車
  • その他金銭的価値のある財産

どの財産が差し押さえの対象になるかは債権者の裁量次第です。

強制執行されると対象になった財産は二度と戻ってこないので、「勝手に取られると困る財産がある」という場合には、強制執行段階に至るまでに借金問題解決に向けて動き出すべきでしょう。

信用情報に傷がつく

催告書が届く段階になると、信用情報機関にブラックリスト情報が登録される可能性が高いです。

信用情報に傷がつくと、一定期間以下のデメリットが生じます。

  • クレジットカードを新規発行できない、現在使っているクレジットカードも使えなくなる
  • 新規の借り入れやローン契約が認められない
  • 子どもの奨学金の連帯保証人になることができない
  • 家賃保証会社付きの賃貸物件の入居審査に落ちる可能性がある
  • 携帯電話の端末代金を現金一括でしか支払えなくなる など

なお、信用情報機関に異動情報が登録されたとしても、延滞状態を解消するほか、債務整理手続きが終了した場合には、一定期間が経過することでブラックリストは解消されます。

催告書が届いたあとも、払えない場合の対処法

催告書が届いたのに滞納額を自力で返済できないときには、速やかに対策に踏み出さなければいけません。

なぜなら、これ以上延滞期間が長期化すると、借金残債の一括返済を求められたうえで、法的措置に踏み出される可能性が高いからです。

ここでは、催告書が届いたのに返済できないときの対処法を解説します。

債権者に対して返済期日の延長を打診する

催告書が届いた段階では請求額を支払えないが、少し期間をかければ自力で返済できる状況なら、債権者に直接連絡して返済期日の延長や分割払いについて交渉をするのも選択肢のひとつです。

返済期日や返済方法は、金銭消費貸借契約の当事者間で自由に決定できるので、債権者側の合意を得ることさえできれば、時間をかけて自力完済を目指せるでしょう。

ただし、すでに一定期間延滞状態が継続しており、督促状を送付したにもかかわらず誠実な対応をしてない債務者に対して、返済期日の延長や分割払いを認めてくれる可能性は極めて低いです。

債務整理を検討する

催告書が届いた段階で自力完済を目指す余力が残されていないのなら、できるだけ早いタイミングで債務整理を検討してください。

債務整理とは、深刻な借金問題を抱えている債務者を救済する目的で定められた合法的な制度のことです。

債務整理をする際は、自己破産・個人再生・任意整理のなかから、債務者の状況に適した生活再建方法を選ぶことができます。

それぞれの制度の概要やメリット・デメリットは以下のとおりです。

任意整理
概要

債権者と直接交渉して、利息や遅延損害金をカットし、借金元本だけの返済計画を作り直す債務整理手続き

メリット

・債権者からの取り立てが停止する

・裁判所を利用しない手続きなので簡単

・任意整理する借金を債務者側が自由に選択できる

・家族に知られずに手続きを進めやすい

・返済負担になる利息や遅延損害金をカットできる

デメリット

・ブラックリストに登録される

・他の債務整理に比べると借金減額効果が小さい

・返済計画次第では毎月の返済額が高くなる

・一定の継続的な収入がなければ債権者が交渉に応じてくれない

個人再生
概要

裁判所を利用して借金元本自体を大幅に減額する債務整理手続き

メリット

・債権者からの取り立てが停止する

・住宅ローン返済中のマイホームを手元に残すことができる

・借金元本自体を大幅に減額できる

デメリット

・ブラックリストに登録される

・官報に掲載される

・連帯保証人に迷惑がかかる

・無職や安定的な収入がなければ個人再生手続きに成功しない

自己破産
概要

裁判所を利用して借金返済義務を免除する債務整理手続き

メリット

・債権者からの取り立てが停止する

・非免責債権以外の借金返済義務が帳消しになる

デメリット

・ブラックリストに登録される

・官報に掲載される

・連帯保証人に迷惑がかかる

・債務者名義の財産がほとんど換価処分される

・免責不許可事由が存在すると免責許可までのハードルが高くなる

・破産手続き中に就業制限を受ける資格や職業がある

過払い金請求
概要

貸金業者に支払い過ぎた利息の返還を求める手続きのこと

メリット

・過払い金が手元に戻ってくるので家計の支えになる

・借金返済中の場合には過払い金を返済に充当できる。

・過払い金によって借金残債を完済できればブラックリストに登録されない

デメリット ・過払い金で返済中の借金残債を完済できない場合にはブラックリストに登録される

このように、債務整理手続きはそれぞれメリット・デメリットがあり、法的効果も全く異なります。

債務者が抱える個別事情次第で適切な生活再建方法は異なるので、債務整理を選択するときには債務者本人だけで判断せず、必ず借金問題に強い弁護士に相談してください。

さいごに|催告書が届いたらひとりで悩まず弁護士に相談を!

催告書が届いたら、できるだけ早く弁護士に相談・依頼してください。

なぜなら、催告状を放置すると強制執行などの法的措置をとられる可能性が非常に高くなるからです。

また、借金問題に強い弁護士の力を借りることで、以下のメリットを得ることができます。

  • 催告書の内容を精査して、消滅時効の援用可能性を検討してくれる(可能であれば、債権者に対して援用手続きを履践してくれる)
  • 債務者の家計収支をチェックしたうえで、自力完済を目指す余地が残されているか判断してくれる(家計収支の整え方などの具体的なアドバイスも期待できる)
  • 自力完済が不可能だと判断されるケースでは、債務者の状況に適した債務整理手続きを選択してくれる
  • 債権者への対応や裁判所関係の手続き、必要書類の準備などを全て代理してくれる
  • 弁護士が代理人に就任した時点で債権者からの取り立てが停止する など

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この記事の監修者
かがりび綜合法律事務所
代表弁護士 野条 健人 (大阪弁護士会)
かがりび綜合法律事務所は、お一人おひとりの悩みに最後まで寄り添いながら問題解決に取り組んでおります。お気軽にご相談ください。
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編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。