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過払い金請求をすると住宅ローンの審査で不利になる?特に注意が必要なケースを解説

代表弁護士 野条 健人
監修記事
過払い金請求をすると住宅ローンの審査で不利になる?特に注意が必要なケースを解説

過払い金請求は、過去に払いすぎた利息を取り戻せる手続きですが、「過払い金請求が住宅ローンの審査に影響しないか心配...」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、過払い金請求によって住宅ローン審査で不利になるケースや、過払い金請求について弁護士に相談することのメリットを紹介します。

過払い金請求を検討している方や、これから住宅ローンを申し込む予定の方は、ぜひ参考にしてください。

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過払い金請求をすると住宅ローンに影響するの?

結論からお伝えすると、過払い金請求が現在契約中の住宅ローンに悪影響を与える心配はありません。

ただし、これから住宅ローンの審査をする場合は過払い金請求によって審査に通りづらくなる可能性があります。

過払い金請求とは、民法第703条で定められた不当利得返還請求権に基づき、消費者金融に対して払い過ぎた利息を返還してもらう手続きです。

2010年の利息制限法の改正以前に、グレーゾーン金利と呼ばれる高金利で消費者金融に対して返済をしていた方であれば、住宅ローン返済中の方でも問題なく手続きが可能です。

過払い金請求と契約予定・審査予定の住宅ローンの関係

過払い金請求をすると、これから契約予定の住宅ローンの審査に影響がでる可能性があります。

過払い金請求の住宅ローンへの影響の有無は、以下の3つのパターンに分けられます。

請求者の状況

影響の有無

完済した借金の過払い金請求をした場合

なし

契約中の借金の過払い金請求をして、借金がなくなった場合

なし

契約中の借金の過払い金請求をして、借金が残っている場合

あり

それぞれのケースについて、詳しく見ていきましょう。

1.完済した借金の過払い金請求をした場合|影響なし

過去に完済した借金について過払い金請求をおこなった場合、住宅ローンの審査に影響を及ぼすことは基本的にありません。

完済済みの借金に対する過払い金請求は、CICやJICC、KSCなどの信用情報機関に異動情報として記録されないためです。

過払い金請求は、あくまで払いすぎた利息を返還してもらう手続きであり、手続きそのものは債務整理には該当せず、金融事故にはなりません。

そのため、借金完済後に過払い金を請求しても、住宅ローン審査で金融機関に不利な情報として伝わることはないでしょう。

完済後の過払い金請求は、住宅ローン審査に影響を与えないことを理解し、安心して手続きを進めてください。

2.契約中の借金の過払い金請求をして、借金がなくなった場合|影響なし

現在契約中の借金に対して過払い金請求をして、請求額が借金の残高を上回ることで借金がなくなった場合も、住宅ローンの審査に影響を及ぼすことはありません。

過払い金請求の際は、過去の返済履歴について、現行の合法的な利息での返済額に計算し直す「引き直し計算」がおこなわれます。

引き直し計算の結果、回収できる過払い金によって残債を完済できる場合、信用情報に事故情報として登録されることはありません。

そのため、金融機関の審査に悪影響を与える心配はないのです。

なお、信用情報機関によっては過払い金請求によって、現在返済中の借金を減額したことが任意整理と同じ扱いになり一時的に事故情報が記録されることがあります。

しかし、過払い金請求によって借金が完済できた場合はすぐに情報が削除されるので安心しましょう。

むしろ、借金がなくなったことで債務負担が軽減され、住宅ローン審査において重視される返済能力の評価が向上する可能性もあります。

3.契約中の借金の過払い金請求をして、借金が残っている場合|影響あり

契約中の借金に対して過払い金請求をしたものの、請求額が借金の残高に満たず、借金が残る場合は、住宅ローンの審査に悪い影響を及ぼす可能性があります。

過払い金請求によって一部の利息が返還された場合、回収できた利息は現在残っている借金の返済に充てられ、結果として借金が減額されることになります。

この場合、任意整理と同じ扱いとなり、信用情報機関に事故情報として記録が残ってしまうのです。

結果として、過払い金請求の対象にした借金を完済してから5年間は事故情報が残り続け、住宅ローンの審査は厳しくなるでしょう。

住宅ローンを契約する予定がある場合は、過払い金請求の影響を考慮し、借金を完全に完済するか、信用情報に問題が発生しないよう慎重に対応することが大切です。

過払い金請求について弁護士に相談する3つのメリット

過払い金請求の影響や手続き内容について不安がある場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。

過払い金請求について弁護士に相談することは、以下の3つのメリットがあります。

  1. 住宅ローンに影響するか判断してもらえる
  2. 過払い金請求ができるか判断してもらえる
  3. 過払い金請求をする際の注意点などを知れる

それぞれについて、具体的に解説します。

1.住宅ローンに影響するか判断してもらえる

弁護士は、過払い金請求をはじめとした借金問題解決のプロフェッショナルです。

弁護士に相談すれば、自分の借金の状況を踏まえ、過払い金請求をした際の住宅ローン審査への影響を正確に判断してもらえます。

また、過払い金請求をするべきタイミングについても助言をもらえるため、住宅ローンの審査を有利に進めるための戦略を立てることも可能です。

2.過払い金請求ができるか確認してもらえる

過払い金請求は、全ての借金に対しておこなえるわけではありません。

その点、弁護士に相談することで、自分の借金が過払い金請求の対象になるかどうかを正確に判断してもらえます。

過払い金請求をするための条件は以下の2つです。

過払い金請求をするための主な条件
  • 2010年6月以前に借りた消費者金融やクレジットカードのキャッシングの借金
  • 完済してから10年以内の借金

過払い金請求は、2010年6月の改正貸金業法によって、過去の高金利が違法となったために可能となった手続きです。

そのため、2010年7月以降の借金に対しては、過払い金は発生しておらず、過払い金請求はできません。

また、過払い金の請求権は借金を完済してから10年間で時効となるため、すでに完済済みの借金について過払い金請求する場合は、時効が成立しているかの確認も必要です。

過払い金を請求できるかどうかは、借入期間や利息の支払い状況によって異なるため、個別のケースに応じた専門的な判断をしなくてはいけません。

弁護士に相談すれば、取引履歴をもとに過払い金の有無や請求可能額を算出してもらえるため、手続きを進める価値があるかどうかも明確になるでしょう。

3.過払い金請求をする際の注意点などを知れる

弁護士に相談すれば、事前に過払い金請求のリスクを理解し、適切な対策を講じることができます。

とくに、住宅ローンの申し込みを考えている方が過払い金請求をする際は、以下の3点に注意が必要です。

過払い金請求をする際の主な注意点
  • 住宅ローン審査の申し込みと過払い金請求を同時に進めるのは避けるべき
  • 過払い金請求の対象とした業者やグループ会社でのローン審査が通りづらくなる
  • 過払い金請求の結果とは関係なくローンが組めない場合もある

すでに住宅ローンを契約している方は、過払い金請求の結果によってローンに悪影響が出ることはほとんどありません。

一方で、これからローンを組もうとしている方は、過払い金請求の結果によっては信用情報に傷がついて審査に通りづらくなる可能性があります。

弁護士に相談すれば、過払い金請求をした際のリスクを理解したうえで、住宅ローンの審査に通りづらくならないような対策をとれるでしょう。

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過払い金請求と住宅ローンに関するよくある質問

ここでは、過払い金請求と住宅ローンに関してよくある質問をまとめました。

ぜひ参考にしてください。

Q.住宅ローンについても過払い金請求はできるか?

住宅ローンを過払い金請求の対象にすることはできません。

過払い金とは、消費者金融に対してグレーゾーン金利と呼ばれる高金利で返済していた借金についてのみ発生するものです。

住宅ローンは元々1%前後の低金利であり、過払い金が発生しているケースはまずありません。

Q.過払い金請求をするならタイミングはいつがよいか?

過払い金請求のタイミングは、住宅ローンを組んだあとにするのがおすすめです。

返済中の借金について過払い金請求をする場合、回収できた過払い金の金額によってはブラックリストとなってしまい、ローンの審査に通りづらくなります。

その点、過払い金請求の前に契約した住宅ローンは、万が一ブラックリストとなったとしても継続して返済できる可能性が高いため、比較的リスクは低いでしょう。

さいごに|過払い金請求をしても住宅ローンには影響しないことが多い!

本記事では、過払い金請求と住宅ローンの関係について詳しく解説しました。

住宅ローンを返済中の方は、過払い金請求をしてもローン返済に悪影響がでる心配は基本的にありません。

一方で、これから住宅ローンを組もうと考えている場合は、過払い金請求によってブラックリストとなり、審査が通りづらくなるリスクがあるので注意しましょう。

過払い金請求の手続き内容や注意点については、借金問題の解決に注力している弁護士に相談するのがおすすめです。

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この記事の監修者
かがりび綜合法律事務所
代表弁護士 野条 健人 (大阪弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。