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闇金とは│返済義務がない?闇金の実態や手口・対処法を解説

闇金とは│返済義務がない?闇金の実態や手口・対処法を解説

「もしかしたら闇金からお金を借りてしまったかもしれない」「業者の優しい対応が一変して、払えるはずのない大金を請求されている」

知らずにヤミ金からお金を借りてしまった人の中にはこうした悩みを抱えている方が多くいます。

そもそも闇金から借りたお金に返済義務はありません。

本来であれば、闇金業者からどんなに返済を迫られても、応じる必要はないのです。

とはいえ、相手は闇金ですから、必ずしも正当な主張が通じるわけではありません。

返金義務がないとわかっていても、あの手この手で脅されて返済を続けるしかない状況に追い込まれている方もいます。

そこで、本記事では闇金と関係を持ってしまった場合の対処法や、闇金以外のお金を用意する方法を紹介します。

闇金の実態や特徴、よくある手口をはじめ、ターゲットになりやすい人の特徴も解説するので「これからお金を借りようとしている業者が闇金か知りたい」という方もぜひ参考にしてください。

闇金から借りたお金に返済の必要はありません

闇金は違法な高金利を設定しているため、返済の義務はありません。

しかし、毎日のように続く取り立てに不安も感じているかと思います。

闇金ときちんと手を切るには、弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士に依頼をするメリットは下記の通りです。

  • 闇金業者の行う違法な取り立てが止まる可能性が高い
  • 即日解決するケースもある
  • すでに支払ってしまったお金の返還が期待できる
  • 闇金業者からの報復行為防止まで含めた相談が可能 など

闇金問題は早期解決が重要です。

初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しているので、まずは下記よりお気軽にご相談ください。

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この記事に記載の情報は2024年10月31日時点のものです
目次

闇金(ヤミ金融)とは?

闇金(ヤミ金・闇金融)とは、貸金業法上の登録を受けずに貸金業を行っている違法な貸金業者です。

通常、貸金業者を運営する際には、守らなければいけない法律がいくつかあります。

ところが、闇金はそれらのルールを無視して、利用者から不正に多額のお金を絞り取っているのです。

闇金がターゲットにするのは、事情があって通常の貸金業者からはお金を借りられない人や、闇金と知らずにお金を借りにやってくる人たちばかりです。

なかには反社会的な勢力とつながりのある闇金もいて、一度でも接点を持ってしまうと、個人の力だけでは関係を絶つことが難しいケースもあります。

また、闇金は摘発を逃れたり新たな顧客をカモにしたりするために、次々と新しい手段を講じてきます。

闇金と気付かずに関わりを持たないためには、本記事で紹介するような闇金の常套手段や新しい手口を知っておくことが大切です。

債務者から金銭を絞り取る闇金の違法性

闇金は非合法の貸金業者ですが、法律を無視したやり方がまかりとおるのは、それでもやむにやまれぬ事情で闇金からお金を借りる人があとを絶たないからです。

お金の貸し借りをする際は、お金を借りる側の立場が弱くなるものです。

闇金はその力関係を悪用して債務者(お金を借りた人)の立場を徹底的に弱くすることで、「金を借りたなら利子をつけて返すのが当然」と、まるで正当な権利であるかのように返済を迫ってきます。

繰り返しますが、闇金からの借金には返済義務がありません。本来であれば、返済を求められても応じる必要はないのです。

詳しくは後述しますが、借金の返済を求める際に脅しのような行為をとることも違法です。

ただ、そうはいっても「仕返しが怖くて払い続けるしかない」「周りに迷惑をかけたくないから、自分だけで解決しなくては」と考えてしまう方もいるでしょう。

個人での解決が難しい場合は、弁護士や司法書士などに勇気を出して頼ることで、今の状況から抜け出せる可能性があります。

【関連記事】闇金問題を弁護士に依頼するメリットとは?かかる費用やその他の専門家、注意点を解説

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付けば返済不能に!闇金で借金が膨らむ仕組み

闇金を利用した際に、よくあるのが「最初に借りたのはたった数万円だったのに、気付けば返済できないほどに借金が膨らんでしまった」という現象です。

しかし、なぜ闇金を利用するとこのような現象が起きるのでしょうか。その理由は、元々の金利設定と金利の計算方法にあります。

貸金業者が設定する金利は、出資法や利息制限法によって最高でも年利20%までと決められています。つまり、1年間借りても元金の2割までしか利息として上乗せされないのです。

一方、闇金の場合は法律上の利息上限を無視しているため、10日で1割(トイチ)、10日で3割(トサン)、10日で5割(トゴ)といった法定外の高金利が使われています。

たとえば、10万円をトイチで借りた場合、10日後には1割の利息が上乗せされて11万円の返済を求められるのです。

また、利息の計算方法には「単利計算」と「複利計算」の2種類があり、ほとんどの闇金では「複利計算」が使われています。

単利計算が元本のみに利息がかかるのに対し、複利計算では元金+利息の総額に対して利息を計算します。そのため、借金がものすごいスピードで膨らんでいくのです。

絶対に闇金を利用してはいけない3つの理由

「闇金に手を出してはいけない」と一般的に言われている理由は、単に違法な貸金業者だからではありません。絶対に闇金を利用してはいけない3つの理由をお伝えします。

①悪質な手口で契約・返済を迫ってくる

闇金は非常に悪質な手口で契約・返済を迫ってきます。

合法的な貸金業者であれば、お金の貸し借りを行う際にはきちんとした契約書を交わし、「金銭消費賃貸契約」を結ぶのが一般的です。

ところが、闇金の契約書や借用書には次のような注意すべき特徴があります。

  • あとから改ざんできるよう、一部を意図的に空欄にしている
  • 犯罪に使用したり脅しの材料にしたりするため、必要以上の個人情報を求めてくる
  • 証拠を残さないために契約書の控えを渡さない
  • そもそも契約書・借用書を交わさない

上記のような違法な契約書を盾に返済を強要してくる闇金業者もいますが、こうした契約書に法的な効力はありません。

ただ、契約時に空欄のある契約書を交わした場合、合法な書類に書き換えられて法的に返済を迫られるケースもあるので注意しましょう。

闇金の恐ろしいところは、お金を借りた本人だけでなく、本人の大切な人や職場などを巻き込んで、嫌がらせや脅迫まがいの執拗な取り立てを行う点です。

個人情報を握られているため逃げ場がないのをいいことに、容赦なく返済を迫ってきます。また、勝手に個人情報を悪用し、あなたを犯罪行為に加担させることもあるでしょう。

②トイチ、トサン、トゴなどの法定外の高金利

貸金業者にお金を借りるときは、返済時に利息が発生します。利息自体に違法性はありませんが、問題なのはその利率です。

日本では「利息制限法」という法律に基づいて、借入金額に応じて利息の上限が下記のように決められています。

借入金額

上限金利(年利)

10万円未満

20%

10万円~100万円未満

18%

100万円以上

15%

ところが、闇金の場合は上記を大きく上回る「トイチ」「トサン」「トゴ」などの法定外の金利でお金の貸し付けを行っているのです。トゴで1年間借りた場合の金利は、単利計算でも1,825%、複利計算だと267,504,316%という途方もない数字になります。

闇金がいかに暴利をむさぼっているかがわかるでしょう。

③最悪の場合は命の危険も

闇金を利用した場合、最悪のケースでは命に関わります。闇金からの借り入れに返済義務はないといっても、それを主張したところで闇金からの取り立てを止めることはおそらく難しいでしょう。

なぜなら、相手はすでに法律という強固なルールを破っており、正当な主張が通じないと考えられるからです。

実際に、2003年の大阪府八尾市で、闇金からの執拗な取り立てを苦に、家族3人が電車の踏切で投身自殺をする悲惨な事件が起こりました。

とある掲示板にも以下のような投稿が寄せられています。

借金地獄に苦しんでいます。

いっそ死んでしまいたいくらいです。

闇金に手を出したのが間違いでした。

引用: 借金地獄に苦しんでいます。 - いっそ死んでしまいたいくらいです。闇金に手... - Yahoo!知恵袋

通常の精神状態であれば対策を講じられるかもしれませんが、闇金の執拗な取り立てに追い詰められ、疲弊しきった精神状態では冷静な判断ができず、早まった選択をしてしまうかもしれません。

闇金の不法行為

闇金と正規の貸金業者との違いは次の通りです。

 

闇金

正規の貸金業者

認可

無許可・無登録営業

国または都道府県に届出済

所在地

非公表

公表

連絡先

固定電話なし

携帯電話・SNSによる連絡

固定電話あり

利息

法定外の高金利

利息制限法の範囲内(借入金額に応じて年利15%~20%)

取立範囲・方法

貸金業に対する規制を無視した悪質で執拗な取り立て。本人だけでなく、家族や職場に対して行われることもある。

お金を借りた本人に対して、貸金業に対する規制の範囲内で行われる。

闇金の不法行為について以下で詳しく解説します。

貸金業法違反

闇金は、貸金業法に以下の内容で違反しています。

無登録営業

貸金業者を名乗るためには、財務局(国)または都道府県に対して届け出を出し、認められることが必要です。登録が認められると「登録番号」が発行されます。しかし闇金業者は届け出をしていないため登録番号を持ちません。

登録番号の記載をしていなかったり、すでに使われていない登録番号を記載したりして営業を行っています。登録の有無は金融庁の下記のページで確認できます。

【参考】 金融庁|登録貸金業者情報検索入力ページ

固定電話がない

正規の貸金業者には、固定電話の登録が義務づけられています。ところが、闇金は固定電話の番号から所在地がバレるのを避けるため、窓口となる固定電話を持たずに営業しているケースがほとんどです。

取立て行為の規制違反

貸金業法第21条 には、債務者を守るために取立て行為に関する禁止事項が明記されています。たとえば、次のようなものです。

  • 21時~翌日8時までの取立て行為は禁止
  • 大声をあげたり脅したりしてはいけない
  • 家族など債務者本人以外に返済を求めてはいけない
  • 借金を第三者にバラしてはいけない
  • 勤務先など自宅以外の場所で取立てを行ったり電話をしたりしてはいけない
  • 帰って欲しいと言っても帰らない

しかし、闇金の取り立てはこうしたルールに反して行われるのが一般的です。

出資法違反

お金の貸し借りに関する法律に「出資法」がありますが、闇金は法定外の金利を請求する点において、この出資法に違反しています。出資法違反は刑事罰の対象となる行為です。

不法原因給付

闇金は 民法第708条 の「不法原因給付」にも該当します。この場合の不法原因給付とは、簡単に説明すると「道徳や法律を無視してお金を貸しても、返還を求めることはできない」という決まりです。

闇金は不法原因給付に該当します。つまり、闇金から借りたお金に返済義務はないのです。

違法なのになぜ?多くの闇金業者が摘発されない理由

闇金は違法です。しかし、なかにはインターネット上やチラシで堂々と宣伝している闇金もいます。

なぜ、違法営業でありながら、多くの闇金が捕まらずに営業を続けているのでしょうか。考えられる理由は2つあります。

闇金業者が多すぎて対応できない

すべての闇金が摘発されない理由は、単純に数の多さです。実は、警視庁が令和3年に公表したデータによれば、2020年の闇金関連の検挙事件数は592件、検挙人数は701人にも登ります。

つまり、すべての闇金がまったく検挙されていないわけではないのです。しかしながら、闇金業者の数が多いうえに新しい業者が次々に登場しているため、対応が追いついていないというのが現状です。

【参考】 警視庁|ヤミ金融事犯の検挙状況

闇金業者の特定が難しい

ほとんどの闇金は店舗を構えておらず、固定電話も利用していないため特定が困難です。

インターネット上に自社サイトを持っている場合も、海外のレンタルサーバーをいくつも経由して、簡単には所有者に辿り着けないようにしています。

また、闇金営業で使われる携帯電話番号やお金のやり取りに使われる口座は違法な手段で手に入れた第三者のものを利用しているケースが多く、そうした手口も警察による捜査を難しくしている要因です。

多様化する闇金の種類

闇金業界には次々と新しい手口が登場しています。よくある闇金の手口は次のとおりです。

それぞれの手口について簡単に紹介します。

090金融

090金融は、携帯電話番号だけで営業する貸金業者の手法です。本来、正式な貸金業者として営業するためには、固定電話が必要です。

ところが、090金融の場合は居場所が突き止められるのを防ぐため、固定電話を使わずに「090」「080」「070」などから始まる携帯番号で宣伝・融資などの営業を行っているため、「090金融」と呼ばれています。


【関連記事】 090金融とは|取り立ての手口・借りてはいけない理由・借りた場合の対処法

SNS闇金

SNSの普及により、TwitterやLINEを使って宣伝・融資を行う闇金業者も登場しています。

後述するソフト闇金を謳っている業者もあれば、闇金と名乗らずに、あくまで個人間のお金の貸し借りであることを強調して融資を行う業者も潜んでいるのです。

注意が必要なハッシュタグは、「#個人間融資」「#お金貸します」「#ソフト闇金」などです。SNS闇金のターゲットになりやすいのは、SNSを使いこなしている若者世代です。

そもそも闇金の恐ろしさを知らなかったり、「闇金からの借金は返済義務がないから、いざとなれば支払いを拒否できる」と楽観的に考えたりして、気付けば闇金の脅威から逃れられなくなっているケースもあります。

【関連記事】 個人融資掲示板・SNSが危険な理由|避けるべき6つのリスクを弁護士が解説

ソフト闇金

丁寧な対応で顧客を安心させる「ソフト闇金」にも注意が必要です。闇金といえば、いかにもな雰囲気の強面の男性が出てくるイメージがあるかもしれません。

ほかにも、こちらの弱みに付け込んで対応が威圧的だったり、言葉遣いが乱暴だったりというイメージをお持ちの方もいるでしょう。

しかし、ソフト闇金にはそのような一般的な闇金のイメージとは異なる次の特徴があります。

  • 対応や言葉遣いが丁寧
  • 優しく相談に乗ってくれる
  • 厳しい取り立てをせず、返済日延長の希望にも応じてくれる
  • 従来の闇金よりは金利を低く設定している(※とはいえ、2~3週間でおよそ3割程度)

暴力性は感じられないかもしれませんが、暴利で営業を行っている点は闇金と同じです。

ターゲットとなるのは闇金同様に“ほかで融資を受けられない事情がある人”で、闇金からお金を借りたくないと考えている人が、近年ソフト闇金に流れている現状です。

ソフト闇金の目的は、顧客に対して親切で丁寧な対応をすることで、警察や弁護士からの介入を避けることです。しかし、いくら物腰が柔らかくても、違法で貸し付けを行う業者であることには変わりありません。

ソフト闇金の対応の優しさは、「警察や弁護士に相談をされて回収ができなくなることを避ける」、「利用を長期化させてより多くの利益を得る」といった、結局は「ヤミ金としての利益」のための振る舞いなのです。

【関連記事】 ソフト闇金とは|ソフト闇金の実態と巧妙な手口

システム金融

システム金融は、主に資金繰りに悩む中小企業や個人事業主をターゲットに行われる手口です。

手形や小切手を担保に現金が融資されますが、異常なほどの高金利と、手形や小切手が人質として取られているため、返済する以外の選択肢がないのが特徴です。

返済できなくなると次々と闇金業者を紹介され、気付けば多重債務を抱えてしまうことになります。

〇〇担保金融

「自動車担保金融」や「年金担保金融」といった、自動車や年金を担保にお金を融資する手口もあります。

所有している車を査定し、担保金額の範囲内であれば誰でもお金を借りることができますが、返済不可能になった場合、車は戻ってきません。

またこの場合、正しい査定額で融資されているとは限りません。借りている金額以上の査定額の車を担保に取り、返済が滞るとただちに引き上げ、転売されてしまうこともあります。

年金手帳や実印などを担保に高金利で融資を行う業者もいます。返済は定期的に振り込まれてくる年金から自動的に行われるため、闇金業者にとってはかなりおいしい話です。

ほかにも生活保護給付、障害年金、児童手当などを担保に取る業者もいます。

さらに悪質な闇金業者になると、生命保険の保険金を担保に取り(加入させ)、死亡保険金として支払われるお金を奪い取る手口もあります。

債務者がいよいよ返済できなくなると、徹底的に追い込んで自死を選択させる、すなわち「死んで借金を返させる」ように仕向けてくるのです。

押し貸し、カラ貸し

押し貸し、カラ貸しもよくある手口です。まず、押し貸しというのは、利用者が拒否しても強制的に入金して返済を迫る手口です。

闇金業者のほうから「いつも利息を支払ってくれてとても信用があるので、もっと枠を大きくできますから借りませんか?」と持ちかけてくることもあります。

また、カラ貸しは押し貸しと似た手口ですが、一切入金を行わずに借りたことにされてしまう点でより悪質です。

突然、電話や郵便物、ダイレクトメールなどで「未払いの債権回収を依頼された。入金しない場合は強制的に回収を行う」と通知されます。

業者は具体的なことを一切言わなかったり、携帯番号だけを教えたりと明らかに不審であり、闇金業者というよりも単なる詐欺師に近い行為です。

そのほかにもこんな手口がある

そのほかにも、クレジットカードを利用した「クレジットカードの現金化」や、チケットや金貨を利用した「チケット金融」「金貨金融」、簡単に融資を受けられると見せかけて顧客を騙す「融資保証金詐欺」などさまざまな手口があります。

債務者を追い詰める闇金の手口

闇金からお金を借りている人は、そうでもしなければ生きていけない切実な事情を抱えている方も多いです。

家族や身内、友人に頼れず、自分で現状をどうにかしようとがんばった結果、いけないと思いつつも闇金に手を出してしまう人も少なくありません。

あるいは、「闇金とはいえきちんと返済すれば問題ないはず」と軽い気持ちで手を出して、実際にはあの手この手で返済させてもらえずに、気付けば多額の借金を取り立てられる場合もあります。

債務者(お金を借りた人)を追い詰める闇金の手口は次のとおりです。

狡猾な手段で個人情報を入手・悪用

闇金業者は、名簿業者からターゲットになりそうな個人の情報を買い取って営業をかけています。

また、自己破産した人や個人再生した人の情報が掲載される官報から、顧客になりそうなターゲットの情報を入手することもあります。

そのほかにも、スポーツ誌に広告を出したり、SNSでお金に困っている人を探したりしてターゲットを集めているのです。

また、雑誌やインターネットなどに宣伝広告を出したり、FAXやダイレクトメール・スパムメールを送りつけたり、電柱にチラシを張ったりして借主を募集することもあります。

このなかには、貸主のような顔をして、実は紹介手数料を目当てにしている仲介業者もいます。

問い合わせると住所や連絡先、勤め先などの情報を要求してきますが、闇金の場合はただ管理するためだけでなく、脅しや流出などに悪用するので注意が必要です。

完済させないように仕向ける

闇金は、返済日が訪れても返済日には請求してきません。

さらにこちらから電話しても、回線がつながらなかったり担当者が不在だったりといった具合に、返済を行うための連絡が取れないようにします。

利用者は返済のための口座を教えてもらえず、元金の返済ができません。しかし返済期日は過ぎているため、利息が上乗せされます。

利息分は払えないが用意した元金だけでも返済しようとしても、何かしらの理由をつけて返済を認めません。

闇金としては元金を返済されてしまうと取れる利子も少なくなりますし、完済されればそこで取引が終わってしまうため、なんとかして返済を引き延ばそうとするのです。

複数の闇金業者でグルになる

複数の闇金業者がグルになる手口もあります。

1社が融資を行い、返済の期限ぎりぎりで仲間の闇金業者が勧誘の電話をかけ、多重債務状態に陥らせる手法です。短期間で借金が膨らんでしまうのでとても危険です。

悪質かつ執拗な取立てで恐怖やダメージを与える

闇金利用者の職場や家庭に返済を要求する電話をかけたり、直接自宅に押しかけてきたりという行動に出る業者もいます。

「周囲にバレたくない」という利用者の心理に付け入るようにして、どこまでもしつこくつきまとってくるのです。


【関連記事】 闇金が行う取り立ての手口とは|返済不要・払わない方法を解説

電話攻撃

闇金業者の嫌がらせは、大部分が電話によるものです。

闇金業者にとっては、交通費や時間を費やして取り立てに行くよりも、電話によって催促・脅迫するほうがコスト的に安上がりだという理由があります。

昼夜問わず1日に何度も電話をかけ、債務者は常に監視されている感覚に陥り、精神的に追い詰められていくことでしょう。債務者本人が電話に出なければ、職場や家族にまで電話攻撃が及びます。

場合によっては、職場からの解雇や家族間のトラブルなどの実害が生じてくることもあるでしょう。

勝手にデリバリーを注文したり、救急車を呼んだりといった嫌がらせを行うこともあります。

職場や自宅まで訪ねてくる

滞納が長引くと、闇金業者は自宅や職場までやってきて返済を迫ります。「泥棒」や「金返せ」などの張り紙を行うこともあります。

利用者からしてみれば「ついに近くまでやってきた」と不安が増しますし、張り紙をされることで近所との関係が上手くいかなくなる可能性も出てくるでしょう。

そして、ついには返済するまで闇金業者が自宅前に待機するようになっていきます。

居留守を使ったとしても、水道メーターの変化や電化製品の動く音などで察知され、執拗に取り立てられるのです。

拉致

ここまでくると、非常に悪質で犯罪にもなってきますが、車でさらい、事務所のようなところに拉致して取り立てることもあります。

闇金業者の特徴5選

闇金業者を利用する人のなかには、闇金だと気付かずにお金を借りてしまう人もいます。闇金と関わったが最後、厳しい取り立てや執拗な嫌がらせに悩まされることになるでしょう。

そうならないためにも、闇金業者を見分けるポイントを5つ紹介します。

①無審査または審査が甘い

闇金は審査が甘い、あるいは無審査の場合が多いので無職の人でも借りられます。そして、その人の支払能力を見極めて小口のお金を貸してくれるのです。

なぜ返済能力のない人にそのようなお金を貸すのか? その目的は利息にあります。

最初により大きい額の金額を融資すればするほど、あとでより多くの利息を請求することができます。

闇金業者の目的はより多くの利息をむしりとることにあるのです。

くれぐれも闇金業者の手口に乗ってしまわないよう気をつけましょう。

②法外な利息と短期間の借り入れ

闇金の利息は、10日で1割の「トイチ」や、10日で5割の「トゴ」といった暴利がほとんどです。

5万円ほどを10日間借りて数千円の利息であれば、間違いなく違法な金利といえます。

合法的な業者は、このような暴利での貸し付けは行いません。現在の利息制限法での金利上限は最大でも20%までと決められています。

これは年間での利息です。仮に「トイチ」を年利に直すと、365%となり、適法な最大金利の18倍以上の暴利になります。

このような暴利を年利で表記すると、借入れする人も寄ってこなくなるため、闇金では借入期間が数週間程度の短期間のものがほとんどです。

③闇金業者によくある謳い文句

「ブラックでも簡単融資OK」「身分証一点ですぐに○万円キャッシング」「ほかで断られた人でも電話一本で」このようなチラシを目にしたことはないでしょうか?

このような甘い言葉で融資を持ちかけるのは、闇金の常套手段といえます。

短時間で済むような簡易審査を行うのは闇金だけで、合法的な消費者金融は法に基づきしっかりとした審査を行うので、誰でもすぐにお金を借りられるということはありません。

健全な貸付業者では不可能な条件ばかりが並べられていたら、間違いなく違法業者です。

下記のようなチラシには要注意です。

④所在地と電話番号が不明確

貸金業を営む場合には、貸金業規制法に従って国もしくは所在地の都道府県知事の登録を受けなければなりません。

所在地を明かさずに営業を行っている金融業者は違法な業者であり、無登録業者です。また、電話番号も固定電話のものではなく、携帯電話の電話番号を使用しています。

固定電話を登録しないことも貸金業法に反していて、090などから始まる金融業者を090金融とも呼びますが、こちらも闇金業者です。

【関連記事】 090金融とは|取立ての手口・借りてはいけない理由・借りた場合の対処法

⑤大手金融機関と名前が似ている場合がある

カモフラージュのため、よくCMで見るような大手消費者金融の名前に似せて営業を行う業者もいます。

「よく聞く名前だから大丈夫だろう」という安心感を与えておきながら、実は大手の業者とは一切関係ないので注意して見極めなければなりません。

金融庁が過去に寄せられた違法な金融業者の情報を発表していますので、確認をしてみましょう。

【参考】 違法な金融業者に関する情報について|金融庁

金融庁の登録貸金業者検索サービスを利用すれば安心

闇金かどうかを確認する一つの手段として、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」があります。

この記事でもすでに紹介しましたが、これを使えば正規の金融会社を調べることができます。

実際にお金を借りる前に検討中の金融会社を調べておきましょう。

【参考】 金融庁|登録貸金業者情報検索入力ページ

闇金のターゲットになりやすい人の特徴

闇金業者のターゲットになりやすい人の特徴は次の通りです。

多重債務者

最もターゲットになりやすいのは、すでに他所から借金をしている人や、いわゆるブラックリストに載っているような人達です。

すでに一般の消費者金融からの借入れができないため、高い利息であっても闇金へ流れてしまう傾向があります。

債務整理者

債務整理の方法にもよりますが、債務整理を行うと個人情報が「官報」というものに掲載されます。

官報は誰でも見ることができ、もちろん闇金業者もチェックしています。

ほかの金融機関から借入れを断られ続けた結果、ダイレクトメールなどで届いた闇金からの借入れの誘いに乗ってしまう人も少なくありません。

債務整理は、借金を減らすための方法ですが、債務整理を行った本人自らが借金癖を改善できていないと、このように闇金被害に遭ってしまうことも考えられるのです。

資金繰りに困っている中小企業や個人事業主

正規の金融機関から借入れができなくなった個人事業主や中小企業が闇金を利用するケースもあります。会社自体の存続は、自身はもちろん、従業員やその家族の人生にも関わる重大事項です。

守るべきもののために、貸付けのハードルが低い闇金に頼らざるを得ない状況になっている方もいます。

専業主婦

専業主婦は収入がないため、自由になるお金欲しさに闇金を利用するケースがあります。

ギャンブルや買い物依存症に陥ってしまう主婦もおり、借金が夫にバレないように借入れを繰り返すしかない状況に追い込まれてしまう人もいます。

すでに闇金からお金を借りてしまった人が今すぐとるべき行動

今現在、闇金に対して借金を抱えている人は一体どうすればいいでしょうか。

ここまで列挙してきた闇金のタチの悪さを見ると、「放っておけば大丈夫」という心持ちではいられないのがわかります。

しかし、いつまでも不安と恐怖を抱えながら人生を送らなくてもいいのです。

以下で、これからすべき行動を解説します。

闇金からの借入れに返済義務はない!まずは怯えず冷静になる

そもそも無登録・法外な金利という重大な法律違反のもとで貸付けが行われているものに関しては、返す義務がありません。

恐怖からパニック状態になってしまうと、冷静な判断ができず逆効果になってしまう可能性もあります。まずは一旦落ち着くことが大切です。

司法書士や弁護士を頼る

闇金と手を切るには、司法書士や弁護士に手伝ってもらうのが得策です。

司法書士や弁護士に依頼すれば、電話や内容証明で「以後支払いはしません、請求があるなら裁判で請求してください」という通知を行うことができ、これが届けば大半の闇金業者は嫌がらせをやめるでしょう。

しかし、司法書士や弁護士にまかせておけばすべての手続きを勝手にやってくれるというものでもありません。

闇金から逃れたあとも、生活を立て直していくための計画や努力が必要です。

司法書士や弁護士はそのために有効なアドバイスやサポートはしてくれますが、お金の問題を根本的に解決するには、本人がしっかりと覚悟を持つことが大切です。

【関連記事】闇金問題の相談先|弁護士や司法書士に依頼すべき理由とメリット

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警察に相談する

「闇金は警察に相談しても動いてもらえない」と思っている方も多いかもしれません。

しかし、あまりにも度を超えた取立てが行われ、命の危険すら感じるという程度にまで達したら、やはり警察に相談したほうがいいでしょう。

闇金問題は、警察署の「生活安全課」の窓口で相談できます。警察署によって対応日時が異なるため、相談に訪れる際は事前に電話をしておくといいでしょう。

また、警察官や元警察官の相談員による警察相談専用のナビダイヤル「#9110」に問い合わせることも可能です。

警察に相談する際は、電話の内容を録音したものや違法金利が明記されているもの、取引に使用した通帳などの貸し借りの記録のように、何らかの証拠を用意しておくと役立ちます。

ただ、闇金の取り立ては事件性が低いとみなされたり、証拠不足で捜査が難しいと判断されたりして、対応が後回しになることも珍しくありません。

早期解決を望む場合は、弁護士や司法書士などに頼ることをおすすめします。

どうしてもお金が必要な人の闇金利用以外の代替案

どうしても今すぐに資金が必要なら、それにはかなり深刻な理由があるはずであり、いかなる手段も辞さない状況かもしれません。

しかし闇金からお金を借りようとすることは絶対にやめてください。

闇金に頼らずとも、資金を用意する方法は実はこんなにあるのです。

過払金があれば返還請求をする

過去、消費者金融やクレジットカード会社からの借り入れがあり、年利20%より高い利息を支払っていた場合は、過払金(本来払う必要のなかった利息分のお金)が戻ってくる可能性があります。

【関連記事】 過払金とは?仕組みや過払い金返還請求をするデメリット、請求できる条件を解説

生活福祉資金貸付制度を利用する

あまり知られていない方法ですが、生活福祉資金貸付制度という公的な借入制度を利用する方法もあります。

これは、ほかから借入れをすることができなくなった人に対して、国がその人の生活に必要な資金を融資する制度です。

原則、保証人が必要ですが、保証人なしでも融資してくれます。

金利も保証人がいれば無利子、保証人なしでも年1.5%という低利で借り入れられます。

【参考】生活福祉資金貸付制度|厚生労働省

親族、知人から借りる

借りた分を無利息で返済していく手段として、人に頼ることが一番身を圧迫しないで済む方法といえるでしょう。

ただし、複数の人に頼ろうとするとすぐに返済能力の限界に達してしまいますので、最低限必要な分だけ、親族など一番身近な人から借りるようにしましょう。

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あくまでもこれを推奨するわけではないことを先に記述しておきますが、借入れ審査の柔軟度は、「消費者金融系>流通系>信販系>銀行系・独立系」の順番となっています。

なかでもとりわけ審査に柔軟な消費者金融であれば、「現在18歳以上69歳以下の安定した収入と返済能力を有する人」ならば審査に通る可能性が高いです。

ただし、「高利息な借金をする」ことに変わりはなく、収入が見合わなければ多重債務、最悪の場合は債務整理といった流れにもなりかねませんので、くれぐれもご注意ください。

借金を減らすために債務整理をする

どうしてもお金が必要だけど、ほかでも借りられない人は、借金が大きく膨れ上がっていることも考えられます。

お金を借りて、お金を返すというサイクルを一度変えてみて、借金を減らすということに焦点を当ててみましょう。

借金問題は、債務整理により大幅に改善できる可能性があります。

闇金に手を出してしまう前に、一度債務整理を検討してみましょう。

【関連記事】債務整理とは?債務整理の種類と違い、メリット・デメリットを解説

よくある質問

闇金に関するよくある質問をまとめました。

闇金とわかっていて借りたのが警察にバレたら逮捕される?

相手が闇金だとわかっていた場合でも、お金を借りただけでは逮捕されません。

しかし、闇金が摘発された際、闇金側に口座や個人情報が利用されていた場合は関与を疑われる可能性があります。

また、闇金に対して銀行口座や携帯番号などの情報を売っていた場合は、犯罪収益移転防止法や携帯電話不正利用防止法に問われるおそれがあるでしょう。

闇金で借りたお金を完済したが、まだ電話がかかってくる。電話番号を変えてもいい?

携帯電話の番号を変えれば、一時的に連絡は途絶えるかもしれません。

しかし、電話番号以外の個人情報を握られている場合は注意が必要です。

職場に電話がかかってきたり、ますます嫌がらせが悪化したりすることも考えられます。

闇金との関係をもとから絶ちたい場合は、個人で付け焼き刃的な対応をするのではなく、弁護士や司法書士などに頼るのが望ましいでしょう。

闇金から悪質な取立てを受けている。警察はどこまで介入してくれる?

警察に相談したからといって、すぐに対応してもらえるとは限りません。

なぜなら、警察には「民法上のトラブルが起こった場合には、基本的に当人同士で解決してください」という考え方があるからです(民事不介入の原則)。

警察に動いてもらうためには、闇金から違法な取立てを受けているとわかる証拠が必要です。

一刻も早い解決を望むのであれば、弁護士に相談してみましょう。

なお、警察に闇金被害を相談できる専用相談窓口として、「 悪徳商法110番」があります。

故人が闇金を利用していた場合、相続放棄できる?

闇金からの借入れには、そもそも返済義務がありません。そのため、故人が闇金から借入れを行っていたからといって、相続人に返済義務はありません。

とはいえ、闇金自体がそもそもルールを無視した集団ですから、常識や正当な主張が通用しないことも考えられます。

不当な取立てを受けて困っている場合には、支払いに応じるのではなく、弁護士に相談するなどして対処しましょう。

闇金でお困りの場合は弁護士にご相談を

闇金からの借入れには返済義務がないにも関わらず、利用者の中には闇金からの悪質で執拗な取立てに追われ、生きた心地のしない毎日を送っている方もいることでしょう。

闇金とは関わらないことがいちばんですが、もし、すでに関わりを持ってしまっている場合は、弁護士や司法書士などに相談して早急に縁を切りましょう。

闇金の中には、闇金と気付かせずにお金を貸し付け、返済が難しい状況になると態度を一変させる業者もいます。

闇金のよくある手口やターゲットになりやすい人の特徴、闇金に変わる金銭工面の手段をしっかり押さえておくことで、闇金の脅威から逃れられるでしょう。

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この記事の監修者
札幌パシフィック法律事務所
佐々木光嗣 (札幌弁護士会)
2018年2月に札幌パシフィック法律事務所を設立。スタッフも一丸となり「身近なリーガルパートナー」として迅速な問題解決を目指す。
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本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。