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闇金がおこなう取り立ての手口とは?払わない方法を解説

辻本 雅嗣
監修記事
闇金がおこなう取り立ての手口とは?払わない方法を解説

『闇金ウシジマくん』(ビックコミックス)という漫画をご存知でしょうか?

闇金業者の仕事を描いた作品で、映画やドラマにもなっています。

作中ではウシジマくん率いる闇金業者が、卑劣な取り立てで債務者(借金した人)を追い込んでいます。

しかし、そのような取り立ては漫画や映画の中だけではありません。

実際に、闇金からの取り立てが恐ろしいあまり精神的に追い込まれ、自殺してしまうケースが事件として取り上げられたこともあります。

「ヤミ金業者と話し合うことが疲れた。」こう書き残し、横浜市中区の男性(70)が先月13日、自宅で首をつって自殺した。遺書には、返済に苦しむ心情とともに、東京都台東区の貸金業者の名が挙げられていた。自殺の2日前に男性の自宅を訪れ、5万円の返済を迫った業者だった。

引用元:ヤミ金取り立てに追い詰められ自殺|livedoorBlog

闇金の取り立てに悩んでおり、もう疲れてしまった場合、自殺を検討する前に弁護士・司法書士に無料相談してみましょう。

違法な利子の支払い免除など解決の糸口が見つかるはずです。

この記事では、闇金の恐ろしい手口や実態、対策などをお伝えします。

闇金の取り立てに悩まされている方へ

闇金に手を出してしまった方は、弁護士に相談・依頼するのがおすすめです。

弁護士に相談・依頼すれば、下記のようなメリットが望めます。

  • 闇金に対して適切な対応方法がわかる
  • 闇金との対応を全て任せることができる など

弁護士・司法書士に依頼をすれば、違法な利子の支払い免除や今まで支払った分の金額を回収するなど、解決の糸口が見つかるはずです。

初回相談が無料の事務所も掲載しているので、まずは下記からご相談ください。

闇金の手口はコロナ禍で多様に!業者の実態とは

ここでは闇金の実態について紹介します。

闇金・闇金関与事件の逮捕率

警察庁から公開された情報では、無登録・高金利事犯や闇金融関連事犯による検挙率は年々増加傾向にあり、毎年億を超える被害金額を出しています

ヤミ金融事犯の検挙状況|警察庁

引用元:ヤミ金融事犯の検挙状況|警察庁

中小企業に対し融資すると勧誘し、法定利息の約3~50倍で貸し付け、2億円を受領した事件も起こっており、個人・企業問わず、闇金の被害は深刻です。

コロナ禍で多様化する闇金の手口

ひと昔前は、インターネットもあまり発達しておらず、闇金を利用するにも一定のハードルがあったように思えます。

なぜなら、闇金との契約は対面でおこなわれていたからです。

しかし昨今では、SNSやネットを通した闇金の手口も発生しており、闇金と知らないまま借入してしまい、法外な金利を請求されたり、犯罪に巻き込まれたりしてしまうケースもあります。

特に、インターネット上でおこなわれる「個人間融資」や、最近になってみられるようになった悪質な「ファクタリング」には、注意が必要です。

このような融資方法は言葉を変えていますが、実際の取引内容は闇金と同じになります。

闇金業者が必死にお金を回収する理由は給料のため

闇金業者は、回収したお金の利子で利益を得ているため、かなり強引な手口で取り立てをおこないます。

闇金業者にとって、利子は一般の会社でいう “売上金”と同じです。

回収率の高い従業員ほど給料は上がる傾向にあるので、私利私欲のためお金を回収しています。

 

闇金の取り立て手口6選|返済できないとどうなる?

闇金から融資を受けて、返済できないとどうなるのでしょうか。

ここでは、返済できない場合に闇金によっておこなわれる取り立ての手口を6つ解説します。

1.電話で執拗に催促する

闇金業者は、1日に100件以上電話で取り立てをすることも少なくありません。

100件以上の電話を法律で定められている適当な時間帯(午前8時~午後9時)以外にかけることで、精神的苦痛を与えて、逃れるにはお金を払うしかないと債務者(お金を借りた人)の心を追い詰めていきます。

第十九条 法第二十一条第一項第一号(法第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項、第二十四条の五第二項及び第二十四条の六において準用する場合を含む。)に規定する内閣府令で定める時間帯は、午後九時から午前八時までの間とする。

引用元:貸金業法施行規則第19条

(取立て行為の規制)

第二十一条  貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。

  正当な理由がないのに、社会通念に照らし不適当と認められる時間帯として内閣府令で定める時間帯に、債務者等に電話をかけ、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の居宅を訪問すること。

引用元:貸金業法第21条1項

2.暴力は使わず言葉で脅してくる

闇金業者はお金を回収するためなら脅し文句を平気で使います。

冒頭でもお伝えしましたが、暴力は使わないのがいまどきの闇金業者のやり方です。

  • 「お金を返さなければ殺す。」
  • 「お前は払わなくていい。仕方ないからお前の母親から返してもらうわ。」
  • 「警察や弁護士に依頼したらトコトン追い込むからな。」 など

このような言葉を浴びせられたら、通常であれば怖くて無視はできません。

また、毎日攻撃的な言葉を浴びせられれば精神に異常をきたすのは時間の問題でしょう。

3.会社に電話をかけてくる

貸金業法では、正当な理由をなしに債務者の会社に電話することは禁止されていますが、闇金業者に正論は通じません。

まともな貸金業者ではないため、職場まで平気で電話をかけてきます。

(取立て行為の規制)

  正当な理由がないのに、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所を訪問すること。

引用元:貸金業法第21条3項

4.近所に闇金業者を利用していることを暴露する

自宅のドアなどに「金返せ!」などの貼り紙をして、近所の人に闇金業者を利用していることを周知します。

近所で噂になれば、同じアパート・マンションに住んでいる方に会ったときに気まずい思いをします。

自宅にいても心が休まらないでしょう。

5.家族に嫌がらせをする

借金が返済されないときには、無関係の家族にまでも嫌がらせの電話をかけます。

闇金業者にとっては、資金さえ回収できれば誰に迷惑がかかろうと知ったことではないのです。

6.ピザを勝手に頼むなどの嫌がらせをする

闇金業者の嫌がらせは脅迫だけではありません。

たとえば、勝手に出前を頼んだり、救急車や消防車などを家の前まで呼んだりします。

「頼んでいません。」と言えばお金などの支払いはしなくて済みますが、何度も来られて周りの方にも迷惑をかけていると、かなりのストレスになるでしょう。

闇金業者から借金をしたときに知っておくべき知識

闇金業者からお金を借りてしまった方が身近にいるのなら、ぜひ知っておくべきことがいくつかあります。

闇金業者からの借金は返済をしなくてもいい

闇金業者でお金を借りたとしても、違法な金利の部分については返済しなくても法的には問題ありません

そのため、もし違法な金利を支払っていても、その分については返還請求をおこなって取り戻すことができます。

このことは、実際の事例に基づいています。

闇金業者が著しく高利で貸し付け、借主から金銭を取得した場合、借主が損害賠償請求をおこなうと、「借主が得た利益」を理由に損害額を減額することは、許されないとの判決が下されています。

裁判年月日 平成20年 6月10日

裁判所名 最高裁第三小法廷

裁判区分 判決

事件番号 平19(受)569号

事件名 損害賠償請求事件 〔五菱会事件訴訟・上告審〕

裁判結果 破棄差戻し 上訴等 差戻後、原判決変更、請求認容後、上告、上告申立て後、却下

文献番号 2008WLJPCA06109002

このため、闇金業者から借金をしても、違法な利息については返済をする必要はありません。

ただし、いきなり返済を辞めるのではなく、まずは弁護士や司法書士に相談するのが得策でしょう。

闇金業者からの借金で自己破産をする必要はない

そもそも自己破産をした程度で諦めるような組織ではありません。

また、前述のとおり、闇金業者に支払った利息分は戻ってくることもありますから、自己破産を検討する前に一度、弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。

弁護士・司法書士への依頼で取り立てを止められる

闇金業者の取り立ては、弁護士や司法書士に依頼することで、最短即日で解決できる場合があります。

これは、弁護士や司法書士が、「受任通知」を送付するためです。

この通知を受け取った貸金業者は、法律により、債務者本人への直接の取り立てが禁止されます。

その結果、闇金業者からの取り立てを止められる可能性があります。

今すぐにでも取り立てをストップさせたいのであれば弁護士・司法書士への依頼を検討しましょう。

精神的なケアが必要な場合がある

冒頭でもお伝えしましたが、闇金業者からの取り立てで自殺にまで追い込まれてしまうこともあります。

そのため、もし周りに闇金業者の対応にお困りの方がいる場合には、以下のことを伝えて、精神的なケアをしましょう。

  • 借金は返す必要がないこと
  • 闇金業者からの借金で債務整理する必要はないこと
  • 弁護士・司法書士に相談すれば取り立ては止まる可能性があること
  •  

闇金業者の取り立てから解放される方法

闇金業者の取り立てから逃れるための方法をお伝えします。

警察に相談する

闇金業者の取り立てをストップしたいなら警察署に行きましょう。

警察署の生活安全課に行けば、闇金業者に電話をしてくれます。

その際、闇金業者に振り込んだ明細や着信履歴といった証拠を持って警察署に行くようにしてください。

何も準備しないで相談へ行っても、警察も状況がつかめず、望んだ対応をしてくれないケースも考えられます。

警察署に行く場合には必ず「闇金業者から受けた嫌がらせの証拠」を持っていきましょう。

弁護士・司法書士に依頼する

弁護士に依頼する一番のメリットは、貸金業者(闇金業者)から債務者に対して取り立てをおこなうことができなくなる点です。

(取立て行為の規制)

第二十一条 

九 債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。

引用元:貸金業法第21条

闇金業者の中には、弁護士が介入しただけで取り立てをやめるケースも多く、これは刑事告発されるリスクを避けるからともいわれています。

闇金業者に悩まされている方にとっては、救いの手になるはずです。

 

闇金の取り立て対策にかかる弁護士・司法書士費用の相場

法律事務所によって料金体系は異なりますが、闇金業者の問題解決にかかる弁護士費用の目安は、おおむね1社につき約5万円程度です。

複数の闇金業者を利用している場合、弁護士費用を安くしてくれる法律事務所もあります。

また、司法書士に依頼する場合も、費用相場は1社につき、おおむね3万円〜5万円程度が相場となっています。

ただし、対応できる範囲(140万円以下の事案に限るなど)に制限があるため、事前に確認することが大切です。

弁護士・司法書士費用を用意できない場合の対処法3選

すでに闇金業者を利用している方の場合、そもそも弁護士・司法書士費用を用意すること自体、難しいことでしょう。

ここでは、依頼するための費用を用意できない場合の対処法について紹介します。

1.無料相談を利用する

法律事務所や司法書士事務所では、初回の相談を無料にしているところも多いです。

ただし、相談時間が1時間を超える場合や、複数回の相談になる場合には、有料となることがあります。

できる限り少ない回数の相談で解決できるよう、伝える内容を事前に整理しておくことをおすすめします。

2.分割払いに対応している事務所に依頼する

今すぐにまとまったお金を用意できないのであれば、分割払いに対応している法律事務所や司法書士事務所に依頼しましょう。

依頼費用の相場は、おおむね3万円~5万円程度ですので、数回に分割すれば支払えない金額ではありません。

ただし、対応している分割払いの回数については各事務所によって異なりますので、依頼する前にホームページで確認したほうがよいでしょう。

なお、事務所によってはクレジットカードなしでも分割払いに対応してくれることがあります。

3.法テラスを利用する

法テラスは、経済的に余裕がない方でも、法的なトラブルの解決をサポートしてくれる公的な機関です。

法テラスを利用することで、以下3つのメリットを得られるでしょう。

  • 3回(1回30分)まで無料相談できる
  • 弁護士・司法書士費用の立替制度がある
  • あと払い(2ヵ月後)や分割払いにも対応している

このように、法テラスは経済的に余裕がない方を助ける制度が整っています。

闇金の取り立て対策に強い弁護士・司法書士の選び方

闇金業者からの取り立てをなくすためにも、闇金問題に強い弁護士・司法書士の選び方のポイントをまとめました。

闇金トラブルの解決実績の多い事務所を選ぶ

闇金問題は、相手側が逃げ隠れしてしまい、解決が難しい事案でもあります。

そのため、過去に闇金問題を解決した実績がある弁護士・司法書士を中心に探していきましょう。

親身な対応をしてくれる弁護士・司法書士を選ぶ

無料で相談を受け付けている法律事務所や司法書士事務所は多数あります。

手間はかかりますが、無料相談を活用して複数の事務所に相談に行くことで、親身な対応をしてくれる弁護士や司法書士を見つけられるでしょう。

まとめ

身近な人が闇金業者から取り立てを受けている場合は、すぐに弁護士や司法書士に相談しましょう。

弁護士や司法書士であれば、受任通知を送付してくれるため、最短即日で取り立てをストップできる可能性があります。

また、場合によっては、払いすぎたお金を回収してもらえます。

闇金の取り立て手口に屈することなく、弁護士や司法書士に相談することが大切です。

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この記事の監修者
SAO司法書士法人
辻本 雅嗣 (東京司法書士会)
月間400件以上の解決実績をもつ。即日対応・24時間受付が可能。一人ひとりの状況に合わせた最適な解決策を提案し、借金問題からの解放をサポートしている。
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編集部

本記事はベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)に掲載される記事は弁護士・司法書士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。